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Posted by ブクログ
山田風太郎 著 「風来忍法帖」を読みました。
豊臣の大軍勢に対し、わずか数百人の手勢を率い、北条方の小城・忍城を守る美貌の麻也姫。その麻也姫を守って、敵の忍者と命を賭けて戦う7人の香具師(やし)たち。
この7人の香具師たちは、一癖も二癖もある一筋縄ではいかない荒くれどもで、はじめは麻也姫を襲うおうと姫に近づくのに、いつの間にか、命を賭けて姫を守るはめになってしまいます。
ここら辺の展開がなんともうまく、さすが山田風太郎ここにありといった感じです。
姫を守るため、敵の無敵の忍者にも、悪知恵を使いながら、命を落としてまで、立ち向かっていく様は、男の生き方として、憧れを感じてしまうほどです。
特に、ラストのシーンは、あまりにせつなく、人を思う心の清らかさに胸が打たれます。
やっぱり、風太郎忍法帖はやめまれません。
Posted by ブクログ
人を騙し、女を売り歩き、戦場を荒らし、やることなすこと常識外れのとんでもない7人の香具師が主人公。行いを見れば到底ヒーローにはなりえない悪者達ですが、その大胆不敵、自由奔放な生き様はどこか憎めません。
冒頭からの彼らの非道な行いに呆れたころに、絶世の美女、麻也姫が彼らを一刀両断するのがなんとも気持ち良く、風のように捕らえどころがなく、女を物のようにしか見ていなかった彼らが、強烈な一発を食らわせた麻也姫に執着することとなるこの場面が見事です。
悪者の顔を踏んづけて決め台詞を吐く麻也姫に、7人の香具師同様読んでいる私もぐっと心を捕まれました。
7人の香具師が恥をかかされた復讐の為だ!とかなんとか言いながら、麻也姫に近づきたいが為に、厳しい忍者修行に耐え、あの手この手で頑張る姿は微笑ましい。とくに悪源太は好きな女の子をいじめてしまう悪ガキのようです。
しかし、口では薄汚いことを言いながらも麻也姫へは純粋な敬愛を持っているのとは反対に、麻也姫以外の女達には相変わらず冷淡で、特に女忍者達の扱いには胸が痛みました。
麻也姫という絶対的なヒロインがいる限り女忍者達の末路は決まっているようなもので、それ故あのラストはなるべくして、という感じがします。
政治的な謀略によって敵味方の構図が変化していくのもおもしろく、忍城での攻防、忍術合戦も迫力満点。
旗を立てるシーンなど名場面が多いです。
それにしても麻也姫がかわいい。
近づきがたい気高さと親しみやすさが同居した魅力的なヒロインで、悪行三昧だった香具師が彼女に命を懸けてしまうのもうなずけます。
香具師たちの声が哀しく響くラストは、彼らの生き様、麻也姫への想いを包括した、もうこれ以外にないという素晴らしい結末だったと思います。
Posted by ブクログ
忍法帖も11まで来た。ずいぶん厚い。上下巻にわかれてもいいのではないか、という厚さ。一日で読めなかった。
今回の登場キャラクターは、7人の香具師、7人の女忍者、3人の魔人(強い忍者)。例によって多対多の戦い、と言いたいところだけれど趣がずいぶん違う。香具師のなかでもキャラの描写具合にずいぶん差があるし、女忍者などはもう誰が誰やら。
圧倒的にキャラ立ちしているのは、アイドル麻也姫である。言ってみれば天然、であるが、故にまわりをブンブン振り回し、いろんな人の運命が彼女を軸にかわっていく。げに恐ろしきは天然女である。
「胡乱」「凄艶」といった、普段使わない言葉が頻発する。胴切りになって死ぬ人は、果たして何人いただろう。香具師の、人を人とも思わないような導入部分からしばらくは、ずいぶん非道い話なのであるが、終わってみればなんと爽やかであることか。これを読んで香具師になりたいと思った人は多いはず。ぼ、僕は違うんだからね!
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