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心をこの世に残しつつ死の際に立った男が愛する女と交わる――と、一ヵ月後にその女胎を裂いて男が再誕する。妖異凄絶の忍法「魔界転生」。血風の中に甦る大剣鬼は天草四郎を筆頭に、宮本武蔵、荒木又右衛門、柳生但馬守……。背後で操る森宗意軒と由比正雪。紀伊大納言頼宣をそそのかして天下を大乱に導くか!?
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Posted by ブクログ
柳生十兵衛が、よみがえった名剣士、田宮坊太郎、宝蔵院胤舜、天草四郎、荒木又右衛門、柳生如雲斎、柳生但馬守、宮本武蔵と闘う幻想的剣豪小説です。とにかく上巻は異常な事態が起こっていく過程、十兵衛が事件にかかわる過程など、異様な迫力に満ちていてとても面白いです。
せがわさんによるコミカライズ版に触発されて、久々に。 相変わらずのテンポの良さで、上下巻と一気読み。 主人公は、柳生十兵衛とその仲間たち。 敵対するは、とある忍法で転生した、7人の武芸者。 その名は、、荒木又右衛門、天草四郎、田宮坊太郎、宮本武蔵、 宝蔵院胤舜、柳生但馬守、柳生如雲斎と、錚々たる...続きを読む名が連なっています。 彼ら、史実では実現できていない武芸者たちの戦いが、 山田さん好みの「魔人」との設定をクロスさせて描かれていきます。 メインで戦うのは十兵衛ですが、真っ向勝負に終始しているわけではなく、 わずかながらでもの、地の利、人の利、天の利をとって戦っていくのも、また。 決して完全無欠の主人公として描かれてはおらず、 物語の設定では、武蔵が最強の剣腕を持っているような感じに。 対する十兵衛は、武蔵も含めてどのようにして勝利するのか、、 それだけでも、ページを捲る手が止まりません。。 初めて読んだのは中学化高校の頃でしたが、理屈抜きで面白い、 エンターテイメントとはこういうことかとあらためて。 これが1960年代に書かれたというのが、凄いとも。 個人的には『甲賀忍法帖』との双璧の忍法帖です。
さすが山田風太郎というべきエンターテイメント作品。 有名剣豪たちが色欲と力に染まって歪み、黄泉の世界から復活。 それに対峙する柳生十兵衛との死闘。 時代劇版スーパーヒーロー大結集であり、夢の対決を叶えてくれるというツボを心得たストーリー! 闇堕ち設定はいつの世代でも読者の心をくすぐるという好例かと思...続きを読むいます。
6年前くらい前に1回と、最近また読んだ。 深作欣二の方の映画も見た。 タイトルは初めこれじゃなかったらしいが、こっちにして正解。 伝奇ものはやっぱり面白いなあ! なんで今でも流行んないのかな? 山風がやり過ぎちゃったのかなあ。 歴史はさして詳しくないんですが、 山風のおかげでちょこちょこ知れまし...続きを読むた。 まさにエログロナンセンスの極み。 これだけあっけらかんと女性が道具にされてるのに嫌悪感を感じないのは、 十兵衛サイドの三女子の愛らしさでしょうね。 正雪の怪人ぷりが良い。 魔人が全て大人物なのも良い。 これはほんとに面白いなあ!
再読。言わずと知れた忍法帖、伝奇小説の金字塔。奇抜な着想、妖しくも美しい世界、そのどれもが素晴らしい。 なによりも魅力的なのは、宮本武蔵、荒木又右衛門、天草四郎……忍法「魔界転生」により死から甦ってきた転生衆。序盤の大半を彼らの転生に費やす構成がサスペンスを盛り上げる。 戦いの激化を予感させつつ〈下...続きを読む巻〉へ。
バジリスク 〜甲賀忍法帳〜 より数十年後。 隻眼の剣士 柳生十兵衛 はダークサイドに堕ちた 大僧正・天海 の分身との死闘を終え、柳生の里で休んでいた。 だが、そこに新たな魔の手が忍び寄ってくる。 邪悪なネクロマンサーの手で復活した剣豪・武蔵、妖術使い・天草四郎、最強の槍使い・宝蔵院らの...続きを読むゾンビ英雄軍団との決戦が始まったのだ。 戦え、柳生十兵衛! 孤剣にて、ことごとく英霊を打ち倒せ! 強敵を下そうとも、十兵衛に休む暇は無い。 能のパワーでタイムスリップし、徳川家康の秘密を探りだすのだ!
