山田風太郎のレビュー一覧

  • 太陽黒点 山田風太郎ベストコレクション

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    傑作ミステリ。犯人は完全犯罪という物語を遂行することに情熱を傾けるが、その姿は作者の写し身であり、犯人の昏い情熱は作者の思いそのものであろう。普通小説かと思わせれば犯罪小説であり、犯罪小説であるかと思えば戦争論であり、さらにはメタミステリであるともいえる。奇想の「敗戦小説」。

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    2013年03月07日
  • 十 ~忍法魔界転生~(1)

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    山田風太郎の代表作・最高傑作をついに…せがわまさきが漫画化。甲賀忍法帳がチームバトルの始祖なら、こっちは夢の対決の始祖。続々と転生する魔人をよそに、主人公は1コマも出てこないけど、これから先が楽しみ。

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    2013年02月23日
  • 人間臨終図巻 1

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    様々な人の死に様を、享年順に並べた本。
    1巻ということで、若くして亡くなった人の話が多い。
    事実を淡々と並べている中で、時折見せる著者の感情にニヤッとする。
    続刊も読みたい。

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    2013年02月19日
  • 忍法八犬伝 山田風太郎忍法帖(4)

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    八犬伝の息子たちが戦う話だった。……よね?
    夜中だから取りに行けない、また修正します。
    痛快でエロなのに切ないオチでした。

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    2013年02月18日
  • 十 ~忍法魔界転生~(1)

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    幾度目かの『魔界転生』漫画化。
    原作に真正面から向き合い、かつビジュアルの斬新さも踏まえた、せがわ流新『魔界転生』の素晴らしいオープニングでありました。

    まぁ、単行本の区切りとしてはちょい悪い感もあったりもしますが…

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    2013年02月12日
  • 妖説太閤記(上)

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    山田風太郎 著「妖説太閤記(上)」を読みました。

     あの太閤記をあの山田風太郎が描く異色歴史小説。上巻は、本能寺の変までが描かれる。秀吉の魅力的な人柄の裏には権力を握ろうと権謀術数を駆使して天下をねらうしたたかな男の欲望が渦巻いていた。

     あの山田風太郎が描くとあって、おどろおどろしいまさに妖しい太閤記なのかと思いきやいい意味で裏切られ、意外と直球勝負の歴史小説でした。

     しかし、そこは山田風太郎、ただの太閤記であるはずはなく、秀吉が権力を握ろうとする欲望を動かしているのが、小さい頃からの女性に対するコンプレックスであったという解釈など新たな切り口から秀吉像に迫っているのが興味深か

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    2013年01月27日
  • 柳生忍法帖 下 山田風太郎ベストコレクション

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    ネタバレ

    死ぬも修業のひとつと豪快に笑い散ってゆくお坊様たちの姿勢が印象的。おとねやおゆらの登場で、堀の女たちの影が後半薄くなるのは残念だった。
    多くの血が流れながらこの爽快な読後感は、陽の光の下で堂々と生きる武家の悲願達成だったせいかな。
    締めの十兵衛の痺れる一言が読後感を後押し。

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    2014年07月30日
  • 風来忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    香具師七人の壮絶でカッコいい後半の姿は、ろくでなし全開の前半からまったく想像もつかなくて驚いた。なんだかんだでみんな仲間思いなのが泣かせる。
    明るさの中に一抹の哀愁…七人の笑い声が胸を吹き抜けていくようなラストは忘れられない。

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    2013年01月28日
  • 同日同刻――太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日

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    太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日の、民間軍部様々な手記を時系列に集めた著。
    著者の感想をあまり交えず、ただ記録だけを組み立てた内容に、当時の空気が伝わってくるような内容に色々考えさせられる。
    遠い歴史の、今と違う「日本人」の物語ではなく、今の人間と変わらぬ怒りや悲しみが見えてくるようでした。

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    2012年12月02日
  • 風来忍法帖 山田風太郎忍法帖(11)

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     下ネタ満載シリアスコメディかと思ってたら予想外に面白かったです。女性を犯しては売り払う最低集団が自分たちを馬鹿にしたお姫様を付け狙う内に成り行きでお姫様を守ることになり、最終的には心底お姫様に惚れぬいてお姫様を守るため絶望的な戦いに身を投じるってどんだけ私好みの展開なんだ。
     香具師たちの性格や設定がきっちり活かされてて、使い捨てにされていく くのいちたちにも言及があったのは好感、なんですが、お姫様のキャラクターが若干ブレ気味だったのが気になるかな。聡明なんだか勇敢なんだか無謀なんだか無邪気なんだか、それらひっくるめてってことなのかもしれませんけども。

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    2012年11月21日
  • バジリスク~甲賀忍法帖~(1)

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    ネタバレ

    今回は、私のここ最近で一番感動した「バジリスク」という漫画を紹介したいと思います^^

    ざっくり内容を話しますと、忍者の戦争です。だけどお互いの頭領同士が好き合っているんです・・・

    とてもせつなくなる内容なのです(´; ω;`)ウゥゥ

    で、一番の見どころは、やはり忍法対決です。

    漫画なだけに、すごい技を個人個人がもっていて面白いです。

    それありなの?って技もちらほら・・笑

    最後に勝つのは甲賀忍者か・・はたして伊賀忍者か。

    ラストがやばいです

    ちなみにスロットもバジリスクⅡ でましたね~笑

    あ、後このバジリスクは邦画で「SHINOBI」として仲間由紀恵とオダギリジョーが出演でもや

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    2012年10月09日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

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    これは凄い。
    むっちゃおもしろかった!

