山田風太郎のレビュー一覧

  • 同日同刻――太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日

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    太平洋戦争開戦日・昭和16年12月8日と終戦までの昭和20年8月1日~15日までの15日間の記録。

    これ以上、どう言えば良いのか分からない。

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    2012年05月16日
  • 魔界転生 下 山田風太郎忍法帖(7)

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    伝奇界最上のエンターテインメント!
    収束のさせ方も素晴らしい!

    転生衆の悪逆非道っぷり、
    十兵衛の強さと飄々としている感じ、3女子の健気な愛らしさ。
    そして呆気無く(でも勇敢に)果てていく柳生衆。
    どのバトルも見応えがある。

    主人公側の良さは良いとして、
    悪側の悪辣っぷりはほんと見応えがある。
    最近、ダークヒーロー的な悪役が多くて、
    すっきりした勧善懲悪ものってあんまり見ないから、
    ここまでやってもらうと非常にスッキリ感があります。

    悪役の描き方って難しいけど、
    W主人公のつもりで書くんじゃないなら、
    文字通り屑でいいんですよ!

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    2012年05月07日
  • 魔界転生 上 山田風太郎忍法帖(6)

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    6年前くらい前に1回と、最近また読んだ。
    深作欣二の方の映画も見た。

    タイトルは初めこれじゃなかったらしいが、こっちにして正解。
    伝奇ものはやっぱり面白いなあ!
    なんで今でも流行んないのかな?
    山風がやり過ぎちゃったのかなあ。

    歴史はさして詳しくないんですが、
    山風のおかげでちょこちょこ知れました。
    まさにエログロナンセンスの極み。
    これだけあっけらかんと女性が道具にされてるのに嫌悪感を感じないのは、
    十兵衛サイドの三女子の愛らしさでしょうね。

    正雪の怪人ぷりが良い。
    魔人が全て大人物なのも良い。
    これはほんとに面白いなあ!

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    2012年05月07日
  • バジリスク~甲賀忍法帖~(1)

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    ネタバレ

    伊賀と甲賀の忍者同士の戦いが凄まじい
    この忍者たちの結末がいつ何回みても号泣する
    個人的に蛍火が可愛くて好きです。

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    2012年05月04日
  • 明治波濤歌(下) ――山田風太郎明治小説全集(10)

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    収録作・・・「巴里に雪のふるごとく」「築地西洋軒」「横浜オッペケペ」

    上巻よりも、やや群像劇風の印象が強かった。
    展開がめぐるましく、これでもかとばかりに(笑)著名人がたくさん登場して、サービス満点だと感心した。

    たくさんの登場人物が入り乱れ、あれやこれやとトンデモな展開が巻き起こるものの、読んでいてまったく呆れない。
    むしろ、山田風太郎とは、素晴らしいエンターテイメント作家なのだな、と驚いた。
    登場人物たちの魅力もさることながら、下巻ではその旺盛なサービス精神に魅了される。

    強烈なキャラクターを親しみのある人物として描くのが上手い。
    上巻でも私は樋口一葉のキャラクターにほれ込んでしまったが、下巻でも野口英世の描かれ方にとても惹かれた。強烈なエゴイズム、まさしく。しかし、そんな人物を魅力的な愛嬌のあるキャラクターに描く山田風太郎こそ、あっぱれである。

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    2012年04月25日
  • 明治波濤歌(上) ――山田風太郎明治小説全集(9)

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    収録作・・・「それからの咸臨丸」「風の中の蝶」「からゆき草紙」

    いやはや、とても面白かった。大満足。
    この巻では、「波濤歌」というタイトル通り、どの短編でもいずれ日本を離れ海の向こうへと旅立っていく人々が登場する。それらの人生は、まさに波に揉まれる怒涛の人生である。

    それぞれの登場人物の描かれ方がとてもよい。いきいきしている。
    自分の信念を持ちながらも、時代に翻弄され、あるいはその信念ゆえに苦悩する登場人物たち。それでも彼らはひたむきに何かを見つめ、自分が自分であることに誇りを持とうとしている。

    特に樋口一葉のキャラクターが素晴らしかった。
    なんという心意気の美しさであろう。読んでいて、私は彼女の心意気にほれ込んでしまった。本当の美しさ、本当の強さ、そして本当の謙虚さとは、こういう女性に宿るのだと思った。

    上巻では、どちらかというとストーリーよりも登場人物それぞれの印象が強く残った。登場人物たちの「それから」が、あまり明るいものではなかったから、同情して少ししんみりしてしまったのかもしれない。

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    2012年04月25日
  • 柳生忍法帖 下 山田風太郎忍法帖(10)

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    1ページ目を開いたところからもうおもしろすぎて止まらないこと必定です。
    上下巻これだけの長さがある大作ですが、中だるみなんて言葉は無縁でした。

