山田風太郎のレビュー一覧
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安房の里見家に伝わる伏姫の珠がすり替えられてしまった!? 仁義礼智忠信孝悌の八つの珠に変わるのは、狂戯乱盗惑淫弄悦の偽の珠。全ては里見家取りつぶしを狙う本多佐渡守の仕業――自分の所為で里見が狙われたと思い、奔走する村雨姫。彼女の為に八犬士の子孫、けれどもろくでもない男ばかりの面々は甲賀で修業した忍術を駆使し、伊賀くノ一八人衆に立ち向かう。凄絶かつ妖艶な珠の奪い合い、ここに開幕!
山風の八犬伝は読んだことあるけど、思えばちゃんとした彼の忍者小説を読んだのはこれが初めてでした。忍法~の方を先に知ってたんですけどね。読むのが大分遅れてしまった。最初雑事があってなかなか読書が進まなかったけど中盤に入 -
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戦争ものに興味があり、自分なりに結構読んで来た……ようなつもりでしたが、こんなのがまだあったとは。
小説はたくさん読んだけど、あの頃を生きた人の「日記」を読んだのは初めてかも。
文語体の文章が少々とっつきにくいので、読み飛ばしてしまった箇所もあったけど、昭和二十年に東京で暮らしていた青年の生活や思ったこと、読んだ本などが書かれていて、とても興味深かったです。
驚いたことがいろいろ。
まず知らなかったのが、医学生は「学生」でいられた、ということ。
勉強不足でした。
東京大空襲があった日でも、大学では試験があったこと。
あんな時代にエイプリルフールで(この人だけかもしれないけど)嘘をつい -
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山風明治短編選集、最終巻は、明治ものを手がける以前の、たまたま(?)明治を扱った短編を集めたもの。
しかしここで扱われている作品は、図らずも「時代の大きな事件の影で、その人生を破滅へと向かわせることになった人々の物語」が集められているように感じた。そのため、読んでて実にキツいものが多かった。
それにしても、表題作の登場人物、向畑治三郎の本当どうしようもない人生の変遷を描き、最後に「この無類に好人物の、哀れな、罪のない男の幸福な晩年を祈りたい。」と表する、作者の度量の深さに驚嘆する。それとともに、その思いを裏切るかのようなラストの"史実"にもまたどうしようもない人間のあり -
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『太陽黒点』が非常に面白かったので、もっと騙されたいと思って購入(笑)
中編「誰にも出来る殺人」と「棺(かん)の中の悦楽」の二本立て。
共通しているのは、恋心を持て余した男の悲しみ、といったところで、
どちらも切なく、やるせないけれど、愚か者の悪あがきがシニカルな笑いを誘う。
■『誰にも出来る殺人』
舞台は昭和30年代の場末のアパート「人間荘」。
二階建てで、部屋は全部で16室。
12号室の新しい借り主が押し入れに残された厚いノートを発見し、読んでみると、
その部屋の歴代の住人の中でノートの存在に気づいた者による手記が綴られていたが、
それは単なる日記ではなく、いずれもこのアパート