山田風太郎のレビュー一覧

  • 柳生忍法帖 上 山田風太郎忍法帖(9)

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    十兵衛が直接手を下さずサポートに回るという着想が面白い。冒頭の殺戮シーンがあまりにも凄絶なのですが、その後のやりとりはどこか間が抜けていたり、妙に杜撰だったりして、戸惑います。

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    2013年10月31日
  • くノ一忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    忍法帖シリーズ第4作目。第1作である「甲賀忍法帖」より、さらに奇抜かつ凄艶になっていく忍法合戦。そして徳川家康と千姫の知恵合戦と充実した内容になっている。さらにパワーアップした忍者たちの忍法の数々をご堪能あれ。

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    2013年10月15日
  • 風来忍法帖 山田風太郎忍法帖(11)

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    ネタバレ

    やってることは最低だけど剽軽でどこか憎めない七人の香具師たち。
    そんな彼等を追いかける七人のくノ一。
    自由気ままな彼等に感情移入しちゃった分だけ、後半に一人また一人と減っていくのが寂しくてやりきれなかった。

    それでも大好きな姫君や悪源太のためにみんな命を張って見せ場を作って、明るく悲しくそして痛快な物語だった。

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    2013年09月25日
  • 妖異金瓶梅 山田風太郎ベストコレクション

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    ネタバレ

    初めて読む、忍法帖シリーズ以外の山風作品。

    絶世の美女だけど恐ろしいほど嫉妬深く、あの手この手でライバルたちを葬っていく主人公・潘金蓮。
    ただの毒婦かと思いきや、主への愛情は誰よりも深いし、度胸も愛嬌もあって、読むほどに魅力的になっていく。
    読み終えた頃にはすっかり虜になって、殺されてもいいからこんな女に会ってみたい!と思ってしまった。

    潘金蓮以外の女性もそれぞれが他人には負けないチャームポイントを一つずつ持ってて、色とりどりの愛憎劇が楽しめた。
    その上、奇想天外なミステリー小説としても読めて、山風の懐の広さに脱帽。
    是非他のミステリー作品も読んでみたい。

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    2013年09月25日
  • 明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション

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    明治初期を舞台とする連作短編集です。第1話と第2話は謂わばプロローグで、主に登場人物及び舞台の説明です。本格的な話になるのは第3話からで、それぞれ奇怪な事件とその解決が描かれています。
    そして最終話では驚愕の真相が待ち受けています。怒涛の展開と何とも言えない余韻の残るラスト!間違いなく傑作といえるでしょう。

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    2013年08月29日
  • 人間臨終図巻 1

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    古今東西、様々な人間の死に様を描いた本。

    死に様だけで、その人の生き様が重くのしかかってくる。

    今日読んだのはジョン・レノンの死に様。

    偶然にも、彼を殺したマーク・チャップマンに、

    殺人罪による無期刑が宣告された日だった。

    ジョン・レノンの頁にも関わらず、最後の一文は、

    裁判官の被告人への宣告の一節。

    いつ読んでも、しびれる本。

    濃すぎてなかなか読み進められない。

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    2013年08月25日
  • 妖異金瓶梅 山田風太郎ベストコレクション

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    グロテスクだが読んで良かったと心から思える本。現実性という意味では無理のあるところもあるが、そんなものもねじ伏せてしまうぐらいの迫力がある。
    水滸伝や金瓶梅を読んでいるとより感動が大きいので事前に読んでみるのをおすすめ。

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    2013年08月18日
  • 柳生忍法帖 上 山田風太郎忍法帖(9)

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    ここまでに読んだ他の山風作品と較べると悲壮さ・卑猥さが減ってストレートな活劇ものになってる。

    山風の本たちは作品上の関連性は描かれてないけど、
    「甲賀忍法帖」で次期将軍に選ばれた家光と忍法勝負を提案した天海僧正はこの「柳生忍法帖」にも登場するし、
    かたや跡目争いに敗れた忠長の顛末は「忍びの卍」で語られ、
    更にこの本で堀一族の女たちの復讐を助けた十兵衛はその数年後に「魔界転生」で今度は自らの刀を振るうことになる、
    そして彼の祖父が石舟斎の号を得た経緯は「伊賀忍法帖」で描かれる。

    それらの繋がりを追っていくと一つの長大なサーガの一端を読んでる気分になって、増々山風ワールドに引き込まれていく。

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    2013年08月11日
  • 伊賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(3)

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    いよいよ人間離れしていく忍者たち。

    首から下を別の女とすげ替えられ、すこぶる邪悪で淫蕩な別人へと生まれ変わってしまった主人公の恋人、篝火=漁火。
    ここまで読んだ山田風太郎作品の中でもダントツにどす黒いキャラだった。
    まるでDIO。
    設定からしてモラルを度外視してるんで、果てはどこまで逸脱するのか気になって目が離せなった。
    ページから傲慢な高笑いが聴こえてくるようでした。

    欲望剥き出しで誰憚ることなく我が道を行く松永弾正も魅力的な悪役だった。

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    2013年08月03日
  • 忍びの卍 山田風太郎ベストコレクション

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    かなりエロくて、悶々としながら読んだ。

    これまでに読んだ「甲賀忍法帖」「魔界転生」に較べると登場人物はぐっと減ったけど、その分濃密なバトルと心理戦が読めて充実の一冊でした。

    伊賀、甲賀、根来それぞれの忍者が使う術はどれも女の体を道具にした奇想天外で卑猥なもの。
    その忍法合戦も面白かったけど、その裏に張り巡らされた権謀術数も読み応え充分。
    本当の敵は一体誰なのか。
    それぞれの忍者の行動に隠されていた真意が明かされるラストにはやられた。