    七人の女たちによる復讐が全編を通しての主軸であり、その契機となる冒頭の虐殺場面からしてまず凄絶。千姫の貫禄に惚れます。
    上巻ではかよわき女達が人間離れした敵たちにあの手この手で挑んでいく知略が楽しく、到底敵わない相手に一泡吹かせていくのが爽快です。
    加藤明成と七本槍も敵として申し分ない悪者達で、一層いい気味。
    そして女達を陰で支える十兵衛の男らしいかっこよさといったらありません。

    順調に果たされていく復讐ですが、下巻に入り芦名道伯老が登場すると、私的な復讐がやがて政界を巻き込む一大事になっていきます。
    会津全域を戦場に、武士農民身問わずの駆け引きと戦いに発展し、もはや7人の女たちの復讐だけに留まりません。人々を二分したまさに戦争です。
    賢人・沢庵和尚をもってしても収めきれなくなってきたこの戦いに、もはやこれまでと窮地に陥りますが、ここにいたってからの十兵衛の大活躍のおもしろさといったら!

    めまぐるしく状況が変化し、思わぬ展開が続いて物語が広がっていきますが、「復讐」という主題が最初から最後までしっかりとあるので読んでいる最中に迷うことはありませんでした。
    十兵衛が飛びぬけて魅力を放っているとはいえ彼一人で物語が成立しているわけではなく、脇役一人ひとりが思わぬ活躍を見せるのが楽しい。

    もうとにかくおもしろい。おもしろいったらおもしろい。
    ものすごくおもしろい本なのです。

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    2012年03月15日
  • 山風短(2)

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    くっついちゃった男女。これはシュールな笑いをさそう。こんなのが目の前にきたら武蔵も困惑するわ…シリアスなのに笑っちゃう。

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    2012年02月28日
  • 人間臨終図巻 2

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    例えば小林一茶。イメージとしては俳句が上手で貧しい中にも心の豊かなおじいさんなんだけど、「俳句の世界から出れば、金銭的にも性欲にも、エゴイズムと性欲の化身だった」と著者は書く。まじか。様々な病に冒されながらも52歳で初めて妻を迎え、1週間で日当たり3交という奮迅ぶり。そんな有名な人、そうじゃない人たちの生き様、死に様が怖いくらいの表現力でつづられている。淡々と。この人天才かと思う。

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    2012年02月20日
  • 奇想小説集

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    ネタバレ

    「アースダイバー(中沢新一)」で「蝋人」が取り上げられていたので購入。
    荒唐無稽なんだけれど地に足が着いている、
    というものすごく面妖な物語を書くなぁ。
    この妙な社会性の帯び方は小松左京を彷彿とさせる。

    個人的には「黄色い下宿人」が一番面白かった。
    シャーロックホームズを日本人が言い負かすという構図は、
    日本人の劣等感と自尊心がよく描かれている。
    外国文学をその物語の中で超克しようとする様が非常にねじれていて、
    どうしてこう日本人は自分でルールを作らず相手の創ったルールの上で競おうとするのか、
    という風にも思うけれど。

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    2012年02月16日
  • 山風短(2)

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    山田風太郎好き!せがわまさきの絵が好き!

    という訳で買ってみました。
    ちょっと荒唐無稽の設定なのだけど、
    原作のエンディングよりも優しくて嬉しくて、
    最後の数ページだけ何度も読んじゃった。
    ほっとした。

    二人の想いに最後は、じんときたので素直に★5つ〜〜

    ちなみにその本屋には1巻がなかったのだけど、
    どうもイマイチ評価が低いのと、原作を先に読みたいので購入控え中。

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    2012年02月12日
  • 妖説太閤記(上)

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    ネタバレ

    上下巻の感想を合わせて。


    ・十三歳のお市さまに惚れる秀吉にじゅうさんさい。ちょっと待ってそれロリコ(シッ!)。
    ・安国寺恵瓊さんに孟子を教えてもらうねねとか…!そして小生意気な所がまた可愛い。
    ・突然吉川氏(『新書太閤記』の作者)の名前が出て来て吹いた。
    ・恵瓊さんのバックアップで見事ねねをゲットした秀吉。その年の差十三。やっぱロリコry。(黙りなさいよ!)
    ・秀吉の怖いもの:信長とねね
    ・はんべが光秀のこと「明智先生」っていうとる!もえ!にやにや笑う企んけはんべ!もえ!もえ!
    ・秀吉が墨俣に一夜城を築いていた時はんべは鼻毛を抜いていました。鼻毛て。
    ・秀吉がお市に想いを寄せていることをねねの手紙で知りつつつも秀吉に万福丸の処刑を命じる信長。そしてそれを喜ぶねね。こ、怖…!
    ・秀吉の魔の手が明智家と菊丸に!逃げて全力で逃げて。
    ・明智家にそんなことをしつつも、謙信の矢面に立てられそうになった利家を身をもって庇う秀吉。やっぱり格好良い!
    ・と思ったらそれさえもはんべの策略でした。このふたり怖いよ!
    ・おしゃべり官兵衛かわいいよ官兵衛。
    ・はんべが秀吉に殺されるというまさかの展開。このふたりの最期の会話が凄く切ない…!
    ・この小説では光秀の謀叛は秀吉と官兵衛の策略説を採用しているようで……怖いよ!でも清々しいまでに黒い秀吉に管理人はときめきを隠せない。

