山田風太郎のレビュー一覧

  • 斬奸状は馬車に乗って 時代短篇選集2

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    その人間の性質に対し、一番試練となるイベントをぶつける。
    そこらへんの手腕が猛威を振るっている短編が収録された本作。

    明治幕末を舞台に、愚直に己を貫くものも、誘惑に負けて欲望に生きるものも、もれなく不幸になるような話が主です。
    そして勝利するのは大悪党。

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    2013年07月25日
  • 誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション

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    『太陽黒点』が非常に面白かったので、もっと騙されたいと思って購入(笑)
    中編「誰にも出来る殺人」と「棺(かん)の中の悦楽」の二本立て。
    共通しているのは、恋心を持て余した男の悲しみ、といったところで、
    どちらも切なく、やるせないけれど、愚か者の悪あがきがシニカルな笑いを誘う。

    ■『誰にも出来る殺人』
     舞台は昭和30年代の場末のアパート「人間荘」。
     二階建てで、部屋は全部で16室。
     12号室の新しい借り主が押し入れに残された厚いノートを発見し、読んでみると、
     その部屋の歴代の住人の中でノートの存在に気づいた者による手記が綴られていたが、
     それは単なる日記ではなく、いずれもこのアパート

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    2013年07月14日
  • 魔界転生 下 山田風太郎ベストコレクション

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    ヒロインを守る集団というパターンは他の忍法帖でも使われているが、今回も全員役に立って死んでくれる。

    魔剣士たちとの戦いも、必ず十兵衛がさまざまな工夫を凝らして1対1で倒す。おざなりにしている闘いはひとつもない。こういう隙のなさというか、こだわりが「さすが山田風太郎だなあ」とか「苦労したんだろうなあ」とかの感慨を催す。

    敵も味方も殺し合って最後にはきれいさっぱりになってしまう。それは哀愁でありカタルシスでもある。

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    2013年07月13日
  • 魔界転生 上 山田風太郎ベストコレクション

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    上巻の半分近くまで主人公である柳生十兵衛は名前しか出てこず、7人の魔剣士の登場に尽くされる。本書は中学生の時初めて読んだのだが、最初は柳生如雲斎が主人公だと思っていた。途中から出てくるへらへらした奴に殺されてしまって「???」だった。

    とはいえ、あまりに敵が魅力的なので主人公が出てこなくても全く気にならなかった。しかし、こんな書き方は、しかも連載小説で、山田風太郎しかできないのだろうなあ。

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    2013年07月13日
  • 信玄忍法帖

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    忍法合戦よりも武田軍の苦心や苦悩がメイン。僕は甲府生まれなので登場する武将や地名に馴染みがあり、その分余計に楽しめたのではないかと思いました。

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    2013年07月07日
  • 妖説太閤記(上)

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    下劣な野望を抱きつつ、人を魅了していくカリスマ秀吉の成り上がり一代記。時代の全てを見通してきたかのような竹中半兵衛が冷酷な軍師として暗躍。

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    2013年07月04日
  • 十 ~忍法魔界転生~(2)

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    一人、また一人、魔界転生の剣士が生まれる中、未だ出ることのない十の人。柳生十兵衛の登場を待ち続けるけど、主役不在でここまで物語が引っ張れるというのは凄すぎ。

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    2013年06月26日
  • 十 ~忍法魔界転生~(1)

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    これ、これ。
    これが読みたかったんですよ。

    せがわ まさきの「魔界転生」。
    お話はまだ、はじまったばかりです。

    たしか、これ、主人公の十兵衛って、半分ぐらい話が進むまで、出てこなかった気がしますが。

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    2013年06月14日
  • 幕末妖人伝 時代短篇選集1

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    幕末の妖人達(そのセレクションもまた素晴らしい)の、凄まじい生き様を描く連作集。

    短編としてはどこかで読んだことのあるものばかりでしたが、この形態(具体的には、ラスト1行の有無)で読むのははじめてで、読後のインパクトが倍になるよう感じました。

    後世に名を残すような偉人は、良くも悪くも関わる人間を巻き添えにするといったあたりはラストの「伝馬町から今晩は」に最も印象的に描かれているところであります。

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    2013年06月05日
  • 太陽黒点 山田風太郎ベストコレクション

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    昭和30年代後半(=1960年代前半)の東京で、
    アルバイトしながら大学に通う青年が、
    金持ちの娘と知り合い、ブルジョワの毒気に当てられて、
    勤労や苦学には意味がないと思い始め、
    上手く立ち回って「逆玉(の輿)」に載った方が利口だ、
    と考えるようになり、周囲の人間を憎悪しながら野心を燃やす
    という筋立てだと思ったのだが……一杯食わされた。
    なんという理不尽な苦悩、そして死(二重の意味で)!
    なるほど、これは戦争体験者にしか書けないだろうなぁ。
    被害者もかわいそうだし、犯人も悲しい、
    じゃあ誰が悪いのだと問えば「それは君たち読者だ!」と
    指を突き付けられる気が――って、あ、それじゃ某「奇書」と一

