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Posted by ブクログ
樺戸集治監看守の有馬四郎助は訪れた空知の監獄で大雪で立往生。空知で厚遇を受け長居をすることになった。その間に教誨師の原を追いかけて家出して来た男爵令嬢に会う。監獄に監禁した原を殺そうと企む県令の岩村。原を救うために囚人たちとともに奇想天外な罠を県令に仕掛ける。そして奇跡が囚人の手によって起こる。
キリスト教を絡めてしまったので忍法帖のような展開は望めないが、それでも敵役の県令を肉体的には傷つけず目的を達成するあたりは面白い。その一方で山田風太郎にしては物足りない。やはりもっと派手にスカッとしたいものだ。
有馬の人間性は高く評価される。「私は彼らを囚人としてでなく、人間として処遇します。私はキリスト教について説教はいたしません。ただ私は彼らと友人になろうと努力します」関東大震災発生時の混乱でも一人も囚人が脱走しなかった驚くべき事象に対して、のちに有馬はそう語った。素晴らしい人間愛である。
さて、下巻は「地の果ての獄」が半分くらいで、残りのページは5篇の中短編を収録している。「斬奸状は馬車に乗って」の切ないストーリーが苦しい。年を取って来て、恋愛も人の気持も現実はこういうものなんだろうなと思い始めてきた。恋愛体質も終わりに向けて変わってきたということなんでしょうね
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