山田風太郎のレビュー一覧

  • あと千回の晩飯 山田風太郎ベストコレクション

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    マイブームという言葉は、もう死語になってしまったけれど、
    最近、山田風太郎ブームが続いています。

    冬になると、日照時間が短いせいなのか、気温のせいか、気分が落ちる日が多くなります。
    こういう状態だと、何もしたくないんですが、氏の著作は、なぜか読めてしまいます。

    氏の「忍法帖シリーズ」は、忍者モノの金字塔で、海外でも多く読まれています。

    私たちが忍者といったらアレだなと思い浮かべる原形を考えた人です。
    エッセイも、抜群に面白い。調子が凄く良い時の後、必ずやってくる不調、
    何故か氏の文章は、読みたくなります

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    2020年06月13日
  • 戦艦陸奥〈戦争篇〉~山田風太郎ミステリー傑作選5~

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    陸奥の爆沈をテーマにした「戦艦陸奥」他の短編小説集。文章がややレトロ調で、時代がかって
    いる感はあるものの、戦時中の世相がよく描かれている。
    陸奥の爆沈の原因は諸説あるが、乗組員による放火、爆破説が有力のようだ。当時の海軍では
    下士官による水兵の私的制裁が日常化していたとか。これを恨んだ水兵が犯行に及んだのではな
    いか、という説が有力で、結局千人以上が亡くなった。小説では別の原因になっているが、死と
    隣り合わせの戦時下、ファシズムの嵐が吹き荒れる日本では、みんなまともな精神状態ではいら
    れなかったのかもしれない。

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    2020年05月30日
  • 風太郎不戦日記(1)

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    昭和20年1月1日から始まる医学生の日記は、東京の激動の日々を描き出す。2月末から現在までの閉塞した日々は戦時中にも似ていると思いながら読む

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    2020年04月11日
  • 風太郎不戦日記(1)

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    山田風太郎がまだ作家になる前の医学生だった昭和20年につけていた日記をコミカライズしたもの。元が日記なので漫画として成立させるべく脚色を加えているのだが、その采配が見事。勝田文ってこんなに漫画が上手かったのかと驚愕した。
    しかし、ジーヴスシリーズもそうだけど原作モノのやるときの勝田文の目の付け所は凄いな。

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    2020年04月03日
  • 風太郎不戦日記(1)

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    山田風太郎の「戦中派不戦日記」を元に勝田文が漫画化。冷静、理知的に戦中を見ている風太郎の学生時代を勝田さんが見事に細緻にコミカライズしています。デザインセンスの良さと微かに見せる緩さは勝田さんならではですね。続刊も楽しみです。

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    2020年03月24日
  • 風来忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    ネタバレ

    読んだのは富士見書房版だがこちらで登録。主人公の香具師達が好き勝手に戦場を駆ける前半から一転して、何故か忍者修行をする羽目になってからの忍城での麻也姫護衛の死闘となる後半と様相を変える本作。おちゃらけながらもやるときはやるという香具師達の生き様・死に様が熱い。

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    2020年03月17日
  • 伊賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    城太郎と右京太夫の身分違いの恋は古典的だが、一周回って新しい。大仏内の仮住まいのシーンが印象的だ。しかし、物語は予定調和で終わらず、城太郎が闇落ちして終わる。その後の果心居士と城太郎が銀河皇帝とアナキンのような関係としたら、右京太夫はパドメ、新左衛門=オビワン、伊勢守=ヨーダだ。弾正はジャバ・ザ・ハットかな。15年後に弾正を討ち果たしたあと、城太郎はどうしたのだろう。SWのように果心居士を倒したのだろうか。

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    2019年12月28日
  • 夜よりほかに聴くものもなし〈サスペンス篇〉

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    短編集。表題作「夜よりほかに聴くものもなし」も連作短編集だが主人公と〆が共通している以外設定に連続性はないのでどこからでも読んでいい短編集である。

    どれも面白いがテーマが強すぎて小説としての枠を通り抜けている作品もある。どれも重苦しくなかなか読み進めなかった一冊。そもそも物理的に重く持ち運ぶのに苦労する点もあった。
    この中で一番出来がいいのは跫音だと思う。
    時点で黒幕と吹雪心中。

    以下メモより
    「跫音」
    善人である男が発作より悪人を絞め殺した。新聞報道に追い詰められ野次馬の冷たい目、妻・愛人・依頼主にも見捨てられ発狂し世間様に申し訳ないという話。
    何より怖いのは群衆の冷たい目。そこに本当の

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    2019年12月04日
  • 太陽黒点 山田風太郎ベストコレクション

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    やっと、初山風。期待も大きかった半面、乱歩や横溝あたりを殆ど楽しめない自分には、きっと山風も…みたいな不安もあったりして。で結果、概ね感じた不安の通りだった。やっぱり自分、古めかしい会話とかを根本的に受け付けないのですね。古い貞操観念とかも含め、基本的に自分とはあまり相容れない世界観でした。

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    2019年11月25日
  • 明治バベルの塔 ――山田風太郎明治小説全集(12)

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    明治の社会主義に代表される社会への民衆参加が、クセ強めの登場人物とありえなく見える実際の事件で奇才天才山田風太郎により書かれている
    黒岩涙香の超人的な知の巨人ぶりが楽しく書かれています
    管野スガをめぐる秋水の執着ですべてを失い、焦りから破滅へ向かう破滅の美学だな

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    2019年10月20日
  • エドの舞踏会 ――山田風太郎明治小説全集(8)

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    幕末に活躍した大立者が明治の元勲となり、その妻達も大いに活躍していた時代。
    だいぶ前の作品ですが、さすが山田風太郎、面白い!

