山田風太郎のレビュー一覧

  • 戦中派虫けら日記――滅失への青春

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    再読
    『戦中派不戦日記』に先立つ昭和17年から19年の日記
    日記は公開を目的としたものでなくとも
    読まれることは意識しているのでそのまま本当ではないにせよ
    ちょっとしたどうでもよいようなところの集積に
    その時代が映し出されて心地良い
    いつの時代もひとの変わらなさゆえに
    それぞれの時代が価値深い作品

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    2018年10月19日
  • 新装版 戦中派不戦日記

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    再読
    最高潮の東京空襲から大転換へ
    昭和二十年で作者が消えてなくなるわけではないのだけれど
    その後も全部読んだあとで読み返すと
    この日記作品の面白みは急速に薄れていく
    個々人の紆余曲折はありながらも戦中の日常から
    戦後の平和な日常への切り替わり
    戦後生まれだからと戦中を暮らす人々と何も変わらない一方で
    時代は確かに誰かが動かして転がっていく
    自分は平均だとは思っても平凡だとは思っていない皆がつくる大衆がそれを映しているのであり
    そのまったく理性的でなく流れ行く先徒ならぬ景色は
    それでいて文明技術の変化を表層直ちに受ける
    一身にして二世を生きるような転換期にそれは見えるようであり見えないようでもある

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    2018年10月19日
  • 戦中派虫けら日記――滅失への青春

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    山田風太郎さんの日記。昭和17年(1942年)11月から昭和19年(1944年)12月までの日記である。大東亜戦争まっただ中の日本がどんな様子だったのかを知ることができる。昭和20年(1945年)~の日記も出版されているようだ。

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    2018年10月17日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)

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    明治捕物シリーズしか山風の忍法シリーズ。
    アニメ化されたので結末は知っていたが、もう圧巻。1950年代にこれが登場していたとは…!!

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    2018年10月10日
  • 戦中派不戦日記 山田風太郎ベストコレクション

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    戦時中のB29来襲の恐ろしさやポツダム受託後の行動など軍人ではない角度での描写であり、感情がありありと書かれていて興味深い。

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    2018年09月26日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)

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    アニメにはまって小説の方も気になって読んだ。
    戦いのシーンとか文字でどんな感じで表現されてるんだろうと思いながら読んだけどとても臨場感があるし、読んでて楽しめる!1日ちょっとで読み終わった。

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    2018年09月03日
  • 十 ~忍法魔界転生~(13)

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    遂に待ち望んだ決戦の巻。

    やはりせがわ先生の真骨頂は「文字説明ではなくすべて絵で描く」センスというか、最後の武蔵戦をあらためて原作で読むと本当そのままで驚く。

    ラストについてはちょっとしたアレンジ。アレンジ改変の少なかった本作ですが、ここばかりは長いこと連載続けてきた上でのせがわ先生なりの原作への思いなのかもしれません。

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    2018年08月17日
  • 十 ~忍法魔界転生~(13)

    購入済み

    快作

    バジリスク以来のファンですが、柳生シリーズも期待にたがわず面白かったです。一太刀で勝負が決まるような緊張感は独特ですし、緩急のついた構成といい、キャラクターの立ち具合といい、素晴らしい出来だと思います

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    2018年08月07日
  • 人間臨終図巻 2

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    50〜64歳で亡くなった人ということでガン率高し
    喜んだらちょっとアレかなーと思いつつ、でもすっごいおもしろい!このシリーズ
    3、4巻も買ってこなくちゃ

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    2018年06月18日
  • 忍法八犬伝 山田風太郎ベストコレクション

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    犬田小文吾の死に様がかっこよくてそこから一気に引き込まれた。相変わらず忍法は突飛だけどすごく面白かった。

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    2018年01月20日
  • 忍法八犬伝 山田風太郎ベストコレクション

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    山田風太郎作品はどれも計算され尽くされている物語の展開が読後に「うわぁ!もー!すごい!」となって、読み返したくなります。今回も、この順番で戦わなかったら…という素晴らしい展開でした。甲賀忍法帳と同じようなシチュエーションでありながら、一人一人戦っていくことになる理由付けがきちんと書かれているのが素晴らしい。特に今回はその理由が色恋なだけに読みやすかったです。

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    2017年10月21日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)

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    家康の跡継ぎ問題~かと思えばバリバリのエンターテイメント!楽しく一気読み。
    あり得ない忍術使い伊賀甲賀に分かれての死闘!

