山田風太郎のレビュー一覧
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ネタバレ山田風太郎の『八犬伝』の下巻。
虚と実が入り交じる作りが面白い作品だが、上巻とは打って変わって下巻では実の部分が面白くなっていく。
実の部分というのは滝沢馬琴の生活の方である。
数年毎にプラっと訪れる葛飾北斎に『南総里見八犬伝』のプロットを語ったり、そんなオジサン二人がおしゃべりばかりしている様を眺めて激しく愚痴る滝沢馬琴の妻のお百がいたり、そんなお百と馬琴の子どもで医者になった宗伯、そして宗伯の妻のお路などの生活が記されていく。
特に面白くなるのが宗伯が亡くなり、馬琴の眼が見えなくなってからだ。
『南総里見八犬伝』をついに語ることが出来なくなってから、馬琴はお路に執筆の手助けを頼む。しかし、 -
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『八犬伝』が映画化するということで手に取った本。
山田風太郎作品は忍法帖シリーズを中心にいくつか読んでいるが、どれも良い意味で荒唐無稽で面白い。
これぞジャパニーズニンジャ! ジャパニーズサムライ! みたいな部分もあり、エロもグロもあり、涙とアクションもある。
『八犬伝』もファンタジー、伝奇要素を絶妙に織り交ぜながら紡がれている。
その『八犬伝』の虚の部分に、この物語を書いた滝沢馬琴周りの実の部分が交互に描かれていく。
上巻は虚の部分が面白かった。
まるで漫画やゲームのパーティが集まるかのように個性豊かな登場人物たちが何かに導かれるかのように集まっていく。
そこに敵の手も迫ったりと、盛り上が -
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やはり『風太郎八犬伝』最高! 歌舞伎舞台の奈落で、馬琴と鶴屋南北が対峙するシーン、虚実論争の面白いこと面白いこと。「虚の世界」の方は、やはり次々と犬士が現れてくる上巻と比べるとやや落ちるものの、犬江親兵衛再登場のシーンの驚きや親兵衛のキャラクターが楽しいてたまらん。そして馬琴の完全主義の凄まじさよ!登場人物の人生構築、物語の緻密な構成、伏線回収の執念! 登場人物たちの善悪の清算。よくぞそこまで丹念に描けることよ。 逃げる扇谷定正を追う犬山道節の足を止めさせた河鯉父子のかごを取り巻く青い炎の正体が分かったところで「うひゃあ!」言うたわw そして最終、語る盲目の馬琴と懸命に筆記するお路の姿に落涙。
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映画公開前に予習しておこうと(なんせ忘れているからね)、平成元年の文庫本(よくぞ置いておいたものだ)を引っ張り出して再読。馬琴の手による『八犬伝』の部分を「虚の世界」、それを執筆する馬琴と物語の筋をきかされる葛飾北斎とのやりとり等を「実の世界」として交互に配置。面白いのなんのって! 馬琴と北斎の人物造形、やりとりの楽しいこと楽しいこと。こちらの方が面白いかと思いきや、八犬士達の因縁の絡み具合出逢い、八犬士達が窮地に立たされ、それを逃れていく筋の展開、こちらは馬琴の構想によるのだろうが(たぶん。原作読んでいないから定かではない)めためた面白い! 多分原作では長々とあれこれ微に入り細を穿って描いて
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はぁ、ものすごいものを読んだ。
今、胸の中に何かが次々と湧き出していて、破裂せんばかりの風船さながら胸がパンッパンに膨れ上がっているのに、この感情を表現できない。これは、なんと言うのだろう、充足感? いやどんな言葉にも当てはまらない。言葉が陳腐すぎて狭すぎて、どの言葉にも収まらない。
下巻でも、「虚の世界」と「実の世界」が交互に進んでいくのですが、最後の章で両世界が冥合いたします。鬼気迫るラストは、これは作中で使われている言葉ですが、まさしく〈神秘荘厳〉としか言えません。なんと苦しい人生か。
馬琴さんの墓前で、お疲れさまでしたと何時間でも手を合わせたい、そんな気持ちです。絶対滝沢家の人間 -
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今年の夏は暑かった。尤も私には敬愛する作家の山田風太郎の「戦中派」シリーズの日記をついに読み始めた夏として刻まれるかもしれない。
本来は「戦中派虫けら日記」から読み始めるべきかもしれないが、編集者外題によると、生前風太郎が確固たる意思を持って出版した唯一の日記と言うことなので、本作から読み始めるのも良しとするべきかもしれない。ホントは「虫けら日記」がどこに埋もれているのか発見できなかったのだが笑
「不戦日記」は、まだ何者でもなかった山田風太郎(誠也)が、終戦の年一年間に何を見て何を感じたのかが、冷徹な観察眼と自らの深い思索を通して克明に記されており、読んでいてなんともヒリヒリとする感じと、 -
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滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』は、千葉県民としてはぜひとも読んでおきたい物語。だから岩波文庫のボックスで買ってあるのですが、なにしろ原文でございますので敷居が高く、まだ踏み込めずにおります。
そこで、この山田風太郎の『八犬伝』。滝沢馬琴が葛飾北斎に、「こんな物語を書こうと思ってるんだけど、どう?」と話して聞かせている、というのが大筋。なので、『南総里見八犬伝』そのもの(虚の世界)と、江戸にいる馬琴&北斎の物語(実の世界)が交互に進んでいくという、一冊で二度おいしいお得なご本となっております。
上巻では、「虚の世界」では安房の滝田城城主里見義実の危機から始まって、八犬士のうち6人の犬士が出現、 -
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明治に復活した、役人の不正を糾す役目の弾正台。大巡察としてその任に当たる香月と川路が遭遇する数々の奇妙な事件を解決するのは、金髪碧眼のフランス人巫女・エスメラルダによる降霊術だった。レトロな雰囲気の中で斬新な謎が繰り広げられる連作ミステリです。
時代ものという雰囲気が強く、実在するさまざまな人物が登場する歴史小説としても読めるのかと思ったら。謎解きシーンが降霊術って! なかなかにぶっとんだ設定なのですが、それが案外違和感もなく面白いのが凄いです。死者の魂に語らせる解決編はまさしく圧巻。派手なトリックも圧巻。そしてすべての事件を通じての仕掛けにもまた度肝を抜かれます。異色だけれど、ミステリとして -
購入済み
明治時代は面白い
ずいぶん昔に文庫で読んで、久しぶりに電子書籍で再読。やっぱり面白いし、流石です。
今回は何度も途中で、作中人物の写真や履歴を確認しながら読みました。(いい時代になりましたネ)
改めてそれぞれの主人公の人生の深みや人間関係がよくわかり、楽しい読書時間でした。
皆が思ってる事でしょうが、室町時代シリーズももっと読みたかった! -
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寛永14年(1637年)10月、島原の乱が勃発。翌寛永15年2月28日、天草四郎は討ち死にし、一揆勢も全滅した。
翌3月1日、幕府軍が戦勝の祝賀を祝う戦場跡にて、由比正雪と宮本武蔵は、女人の体が真二つに裂けて、死んだはずの四郎が蘇るという、摩訶不思議な光景を目の当たりにする。
時は流れて正保2年(1645年)3月、新陰流正当を継ぐ尾張の柳生如雲斎は、田宮坊太郎の転生を目撃し、転生への勧誘を受ける。
さらには熊本にて宮本武蔵転生に立会い、心が揺れ動く。
正保3年(1646年)2月、大井川にて、宝蔵院胤瞬は、8年前に死んだとされる荒木又右衛門と邂逅し驚愕する。
さらに又右衛門に同行していた四郎と立