山田風太郎のレビュー一覧

  • 警視庁草紙(上) ――山田風太郎明治小説全集(1)

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    以前から、かなり長い年月、読んでみたいと思っていたんですね。山田風太郎さんの明治モノ。
    というか、恥ずかしながら山田風太郎さんが、読んだことなかったんですね。
    なんとなく、若い頃は、青臭い心に「忍術モノは別にいいや」とか思っていまして。
    もうずっと、ほんとにこの10年くらい、読んでみたいなあ、とは思っていたので。ようやくでした。

    面白かったですね。これ。
    1973年から「オール読物」連載らしいですね。40年前ですね。
    明治初期、明治6年から明治9年くらいのお話。連作短編です。娯楽作品です。
    毎回、何かしらの犯罪があります。一応、「善玉=可哀そうな、応援したくなる人」がいて「悪玉=成敗したくな

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    2014年04月24日
  • エドの舞踏会 ――山田風太郎明治小説全集(8)

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    幕末維新を牽引した偉人の夫人達を描いた歴史小説。
    コミカルな中にも史実が散りばめられており歴史を学ぶ上でも為になる一冊。
    男性側の人物の特徴もうまく捉えられており興味深い。
    登場人物は井上馨夫人、伊藤博文夫人、山縣有朋夫人、黒田清隆夫人、森有礼夫人、大隈重信夫人、陸奥宗光夫人、ル・ジャンドル夫人。
    そこに鹿鳴館の舞踏会の人集めに奔走する山本権兵衛と大山捨松が登場する。

    偉人を支えている女性達がとても強かで、ある意味で彼女たちにも国家を支えていく気概が強かったのだろう。
    明治時代は欧米化が進む中で女性の社会的立場も大きく変わりつつあり、戦前の昭和とは違い、当時の女性の生き方、考え方を知ることも

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    2014年03月04日
  • 忍法八犬伝 山田風太郎ベストコレクション

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    ネタバレ

    設定がいいですよね。
    自由奔放に生きている青年たちが好きな女の為に命を賭けて使命を果たそうとする・・・。ワクワクするお話です。
    この八犬士たちがお互いさほど仲いい訳じゃないってのがまたいい味出していたように思います。
    確かにね、皆村雨を狙っていると知っているなら、変に手を取り合うよりも抜け駆けも辞さぬ、いい所見せたいと考えるのが自然でしょうから。

    忍法合戦については・・・、ちょっと意図が分からない点もあったかな?
    意図と言うか、なぜそこまでして性を絡めようとするのか。
    犬坂毛野のち●こ切り落として影を作る忍法とか、作者にとってち●こじゃないとダメな理由って何かあったのかな?と変な所が気になり

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    2014年02月18日
  • 十 ~忍法魔界転生~(2)

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    もう、女は完全に道具ですよね。
    気持ちいいぐらい。

    どれぐらいかというと、多分、宮﨑 駿「風立ちぬ」と同じぐらいの扱いです。

    こういうのを読むと、山田 風太郎は鬼だと思います。

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    2014年02月10日
  • 戦中派動乱日記

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    山田風太郎が描いた戦後のドサクサみたいな時代になっちまったねえ。違うのは山田風太郎並の知性が見当たらないことかなあ。

    自宅に100冊近い山田風太郎作品があるのが、密かな自慢だったのだけどこれを読んでいるとまだ未見の初期作品があまりに多いことを思い知らされる。また少し意識的に買い集めてみたくなる。

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    2014年01月31日
  • おんな牢秘抄 山田風太郎ベストコレクション

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    お奉行様の娘が、おんな牢にいる死罪が決まっている女囚に事件の話を聞いて、それぞれの黒幕を暴き出す。若干 都合の良さが見えるけれど、男社会で理不尽な責めを負わされた彼女たちを救えることにはホッとする。事の真相を教えられた彼女らの気持ちは混乱すると思うけどね。

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    2014年01月29日
  • 十 ~忍法魔界転生~(3)

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    「敵の編成」が終わって、いよいよ、ヒーロー十兵衛の登場です。

    しかし、魔人スカウト、柳生から3人も選ばれるとは、山田 風太郎は、ものすごく柳生好きですね。
    山田 風太郎のなかで、「柳生忍法帖」と「魔界転生」の十兵衛は、同一人物なんだろうかという疑問はあるのですが、こうやって見ると、違和感なく続いている感じがします。

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    2014年01月20日
  • 忍法八犬伝 山田風太郎ベストコレクション

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    安房の里見家に伝わる伏姫の珠がすり替えられてしまった!? 仁義礼智忠信孝悌の八つの珠に変わるのは、狂戯乱盗惑淫弄悦の偽の珠。全ては里見家取りつぶしを狙う本多佐渡守の仕業――自分の所為で里見が狙われたと思い、奔走する村雨姫。彼女の為に八犬士の子孫、けれどもろくでもない男ばかりの面々は甲賀で修業した忍術を駆使し、伊賀くノ一八人衆に立ち向かう。凄絶かつ妖艶な珠の奪い合い、ここに開幕!