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    2017年11月10日
  • 十 ~忍法魔界転生~(2)

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    表紙は坊太郎だけど、宗矩巻。魔人宗矩のビジュアルが超良い。

    しかし相変わらず、単行本の区切りが悪いなぁw

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    2013年05月27日
  • 十 ~忍法魔界転生~(2)

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    圧倒的な面白さ。せがわまさきの山田風太郎サーガの最高傑作間違いなし。人間の未練、妄執が痛いほどページをめくるたびに伝わってくる。これだけボルテージが上がっているのに主人公はまだ登場せず。次巻の刊行が待ちきれない。

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    2013年05月24日
  • 人間臨終図巻 2

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    [作品]
    2011年出版。(オリジナルは1986年)
    徳間書店。

    [内容・感想]
    忍法帖シリーズで有名な作家 山田風太郎 の歴史上の人物に関するエッセイ集。エッセイといっても作中で取り上げている人物に対しての作者の思いや感情といったものの記述は少なく、基本的には淡々と延々、歴史上の人物一人一人の死に様が享年順に短い文章でまとめられている。紹介される歴史上の人物は、武将、軍人、文化人、作家、役者、犯罪者など多岐にわたり、全巻通すと延べ900人に上る。

    本書は、2011年に出版された文庫サイズ全四巻の新装版。二巻は、五十歳から六十四歳まで。本書は古今東西ありとあらゆるタイプの歴史上の人物の死が

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    2013年05月20日
  • 人間臨終図巻 1

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    [作品]
    2011年出版。(オリジナルは1986年)
    徳間書店。

    [内容・感想]
    忍法帖シリーズで有名な作家 山田風太郎 の歴史上の人物に関するエッセイ集。エッセイといっても作中で取り上げている人物に対しての作者の思いや感情といったものの記述は少なく、基本的には淡々と延々、歴史上の人物一人一人の死に様が享年順に短い文章でまとめられている。紹介される歴史上の人物は、武将、軍人、文化人、作家、役者、犯罪者など多岐にわたり、全巻通すと延べ900人に上る。

    本書は、2011年に出版された文庫サイズで全四巻の新装版。一巻は、十代から始まり四十九歳まで。若者が多いせいか、悲劇的な死に方が多い。常日頃、

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    2013年05月20日
  • 忍法創世記

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    忍法帖の中でも時代背景はやや古く室町時代となっている。
    時の権力者と、南北朝の対立と、三種の神器をめぐっての争いが、敵対しながらも惹かれあう男女の葛藤を交えて語られる。

    忍法帖ならではの実際の歴史に裏打ちされた闇の戦い、世界観に浸れることは容易い。結末は忍法帖ならではの全員討ち死に、虚無感漂う幕切れだった。

    甲賀忍法帖に近いかもしれない。

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    2013年05月15日
  • 幕末妖人伝 時代短篇選集1

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    「東京南町奉行」 がお気に入り。

    生きざまを貫き通す頑固じいさん、カッコいいです。

    結びもまたいかしてるんだなぁ。

    山田節で描かれる、万札のあの人が妙味。

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    2013年05月30日
  • 十 ~忍法魔界転生~(1)

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    原作でも冒頭と世界観・忍法説明部分が長いんだけど、漫画版でも1巻中に十兵衛が出てきませんw
    この作品をビジュアル化するとき、常に関心の集まるポイントに「天草四郎をどう描くか」があって、いい意味でちょっと意表を突かれるデザインで、先が楽しみです。

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    2013年05月08日
  • 十 ~忍法魔界転生~(1)

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    やっぱり山田風太郎の原作をせがわまさきが漫画にすると、傑作になること間違いなし。というか、先が読みたくて原作小説を読むかどうか悩んでしまう。それにしても「魔界転生」は映画化もされてるし、元ネタとして傑作だと考えている人がいかに多いのかって事なんだろうけど、先に小説を読むと漫画で読む時の驚きが消えてしまうからなぁ、うーんどうしよう

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    2013年04月13日
  • 太陽黒点 山田風太郎ベストコレクション

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    ラストの独白が全ての小説ではあるがそのほかの登場人物のその後も知りたかった。前半ひたすら落ちぶれていくキャラクターにページをめくる手が重くなった。

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    2013年04月10日
  • 明治断頭台 ――山田風太郎明治小説全集(7)

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    山田風太郎の中でも傑作ミステリーと名高い本作。明治シリーズでおなじみ川路利良が登場。
    巫女エスメラルダのトリック解説が全てカタカナで読めない漢字の読みがそこで分かったりした^^;

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    2013年03月27日