【感想・ネタバレ】虚像淫楽 山田風太郎ベストコレクションのレビュー

あらすじ

晩春の夜更け、聖ミカエル病院に瀕死の女性が担ぎこまれた。女はかつて病院で看護師を務めていた森弓子で、昇汞を呑んでしまったという。千明医学士は手当てを始めるが、弓子の肢体に数条のみみず脹れを発見する。直後、弓子の夫が同じく昇汞を呑んで自殺。夫婦に何が起こったのか? 刻一刻と弓子の様態が悪化する中、驚愕の真相が明らかになる……。(「虚像淫楽」)探偵作家クラブ賞受賞の表題作を含む初期ミステリー傑作選!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

綾辻行人の賞賛の帯をみてよんでみました。はっきり言って珠玉の短編集。秀逸です。短編ならではの鋭い切れ味を堪能できるでしょう。

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2019年01月16日

Posted by ブクログ

山田風太郎は本物のストーリーテラーであることが分かるし、本当に文章が上手い。長いことずっと忍法帖のイメージしかなかったのだが、ここ何冊かでそれは大きく覆った。ここには9つの短編が収録されているが、いずれもが変幻自在なアイデアに満ちている。その視点は人間の深層を探り、戦争を憎み、何よりも小説的な面白さの追求に向けられている。
「厨子家の悪霊」と「黒衣の聖母」が好きだ。

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2017年05月21日

Posted by ブクログ

 山田風太郎の初期ミステリー傑作選。

 今まで作者の忍者物と明治物ばかり読み漁っていて、ミステリーの方は手に触れることがなかったのですが、読んでみたら、やはり山田風太郎、読み応えのある作品ばかりでした。

 忍者物に通じるエロティシズムや一筋縄ではいかない奇想天外なストーリー構成などが展開し、作者の魅力を再発見した感じでした。

 特に、人間の深い心の闇の部分を描写したストーリー展開は、ある意味人間ドラマのリアリズムを追求したようで、とても興味深かったです。

 まだまだ人について理解が不十分であることを実感しました。

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2017年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『眼中の悪魔』
自分の恋人である珠江を奪った友人・片倉に対する復讐。珠江の様子に疑いを持つ片倉。珠江に付きまとう異母兄弟・定の正体を疑う片倉。定に抱きつく珠江を目撃。珠江の目が見えなくなっているのではないかと心配し「私」に相談した片倉。「私」が下した診断。嫉妬に狂った片倉の殺人。

『虚像淫楽』
を飲んで重体となって病院に運び込まれた森弓子。弓子を運び込んだ義弟・酒井卯助。彼女が元勤めていた病院。彼女の家で死んでいた夫・酒井房太郎。弓子の体に残された傷の秘密。房太郎、卯助、弓子のゆがんだ関係。かつて弓子の恋人であった千明医師。

『逗子家の悪霊』
逗子夫人薫子殺害事件。遺体を発見したのは伊集院医師。遺体の横で踊っている義理の息子・弘吉。馨子の喉笛にかみついていた犬。犬を指差し「逗子家の悪霊」という弘吉。前妻の狂気により塩酸をかけられ仮面をかぶる弘吉の父親・荘四郎。弘吉の作る家族の仮面。犯人として逮捕される弘吉、容疑者となった伊集院医師。伊集院医師と馨子夫人の関係。

『蝋人』
密室で殺害された矢柄聖之介。あいていたのは人の体が通り抜けることができないほどの隙間のあいた窓。十字架を額に載せられアジサイを口に詰められた遺体。今西医師に送られた矢柄の手紙。彼が森で出会った兄妹。骨のない妹との恋。隠れキリシタンの村に隠された秘密。

『黒衣の聖母』
学徒出陣で出征した蜂須賀。出征前に愛した女性。復員後歩いた東京で出会った売春婦。学校で勉強しながら夜は売春婦として働く鏡子。子供を抱えている鏡子。暗い部屋で変わる女。鏡子にひかれ通い詰める蜂須賀。ある夜暗闇の中で観た女の顔。殺害された鏡子と蜂須賀に届けられた手紙。

『恋罪』
推理小説家・山田風太郎に宛てた手紙。疎開先で出会った女・黎子に再会した新納医師からの手紙。彼女の夫である伊皿子から暴力を受ける黎子。黎子の浮気を疑う伊皿子の暴力。彼女の為に伊皿子を殺害しようとする新納。黎子と結婚した新納に訪れたどんでん返し。

『死者の叫び声』
勤め先の社長から結婚を申し込まれた蘆川旗江。旗江に送り付けられた手紙。島津子爵家の結婚披露パーティーでの暴露事件の秘密。

『さようなら』
東京を襲ったペスト。ペストの被害拡大を防ぐために避難した住人。かつて空襲で焼けた町に似た町。空襲のために正気を失った女性とその女性を愛する男の犯罪。

『黄色い下宿人』
ジェームズ・フィリモア氏の失踪事件。日本の船ヒタチマルを訪れたのちに消えた。フィリモア氏の召使クロプアマンの絵画コレクション。日本人ナツメの下宿先でのギブソン氏の殺人事件。ギブソン氏の正体は?シャーロック・ホームズの推理とナツメの推理。

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2012年07月26日

Posted by ブクログ

手ごろな値段と万人受けしそうな短編をそろえている。
角川の値段ならそろえてしまいそうだが
光文社のほうがアクがつよくて好きだなぁ……。
なやむところ。
角川を買ってしまった。

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2010年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「黄色い下宿人」目当てで読む。ミステリーの中に、中国人を入れるなよ、というなんちゃらの法則を逆手にとった感じだった。

その病気は感染しないよな……と思ったらちゃんと注意書きがありました。よかった。

「恋罪」「死者の呼び声」はオチがよかった。

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2020年03月22日

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