山田風太郎のレビュー一覧

  • 旅人 国定龍次(下) ――山田風太郎幕末小説集

    Posted by ブクログ

    痛快だケド、悲惨。
    悲惨だケド、美しい。

    損得を越えた行動は、愚かしくて哀しいけれど、その美しさに心打たれる。

    0
    2011年07月28日
  • 旅人 国定龍次(上) ――山田風太郎幕末小説集

    Posted by ブクログ

    風太郎先生の作品にしては、珍しく痛快で楽しい股旅物。
    でも、この楽しい感じじゃ終わらないんだろうな・・・、きっと。

    0
    2011年07月26日
  • 魔界転生 下 山田風太郎忍法帖(7)

    Posted by ブクログ

    再読。いよいよ本格化する転生衆との死闘に大興奮。名だたる剣豪たちに対する柳生十兵衛の知略謀略や、対決の場の濃密な内面描写も見所。
    虚しさすら感じさせるラストの余韻も素晴らしい。

    0
    2011年06月14日
  • 魔界転生 上 山田風太郎忍法帖(6)

    Posted by ブクログ

    再読。言わずと知れた忍法帖、伝奇小説の金字塔。奇抜な着想、妖しくも美しい世界、そのどれもが素晴らしい。
    なによりも魅力的なのは、宮本武蔵、荒木又右衛門、天草四郎……忍法「魔界転生」により死から甦ってきた転生衆。序盤の大半を彼らの転生に費やす構成がサスペンスを盛り上げる。
    戦いの激化を予感させつつ〈下巻〉へ。

    0
    2011年06月12日
  • 幻燈辻馬車 下 山田風太郎ベストコレクション

    Posted by ブクログ

    ラストへの盛り上がりと結末はさすが山田風太郎です。明治期の政界の混乱について良く知りませんでしたが、なんとなく夜明けといっても良いことばかりじゃなかったんだなー、と思うようになりました。会津藩士の悲劇は明治ものでよくでてきますが、いつも心が痛いです。

    0
    2011年04月29日
  • 妖説太閤記(上)

    Posted by ブクログ

    信長の妹・お市に一目惚れしてしまった秀吉は、出世して彼女を自分のものにするために邪魔者を排除してゆく。例え恩義のある相手であろうと容赦なく罠にかけ、それでいて表面上では周りにへらへらと取り繕う。
    とにかくお前に良心はないのかってくらい腹黒く、剥き出しになった秀吉のどす黒い欲望にただただ圧倒される。

    何がここまで彼を野望に走らせたんだろう?
    お市をはじめとする、秀吉の狙う姫は必ず高貴・美しい・幼いの3点を兼ね備えている。
    美しい女性から虐げられ続けてきた秀吉は、明らかに自分の容姿・身分や女性に対してのコンプレックスを持っている。だからこそ自分の手に入れられないもの全ての頂点に立つお市を自分のも

    0
    2011年03月29日
  • 幻燈辻馬車 下 山田風太郎ベストコレクション

    Posted by ブクログ

    後半にはいり、干潟干兵衛が探し求めていた雛ちゃんのお母さんや干兵衛の奥さんの敵など謎がだんだんと明らかになっていく。
    幻燈辻馬車は連載小説だったが、1年間の連載期限内でストーリが完結できなかったとのこと。単行本出版の際に加筆してストーリを完結している。解説には連載終了時の「幻のラスト」も掲載されている。

    0
    2011年03月26日
  • 幻燈辻馬車 上 山田風太郎ベストコレクション

    Posted by ブクログ

    舞台は西南戦争後の明治の東京。主人公は、会津出身の元侍で、辻馬車で生計を立てている。彼が出会う人々との様々な出来事がテンポよく描かれる。馬車の馭者台の横には、孫娘のチョコンと座っていて、危機のおりに彼女が「トト!」と叫ぶと、西南戦争で戦死したお父さんが現れて救ってくれるという奇想天外な設定だ。物語には、その時代に実在した人物が次々と登場する。たとえば、三遊亭円朝、坪内逍遥、大山巌、松旭斎天一、姿三四郎、嘉納治五郎、中江兆民、花魁花紫、伊藤博文、斎藤歓之助、山川健次郎、山川捨松、田山花袋など、豪華絢爛。

    0
    2011年03月20日
  • 山風短(2)

    Posted by ブクログ

    原作未読。
    漫画を読んでいてさえ「え?!こんなストーリーって?!」と疑ってしまうような展開だったが、それを文章でそれも昭和の時世に書き上げた山田風太郎はすごい。
    ところどころ笑えるところが最高。
    ラストもよかった。
    「おまえのその・・・なにだ・・・」笑うところですね。

    0
    2011年03月19日
  • 太陽黒点 山田風太郎ベストコレクション

    Posted by ブクログ

    再読。苦学生・鏑木明はアルバイト先で社長令嬢・恵美子と出会い……。
    甘く切ない恋愛小説風の流れをある独白によって一転させ、物語の真の構図を浮かび上がらせる手腕が見事。そこに込められた戦後日本への怨念も戦中派の著者ならでは。

