山田風太郎のレビュー一覧

  • 忍法忠臣蔵 山田風太郎忍法帖(2)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    相変わらずの面白さ、解説の馳星周氏の言葉の通り「読み出すと止まらなくなる」

    元禄赤穂事件を題材にし、赤穂四十七士の討ち入りに至るまでの裏模様を描いている。発端と結末の史実を変えることはない、忍法帖の特色としてその紆余曲折を、虚実合わせて描き、歴史の裏に埋もれたであろう(全くの創作かもしれぬが?)人々(忍者等々)を、誰に偏るでもなく冷徹な視線で描く。その視線からこそが物語中において、強烈な叙情を持って読者に語りかけてくるに容易いのだ。

    今作において赤穂四十七士の有名人物も多数登場するが、メインとなるのは「主君の仇をなす血の盟約」から脱盟した者達であった。松の廊下にての刃傷沙汰により浅名家は断

    0
    2014年10月02日
  • バジリスク~甲賀忍法帖~(1)

    Posted by ブクログ

    山田風太郎氏の原作がハイクオリティな漫画の世界に!奇怪な風貌の忍達はまさしく魑魅魍魎の類い。 奇想天外な術者たちの命を賭けた熱い戦いは息を呑む程の迫力で、読み出したら止まらない。せがわまさき氏による繊細で耽美な画風とのコラボレーションは、妖艶かつ悲壮感溢れるその世界観を存分に描ききっている。

    0
    2014年10月14日
  • 十 ~忍法魔界転生~(5)

    Posted by ブクログ

    ツインテ親父殿が表紙。
    今回描かれるエピソードは、十兵衛、転生衆とのファーストコンタクトから、十兵衛の宣戦布告、ゲームのルールが設定されるあたりまで。物語を転がすために必要な展開とはいえ、やはり見どころの少ない巻ではありますなぁ。しかし、それでも「原作のまま」ちゃんと連載を継続出来ているというのはなんとも素晴らしいことであります。

    0
    2014年09月23日
  • 忍法忠臣蔵 山田風太郎忍法帖(2)

    Posted by ブクログ

    これは面白い。仇討ちから脱盟した赤穂浪人達の物語と捉えれば、井上ひさしの「不忠臣蔵」に匹敵する程の面白さ。快男児然として登場した綱太郎の、終盤に向かうにつれてのあまりの変容ぶりに驚く。

    0
    2014年09月16日
  • Y十M(ワイじゅうエム)~柳生忍法帖~(2)

    Posted by ブクログ

    うーん、山田風太郎が、この十兵衛の3部作を続き物ととらえていたかどうかはあやしいのですが、この物語の十兵衛は、「魔界転生」や、「柳生十兵衛死す」に比べると、たしかに若い感じがあります。
    とくに、わざわざ困難なことにこそ、首をつっこみたがるところとか。

    0
    2014年09月11日
  • 伊賀忍法帖 山田風太郎ベストコレクション

    Posted by ブクログ

    講談小説でありながら強かにも他作との仄かな繋がりというかリンクを残しながらも圧倒的な情報量でそこへ向けられた意識を一気に押し流す豪快さ。そして復讐譚でありながらも主人公は決して鉄血の士ではなくむしろ酷く脆くて氾濫した河に蛙を投げ入れる様な先への不安さを抱かせつつも話の興は二転三転させる妙。感服。

    0
    2014年09月10日
  • 風来忍法帖 山田風太郎忍法帖(11)

    Posted by ブクログ

    忍法帖も11まで来た。ずいぶん厚い。上下巻にわかれてもいいのではないか、という厚さ。一日で読めなかった。

    今回の登場キャラクターは、7人の香具師、7人の女忍者、3人の魔人(強い忍者)。例によって多対多の戦い、と言いたいところだけれど趣がずいぶん違う。香具師のなかでもキャラの描写具合にずいぶん差があるし、女忍者などはもう誰が誰やら。

    圧倒的にキャラ立ちしているのは、アイドル麻也姫である。言ってみれば天然、であるが、故にまわりをブンブン振り回し、いろんな人の運命が彼女を軸にかわっていく。げに恐ろしきは天然女である。

