山田風太郎のレビュー一覧
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昨年公開された映画『SHINOBI』の原作である山田風太郎氏の『甲賀忍法帖』を漫画化したもの。
そのリアルなタッチで殺し合いが繰り広げられる辺りから敬遠していたのですが、ついに読みました。
いやーとってもよかったです。
皮肉な運命に翻弄される中で、好きな人を思い続ける弦之介と朧が儚くてよかったです。5巻で河へと入っていくところは泣けました。
グロテスクで忍者の業等に受け容れがたい描写もありましたが、それもひっくるめて話に引っ張られました。
しかし名を連ねた20人全員が死ぬとは…。
色々と衝撃的な話でした。
個人的に如月左衛門が好きでした。
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水滸伝の頃の中国。豪商の西門慶は7人の妻妾と多数の手伝いの者を豪邸に侍らせ、贅沢三昧の日々であった。西門慶の親友である応伯爵」は西の城に入り浸っているが、目にするものは妻たちのドロドロとした人間関係。その中でも最も美しく、力を持ち、様々な問題のきっかけになるのが、淫魔で妖艶な潘金蓮だった…。
長いがこまめに章分けされ、目まぐるしく展開するエログロ歴史小説。序盤から手足を切り落とされるとか、はらわたを切り裂き、という描写もありつつの、一方で要所要所でかなりきつめのエロ要素があるため、かなり読者を選ぶ内容である。
妖術などが出てくる話かと思っていたが、そういう物は特になく、多くの章は謎解きのよ -
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拙者、山風の明治ものクロスオーバー大好き侍なので、こちらにも手を出す。
本当は幻燈辻馬車よりこっちを先に読むべきだったかも。
とりあえず上巻を終えての感想は、
早く読み切らないと、登場人物が覚えきれない!です!
内容としては、明治の大警視の川路とその部下たち(藤田五郎もいるよ)vs江戸の警察たる奉行さまとその手下たちの推理&力技バトル。
そこにあちこちの有名人やその親が登場。
江戸と明治は本当に地続きなんだなあ、そこに大正昭和が連なっているんだなあと、まあ当たり前のことだが、それをしみじみ感じた。
明治の軍人官僚が薩長土肥だったけど、冷遇された佐幕側の藩士たちの思いは(とくに会津、 -
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山田風太郎忍法シリーズは私が生まれた年から連載が始まり、氏の人気小説家の地位を確立した。トンデモ忍法のオンパレードで、表題作『忍法関ヶ原』にも伊賀者服部半蔵支配下の忍者が、徳川方と豊臣方の決戦を左右するであろう大筒の生産拠点国友村を巡る諜報活動で活躍する、身体から糞の臭いを発し、何万匹というハエを操り、ハエで形づくられた人影の分身の術「蝿達磨」。米俵に身を隠す為に、身体の水分を抜き、赤ん坊程の大きさに変身できるナメクジの術「枯葉だたみ」。男女の睦ごとにも奇怪な術を駆使するくの一が登場するのが、山田風太郎の真骨頂。残りの忍びは四人の鍛冶、鎌太夫、鉄算、鍋三郎、鋤右衛門を凋落し徳川方につく。そして
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映画を観る前に読もうと買いました。
八犬伝のターン「虚」と、作者の滝沢馬琴と葛飾北斎がしゃべっているターン「実」という構成がおもしろいです。八犬伝、登場人物が多く複雑で相関図が欲しいー!と思いながら読みました。え?死んじゃうの?!と思ったところは、「実」ターンで北斎が突っ込んでくれました。私自身は馬琴と北斎の性格や暮らしぶりがおもしろく、『北越雪譜』の鈴木牧之が出てきたりと「実」ターンを読むのが楽しいです。八犬伝は本筋以外の補足?がたくさんあり、すごく長い物語だとはなんとなく知っていましたが、なるほどこういう感じで長くなっていったのかと「実」ターンでわかりました。
まだ上巻なので、下巻で