山田風太郎のレビュー一覧
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戦後から見た戦前の暗い抑圧された時代とは異なる現代と大きくは変わらない日常。戦争に巻き込まれる庶民、現代にもあり得ることを教えてくれる、戦中の貴重な一次資料。
昭和17年11月25日から昭和19年12月31日まで。筆者20歳から22歳の日記。
家を飛び出した天涯孤独の青年。軍需工場で働きながら大学医科を目指す。
物資が不足して高騰し長距離切符も手に入らないが、さほど庶民感情というか生活は変わらない。戦時中ではあっても熱狂はなく淡々と暮らす。少しづつ戦局は悪化していきついにB 29により東京が空襲される。だがまだ終戦前昭和20年に起こる悲劇を誰も知らない。
もともと出版を考えることのない、作 -
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ネタバレ山田風太郎の送る忍法活劇帖。家康の跡目争いに巻き込まれた伊賀と甲賀。一癖も二癖もある忍者たちが、己が才能を賭けてぶつかり合う! 秀逸なのはやはり戦闘描写だろう。能力こそ、今の時代から見れば目新しいものはないが、それも当然で、これがほぼ元祖のようなものだからである。まさに奇想といって差し支えない能力であり、その異形異様さと相まって頁を繰る手が止まらなくなる。白眉なのは戦闘のリアリズムであり、不意打ち騙しうち上等で、能力の相性に運否天賦が掛け合わさり、勝負はほぼ一瞬で決まる。そこには引き伸ばしのようなダラダラした戦闘はなく、またお互いの能力の品評会のような闘いでもない。そこにあるのはまさに命のやり
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10年ぶりくらいに再読。北海道の樺戸監獄の初代典獄で月形潔の話を聞く機会があり、なんかひっかかるなあと思ったら、樺戸監獄がこの作品の「地の果ての獄」の舞台だった。ちょうど月形潔が辞めた翌年から話が始まるんだな。山田風太郎の明治物には珍しく、救いがあるラスト。「大奇跡」って、章のタイトルがすばらしいよね。そもそも、明治時代の北海道の監獄という舞台が救いがないからかもしれない。収監者への苛烈な扱いの描写は、暗澹たる気持ちになる。しかし、「愛の典獄」と呼ばれた有馬四郎助が実在の人物なのはおどろいたな。この人物のことを知って欲しくて、山田風太郎はこの作品を書いたんだろうね。
あと、ストーリーの鍵のひと -
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"昭和20年1月~12月までの日本が太平洋戦争敗戦へといたる時代、山田風太郎さんが記した日記。当時の雰囲気が現実感を伴って伝わってくる。われわれは終戦の日がいつだかも、原爆が投下された日がいつということも知った上で日記を読み返していることになる。自分がその時代を生きていたらどんな行動をしていたか?いろいろなことに思いをはせる。
敗戦後寒い中寝床を暖めるものがなく、食べるものもなくても、山田さんは本を読んでいる。借りものなのか購入したものなのかわからないが、とにかく本を読み続けている。とてつもない量の本だ。
驚くと同時に、平和な今の時代ではもっともっと学べる環境にあるはずであるが、当時 -
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再読
最高潮の東京空襲から大転換へ
昭和二十年で作者が消えてなくなるわけではないのだけれど
その後も全部読んだあとで読み返すと
この日記作品の面白みは急速に薄れていく
個々人の紆余曲折はありながらも戦中の日常から
戦後の平和な日常への切り替わり
戦後生まれだからと戦中を暮らす人々と何も変わらない一方で
時代は確かに誰かが動かして転がっていく
自分は平均だとは思っても平凡だとは思っていない皆がつくる大衆がそれを映しているのであり
そのまったく理性的でなく流れ行く先徒ならぬ景色は
それでいて文明技術の変化を表層直ちに受ける
一身にして二世を生きるような転換期にそれは見えるようであり見えないようでも