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    2017年10月11日
  • 風来忍法帖 山田風太郎忍法帖(11)

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    極悪非道な香具師たちの心境の変化と、非戦闘員である彼らが強大な敵(風摩忍者)に立ち向かう絶望感と、誰もが魅了されずにはいられない麻也姫が、本作の魅力。
    そこそこボリュームがありながらも、香具師たちの陽気な騒々しさが全篇にみなぎり、停滞や失速なく一気に読ませる疾走感がすごい。
    後半は思わず涙ぐんでしまうこともしばしば。
    間違いなく忍法帖シリーズベスト5に入る傑作だと思う。

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    2017年09月22日
  • 地の果ての獄(上) ――山田風太郎明治小説全集(5)

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    山田風太郎といえば娯楽時代小説の大家。
    近年は「甲賀忍法帖」が「バジリスク」のタイトルで漫画化・アニメ化したことでも記憶に新しい。
    四郎助の赴任直後から監獄では度々不審な事件がおきる。
    囚人が有り得ない不可能状況から脱走を図る。横暴な看守が変死を遂げる。
    呑んだくれのアイヌ医者、人間の良心を信じ続ける神父。
    それら多彩な人物に囲まれ囚人と触れ合ううちに、四郎助の心境にも徐徐に変化が芽生えていく。
    なんといっても牢屋小僧がめちゃくちゃかっこいい。ほれます。野卑で狡猾、過酷な苦役と折檻にもめげず不敵な笑みを浮かべ続ける男。
    そこはかとなく不気味な存在感で他を圧倒し、極悪人ぞろいの獄でも一目置かれる隻眼の囚人。
    個性的な登場人物たちの中でも彼のキャラは異彩を放ってます。
    収録作の中でいちばん好きなのは「邏卒報告書」。
    元巡査の囚人・畑寺。根っから善良で真面目な畑寺が地の果ての獄で再会したのは、自分を騙し裏切り続けた親友・高戸。
    同じ枷に繋がれた二人は元親友同士でありながら姑息な高戸は何度も畑寺をそそのかし、その友情に付け込んで美味い汁を啜っていた。
    高戸の裏切りがもとで巡査の職と最愛の妻子までも失い、地の果ての獄に送られた畑寺を待っていたのは元部下で現看守の堂目の凄まじい虐待。
    しかし根っからお人よしな畑寺はそこでも元親友を庇い続け……

    全部説明しちゃうとアレなんで、これはとにかく!読んで下さい。
    騙され裏切られすべてを失った冴えない中年男、畑寺。
    友人を破滅させておきながら反省の色はさっぱりなく、今また畑寺を踏み台に脱獄計画を練るこりない高戸。
    最後の最後で畑寺が上げた台詞が、もうね……胸が熱くなる。涙がこみあげてくる。 
    あの台詞を叫ぶまで畑寺が経てきた人生が走馬灯のように過ぎって、活字がぼんやり滲む。

    傑作です。おすすめです。

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    2017年08月24日
  • 誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション

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    ネタバレ

    「棺の中の悦楽」目当てで購入。「誰にも出来る殺人」はすでに読んでおり、これが山田風太郎得意の書簡体小説だが、「棺」はそうではない。「棺」の方が後に書かれたせいか、初期のミステリ作品に比べ、人物や場面の描き方が丁寧になっているように感じた。もしくは、これまで読んできた作品が、語り手の独白が中心のものが多かったから、そうではなく三人称で描かれることによって、そう感じたのかもしれない。個人的には、第三の花嫁に手を出せずに躊躇するところ、第四の花嫁をいたぶり、それをただ見ている無力の夫に自分を投影する箇所が面白かった。
    自分としては過去最高級に面白かったが、読書会で発表したところ、受けは微妙であった・・
    あらためて考えればやはり山田風太郎は娯楽小説の域を出ないのだろうか?いや、そうでないと思う。主人公は決して特異な人物として描かれてはいない。むしろどこにでもいる、「誰にも出来る」、「誰にも起こりうる」こととして描かれている(こんなに破天荒な内容に思われても)。「誰にも出来る殺人」にあったように、人は殺し合い犯しあい歴史をつくってきた存在で、人間とは生まれながらに愚かなのだ、教育では如何ともし難いのだ、と山田風太郎じしん、わかっていながら、やはり愛すべきものとして人間を描いているのだと私は考える。

