あらすじ
華やかな明治期の東京。元藩士・干潟干兵衛は息子の忘れ形見・雛を横に乗せ、日々辻馬車を走らせる。2人が危機に陥った時、雛が「父(とと)!」と叫ぶと現われるのは……風太郎明治伝奇小説。
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Posted by ブクログ
2012年9月に上巻のみ一読。
初読ではえげつない部分に肝を冷やしたが、再読するとほんとうにおもしろい。
ストーリーを忘れた頃に、読み返してみたい。
Posted by ブクログ
舞台は西南戦争後の明治の東京。主人公は、会津出身の元侍で、辻馬車で生計を立てている。彼が出会う人々との様々な出来事がテンポよく描かれる。馬車の馭者台の横には、孫娘のチョコンと座っていて、危機のおりに彼女が「トト!」と叫ぶと、西南戦争で戦死したお父さんが現れて救ってくれるという奇想天外な設定だ。物語には、その時代に実在した人物が次々と登場する。たとえば、三遊亭円朝、坪内逍遥、大山巌、松旭斎天一、姿三四郎、嘉納治五郎、中江兆民、花魁花紫、伊藤博文、斎藤歓之助、山川健次郎、山川捨松、田山花袋など、豪華絢爛。
Posted by ブクログ
『人の世に情けはあるが、運命に容赦はない』
奇才・山田風太郎の明治物。
文明開化の明治15年に東京を行く1台の古ぼけた辻馬車。
それを駆るのは元会津同心の干潟干兵衛。
孫娘のお雛を乗せて走る辻馬車にはさまざまな人物が去来するが…
この馬車には一つの不思議が。
お雛が危機にさらされたとき、お雛が「とと!」と助けを呼ぶと…
忍法帖のような超能力はでてきませんが(笑)
歴史とファンタジーを融合させる力はさすがの一言。
明治初期の様々な著名人の運命がこの辻馬車を中心に絡まっていくので
あ、この人があの有名な!ってところも面白いです(笑)