山田風太郎のレビュー一覧
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忍法帖ばりに異形の半端者たちが正義のために暴れまくるエログロ山田風太郎の真骨頂、そこに信仰と神の奇跡を絡めた勧善懲悪痛快アクションエログロキリスト教伝奇小説。十手使いの元与力、原胤昭は石川島牢獄の看守を辞めて子供の頃から知る美人姉妹と絵草紙屋を営なむ。彼を慕ってやって来る出所した者たちの相談に乗りながら十手片手に極悪な官憲に立ち向かう。しかし原は嵌められて獄中へ。更に恋するお夕さんは追い詰められて自死。命を狙われる原。原とお夕にかつて助けられた異形の悪党どもが命を賭けて敵を倒していく。彼らはお夕の最期に神を見たのだ。ラストの奇跡は神の御技か超常現象か。抜群に面白い!
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購入済み
面白い以外の感想出てこない
50年以上前にこんな設定、ストーリーが誕生してたかと思うと山田風太郎先生はすごいなぁ…って思う。
小説ではわかりにくい描写が絵になってわかりやすいと言うか絵の表現力がすごい!
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Posted by ブクログ
「かくて日本に不機嫌と不親切と不平とイヤミ充満す。」
「最低生活の確保」
これぞ国難を救う根本の問題だ。
怒りは湧いても何を信じてどうしろと言うのか…
自分の力ではままならないことに巻き込まれ、それでも生きていく日々を描く。今の世界、日本の状況と重なるという評価もあちこちで見受けたが、そうだと思う。
山田風太郎先生を存じ上げなかったが、飄々とユーモアや皮肉を交えながら訥々と語る様子がむしろどんなに辛くともそれが日常であるということを嫌というほど感じさせてくれる。日常から覗く戦争は、勉強してきたこととはまた違う表情を見せる。勝田さんの描く人々はとても魅力的で、少ない線で表情がありありと伝わってくる。
1人の医学生の目を通して見る戦中の1年間。
いい漫画に出会った。次巻が待ち遠しい。 -
Posted by ブクログ
深い洞察力で見つめた昭和20年の1年間。後に作家となる医学生の日記は貴重な一次資料。
歴史は後世により書き変えられていくことがある。学校で習いドラマなんかに出てくる戦前、戦中の日本。まるで8月15日を革命が起きたかのような歴史観は全く違ったことが本書から良く分かる。
日本国民は政府や軍閥に騙されていたわけでもなく、自らの意思で戦争に協力している。日本の勝利を狂信的に信じるところはあるが、ことのほか情報も伝えられている。原子爆弾、ジェット戦闘機などウワサではあっても一般人に伝わっていることが分かる。
昭和20年という一年間。作品化を前提としていない、装飾のない記録だけに貴重であろう。
現在はモーニングでマンガ「風太郎不戦日記」として連載されているようだ。こちらも気になる。 -
Posted by ブクログ
戦後から見た戦前の暗い抑圧された時代とは異なる現代と大きくは変わらない日常。戦争に巻き込まれる庶民、現代にもあり得ることを教えてくれる、戦中の貴重な一次資料。
昭和17年11月25日から昭和19年12月31日まで。筆者20歳から22歳の日記。
家を飛び出した天涯孤独の青年。軍需工場で働きながら大学医科を目指す。
物資が不足して高騰し長距離切符も手に入らないが、さほど庶民感情というか生活は変わらない。戦時中ではあっても熱狂はなく淡々と暮らす。少しづつ戦局は悪化していきついにB 29により東京が空襲される。だがまだ終戦前昭和20年に起こる悲劇を誰も知らない。
もともと出版を考えることのない、作家になる前の装飾のない日記だけに真実が描かれていることだろう。
お金に困り懸賞小説に応募、あっさり入賞してしまうところ、そして空襲下でも毎日の読書歴に後の大作家の片鱗が見られる。
本作は昭和20年の「戦中派不戦日記」に続いていく。空襲下の日記は他にもあるが、日本の逆転勝利を信じる純な若者の目から見た戦時中の生活、貴重な記録であろう。