初読は映画上映1981年のころなので、40年以上前。 映画の印象が強く、小説はあまり覚えていなかった。 40年以上ぶりの再読、おもしろかった。 上巻は、魔界転生衆の一人しか戦っていないが、あまり超人ではなく、対抗する十兵衛も人間技範疇なので興ざめせずに読めた。
小学生の頃に映画を見た覚えがある。断片的にしか覚えていないけど、天草四郎時貞、沢田研二の首が印象的だった。そちらと設定は共通だけど、登場人物は少々違う。ラスボスも違う。 転生衆の禍々しさに対して、柳生十兵衛と柳生衆の、お気楽とまでいったら悪いけど、事の重大さがどこまでわかっているのか(いや、転生な...続きを読むど当初はわかるはずもないのだが)、その対比がすごい。 もともとは「おぼろ忍法帖」という名前だったそうで、忍法帖シリーズだけど、やっぱり「魔界転生」でよかったと思う。忍法の出番は多くない。転生衆との戦いも、基本は剣の戦いである。名だたる剣豪たちの夢の戦い。登場人物の心のゆらめき。ここまで読んできた忍法帖とは趣が異なるが、しかし十分に堪能できた。
ぞくぞくする描写の連続。ある種の人が読めば、不快極まりないと怒り出すだろうが、本質を捕らえていると思う。
山田風太郎が描く伝奇時代活劇の傑作。天草四郎、宮本武蔵、宝蔵院胤舜、田宮坊太郎、荒木又右衛門、柳生但馬守、柳生如雲斎という歴代の名うての剣鬼たちが忍法魔界転生によって蘇り、魔人となって幕府の転覆を図るというストーリーがまず面白い。それに挑む飄々とした主人公の柳生十兵衛もカッコ良く、柳生一族の異端児と...続きを読むいう設定もいい。他にも、話の中核である魔界転生は日本古来の忍法に西洋の魔術を掛け合わせたハイブリットであったりと、とにかく細部に渡って読み手のロマンをくすぐってくる。 能力バトルものの元祖というだけあってバトル描写は最高で、田宮流抜刀術の田宮平兵衛と関口流柔術の関口柔心という強すぎるジジイキャラ二人が追っ手を阻むという展開も素晴らしかった。展開的に負けフラグかつ噛ませ犬ではあるものの、凡百のバトル描写と違って戦いの内容に密度がある。 田宮は馬の足を抜刀術で切り飛ばしてバランスを崩すも、魔人となった胤舜は脅威の反射神経を見せて空中で反転して田宮を迎撃。かわせないと見るや、槍に貫かれたまま相打ちを図るも、田宮坊太郎が介入し、一族の長を切るーー。この一連の読み合いと流れには感嘆してしまった。 関口柔心は青竹を敷き詰めてトラップを作り、無手となって敵を誘って隠し持った逆手に持った十手で又右衛門の刀を受けると、少林寺の足技で攻撃。相手が青竹を踏んでたたらを踏んで転んだ所を追撃、という作戦もさることながら、そこに割って入った宮本武蔵が持ち前の腕力で十手ごと重心を押さえ込むと同時に、もう片方の小刀を抜き、二刀流で切るという離れ技による対策も凄まじい。 この二つは短いながらも上巻のベストバウトであり、やはり山田風太郎のバトル描写は傑作であると思う。下巻も期待。
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