山田風太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10年ぶりくらいに再読。北海道の樺戸監獄の初代典獄で月形潔の話を聞く機会があり、なんかひっかかるなあと思ったら、樺戸監獄がこの作品の「地の果ての獄」の舞台だった。ちょうど月形潔が辞めた翌年から話が始まるんだな。山田風太郎の明治物には珍しく、救いがあるラスト。「大奇跡」って、章のタイトルがすばらしいよね。そもそも、明治時代の北海道の監獄という舞台が救いがないからかもしれない。収監者への苛烈な扱いの描写は、暗澹たる気持ちになる。しかし、「愛の典獄」と呼ばれた有馬四郎助が実在の人物なのはおどろいたな。この人物のことを知って欲しくて、山田風太郎はこの作品を書いたんだろうね。
あと、ストーリーの鍵のひと -
Posted by ブクログ
"昭和20年1月~12月までの日本が太平洋戦争敗戦へといたる時代、山田風太郎さんが記した日記。当時の雰囲気が現実感を伴って伝わってくる。われわれは終戦の日がいつだかも、原爆が投下された日がいつということも知った上で日記を読み返していることになる。自分がその時代を生きていたらどんな行動をしていたか?いろいろなことに思いをはせる。
敗戦後寒い中寝床を暖めるものがなく、食べるものもなくても、山田さんは本を読んでいる。借りものなのか購入したものなのかわからないが、とにかく本を読み続けている。とてつもない量の本だ。
驚くと同時に、平和な今の時代ではもっともっと学べる環境にあるはずであるが、当時 -
Posted by ブクログ
再読
最高潮の東京空襲から大転換へ
昭和二十年で作者が消えてなくなるわけではないのだけれど
その後も全部読んだあとで読み返すと
この日記作品の面白みは急速に薄れていく
個々人の紆余曲折はありながらも戦中の日常から
戦後の平和な日常への切り替わり
戦後生まれだからと戦中を暮らす人々と何も変わらない一方で
時代は確かに誰かが動かして転がっていく
自分は平均だとは思っても平凡だとは思っていない皆がつくる大衆がそれを映しているのであり
そのまったく理性的でなく流れ行く先徒ならぬ景色は
それでいて文明技術の変化を表層直ちに受ける
一身にして二世を生きるような転換期にそれは見えるようであり見えないようでも -
購入済み
快作
バジリスク以来のファンですが、柳生シリーズも期待にたがわず面白かったです。一太刀で勝負が決まるような緊張感は独特ですし、緩急のついた構成といい、キャラクターの立ち具合といい、素晴らしい出来だと思います