あらすじ
明治19年、薩摩出身の有馬四郎助が看守として赴任した北海道・樺戸集治監は、12年以上の受刑者ばかりを集めた、まさに地の果ての獄だった。監獄で次々と起こる奇怪な事件に巻き込まれた四郎助が目にしたものとは
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Posted by ブクログ
登場人物はほぼ(?)実在のようだが、エピソードは創作のようだ
有馬四郎助;日本の刑務官、社会事業家、監獄改良と行刑制度の確立に務め、少年釈放者の保護事業として家庭学園(横浜家庭学園)を設立。
原胤昭;明治時代のクリスチャンの実業家、浮世絵商、1898年に出獄人保護所を創立、囚人保護の事業に尽力。
樺戸集治監で有名な「五寸釘の寅」のエピソードも実際は「自分を可愛がってくれた叔父が博打の揉め事で殺され、そのあだ討ちとして叔父を殺した人物に刀を振るい家に火を放ったため」である
エピソードは創作でも、樺戸道路を作る際のことなどは実際だろう
なるほど…
Posted by ブクログ
明治の北海道を舞台にした物語。実在の人物がでてくるが、話は筆者の創作。明治時代の様子を思い描ける貴重な作品だと思う。明治18年頃が舞台だが、御一新から20年近く経っても、北海道は一部に鉄道が走るとはいえ、未開の地。そんな場所に最重刑の囚人が収容される集治監(今の刑務所)がある。そこに赴任した主人公が、偶然赴任の途上で知り合った日本人教導師から「何でもよいから囚人の話を聞いてやってほしい」といわれた言葉を無視しようとしながらも徐々に話を聞くようになる。御一新で生活が一変してもがきながら生きる人の交々が哀しい。