山田風太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『太陽黒点』が非常に面白かったので、もっと騙されたいと思って購入(笑)
中編「誰にも出来る殺人」と「棺(かん)の中の悦楽」の二本立て。
共通しているのは、恋心を持て余した男の悲しみ、といったところで、
どちらも切なく、やるせないけれど、愚か者の悪あがきがシニカルな笑いを誘う。
■『誰にも出来る殺人』
舞台は昭和30年代の場末のアパート「人間荘」。
二階建てで、部屋は全部で16室。
12号室の新しい借り主が押し入れに残された厚いノートを発見し、読んでみると、
その部屋の歴代の住人の中でノートの存在に気づいた者による手記が綴られていたが、
それは単なる日記ではなく、いずれもこのアパート -
Posted by ブクログ
昭和30年代後半(=1960年代前半)の東京で、
アルバイトしながら大学に通う青年が、
金持ちの娘と知り合い、ブルジョワの毒気に当てられて、
勤労や苦学には意味がないと思い始め、
上手く立ち回って「逆玉(の輿)」に載った方が利口だ、
と考えるようになり、周囲の人間を憎悪しながら野心を燃やす
という筋立てだと思ったのだが……一杯食わされた。
なんという理不尽な苦悩、そして死(二重の意味で)!
なるほど、これは戦争体験者にしか書けないだろうなぁ。
被害者もかわいそうだし、犯人も悲しい、
じゃあ誰が悪いのだと問えば「それは君たち読者だ!」と
指を突き付けられる気が――って、あ、それじゃ某「奇書」と一 -
Posted by ブクログ
[作品]
2011年出版。(オリジナルは1986年)
徳間書店。
[内容・感想]
忍法帖シリーズで有名な作家 山田風太郎 の歴史上の人物に関するエッセイ集。エッセイといっても作中で取り上げている人物に対しての作者の思いや感情といったものの記述は少なく、基本的には淡々と延々、歴史上の人物一人一人の死に様が享年順に短い文章でまとめられている。紹介される歴史上の人物は、武将、軍人、文化人、作家、役者、犯罪者など多岐にわたり、全巻通すと延べ900人に上る。
本書は、2011年に出版された文庫サイズ全四巻の新装版。二巻は、五十歳から六十四歳まで。本書は古今東西ありとあらゆるタイプの歴史上の人物の死が -
Posted by ブクログ
[作品]
2011年出版。(オリジナルは1986年)
徳間書店。
[内容・感想]
忍法帖シリーズで有名な作家 山田風太郎 の歴史上の人物に関するエッセイ集。エッセイといっても作中で取り上げている人物に対しての作者の思いや感情といったものの記述は少なく、基本的には淡々と延々、歴史上の人物一人一人の死に様が享年順に短い文章でまとめられている。紹介される歴史上の人物は、武将、軍人、文化人、作家、役者、犯罪者など多岐にわたり、全巻通すと延べ900人に上る。
本書は、2011年に出版された文庫サイズで全四巻の新装版。一巻は、十代から始まり四十九歳まで。若者が多いせいか、悲劇的な死に方が多い。常日頃、