山田風太郎のレビュー一覧
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収録作・・・「巴里に雪のふるごとく」「築地西洋軒」「横浜オッペケペ」
上巻よりも、やや群像劇風の印象が強かった。
展開がめぐるましく、これでもかとばかりに(笑)著名人がたくさん登場して、サービス満点だと感心した。
たくさんの登場人物が入り乱れ、あれやこれやとトンデモな展開が巻き起こるものの、読んでいてまったく呆れない。
むしろ、山田風太郎とは、素晴らしいエンターテイメント作家なのだな、と驚いた。
登場人物たちの魅力もさることながら、下巻ではその旺盛なサービス精神に魅了される。
強烈なキャラクターを親しみのある人物として描くのが上手い。
上巻でも私は樋口一葉のキャラクターにほれ込んでしまったが、下巻でも野口英世の描かれ方にとても惹かれた。強烈なエゴイズム、まさしく。しかし、そんな人物を魅力的な愛嬌のあるキャラクターに描く山田風太郎こそ、あっぱれである。 -
Posted by ブクログ
収録作・・・「それからの咸臨丸」「風の中の蝶」「からゆき草紙」
いやはや、とても面白かった。大満足。
この巻では、「波濤歌」というタイトル通り、どの短編でもいずれ日本を離れ海の向こうへと旅立っていく人々が登場する。それらの人生は、まさに波に揉まれる怒涛の人生である。
それぞれの登場人物の描かれ方がとてもよい。いきいきしている。
自分の信念を持ちながらも、時代に翻弄され、あるいはその信念ゆえに苦悩する登場人物たち。それでも彼らはひたむきに何かを見つめ、自分が自分であることに誇りを持とうとしている。
特に樋口一葉のキャラクターが素晴らしかった。
なんという心意気の美しさであろう。読んでいて、私は彼女の心意気にほれ込んでしまった。本当の美しさ、本当の強さ、そして本当の謙虚さとは、こういう女性に宿るのだと思った。
上巻では、どちらかというとストーリーよりも登場人物それぞれの印象が強く残った。登場人物たちの「それから」が、あまり明るいものではなかったから、同情して少ししんみりしてしまったのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
1ページ目を開いたところからもうおもしろすぎて止まらないこと必定です。
上下巻これだけの長さがある大作ですが、中だるみなんて言葉は無縁でした。
七人の女たちによる復讐が全編を通しての主軸であり、その契機となる冒頭の虐殺場面からしてまず凄絶。千姫の貫禄に惚れます。
上巻ではかよわき女達が人間離れした敵たちにあの手この手で挑んでいく知略が楽しく、到底敵わない相手に一泡吹かせていくのが爽快です。
加藤明成と七本槍も敵として申し分ない悪者達で、一層いい気味。
そして女達を陰で支える十兵衛の男らしいかっこよさといったらありません。
順調に果たされていく復讐ですが、下巻に入り芦名道伯老が登場すると、私的な復讐がやがて政界を巻き込む一大事になっていきます。
会津全域を戦場に、武士農民身問わずの駆け引きと戦いに発展し、もはや7人の女たちの復讐だけに留まりません。人々を二分したまさに戦争です。
賢人・沢庵和尚をもってしても収めきれなくなってきたこの戦いに、もはやこれまでと窮地に陥りますが、ここにいたってからの十兵衛の大活躍のおもしろさといったら!
めまぐるしく状況が変化し、思わぬ展開が続いて物語が広がっていきますが、「復讐」という主題が最初から最後までしっかりとあるので読んでいる最中に迷うことはありませんでした。
十兵衛が飛びぬけて魅力を放っているとはいえ彼一人で物語が成立しているわけではなく、脇役一人ひとりが思わぬ活躍を見せるのが楽しい。
もうとにかくおもしろい。おもしろいったらおもしろい。
ものすごくおもしろい本なのです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上下巻の感想を合わせて。
・十三歳のお市さまに惚れる秀吉にじゅうさんさい。ちょっと待ってそれロリコ(シッ!)。
・安国寺恵瓊さんに孟子を教えてもらうねねとか…!そして小生意気な所がまた可愛い。
・突然吉川氏(『新書太閤記』の作者)の名前が出て来て吹いた。
・恵瓊さんのバックアップで見事ねねをゲットした秀吉。その年の差十三。やっぱロリコry。(黙りなさいよ!)
・秀吉の怖いもの:信長とねね
・はんべが光秀のこと「明智先生」っていうとる!もえ!にやにや笑う企んけはんべ!もえ!もえ!
・秀吉が墨俣に一夜城を築いていた時はんべは鼻毛を抜いていました。鼻毛て。
・秀吉がお市に想いを寄せていることをねねの手紙で知りつつつも秀吉に万福丸の処刑を命じる信長。そしてそれを喜ぶねね。こ、怖…!
・秀吉の魔の手が明智家と菊丸に!逃げて全力で逃げて。
・明智家にそんなことをしつつも、謙信の矢面に立てられそうになった利家を身をもって庇う秀吉。やっぱり格好良い!
・と思ったらそれさえもはんべの策略でした。このふたり怖いよ!
・おしゃべり官兵衛かわいいよ官兵衛。
・はんべが秀吉に殺されるというまさかの展開。このふたりの最期の会話が凄く切ない…!
・この小説では光秀の謀叛は秀吉と官兵衛の策略説を採用しているようで……怖いよ!でも清々しいまでに黒い秀吉に管理人はときめきを隠せない。
秀吉という人物の魅力を余すところ無く抜き出している小説だと思います。
醜いけど美しい、相反した魅力を持った秀吉というひとにぐんぐん引き寄せられるというか。
後半はやっぱり読んでて辛かったのですが、周囲の武将にかなり救われたなー。
蒲生さんとか秀次とかあんまりに格好良過ぎてうっかり惚れそうだったよ!
この小説を読んで思ったのですが、自分で自覚しているよりもかなり秀吉が好きだったようです。後半読み進めるのがあんまりに辛くて速度落ちたもんな・・・めったに無いことです。
「ひとは顔じゃないんだよおおおお」となんど叫びそうになったことか。容姿も大事だけどさ!(・・・)
みんな毒がある感じでとてもたまらない小説でした。