山田風太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人を騙し、女を売り歩き、戦場を荒らし、やることなすこと常識外れのとんでもない7人の香具師が主人公。行いを見れば到底ヒーローにはなりえない悪者達ですが、その大胆不敵、自由奔放な生き様はどこか憎めません。
冒頭からの彼らの非道な行いに呆れたころに、絶世の美女、麻也姫が彼らを一刀両断するのがなんとも気持ち良く、風のように捕らえどころがなく、女を物のようにしか見ていなかった彼らが、強烈な一発を食らわせた麻也姫に執着することとなるこの場面が見事です。
悪者の顔を踏んづけて決め台詞を吐く麻也姫に、7人の香具師同様読んでいる私もぐっと心を捕まれました。
7人の香具師が恥をかかされた復讐の為だ!とかなんと -
Posted by ブクログ
奇想天外な物語ばかりの忍法帖シリーズの中でも屈指の異色作♪ でも香具師の主人公たち7人の悪辣で奔放すぎるえげつなさに圧倒されつつ、人間模様は刻々変化し、いつしか麗しの姫を命がけで守り通すようになると、俄然盛り上がる忍法バトル♪
「のぼうの城」と同じ舞台設定(舞台というか場所と史実?)だとは後で知りましたが、先に読んでたのはこっちの方だし、あっちも悪くはないにしても、圧倒的に発想力に差があり過ぎて比べ物にならない♪ そもそも忍法帖だしw 規定の枠になど収まるワケがなく、暴走に次ぐ暴走が奇奇怪怪なSF伝奇ロマン風味でもあり、飽きることがない♪♪
女性からすると読み進めるのがキツい場面が多々ある?か -
Posted by ブクログ
収録作・・・「巴里に雪のふるごとく」「築地西洋軒」「横浜オッペケペ」
上巻よりも、やや群像劇風の印象が強かった。
展開がめぐるましく、これでもかとばかりに(笑)著名人がたくさん登場して、サービス満点だと感心した。
たくさんの登場人物が入り乱れ、あれやこれやとトンデモな展開が巻き起こるものの、読んでいてまったく呆れない。
むしろ、山田風太郎とは、素晴らしいエンターテイメント作家なのだな、と驚いた。
登場人物たちの魅力もさることながら、下巻ではその旺盛なサービス精神に魅了される。
強烈なキャラクターを親しみのある人物として描くのが上手い。
上巻でも私は樋口一葉のキャラクターにほれ込んでしまっ -
Posted by ブクログ
収録作・・・「それからの咸臨丸」「風の中の蝶」「からゆき草紙」
いやはや、とても面白かった。大満足。
この巻では、「波濤歌」というタイトル通り、どの短編でもいずれ日本を離れ海の向こうへと旅立っていく人々が登場する。それらの人生は、まさに波に揉まれる怒涛の人生である。
それぞれの登場人物の描かれ方がとてもよい。いきいきしている。
自分の信念を持ちながらも、時代に翻弄され、あるいはその信念ゆえに苦悩する登場人物たち。それでも彼らはひたむきに何かを見つめ、自分が自分であることに誇りを持とうとしている。
特に樋口一葉のキャラクターが素晴らしかった。
なんという心意気の美しさであろう。読んでいて、 -
Posted by ブクログ
1ページ目を開いたところからもうおもしろすぎて止まらないこと必定です。
上下巻これだけの長さがある大作ですが、中だるみなんて言葉は無縁でした。
七人の女たちによる復讐が全編を通しての主軸であり、その契機となる冒頭の虐殺場面からしてまず凄絶。千姫の貫禄に惚れます。
上巻ではかよわき女達が人間離れした敵たちにあの手この手で挑んでいく知略が楽しく、到底敵わない相手に一泡吹かせていくのが爽快です。
加藤明成と七本槍も敵として申し分ない悪者達で、一層いい気味。
そして女達を陰で支える十兵衛の男らしいかっこよさといったらありません。
順調に果たされていく復讐ですが、下巻に入り芦名道伯老が登場すると、私 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上下巻の感想を合わせて。
・十三歳のお市さまに惚れる秀吉にじゅうさんさい。ちょっと待ってそれロリコ(シッ!)。
・安国寺恵瓊さんに孟子を教えてもらうねねとか…!そして小生意気な所がまた可愛い。
・突然吉川氏(『新書太閤記』の作者)の名前が出て来て吹いた。
・恵瓊さんのバックアップで見事ねねをゲットした秀吉。その年の差十三。やっぱロリコry。(黙りなさいよ!)
・秀吉の怖いもの:信長とねね
・はんべが光秀のこと「明智先生」っていうとる!もえ!にやにや笑う企んけはんべ!もえ!もえ!
・秀吉が墨俣に一夜城を築いていた時はんべは鼻毛を抜いていました。鼻毛て。
・秀吉がお市に想いを寄せていることをね