    今読んでも全然古くない!
    とみんなのレビューでも書いてあることを、純粋にそう思ったのでここでも書きました。

    陽炎、めっちゃ可哀想。
    陽炎、めっちゃ切ない運命。

    ぼくは忍者になる!

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    2012年09月17日
  • 幻燈辻馬車 下 山田風太郎ベストコレクション

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    『蒔かれた一粒の麦は、いつか芽をふく、と信じて喃』

    奇才・山田風太郎の明治物。

    危機に陥ったとき、お雛が助けを叫ぶと現れる
    干兵衛の息子・蔵太郎と妻・お宵の幽霊。
    2人に危機を救われながら、干兵衛は自由党と明治政府の暗闘に巻き込まれ
    いつしか会津藩士だった自分の姿を自由党壮士に重ね…

    ついには赤い盟約書を巡り、運命の分かれ道に。

    歴史の隙間に織り込まれるファンタジーの妙
    想いの交錯するドラマチックな展開
    そして、ラストの盛り上がり

    さすが山風です。

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    2012年09月15日
  • 幻燈辻馬車 上 山田風太郎ベストコレクション

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    『人の世に情けはあるが、運命に容赦はない』

    奇才・山田風太郎の明治物。

    文明開化の明治15年に東京を行く1台の古ぼけた辻馬車。
    それを駆るのは元会津同心の干潟干兵衛。
    孫娘のお雛を乗せて走る辻馬車にはさまざまな人物が去来するが…

    この馬車には一つの不思議が。
    お雛が危機にさらされたとき、お雛が「とと!」と助けを呼ぶと…

    忍法帖のような超能力はでてきませんが(笑)
    歴史とファンタジーを融合させる力はさすがの一言。

    明治初期の様々な著名人の運命がこの辻馬車を中心に絡まっていくので
    あ、この人があの有名な!ってところも面白いです(笑)

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    2012年09月15日
  • 柳生忍法帖 上 山田風太郎忍法帖(9)

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    山田風太郎先生の描く悪役は、本当にきもちいいくらい下衆で
    す。生生しい描写といい、歴史上の人物の独自解釈の面白さといい、もっと早く読んでいればよかったと毎回思います。

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    2012年09月13日
  • 明治バベルの塔 ――山田風太郎明治小説全集(12)

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    面白いなぁ。今年はどうやら、山田風太郎に出会った年、ということになりそうだ。

    読んでいて、エンタメを読む幸せを感じる。ただ「面白い」、それが持つ未来への展望や希望といったものが、むくむくと湧いてくる。
    誰が言っていたのかは忘れたが、「面白い本は、その存在だけで人を生かす。来週はあの本の続きが出るから、それまでは生きていよう、と思う」というようなことを言っていたけれど、まさしくそれだ。面白い、ということは、それだけで希望なのだ。

    山田風太郎の本が読めて、私はとても幸せだ。

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    2012年08月19日
  • バジリスク~甲賀忍法帖~(1)

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    絵が濃くてかっこいい。まつ毛と眉毛がみんな濃いけど、それがなぜかかっこいい。原作も読んでみようかな。

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    2012年08月04日
  • 虚像淫楽 山田風太郎ベストコレクション

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    ネタバレ

    『眼中の悪魔』
    自分の恋人である珠江を奪った友人・片倉に対する復讐。珠江の様子に疑いを持つ片倉。珠江に付きまとう異母兄弟・定の正体を疑う片倉。定に抱きつく珠江を目撃。珠江の目が見えなくなっているのではないかと心配し「私」に相談した片倉。「私」が下した診断。嫉妬に狂った片倉の殺人。

    『虚像淫楽』
    毒を飲んで重体となって病院に運び込まれた森弓子。弓子を運び込んだ義弟・酒井卯助。彼女が元勤めていた病院。彼女の家で死んでいた夫・酒井房太郎。弓子の体に残された傷の秘密。房太郎、卯助、弓子のゆがんだ関係。かつて弓子の恋人であった千明医師。

    『逗子家の悪霊』
    逗子夫人薫子殺害事件。遺体を発見したのは伊集

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    2012年07月26日
  • 人間臨終図巻 1

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    ネタバレ

    山田風太郎視点で書かれた、その人の死に際集。
    10代、20代、30歳からは1歳刻みでその歳でなくなった人があつめられている。
    いわゆる偉人達だけでなく犯罪者やその被害にあった人等ジャンルはバラバラで、それがまた死は誰にでも等しく訪れることを暗示しているようで面白い。
    しかし、近代の作家、芸術家達の死因に肺炎の多いこと多いこと。当時はやはり死に至る病だったのだなと再認識。

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    2012年07月19日
  • 奇想ミステリ集

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    「新かぐや姫」「女妖」「二人」「ノイローゼ」「目撃者」「不死鳥」「露出狂奇譚」「祭壇」「春本太平記」「青銅の原人」「笛を吹く犯罪」「墓堀人」「司祭館の殺人」
    が読めます。

    中島らもが山田風太郎に憧れていたというのを知ってからずっと読みたいと思っていた作家でした。
    古本屋で本を見つけて、買っておいたのをようやく読んでみました。
    ミステリ集というだけあって、どれもドンデン返しが鮮やかな作品たち。
    そしてちょっとグロくてエロい。
    これが山田風太郎って感じなんだろうなーと読んでいくうちに思いました。
    ふむふむ、確かにらもさん好きそうだな。

    「露出狂奇譚」と「祭壇」が個人的には好きです。
    特に「祭壇

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    2012年07月01日