    どんなに超人的な技を身に着けても所詮は権力の道具として使い捨てられる、それでもそこにアイデンティティーを求めるしかない忍者たちの哀しい宿命が肌に感じられた。

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    2013年08月03日
  • 軍艦忍法帖

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    ネタバレ

    登場する忍者はたった独り、忍法はわずか数種類、舞台は異例の幕末…と、これが忍法帖長編第三作目とは思えない挑戦的な作品。ラスト間際は悲愴感に耐えられず「早くみんな死んでくれ」と願ってしまったほどでした。傑作。

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    2013年07月19日
  • バジリスク~甲賀忍法帖~(5)

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    面白かった。みんな死んじゃうの~~!!
    と思いながらも、後からジワジワときます。
    如月兄弟がいい感じ。

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    2013年07月13日
  • 魔界転生 上 山田風太郎忍法帖(6)

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    せがわさんによるコミカライズ版に触発されて、久々に。
    相変わらずのテンポの良さで、上下巻と一気読み。

    主人公は、柳生十兵衛とその仲間たち。
    敵対するは、とある忍法で転生した、7人の武芸者。

    その名は、、荒木又右衛門、天草四郎、田宮坊太郎、宮本武蔵、
    宝蔵院胤舜、柳生但馬守、柳生如雲斎と、錚々たる名が連なっています。

    彼ら、史実では実現できていない武芸者たちの戦いが、
    山田さん好みの「魔人」との設定をクロスさせて描かれていきます。

    メインで戦うのは十兵衛ですが、真っ向勝負に終始しているわけではなく、
    わずかながらでもの、地の利、人の利、天の利をとって戦っていくのも、また。

    決して完全無

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    2013年07月10日
  • 妖異金瓶梅 山田風太郎ベストコレクション

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    ネタバレ

    金瓶梅を種本にしたミステリー。

    いつも殺人犯が同じ、というミステリーは見たことがない。きっと書いたとしても妖異金瓶梅のパクリと思われてしまうからだろうと思う。

    金蓮のキャラが立ちすぎて怖い。足がでかいと言い返したいがためだけに2人殺したり、いい肌の臭いのする妾をクソまみれにしたりと、全体では自分が勝っているのに、他人に優れた部分がひとつでもあることが我慢できない、まさに女人大魔王。

    一番怖いのは、すべての行動の動機は西門慶への純愛から生まれていること。

    金瓶梅の原作は途中で投げたが、水滸伝はまた読みたくなってきた。義でつながる異能の悪党どもという話はこころが踊る。それ忍法帳シリーズだっ

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    2013年06月23日
  • 明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション

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    明治初期を舞台に、水干姿の美青年&薩摩弁鮮やかな侍のコンビが金髪碧眼巫女の口寄せによって謎解きする。一つずつの事件を描いた短編にちりばめられた疑問が、最終話で一気に収束するタイプの連作もの。

    時代の熱さなのかな、登場人物それぞれ(主役の二人はもちろん、加害者被害者、ダメ邏卒たちに至るまで:終盤はむしろ胸熱であったけど)がそれぞれの方向に突っ走る様は爽快でもあり、最終話ではもの悲しくもあり、読む側のテンションを上げてくれる一冊でした。

    山風先生はここまで読んだのが忍法帖を少し、柳生十兵衛少し、短編少しだったのですが、幕末妖人伝が面白かったのと、ミステリー小説だという話だったので(昔ミステリー

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    2013年06月16日
  • 十 ~忍法魔界転生~(2)

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    『魔界転生』のせがわさんによるコミカライズ版、2巻。
    ようやく敵の編成が終了、、主人公は回想の1カットのみ。

    胤舜から始まり、宗矩、如雲斎まで、総勢で7名揃いました。
    黒幕となる南海の竜も登場し、俄然盛り上がってまいりました。

    いよいよ次巻より、夢の対決が始まります。
    さて次巻で初戦を飾るのは、、というか、そこまで行くのかな(汗

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    2013年06月13日
  • 妖異金瓶梅 山田風太郎ベストコレクション

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    恐ろしい一冊。
    個人的オールタイムベストランキングに入る。
    ミステリとしてこの趣向は考えたことあるけど、それをこれほどの出来で達成する人は他にいるのかしら?

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    2013年06月05日
  • 妖異金瓶梅 山田風太郎ベストコレクション

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    山田風太郎作品が好きで購入。
    己の欲望に忠実に行動する潘金蓮には、最初こそ「嫌な女!」と思わされるのですが、一遍読み終わる頃にはどうやら此方も彼女に魅了されるのか「仕方のない人だなぁ」と応伯爵と一緒に苦笑してしまいます。
    応伯爵のキャラクターもとても魅力的で、探偵小説好きとしてはとても楽しめる一冊でした。

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    2013年05月16日
  • 魔界転生 上 山田風太郎忍法帖(6)

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    さすが山田風太郎というべきエンターテイメント作品。
    有名剣豪たちが色欲と力に染まって歪み、黄泉の世界から復活。
    それに対峙する柳生十兵衛との死闘。
    時代劇版スーパーヒーロー大結集であり、夢の対決を叶えてくれるというツボを心得たストーリー!
    闇堕ち設定はいつの世代でも読者の心をくすぐるという好例かと思います。

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    2013年05月11日
  • 幕末妖人伝 時代短篇選集1

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    山田風太郎の幕末明治ものにはハズレはない。これも、圧倒的な迫力で幕末の怪人妖人たちの生きかたと死にざまを描く。山田風太郎を読むなら幕末明治ものだとはっきりと確信させられた。

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    2013年05月07日