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ネタバレ山田風太郎の送る忍法活劇帖。家康の跡目争いに巻き込まれた伊賀と甲賀。一癖も二癖もある忍者たちが、己が才能を賭けてぶつかり合う! 秀逸なのはやはり戦闘描写だろう。能力こそ、今の時代から見れば目新しいものはないが、それも当然で、これがほぼ元祖のようなものだからである。まさに奇想といって差し支えない能力であり、その異形異様さと相まって頁を繰る手が止まらなくなる。白眉なのは戦闘のリアリズムであり、不意打ち騙しうち上等で、能力の相性に運否天賦が掛け合わさり、勝負はほぼ一瞬で決まる。そこには引き伸ばしのようなダラダラした戦闘はなく、またお互いの能力の品評会のような闘いでもない。そこにあるのはまさに命のやり取りのみであり、凡百のバトル漫画やラノベにありがちな無駄な戦闘は一切ないのだ。それがいい。また能力を紹介する際のアジテーションも上手く、ケレン味たっぷりの口上は読んでてゾクゾクするものばかりである。この強引な語り口は西尾維新や奈須きのこなどの伝奇作家にしっかりと受け継がれており、今の時代に読んでも遜色なく、その魔術的な語り口は様々な読者を魅了するだろう。かくいう自分もこの一冊ですっかりとりこになってしまった。文章も時代小説の皮こそ被っているものの、実態は突飛な異能バトルもので、時代小説の雰囲気をぎりぎり崩さない程度に「遊んでいる」文章だ。この山田風太郎の遊びに付き合わされるのが一番の楽しみだろう。
能力として面白かったのはやはり薬師寺天膳だろう。不死の能力という謂わばチート能力だが、これが実にいいスパイスになっており、早めに能力が分かったのにラスボス感が消えなかったのが素晴らしいと思った。仕留めきれてないことは読み手なら分かるわけだが、それで萎えるどころか「志村、後ろ!」のような誘い受けの妙にまで達している。ラスボスとトリックスターを同居させたことこそが一番凄いところかもしれない。また不死の能力を持つくせにどこか俗っぽく、隙あらば朧を犯そうとする下衆さが実に良かった。細菌だとハンター×ハンターのカミーラが似たような能力(ネコノナマエ)だったわけだが、不死系の能力は人間性が傲慢になるというのは結構リアルだと思う。
あと、吐く吐息が毒になる陽炎や変身能力の如月左衛門なども、元の能力に見合った活躍ぶりで胸がすく思いがした。普通の異能バトルだと噛ませ犬に扱われる類の能力だが、普通に考えて毒と变化が弱いはずがない。また戦闘能力でいえば最強である筑摩小四郎のカマイタチを起こす能力も、不意打ちでやられてしまうという塩梅もよく、普通にやれば勝てるわけだが、それは正々堂々とした勝負の場の話で、相手の能力が分からず、また多数対多数だとやはり勝負はわからない。見せかけの強さにばかりこだわっていると、その異常なまでのあっけなさに驚くことになるだろう。凝った能力よりも、やはり使い方とシチュエーションの妙味である。相手の死を利用した変身能力者が、相手が生きていたことで計画が破綻するという転がし方には舌を巻いた。あと、双方の頭領が能力バトルを根幹から揺るがす催眠能力と無効化能力だったのも個人的にはポイントが高い。能力バトルだと忌避されがちなこの二つの能力を使いつつ、しっかりと等価値でバランス良く扱う腕はまさに神の御業だろう。
初めて読んだ山田風太郎作品だったが、もっと早く読めばよかった。できれば学生の時に読みたかった気がするが、今読んでも全然遅くはない。次は『魔界転生』を読みたい -
Posted by ブクログ
10年ぶりくらいに再読。北海道の樺戸監獄の初代典獄で月形潔の話を聞く機会があり、なんかひっかかるなあと思ったら、樺戸監獄がこの作品の「地の果ての獄」の舞台だった。ちょうど月形潔が辞めた翌年から話が始まるんだな。山田風太郎の明治物には珍しく、救いがあるラスト。「大奇跡」って、章のタイトルがすばらしいよね。そもそも、明治時代の北海道の監獄という舞台が救いがないからかもしれない。収監者への苛烈な扱いの描写は、暗澹たる気持ちになる。しかし、「愛の典獄」と呼ばれた有馬四郎助が実在の人物なのはおどろいたな。この人物のことを知って欲しくて、山田風太郎はこの作品を書いたんだろうね。
あと、ストーリーの鍵のひとつである秩父事件には、興味が湧いたな。 -
Posted by ブクログ
"昭和20年1月~12月までの日本が太平洋戦争敗戦へといたる時代、山田風太郎さんが記した日記。当時の雰囲気が現実感を伴って伝わってくる。われわれは終戦の日がいつだかも、原爆が投下された日がいつということも知った上で日記を読み返していることになる。自分がその時代を生きていたらどんな行動をしていたか?いろいろなことに思いをはせる。
敗戦後寒い中寝床を暖めるものがなく、食べるものもなくても、山田さんは本を読んでいる。借りものなのか購入したものなのかわからないが、とにかく本を読み続けている。とてつもない量の本だ。
驚くと同時に、平和な今の時代ではもっともっと学べる環境にあるはずであるが、当時の山田さんの足下にも及ばない。ねじを巻かないといけない気持ちになり背筋が伸びる。"