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激動の昭和20年を、当時満23歳だった医学生・山田誠也(風太郎)がありのままに記録した日記文学の最高峰。いかにして「戦中派」の思想は生まれたのか? 作品に通底する人間観の形成がうかがえる貴重な一作。
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Posted by ブクログ
今年の夏は暑かった。尤も私には敬愛する作家の山田風太郎の「戦中派」シリーズの日記をついに読み始めた夏として刻まれるかもしれない。 本来は「戦中派虫けら日記」から読み始めるべきかもしれないが、編集者外題によると、生前風太郎が確固たる意思を持って出版した唯一の日記と言うことなので、本作から読み始めるの...続きを読むも良しとするべきかもしれない。ホントは「虫けら日記」がどこに埋もれているのか発見できなかったのだが笑 「不戦日記」は、まだ何者でもなかった山田風太郎(誠也)が、終戦の年一年間に何を見て何を感じたのかが、冷徹な観察眼と自らの深い思索を通して克明に記されており、読んでいてなんともヒリヒリとする感じと、更に重苦しい想いにも囚われて正直読み進めるのが辛く感じる時もあった。 とは言いながら、庶民は明るく逞しく生きている側面もあるし、思ったより戦局そのものも正しく理解している。何よりも誠也青年の読書量には目を見張るべき物がある。一体どこから本を手に入れてたのだろうか。 終戦の日を境に、ガラッと変わる日本人や、腑抜けの軍幹部連には激しい憤りを露わにする件は、のちの作家風太郎のイメージとはかけ離れているような感じも受けるが、困窮、悲惨、落胆、憤怒、混乱、必死、自棄、空虚等に満ち溢れた世相を体験する事無しには、あの忍法帖に見られる徹底したエンターテイメント性は成し得なかったのかもしれない。 現在もウクライナやガサでは、悲惨な毎日が繰り返されている。今こそ今一度読まれるべき本である。
戦時中のB29来襲の恐ろしさやポツダム受託後の行動など軍人ではない角度での描写であり、感情がありありと書かれていて興味深い。
ほんの75年前ということに驚きを禁じ得ない。もし自分がその時代にいたら間違いなく戦争推進派だったと思う。怖い話しだ。
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