山田風太郎のレビュー一覧
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はぁ、ものすごいものを読んだ。
今、胸の中に何かが次々と湧き出していて、破裂せんばかりの風船さながら胸がパンッパンに膨れ上がっているのに、この感情を表現できない。これは、なんと言うのだろう、充足感? いやどんな言葉にも当てはまらない。言葉が陳腐すぎて狭すぎて、どの言葉にも収まらない。
下巻でも、「虚の世界」と「実の世界」が交互に進んでいくのですが、最後の章で両世界が冥合いたします。鬼気迫るラストは、これは作中で使われている言葉ですが、まさしく〈神秘荘厳〉としか言えません。なんと苦しい人生か。
馬琴さんの墓前で、お疲れさまでしたと何時間でも手を合わせたい、そんな気持ちです。絶対滝沢家の人間 -
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今年の夏は暑かった。尤も私には敬愛する作家の山田風太郎の「戦中派」シリーズの日記をついに読み始めた夏として刻まれるかもしれない。
本来は「戦中派虫けら日記」から読み始めるべきかもしれないが、編集者外題によると、生前風太郎が確固たる意思を持って出版した唯一の日記と言うことなので、本作から読み始めるのも良しとするべきかもしれない。ホントは「虫けら日記」がどこに埋もれているのか発見できなかったのだが笑
「不戦日記」は、まだ何者でもなかった山田風太郎(誠也)が、終戦の年一年間に何を見て何を感じたのかが、冷徹な観察眼と自らの深い思索を通して克明に記されており、読んでいてなんともヒリヒリとする感じと、 -
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滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』は、千葉県民としてはぜひとも読んでおきたい物語。だから岩波文庫のボックスで買ってあるのですが、なにしろ原文でございますので敷居が高く、まだ踏み込めずにおります。
そこで、この山田風太郎の『八犬伝』。滝沢馬琴が葛飾北斎に、「こんな物語を書こうと思ってるんだけど、どう?」と話して聞かせている、というのが大筋。なので、『南総里見八犬伝』そのもの(虚の世界)と、江戸にいる馬琴&北斎の物語(実の世界)が交互に進んでいくという、一冊で二度おいしいお得なご本となっております。
上巻では、「虚の世界」では安房の滝田城城主里見義実の危機から始まって、八犬士のうち6人の犬士が出現、 -
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明治に復活した、役人の不正を糾す役目の弾正台。大巡察としてその任に当たる香月と川路が遭遇する数々の奇妙な事件を解決するのは、金髪碧眼のフランス人巫女・エスメラルダによる降霊術だった。レトロな雰囲気の中で斬新な謎が繰り広げられる連作ミステリです。
時代ものという雰囲気が強く、実在するさまざまな人物が登場する歴史小説としても読めるのかと思ったら。謎解きシーンが降霊術って! なかなかにぶっとんだ設定なのですが、それが案外違和感もなく面白いのが凄いです。死者の魂に語らせる解決編はまさしく圧巻。派手なトリックも圧巻。そしてすべての事件を通じての仕掛けにもまた度肝を抜かれます。異色だけれど、ミステリとして -
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明治時代は面白い
ずいぶん昔に文庫で読んで、久しぶりに電子書籍で再読。やっぱり面白いし、流石です。
今回は何度も途中で、作中人物の写真や履歴を確認しながら読みました。(いい時代になりましたネ)
改めてそれぞれの主人公の人生の深みや人間関係がよくわかり、楽しい読書時間でした。
皆が思ってる事でしょうが、室町時代シリーズももっと読みたかった! -
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寛永14年(1637年)10月、島原の乱が勃発。翌寛永15年2月28日、天草四郎は討ち死にし、一揆勢も全滅した。
翌3月1日、幕府軍が戦勝の祝賀を祝う戦場跡にて、由比正雪と宮本武蔵は、女人の体が真二つに裂けて、死んだはずの四郎が蘇るという、摩訶不思議な光景を目の当たりにする。
時は流れて正保2年(1645年)3月、新陰流正当を継ぐ尾張の柳生如雲斎は、田宮坊太郎の転生を目撃し、転生への勧誘を受ける。
さらには熊本にて宮本武蔵転生に立会い、心が揺れ動く。
正保3年(1646年)2月、大井川にて、宝蔵院胤瞬は、8年前に死んだとされる荒木又右衛門と邂逅し驚愕する。
さらに又右衛門に同行していた四郎と立 -
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島原の乱に敗れ、幕府へ復讐を誓う森宗意軒は忍法「魔界転生」を編み出し、名だたる剣豪らを魔人として現世に蘇らせていく。紀州大納言頼宣をも巻き込んだ陰謀の魔の手が柳生十兵衛に襲いかかる!
