無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで203万冊以上配信中!
大衆新聞「万朝報」社長、黒岩涙香は発行部数を伸ばすため、紙上で暗号解読による懸賞クイズを始めたが……。気の効いたアイデアで権力者の腐敗を告発しようと試みる表題作。李鴻章暗殺を謀った犯人を主人公に、漱石の文体を模写した『牢屋の坊ちゃん』。牛鍋屋チェーンのオーナー木村荘平が始めた火葬場の顧客第一号をめぐる人間模様『いろは大王の火葬場』。大逆事件の首謀者、幸徳秋水を異なる四つの角度から描いた『四分割秋水伝』。以上に作者自身の後口上を付した短編集。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
面白い。山田風太郎の才能際立つ1冊です。
「明治バベルの塔」アナグラムの妙。
「牢屋の坊ちゃん」文体模写の妙。
「いろは大王の火葬場」娯楽小説の妙。
「四分割秋水伝」評伝の妙。
風太郎の明治物は現実の歴史と風太郎の想像する虚構とが交錯する、まるで言語ではなく歴史を扱ったアナグラムのようであり、現実の歴史の文体模写をしたような書き換えであり、娯楽であり、そこから歴史上の人物の四面(上半身、下半身、背中、大脳旧皮質)が浮かび上がる。まことに風太郎の真骨頂が詰め込まれた4作である。
その上、対象となる人物はみなその時代の弱者であり反逆者であり、そういった虐げられる者に対しての風太郎の愛ある悲しくも優しいまなざしが、いつだって泣ける。思想を語るような野暮なことはしないが、圧倒的な技術力から繰り出される文章の隙間からかいま見れる、言葉の奥底からにじみでる風太郎の情感こそが、彼を唯物論者に閉じ込めない、とかく人間臭い魅力であると、改めて思った。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
少年・青年マンガ