山田風太郎のレビュー一覧
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ネタバレ中国四大奇書のひとつ「金瓶梅」を基にした連作短編ミステリー。
怠惰で醜悪で妖艶な欲望渦巻く魅惑の世界で、ユニークなトリックが披露される良質な一冊です。
探偵役が決まっているだけでなく、本作では犯人役も毎回同じ人物に決まっているのがおもしろい。
同じ人物が事件のきっかけを作り、同じ立場の人間が被害者となり、同じ犯人が罪を犯し、同じ探偵役が真相を見抜くという展開の繰り返しですが、毎回凝ったトリックとエロティックな展開がおもしろく飽きやマンネリはありませんでした。
最後は作者にまんまとしてやられて脱帽。
【赤い靴】どろどろとした女たちの愛憎劇も楽しいですが、両足を切断された二人の死体、足フェチ -
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ネタバレ山岡荘八の「柳生宗矩」という正真正銘正統派の後なので、破天荒な柳生が読みたくて山田風太郎を選択。
忍法とあるけれど、印を結んでドロンは登場せず、せいぜい敵首領の銅伯が修法を使い、体を鉛のように変化させる程度。風船になって空を飛んだり、他人に化けるというような現実離れした忍法は登場しない。敵の7人はそれぞれ武器を手に真っ当に勝負を挑んでくる。
対するは我らが十兵衛。
ではなく、7人の女性。武家の妻や娘たちとは言え、武芸にはほど遠い彼女たちが、十兵衛の指南を受けて武術を体得し、復讐を遂げていく。
十兵衛が手出しをしない、というルールを作ったのが秀逸。これで立ち会いはスポーツ化し、勝ち抜き戦の様 -
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人を騙し、女を売り歩き、戦場を荒らし、やることなすこと常識外れのとんでもない7人の香具師が主人公。行いを見れば到底ヒーローにはなりえない悪者達ですが、その大胆不敵、自由奔放な生き様はどこか憎めません。
冒頭からの彼らの非道な行いに呆れたころに、絶世の美女、麻也姫が彼らを一刀両断するのがなんとも気持ち良く、風のように捕らえどころがなく、女を物のようにしか見ていなかった彼らが、強烈な一発を食らわせた麻也姫に執着することとなるこの場面が見事です。
悪者の顔を踏んづけて決め台詞を吐く麻也姫に、7人の香具師同様読んでいる私もぐっと心を捕まれました。
7人の香具師が恥をかかされた復讐の為だ!とかなんと -
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奇想天外な物語ばかりの忍法帖シリーズの中でも屈指の異色作♪ でも香具師の主人公たち7人の悪辣で奔放すぎるえげつなさに圧倒されつつ、人間模様は刻々変化し、いつしか麗しの姫を命がけで守り通すようになると、俄然盛り上がる忍法バトル♪
「のぼうの城」と同じ舞台設定(舞台というか場所と史実?)だとは後で知りましたが、先に読んでたのはこっちの方だし、あっちも悪くはないにしても、圧倒的に発想力に差があり過ぎて比べ物にならない♪ そもそも忍法帖だしw 規定の枠になど収まるワケがなく、暴走に次ぐ暴走が奇奇怪怪なSF伝奇ロマン風味でもあり、飽きることがない♪♪
女性からすると読み進めるのがキツい場面が多々ある?か -
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収録作・・・「巴里に雪のふるごとく」「築地西洋軒」「横浜オッペケペ」
上巻よりも、やや群像劇風の印象が強かった。
展開がめぐるましく、これでもかとばかりに(笑)著名人がたくさん登場して、サービス満点だと感心した。
たくさんの登場人物が入り乱れ、あれやこれやとトンデモな展開が巻き起こるものの、読んでいてまったく呆れない。
むしろ、山田風太郎とは、素晴らしいエンターテイメント作家なのだな、と驚いた。
登場人物たちの魅力もさることながら、下巻ではその旺盛なサービス精神に魅了される。
強烈なキャラクターを親しみのある人物として描くのが上手い。
上巻でも私は樋口一葉のキャラクターにほれ込んでしまっ -
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収録作・・・「それからの咸臨丸」「風の中の蝶」「からゆき草紙」
いやはや、とても面白かった。大満足。
この巻では、「波濤歌」というタイトル通り、どの短編でもいずれ日本を離れ海の向こうへと旅立っていく人々が登場する。それらの人生は、まさに波に揉まれる怒涛の人生である。
それぞれの登場人物の描かれ方がとてもよい。いきいきしている。
自分の信念を持ちながらも、時代に翻弄され、あるいはその信念ゆえに苦悩する登場人物たち。それでも彼らはひたむきに何かを見つめ、自分が自分であることに誇りを持とうとしている。
特に樋口一葉のキャラクターが素晴らしかった。
なんという心意気の美しさであろう。読んでいて、 -
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1ページ目を開いたところからもうおもしろすぎて止まらないこと必定です。
上下巻これだけの長さがある大作ですが、中だるみなんて言葉は無縁でした。
七人の女たちによる復讐が全編を通しての主軸であり、その契機となる冒頭の虐殺場面からしてまず凄絶。千姫の貫禄に惚れます。
上巻ではかよわき女達が人間離れした敵たちにあの手この手で挑んでいく知略が楽しく、到底敵わない相手に一泡吹かせていくのが爽快です。
加藤明成と七本槍も敵として申し分ない悪者達で、一層いい気味。
そして女達を陰で支える十兵衛の男らしいかっこよさといったらありません。
順調に果たされていく復讐ですが、下巻に入り芦名道伯老が登場すると、私