    秀吉という人物の魅力を余すところ無く抜き出している小説だと思います。
    醜いけど美しい、相反した魅力を持った秀吉というひとにぐんぐん引き寄せられるというか。
    後半はやっぱり読んでて辛かったのですが、周囲の武将にかなり救われたなー。
    蒲生さんとか秀次とかあんまりに格好良過ぎてうっかり惚れそうだったよ!

    この小説を読んで思ったのですが、自分で自覚しているよりもかなり秀吉が好きだったようです。後半読み進めるのがあんまりに辛くて速度落ちたもんな・・・めったに無いことです。
    「ひとは顔じゃないんだよおおおお」となんど叫びそうになったことか。容姿も大事だけどさ!(・・・)



    みんな毒がある感じでとてもたまらない小説でした。

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    2012年02月05日
  • 明治十手架(下)

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    とある出来事に触れた悪党たちの慟哭が心を打つ
    。改心した犯罪者たちと看守たちとの一人一殺の壮絶な戦いは忍法帖を彷彿させ、抜群の面白さ。物悲しいラストも素晴らしい。

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    2011年12月28日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    ここまで完成度が高い小説はなかなか見られない。日本版ロミオとジュリエットと帯で書かれていたがその通りだと思う。忍者がおかしな術を使うので世界的な作品とまでは言えないかもしれないが、漫画化、アニメ化され、それぞれ完成度が高い。しかし画として見なくても納得の文章表現力だ。


    「愛する者よ、死に候え」(バジリスク)

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    2011年12月27日
  • 魔界転生 下 山田風太郎ベストコレクション

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    怒濤の展開で、上巻後半から一気読み(前半の背景説明と敵の紹介はちょっとだれた)。常識にとらわれない展開で、骨太の大活劇エンターテイメント。昭和53年に書かれたというけど、最近の小説にない大雑把で豪快なストーリーにベタ惚れしました。柳生十人衆の面々がおちゃめでかわいいし、魔人どものかけあいも妙に可笑しい。山田風太郎はミステリしか読んだことが無かったけど、忍法ものも読もうと思います。

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    2011年12月26日
  • 幻燈辻馬車(下) ――山田風太郎明治小説全集(4)

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    感想は概ね上巻の方に書いてしまいました。
    下巻、この物語のエンディング、決着のつけ方がいい。
    痺れました。
    上下巻、読んでよかった。楽しませてもらいました。

    ちくま文庫版の下巻には3つの短篇が収録。
    なかでも「絞首刑一番」がおもしろかったです。
    構成の妙。
    読み終えて、あらためてタイトルに唸りました。

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    2011年12月19日
  • 幻燈辻馬車(上) ――山田風太郎明治小説全集(3)

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    ミステリ、怪談、チャンバラ活劇にスパイアクション、カーチェイス。
    時代物の中にこれでもかと盛り込まれたサービス精神。
    これぞエンターテインメント。
    実在の多数の人物、多数の事件が虚実入り交じり、干潟干兵衛と孫娘お雛をのせた辻馬車を軸に収束していく様は見事。
    明治時代の独特の雰囲気もいいです。

    角川文庫版もありますが、ちくま文庫版の装丁のほうが味があって好きです。

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    2011年12月19日
  • 妖説太閤記(下)

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    これぞ人間。精一杯生きた。後半腹立たしくなかなかページをめくる手が動かなかったが死んでみると寂しくも思えた。

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    2011年12月14日
  • 幻燈辻馬車(下) ――山田風太郎明治小説全集(4)

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    下巻に入り物語はさらに加速。自由党を巡る騒動が激しさをます中、登場人物の意外な正体が明らかになり、干兵衛の過去の因縁にも決着が。
    自由民権運動という革命の正体や、それをも利用する政府の非情さを暴き立てる批判精神も素晴らしい。

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    2011年11月10日
  • バジリスク~甲賀忍法帖~(5)

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    ネタバレ

    能力バトルのパイオニア。名作。

    弦之助は、頭領としてはやはり失格でした。最後の最後で、生来の甘さと、自身を信じてくれた者への愛が出てしまった。
    あの瞬間、隠れ里という小さなコミュニティの中で交配を繰り返す異形の忍者たちの時代は終わったんだな、と思います。というより、すでに終わっていると分かっていたからこそ、弦之助はああしたんだと思いますね。

    どちらが勝っても変わりはない、と。

    弾正たちの時代で一度綻びかけたものが、ようやくほどけてくれたという感じです。ドラマチックで、とても良いラストだった。

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    2011年10月26日