    やっぱり廣済堂文庫のネタバレはひどかったなぁw

    0
    2011年03月14日
  • 明治波濤歌(下) ――山田風太郎明治小説全集(10)

    Posted by ブクログ

    横浜オッペケぺにおける、野口英世の人物像が面白い。また、三遊亭夢之助の正体が最後の最後に明かされるのがイイ。

    0
    2011年02月24日
  • 警視庁草紙 下 山田風太郎ベストコレクション

    Posted by ブクログ

    無数の有名人、パロディ、刊行当時の時事ネタを注ぎ込んで語られる山風流明治史。下巻では、上巻でコケにされ続けた警視庁側の逆襲がついに始まる。生き生きと描かれた明治に生きる人々の姿、特に権力に抗う側の人々の生きざまに胸が熱くなる。ひとつの時代の終わりを感じさせるラストの切なさも素晴らしい。

    0
    2011年01月20日
  • 警視庁草紙 上 山田風太郎ベストコレクション

    Posted by ブクログ

    綺羅星の如く無数の有名人を登場させ、虚実入り混ぜ語られる、ありえたかもしれないもうひとつの明治史。背後にうかがえる膨大な教養や緻密な時代考証には、ただただ圧倒される。
    謎解きに”元奉行所VS警視庁”という対立構造を導入することで物語に奥行を増しているのも見事。

    0
    2011年01月19日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

    Posted by ブクログ

    これは面白い><
    「こんなんありかよ!」みたいな忍術(?)がめじろおし。でも主人公とヒロインの能力の対比がとてもすばらしい。切なく哀しい愛のものがたり><

    ジョジョの第一部が好きな方にオススメです。

    0
    2011年01月16日
  • 山風短(1)

    Posted by ブクログ

    せがわ まさき×山田 風太郎の第3弾は、「魔界転生」ではなかったです。
    残念。

    で、「山田風太郎短篇集」で、「山風短」……。そのままや。「Y十M」と同じノリや。題名は、「バジリスク」がかっこよかったなぁ。
    なんて思いながら読み始めましたが……。おもしろいコレ。

    ちょうど大河ドラマで、直江 兼続をやっていて、ちょっと知っているので、おぉ、直江ってそうなんだ……というおもしろさがありますねぇ。
    短編だとけど、マンガにすると丁度1巻。
    絵は素敵です。

    話も、かなりおもしろいと思います。わたしは、好きです。アホだけれど(笑)
    短編なので、次は、まったく別の話になるのだと思われます。予告によると、

    0
    2010年12月11日
  • 虚像淫楽 山田風太郎ベストコレクション

    Posted by ブクログ

    綾辻行人の賞賛の帯をみてよんでみました。はっきり言って珠玉の短編集。秀逸です。短編ならではの鋭い切れ味を堪能できるでしょう。

    0
    2019年01月16日
  • 伊賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(3)

    Posted by ブクログ

    自らの邪恋を成就させるために根来忍法僧の力を借り、美女狩りを行い始めた戦国初期の奸雄、松永弾正。
    伊賀忍者・笛吹城太郎の妻である篝火はその犠牲になってしまう。一命を取り留めた城太郎は七人の忍法僧達への復讐を決意するが、彼の前に篝火の面影を残す魔女と聖女が現れる―。

    相変わらずの面白さです。
    私的には忍法帖シリーズの中で上位に入ると思います。
    同シリーズには珍しく戦国初期を背景としています。
    淫石とか、根来忍法僧たちの忍術とか、物理法則を無視しつつも妙な説得力を持ってきます。山田風太郎節とでもいうのでしょうか。さすがです。

    若干ややこしく感じましたが、ただの二元的な対立ではないところが、最後

    0
    2010年10月21日
  • 妖説太閤記(下)

    Posted by ブクログ

    市が欲しいがためにここまでやる秀吉に狂気を感じます。
    しかしそれ以上にねねが怖いです。

    終わり方はまさに人の一生が終わるがごとく終わります。
    最後の茶々の叫びに救われた気がしました。

    0
    2010年08月30日
  • 妖説太閤記(上)

    Posted by ブクログ

    ここまで人間臭く計算高い秀吉を読んだのは初めてでした。
    しかし本当に秀吉はこんな人だったのだろうと思ってしまうほど真に迫っていました。
    正直、秀吉に対する夢は壊れましたがしかし歴史小説としてはとても面白く読ませてもらいました。

    0
    2010年08月30日
  • エドの舞踏会 ――山田風太郎明治小説全集(8)

    Posted by ブクログ

    何度読んでもいい!これ読むと権兵衛が好きになる。しかし舞台で演ったニッキも止まらないのである。陸奥夫婦が好きだ。

    0
    2010年08月20日