【感想・ネタバレ】戦中派焼け跡日記のレビュー

あらすじ

昭和21年の日本を克明に綴った傑作日記。
昭和21年。のちに山田風太郎として、さまざまな人気作品を世に送り出すことになる希代の物語作家は、そのとき、24歳の医学生だった。勉学に勤しみながらも、大量の本と映画に囲まれていた。
〈吾々はこの前途に全く光のない暗黒の惨憺たる日本に生きている。聞こえるもの飢餓の呻きと「戦争犯罪人」への罵倒と、勝利者への卑屈な追従の声ばかりだ〉
激変する情勢、占領下での厳しい暮らし、東京裁判と天皇の巡幸、変節する人々の価値観……。
激動の一年を克明に綴りながら、透徹した目で何を見、何を考えていたのか。 第一級の昭和史資料が、ついに電子化。
『戦中派虫けら日記』『戦中派不戦日記』に続く、山田風太郎の戦後日記の第一弾。

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Posted by ブクログ

ほぼ同い年の時に、なんて厳しくてタフな次元で悩んでいるんだろう。
「真に勝利者を信ずべきか否か。」
「どちらがほんとうなのか?どちらもほんとうである。いや、ほんとうなのはこの「変化」そのものである。」
「吾々が「だまされていた」ことを確認するなら、まだ問題は簡単である。しかし「だまされていた」ことさえも信じられないものを!」

昭和21年の青年の深い困惑と懐疑を感じる。しかし、上の世代への怨みは感じない。プラカード事件への感想には、感じ入るばかり。

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2012年08月02日

Posted by ブクログ

 作家山田風太郎が昭和21年、24歳の医大生だった時に書き記した1年間の日記の記録。

 戦後の1年間を市井の人の視点から世相を書き表した貴重な記録だと思います。

 文体は文語体なので、なかなか読み進めるのが大変でしたが、当時の様子や気持ちが当時の雰囲気のまま伝わってくる感じでした。

 暗い日常にあって、文学と映画をこよなく愛し、自分のこれからの進路を見つめていく一人の青年の思いを21世紀に生きる自分が受け取った感じがしました。

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2016年03月17日

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