紀州藩を巻き込んで密かに進行する陰謀、そして魔界より蘇りし7人の転生衆の存在を知った柳生十兵衛。敵は天草四郎を筆頭に、荒木又右衛門、柳生如雲斎、柳生但馬守、宮本武蔵…。十兵衛は孤剣を抱き、殺戮の魔人と化したかつての大剣豪たちと死闘を繰り広げる。そしてついに最強の敵が立ちはだかる!十兵衛は仲間を守り、野望を阻止することができるのか。予測不能な驚愕と戦慄の連続。伝奇エンタテインメントの最高傑作。
天草四郎を頭に、宮本 -
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島原の乱に敗れ、幕府へ復讐を誓う森宗意軒は忍法「魔界転生」を編み出し、名だたる剣豪らを魔人として現世に蘇らせていく。紀州大納言頼宣をも巻き込んだ陰謀の魔の手が柳生十兵衛に襲いかかる!
紀州藩を巻き込んで密かに進行する陰謀、そして魔界より蘇りし7人の転生衆の存在を知った柳生十兵衛。敵は天草四郎を筆頭に、荒木又右衛門、柳生如雲斎、柳生但馬守、宮本武蔵…。十兵衛は孤剣を抱き、殺戮の魔人と化したかつての大剣豪たちと死闘を繰り広げる。そしてついに最強の敵が立ちはだかる!十兵衛は仲間を守り、野望を阻止することができるのか。予測不能な驚愕と戦慄の連続。伝奇エンタテインメントの最高傑作。
天草四郎を頭に、宮本 -
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風太郎の本領発揮
新旧入り交じって混沌とした明治初年を舞台としたケレン味たっぷりの作品である。1万円札の人 福沢諭吉を始めとして川路利良 東郷平八郎などなど著名人物を次々と登場させて活躍させる、面白くないはずがない という一大エンターメント作品である。さらに、ギロチンにフランス美女 と次々と登場させるが、同じ作者の「忍法シリーズ」のように忍術 魔術 なんでもありという荒唐無稽にまでは陥っていない所が良い。いずれにしても、風太郎の本領発揮 といえる作品である。
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山田風太郎氏にハズレなし
忍法帖シリーズ等は読んでいましたが、山田風太郎氏が最も力を入れていたとも聞いている明治もの、実は未読ですので、これを機にこのまんが作品を読んでみました。
さすがに巨軸皮膜を軽快に渡り歩く山田節は天晴れな出来ですね。合間合間の新聞風?解説記事(監修の方が書いているのでしょう)もあるので、作品の背景や解説にもなっていて、作画も良く、言うことなしという感が強い作品でした。
とりあえず最初のエピソード(牡丹灯籠の元ネタとされる事件)が終わるところまで読みました。山田氏の作品は歴史の敗者への眼差しもしっかりとしていますし、その辺もキレイにまんがに落とし込んでいて、オススメですね。
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面白い作品ばかり
面白い作品ばかりだなと思いました。特にカイジは実写映画を何度も観ていて、漫画も気になっていたので、今後読んでみたいなと思いました。また、和久井健さんの描いている東京リベンジャーズは大好きなので、有名な作品である新宿スワンも少し気になっていました。なので、こちらも今後読んでみたいと思いました。他の作品も面白かったので続きを読んでみたいです。