    「胡乱」「凄艶」といった、普段使わない言葉が頻発する。胴切りになって死ぬ人は

    0
    2022年06月01日
  • Y十M(ワイじゅうエム)~柳生忍法帖~(1)

    Posted by ブクログ

    「次は、『魔界転生』を描け~!!」

    とわめいていたので、この展開は、けっこううれしかったりします。
    このまま、十兵衛三部作を全部マンガにしてほしいです。

    しかし、この題。ちょっと、笑いました。
    Yは「柳生」で、十が「十兵衛」なのはすぐにわかったけど、Mって何?て思いました。
    Mは、光厳のMなのね。

    あと、「この物語は無論のこと創作物(フィクション)也」というのも、笑ってしまった。
    「也」ってなんナリ?
    そんなしゃべりかたする人は、「キテレツ大百科」のコロ助ぐらいしかしらないナリよ。

    いや、ホント、期待しています。

    「んふっ」

    に若干の不安はあるものの(笑)
    般若面、正体まるわかり(

    0
    2014年08月18日
  • 明治断頭台 ――山田風太郎明治小説全集(7)

    Posted by ブクログ

    これぞ山田風太郎という、バカミスぎりぎりの連作ミステリだった。書こうと思えば、もっと重々しくもかけるはずだが、どこかユーモアをもってサラッと書くのが山田風太郎っぽい。

    0
    2014年08月18日
  • 江戸忍法帖 山田風太郎忍法帖(8)

    Posted by ブクログ

    爽やかである。主人公の人となりもさることながら、これが忍法帖か、と見紛うほどの死人の少なさ(でもないか)と、エロシーンの少なさ。というより、お色気シーン、ぐらい。べ、別にいいですよ、それが目的じゃないから。

    敵忍者は例によって超自然現象を引き起こす輩なのに、主人公は忍者ではない。さあ、どう戦うのか。これもまた爽やかというかサッパリというか。忍者たちの動機も、なんだか可愛げすら感じる。

    誰が死ぬとか生き残るとか書いちゃうとつまらなくなるので書きません。読んでね。

    0
    2022年06月01日
  • 魔界転生 上 山田風太郎忍法帖(6)

    Posted by ブクログ

    小学生の頃に映画を見た覚えがある。断片的にしか覚えていないけど、天草四郎時貞、沢田研二の首が印象的だった。そちらと設定は共通だけど、登場人物は少々違う。ラスボスも違う。

    転生衆の禍々しさに対して、柳生十兵衛と柳生衆の、お気楽とまでいったら悪いけど、事の重大さがどこまでわかっているのか(いや、転生など当初はわかるはずもないのだが)、その対比がすごい。

    もともとは「おぼろ忍法帖」という名前だったそうで、忍法帖シリーズだけど、やっぱり「魔界転生」でよかったと思う。忍法の出番は多くない。転生衆との戦いも、基本は剣の戦いである。名だたる剣豪たちの夢の戦い。登場人物の心のゆらめき。ここまで読んできた忍

    0
    2022年06月01日
  • 忍法八犬伝 山田風太郎忍法帖(4)

    Posted by ブクログ

    八犬伝である。安房里見家、伏姫に由来する八つの珠が、バカ殿のスケベ故にすり替えられてしまう。取り返すべし、甲賀で修行を積んだ八犬士の末裔よ! というアウトラインだが、実はネオ八犬士たちは、修行なんてかったりいこと出来るかよ、と既に甲賀を逃げ出して、思い思いの暮らしを満喫中。珠大事、忠義大事の古い家柄に辟易としていて、さてコイツらをどのようにして引っ張りだしたら良いのか。けれど里見家の仕掛けでは、彼らを動かすどころか、見つけることさえ出来なかった。

    彼らを突き動かしたのは何か。何を隠そう、彼らには共通のアイドルがいたのだ。彼らが出奔することになった原因でもあり、それ故にこの使命を果たそうと決意

    0
    2022年06月01日
  • 伊賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(3)

    Posted by ブクログ



    忍法帖シリーズも順調に進んでいます。全般的に美女とエロが出てくる忍法帖ですが、これまでの作品では手段であったエロが、はっきり目的となっているところがいとをかし。とはいえ、その目的を果たすためにすることが、またエロなのである!