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    2017年06月18日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)

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    徳川家康の身勝手な理由によって取り決められた、甲賀と伊賀十人ずつによる忍者対決。独特な秘技を持つ個性豊かな忍者たち。奇襲・暗殺・だまし討ちと手段を選ばない非情な戦いの連続。弦之介と朧の引き裂かれた恋を絡めながら、想像を超えるスリリングな展開が続き、エンターテイメント作品として、非常に濃密な内容を持っている。
    それぞれの忍者が持っている秘技は、あまりにも人間離れしているので、サイボーグのように感じ、SFというか、マンガのようでもある。忍者の中でも、伊賀の薬師寺天膳と甲賀の如月左衛門の二人の存在が、この摩訶不思議なストーリー展開には欠かせない。薬師寺天膳は何とも下衆な野郎。読んでいる際中は、甲賀の方に肩入れしている自分がいた。
    甲賀と伊賀に分け隔てられた忍者の宿命、ふたりの恋の結末に哀愁を感じた。

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    2017年02月12日
  • 人間臨終図巻 1

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    人物伝は数あるけれど人間の臨終に的を絞り、多くの事例を集めた物は、この本以外に寡聞に知らない。通常の伝記が人物の活躍に焦点を当てるのに比べ、この本は人生の下り坂を活写する。偉人であろうと死ぬ時は苦しみながら死ぬ(例外も収録されている)。改めて、人の人たる所以を突きつけられる。

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    2017年01月28日
  • 明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション

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    ネタバレ

    文句なく面白く、夜更かし必然。
    明治初年、警察組織が手探り状態の東京。
    さしづめ警視庁キャリア組エリートたる香月経四郎と、同胞の川路利良が、怪事件を解決するミステリー。

    香月の謎解き役となるフランス美女の巫女、へっぽこ五人組の巡査ふぜい、そのほか福沢諭吉や内村鑑三など史実の逸材が続々登場。

    最初の事件のトリックはこんなんありかい!と笑ってしまった。やや時代劇風の毎回降霊で解決のパターンに飽きてくるが、読み飽きない一冊。

    最終章の結末に唖然。
    香月とフランス革命のロベスピエールとが重なった。

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    2016年12月29日
  • 明治十手架(下) ――山田風太郎明治小説全集(14)

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    善と悪、そしてその橋渡しの役目を担う主人公というわかりやすい構図。美人姉妹とのドキドキもあるし、「けだもの勝負第〜番」の流れはまるで「忍法帖」…というかなりサービス精神の強い作品。同時収録の『明治かげろう俥』は大津事件をきっかけに4人の男女の数奇で壮絶な運命を描く。かなり壮絶。『黄色い下宿人』はホームズパロ。

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    2016年12月25日
  • 魔界転生 下 山田風太郎ベストコレクション

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    エンターテイメントとして最高の読み物。

    上巻はエログロ路線が読み進めるのに厳しく、最後まで読めないかとまで考えたがどんどんおもしろくなってきて正直困った。
    とんでもない設定も勢いで納得させられてしまう。
    紀伊や柳生の風景も、虚実入り混じったストーリーも、血に足をつけた切り貼りではない作者の内から溢れ出たもの。時代物では場所・物事の描き方がコピペのように浮いてしまい、興ざめすることが多いが、山田風太郎に関してはまったくそのようなことがない。
    なるほど、これが長く読み継がれる娯楽小説というものか。

    楽しいひと時をどうもありがとう。

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    2016年12月23日