    山風の八犬伝は読んだことあるけど、思えばちゃんとした彼の忍者小説を読んだのはこれが初めてでした。忍法~の方を先に知ってたんですけどね。読むのが大分遅れてしまった。最初雑事があってなかなか読書が進まなかったけど中盤に入

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    2014年01月11日
  • 自来也忍法帖

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    くノ一が多数登場するためエログロでくだらない忍法が頻出するが、自来也の正体で引っ張るところや、元気な姫が活躍するなどとっつきやすい作品。

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    2013年11月26日
  • 新装版 戦中派不戦日記

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    戦争ものに興味があり、自分なりに結構読んで来た……ようなつもりでしたが、こんなのがまだあったとは。

    小説はたくさん読んだけど、あの頃を生きた人の「日記」を読んだのは初めてかも。

    文語体の文章が少々とっつきにくいので、読み飛ばしてしまった箇所もあったけど、昭和二十年に東京で暮らしていた青年の生活や思ったこと、読んだ本などが書かれていて、とても興味深かったです。

    驚いたことがいろいろ。
    まず知らなかったのが、医学生は「学生」でいられた、ということ。
    勉強不足でした。

    東京大空襲があった日でも、大学では試験があったこと。

    あんな時代にエイプリルフールで(この人だけかもしれないけど)嘘をつい

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    2013年11月20日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    今のエンターテイメント小説の全てが入っている。
    全く古臭さを感じない、読みやすい、引き込まれる、傑作と呼ぶにふさわしい一冊でした。

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    2013年11月15日
  • 山風短(3)

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    時代物ではない山田 風太郎は、実は小説でも読んだことがないです。
    まあ、時代物ではないといいながら、舞台は昭和30年代なのですが。

    今回は、お色気なしで爽やかな感じです。
    山田 風太郎、こんなのも書くんだ。
    そして、せがわ まさきの絵、本当に、いいわぁ。

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    2013年11月14日
  • 地の果ての獄 上 山田風太郎ベストコレクション

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    明治の北海道を舞台にした物語。実在の人物がでてくるが、話は筆者の創作。明治時代の様子を思い描ける貴重な作品だと思う。明治18年頃が舞台だが、御一新から20年近く経っても、北海道は一部に鉄道が走るとはいえ、未開の地。そんな場所に最重刑の囚人が収容される集治監(今の刑務所)がある。そこに赴任した主人公が、偶然赴任の途上で知り合った日本人教導師から「何でもよいから囚人の話を聞いてやってほしい」といわれた言葉を無視しようとしながらも徐々に話を聞くようになる。御一新で生活が一変してもがきながら生きる人の交々が哀しい。

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    2013年10月27日
  • 山風短(1)

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    トンデモ時代劇を至極真面目に振り切ってやりきり、泣かせ処まで作ってしまうというこの力技。
    「無いだろっ」と思う驚愕の展開。
    ツッコミ処を指摘するのは野暮というものです。
    山田風太郎の短編をせがわまさきが漫画化。
    愉しめました。

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    2013年10月11日
  • 十 ~忍法魔界転生~(3)

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    表紙がまさかの主人公!

    物語も、ようやく「敵の編制」が終わり、本編に。といってもまだ「事件の起こり」くらいの段階ですが…
    何気に、初お目見えとなった魔人武蔵。これまで山風短にも出てきた彼が、「こう」なってしまったと思うと感慨深いものが。

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    2013年10月08日
  • 柳生忍法帖 下 山田風太郎忍法帖(10)

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    敵の本拠地に乗り込む後半戦。

    「甲賀忍法帖」の陽炎や「風来忍法帖」の篝火のように、この「柳生忍法帖」にもおゆらというバイプレイヤーが登場する。
    山田風太郎の本にはよく正ヒロイン以上に魅力的なサブヒロインが登場して、愛憎織り交ぜてストーリーをぐっと盛り上げてくれる。

    せがわまさきの「Y十M」も併せて読むと二度おいしい。

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    2013年09月24日
  • 明治かげろう俥 時代短篇選集3

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    山風明治短編選集、最終巻は、明治ものを手がける以前の、たまたま(?)明治を扱った短編を集めたもの。

    しかしここで扱われている作品は、図らずも「時代の大きな事件の影で、その人生を破滅へと向かわせることになった人々の物語」が集められているように感じた。そのため、読んでて実にキツいものが多かった。

    それにしても、表題作の登場人物、向畑治三郎の本当どうしようもない人生の変遷を描き、最後に「この無類に好人物の、哀れな、罪のない男の幸福な晩年を祈りたい。」と表する、作者の度量の深さに驚嘆する。それとともに、その思いを裏切るかのようなラストの"史実"にもまたどうしようもない人間のあり

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    2013年09月03日
  • 誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション

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    アパートを舞台に人間関係の綾が織り成す傑作ミステリー。下宿人に書き綴っていくという形式は面白い。もう一編のリレーの如く女に次々と金を使っていく話といい読者を飽きさせない。

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    2013年08月28日
  • 柳生忍法帖 上 山田風太郎ベストコレクション

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    加藤家の凄惨たる非道さも七人の女性たちの魅力もおゆらの切なさも十兵衛のかっこよさも全てよくまとまっていて、読み応えのある作品だった。

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    2013年08月25日
  • 忍びの卍 山田風太郎ベストコレクション

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    登場する忍法はエロいしグロいし、
    他の忍法帖に出てくるものと比べると
    そう大したものではないのだが、
    物語の展開においては必須だっただろう。
    刀馬の変貌ぶり、お京の決断には悲壮さが滲み出ている。
    忍び三人衆の受けた密命が明かされるラストは圧巻。

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    2013年08月18日