    それ故に、これまで以上に全編にわたって艶かしい話が続きますが、一方で登場するスタンド使い(違うが)も多彩になってきます。そして、悲しい別れもあるものの、この話はなかなかの勧善懲悪。主人公は敵のような特殊能力を持たず、がんばりと主人公補正でなんとか役割を全うしていくのです。当然のごとく人はバンバン死ぬし、血やらいろんな液がドバドバでるわけだけど、なのになんとも爽やかな

    0
    2022年06月01日
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)

    Posted by ブクログ

    【元祖能力バトル】

    ひょんなことから「柳生忍法帖」を読んだら大変興奮しましたので、忍法帖シリーズ全部読んでみよう、ということで第一弾から。「柳生」には実際のところ、そんなに多くの忍法は出てこなかったのだけど、こちらに出てくる伊賀甲賀の代表選手(選手なのだ)20名は、もう忍法というよりも超能力というか超生物というか、そういう方々ばかり。

    でも、思いがけず清々しい人たちも登場する。

    そんな人々の、末期こそ想像通りではあるものの、この能力がこいつに負けるのか、と…。後のジャンプ漫画の作者(よりも、編集者かな)に大きな影響を与えたに違いない、と思うのでした。古典と呼んでいいかわからないが、ああ堪

    0
    2022年06月01日
  • 柳生忍法帖 上 山田風太郎忍法帖(9)

    Posted by ブクログ

    【エンターテイメント】

    悪党が下衆い。そしてエロい。しかしなんだか間が抜けている。おお、まるで「鎌倉ものがたり」のようではないか。善も悪も、決定的なシーンを迎えてもその場をフイにしてしまう、そう、エンターテイメントのために。

    自分が斬ってしまえば早いが、そういうわけにもいかない。けれど、もしかすると勝てないかもしれない、という相手もいる。女の女らしさにふりまわされる。柳生十兵衛の思わぬ一面が見えて微笑ましいのです。

    0
    2022年06月01日
  • 十 ~忍法魔界転生~(4)

    Posted by ブクログ

    いよいよ、敵味方が邂逅します。
    盛り上がるわ。

    この魔界転生のすごいところは、もちろん、いろいろな闘うことのなかった剣豪達が、実際にチャンバラをしちゃうという夢の対戦なところもあるのですが、それと同時に、蘇ってくる剣豪がけっこう身内とか知り合いというのも怖いところだと思います。

    0
    2014年06月18日
  • 十 ~忍法魔界転生~(1)

    Posted by ブクログ

    もはや忍法でもなんでもねえw
    しかしこの手の時代小説ものは、武士もみんな人なんだなあというか、女に溺れ過ぎなところあるよね。結局は時代劇のエンターテイメント、ということなんだろうけど。

    それにしても胤瞬はつまり「オナ禁すると強くなる」ってことですよねわかりま……いやわかんねーよw

    0
    2014年06月14日
  • 人間臨終図巻 4

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    長寿で眠るように亡くなる人、苦しみながら何でこんなに生きなければいけないのかと嘆いて亡くなる人、恍惚となって亡くなる人、劇的な死が少なくなる第四巻ではその分だけ死相のリアリティが増すのだった。

    0
    2014年06月14日
  • 忍法八犬伝 山田風太郎忍法帖(4)

    Posted by ブクログ

    困ったときの風太郎様で、まずバズレはない。
    今回も超人忍者が出てきて、
    エロいくノ一が出てくるんだろうと想像したら
    まさにその通りでござった。
    なんも考えずに読め、楽しめるでおじゃる。

    0
    2014年06月14日
  • 忍法忠臣蔵 山田風太郎忍法帖(2)

    Posted by ブクログ

    相変わらずの面白さ。
    ぶっ飛んだ忍者が出てくるという
    風太郎パターンは同じなんだけど
    ついつい読んでしまう中毒的小説。

    堅い小説読んだ後にはこういうのお勧め。

    0
    2014年05月27日