山田風太郎のレビュー一覧
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草履取りから天下人へ・・・
日本史上最大の成り上がり者・・・
豊臣秀吉・・・
日本の英雄の1人・・・
天下を取るまでの政略、外交、軍事の天才的な冴え・・・
恐ろしいほどの強運の持ち主・・・
お調子者で陽気で人から好かれ・・・
武将だけども人を殺すのが嫌い・・・
多くの人を取り込む人たらし・・・
大体の秀吉モノ(太閤記モノ)はこの秀吉の陽性にクローズアップ・・・
日本人が好きな秀吉モノはこっち・・・
天下を取ってからの転落していく秀吉の暗部にはあまり触れない・・・
落差がありすぎて酷すぎるから・・・
まるで別人かと思うくらいの変貌を遂げるので・・・
秀吉好きな人も引いちゃうくらいなので・・・
大 -
Posted by ブクログ
ああ素晴らしい。
純文学かと見紛うほどの綺麗な文体とストーリー展開。
しかしそれでいて本作は第一級のミステリでありノワール小説なのだ。
いままでこんなにも規模の大きい◯◯◯殺人(読めばわかる)は見たことない!!
この結末だけをとって、やれリアリティがないだの、実現不可能だとか言うのは全くの見当違いだろう。
作者がやりたかったのはこの結末ではなく、この時代に行きた人達の慟哭を文字にして伝えることではないだろうかと僕は思うのだ。
その過程でミステリの体裁をとってしまっただけのこと。
まぁ、そこが山風らしいのだが…
正直、平成生まれの僕は登場人物たちの気持ちを理解できたとは言えない。
きっと -
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若き医学生、山田誠也青年による、運命の昭和20年の記録。何に驚くといって、この過酷な世界の中で、ほとんど毎日何かしらの本を読んでいることである。案外戦中派の人達の中には「あの頃が一番本を読んだ」という人が多いらしい。一種の現実逃避だったのかもしれない。ところで、この日記は日々をライブとして記録しているのかと思ったら、実は出版にあたって少し編集しているところがあったらしく(後に出た「焼跡日記」におなじような記述が見られる等)、それに気付いた時にはちょっとだけ興醒めした。とはいえ、若かりし頃の作者の冷静と情熱がひしひしと伝わってくる事には変りはない。しかし、これほど知的探究心に富み、怜悧な洞察力を
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約10年前、『ドグラマグラ』とともに、カリパクされ、買い直した作品。
久々の読み返しにも関わらず、その面白さは抜群。
若かりし頃、山田風太郎の忍法帖モノに手を出したが、頓挫したのも懐かしい思い出。
この作品は全九編からなる短編集。
前半なかばからの素広平太博士、三部作(各話には関連性なし)。「紋次郎の職業」の性的作品は個人的に大好物。
はたして、素広平太博士三部作中の「満員島」のように制慾帯を造らずとも、現実の政府は、子どもを育てるのに金が掛かるようにして、爆発的人口増加を防いだ。一方で、素広博士が危惧した高齢化は厳しい現実のモノとなった。
また、最後の「黄色い下宿人」はホームズ作品へのオマー -
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昭和30年代後半、苦学生の鏑木はバイトで訪れた屋敷で社長令嬢と出会う。鏑木は特権階級への反抗の意思から、彼女に近づくのだが……
他の本や映画のalwaysではこの時代は貧しくても希望があった時代だとか、頑張ればそれが給料に反映された時代だとか、どこか希望的な側面で語られやすいのですが、この小説に出てくる登場人物たちは、将来への希望をなくしていたり、時代に疑問を持っていたりしています。
敗戦からおよそ10数年、復興や高度経済成長のイメージが強い時代ですが、その時代の暗部というか、語られにくいところを見事に描き切った作品だと思います。
中でも印象的だったのが鏑木が将来への希望を持てな -
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うーん、すげえ。いややっぱすげえ。「何も言わなくても絵だけで凄い」漫画。『バジリスク』は徹底的にナレーションを廃してたけど、これはナレーションをも効果的に演出している感が。
ここにきて「わかりやすすぎる転生衆のビジュアル」が効果的になっている気がする。正直、転生衆と言っても生前最盛期の力+α程で、人間の物理的限界を超えるようなケレン味溢れる超能力を持っているわけではない。しかしあの「霧の中の魔軍」の迫力!正直、ケレン味が溢れすぎる物語にどっぷり使っている現代人には、(真面目な時代劇でも良いんですが)やはり絵的に派手なほうがいいと思うんですよ。原作だって、当時にしてみたらそれなりに無茶苦茶な話だ -
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甲賀と伊賀に、互いに憎しみを抱く忍者の里在り。孫の竹千代と国千代のどちらを三代将軍の座につけるのか、迷いあぐねた徳川家康は、それぞれの一族から選ばせた十人づつを闘わせ、どちらが生き残るかによって後継者を決めようとする。折りしも甲賀と伊賀の棟梁の孫である弦之介と朧は、愛し合い、因縁を断ち切ろうとしていた。しかし運命に押し流されるように、血で血を洗う死闘が始まる。
次々と繰り広げられる奇想天外の忍法。なんじゃこりゃ、と思う間もなく、ストーリーに絡め取られて夢中になって読んでしまう。一種のSFだと思えば良いのかも知れない。読み物としてはかなり楽しめた。