    若き日の山本権兵衛が陸軍中将・西郷従道の命で、大臣らの妻を訪ねて歩くという連作短編。
    鹿鳴館を建てたものの、舞踏会への出席者が少なく、特に女性が足りないため、大山捨松とともに、説得してほしいというのだ。
    大山巌の妻の捨松はアメリカに長く留学していたから、舞踏会もお手の物。
    でも、抵抗を感じる女性も多かったんですね。

    明治政府の主要な人物はほとんど、花柳界の出の女性を妻にしていました。
    もと芸者とか、そういう社交に慣れた女性。
    当時の政治は、欧米の見様見真似。外国から

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    2019年10月09日
  • 人間臨終図巻 4

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    あぁこういう人がいたんだ!おぉこの人はこういう人だったんだ‼︎の連続。実に興味津々。ただ、結局のところ思うのは、長生きはするもんではないな‼︎!

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    2019年05月01日
  • 人間臨終図巻 3

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    Ⅰ卷、Ⅱ卷だと、殺人など死因に富んでいるが、さすがにⅢ卷にもなると、殆ど病死ばかりで変化に乏しくなるのは仕方ないか⁉︎ともあれ傑作という語が実によく当てはまる。

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    2019年04月27日
  • 人間臨終図巻 1

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    読み物としては、悲喜劇性の高いこの一巻が一番面白いんじゃなかろうか。
    頁をめくるたびに思うのは、結核、肺病の多さ。死病だったんだなぁと再認識。
    この後にソフトカバー版を読んだけど、確かにこちらの新装版のほうが読みやすい。集めたくなるなぁ。

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    2019年04月02日
  • 魔界転生 上 山田風太郎ベストコレクション

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    内容(「BOOK」データベースより)
    島原の乱に敗れ、幕府への復讐を誓う天草側の軍師、森宗意軒は死者再生の秘術「魔界転生」を編み出した。それは、人生に強い不満を抱く比類なき生命力の持ち主を、魂だけ魔物として現世に再誕させる超忍法だった。次々と魔界から蘇る最強の武芸者軍団。魔人たちを配下に得た森宗意軒は紀伊大納言頼宣をも引き込み、ついに柳生十兵衛へと魔の手を伸ばす…。群を抜く着想と圧倒的スケールで繰り広げられる忍法帖の最高傑作。

    平成31年2月17日~24日

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    2019年02月24日
  • 幻燈辻馬車 上 山田風太郎ベストコレクション

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    @ledsun リコメンド。
    感想は下巻が終わったら。とりあえず、想像してた話とは違って非常に読みやすい、と書いておこう。

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    2019年01月20日
  • 幻燈辻馬車 下 山田風太郎ベストコレクション

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    @ledsun リコメンド。
    テンポと設定の妙で読ませるね。どこまでが史実と整合して、どこからが作者の織り込んだフィクションかがわからなくなるところが面白い。

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    2019年01月20日
  • 眼中の悪魔〈本格篇〉~山田風太郎ミステリー傑作選1~

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    「本書収録の九短篇のうち、「眼中の悪魔」と「厨子家の悪霊」を除く七篇を収めたこの桃源社版『虚像淫楽』の高水準には、凄まじいものがある。掛け値なしに、日本で出版されたミステリ短篇集のベストテンに入る、超高密度傑作集といっていいだろう」日下三蔵による解題より
    そーなんだー
    冗談はともかく
    ミステリ教信者でないので良く分からないが確かにみな水準作以上
    だが書かれた年代によるかもだが驚きの傑作はない感じ
    作者らしくはある
    特に今読む意義を感じない

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    2019年01月11日
  • エロスの記憶 文藝春秋「オール讀物」官能的コレクション2014

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    粒揃いの作品集です。小池真理子さんの作品を目当てに買いましたが、各先生の作品それぞれ格調の高いエロスで楽しめました。このお値段でこの内容はお得です。

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    2020年05月05日
  • 妖異金瓶梅 山田風太郎ベストコレクション

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    この趣向で本作以上の作品は出てこないのではないだろうか?

    短編それぞれのトリックや動機の凄まじさもさることながら、キャラの魅力が存分に発揮され、後半にかけて特異な物語へ変貌するキーとなっている。味わったことのない深い感情へと誘います。

    エログロ盛りだくさんであり本格ミステリ。と一括りには出来ない美しさに気付くのであった。

    華文ミステリが身近なこともあるし、ぜひ今のミステリ読者も読むべき。このテーマは現代人にこそ響いてほしい。

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    2018年10月29日