夏目漱石のレビュー一覧

  • 明暗(新潮文庫)

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    「明暗」の題名は(意)。漱石が小説執筆中に芥川龍之介と久木正雄に示した漢詩のなかの語「禅家で用ひる熟字」と説明された「明暗双々」の解釈を中心に論議されてきた。たとえば小宮豊隆はいわゆる「則天去私」と結びつけて、「私の世界」とそれを超越した「天の世界」と明・暗と考え、禅語との関りに消極的な荒正人は、登場人物各自の立場や状況に応じた価値観の「明と暗の交錯」に題意を求めている。昼の世界と夜の世界、日常と非日常、現実と異界など、明と暗を分つ説は従来ささまざまだが、人間関係・因果関係に視覚的問題も加えて、見える(と思っている)ものと見えないものとの別を措定することも可能だろう。諸説それぞれに異同はあって

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    2025年04月20日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    なかなか手を出すのを躊躇ってしまう、私にとってはハードルが高いと思ってしまう文豪たち。
    こういったテーマに沿ったアンソロジーは、手を出しやすく助かります。
    江戸川乱歩の「芋虫」と、太宰治の「駆込み訴え」が好きでした。

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    2025年04月15日
  • 夢十夜 他二篇

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    「夢十夜」
    もう何度も読んでいるけれど、やはり第三夜の印象は強い。
    この気味の悪さ、リアルな夜の手触り。
    自分もその静けさに包まれているかのように感じる。
    第六夜もよく覚えている作品。
    子どものときに読んで、いや、木に埋もれているわけではないだろう、と、笑った記憶がある。
    なんとなくただよう気味の悪さの裏に、人間の感情や情念がちらちら見えて、正しく夢のかけらを集めたかのような作品群だと思う。

    「文鳥」
    美しい文鳥と、それに対する心の動き・流れが、水のように流れ込んでくる、そんな文章だった。
    文鳥を死なせてしまったときの彼の心が、そのしんとした行間からあふれてくる。
    「あふれる」という表現では

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    2025年04月09日
  • 坊っちゃん

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    読もうと思いつつも積読を続けていたが、ふと思い立ち読むことにした。夏目漱石の代表作とあっては期待したが、紙面びっしりの文字と、古めかしい言い回しには苦戦した。赤シャツの性格が非常に狡猾であったことが印象に残った。この作品が名作たる所以は一体何であろうか。機会を見て再読し、この問いを解決するのが良いだろう。

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    2025年03月14日
  • 坊っちゃん

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    主人公が竹を割ったような性格で読んでいて大変爽快だった。話の筋も勧善懲悪ものでよい。
    赤シャツ、野だみたいな人はどこにでもいるよね。

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    2025年03月13日
  • 作家と猫

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    猫好きにしかわからないお話の数々

    うんうん、そうだよね〜という話もあれば
    えっ?そんな猫がいるの?という話も。

    猫の魔力に引き寄せられた作家さん達の短編集

    特に印象的だったのは

    佐野洋子さん、伊丹十三さん、三谷幸喜さん。

    続編もあるので読んでみたいな

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    2025年03月10日
  • 門(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ぼやかして書いてある部分が多いものの、結構内容は深刻な感じ。漱石はやはり一度読んでわかるようなものではないかもしれない…。

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    2025年03月09日
  • 夢十夜 他二篇

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    ネタバレ

    夢十夜は暗めだけど、やはり漱石の文章はいいな。ただ文鳥は、時代が時代なのは分かっているけど、動物虐待だよ…と悲しくなった。永日小品が良かった。

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    2025年03月06日
  • 三四郎

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    ネタバレ

    大学生の風変わりなスローライフが、森見登美彦作品感あって好きだった!

    途中から与太郎は小津と思って読んでた、笑笑

    また、好きな人と結ばれないオチも良いよね〜
    (結ばれるより、よっぽど深みがある)

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    2025年03月02日
  • 三四郎(新潮文庫)

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    恋愛経験がない主人公による上京物語。序盤は女性との接し方もままならない三四郎のピュアな一面の描写が描かれていた。まだまだ個人的には難しいと感じてしまった。

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    2025年02月23日
  • 門

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    ネタバレ

    難しい。格別面白かったわけではないんですが、面白くないと断定できるほどこのストーリーの全てを味わい尽くしたかの自信がもてません。読み返そうとは今思えないのですが、何か認識しづらくて小さいヒントみたいものが散りばめられていそうな文章のように感じてしまって、読んだ実感はあっても理解できた実感が0です。

    読み終えて真っ先に思ったのは、「安井の元から宗介とお米がいかにして離れたか見当がつかないので、宗介の苦しみに共感できない」ということでした。夫婦で社会からのつまはじきものとして生きることにしたこと、この結論だけしか分かりません。なんかこういうよく分からんけど結果そうなったみたいなのが全編多いです。

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    2025年02月20日
  • 門(新潮文庫)

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    ネタバレ

    親を亡くし、弟を引き取ってひっそりと妻御米と暮らす宗助。御米はかつて宗助の友人安井と同棲していたが、宗助が略奪してしまったことが割と後半に明らかになる。それまでは子どもがいないことを気に病む御米の描写や、御米をやや疎んじる宗助の弟小六の様子があるけれど、その伏線が全編の真ん中くらいにあるこの略奪婚の話で急に回収され、そこからは、後ろ暗い罪故に子どもができないと悩む御米と、隣人坂井から坂井の弟の友人である安井を引き合わされそうになって戦く宗助が描かれる。宗助はそれを気に病んで鎌倉の禅寺に行き、十日間籠るが、悟りの門は閉ざされたまま、家に帰ってくる。そこで安井はまた東京を出て行ったと聞いて一時の安

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    2025年02月14日
  • 坊っちゃん

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    子供の頃手にとって読んだ記憶があるが、話が分からず最後まで読めなかった記憶がある。
    大人になって、新たな気持ちで手に取った。
    なるほど、こんな事を言っていたのか。
    話の内容もやっと理解出来た気がする。
    やはり、一昔前の話なので今では信じられない所があるが、現代とも変わらない人のズルがしこさなんかは変わらないなぁと思う。
    義理と人情、まがった事が嫌いな江戸っ子、今身近にいたらさぞ楽しませてくれそうだ。

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    2025年02月10日
  • 吾輩は猫である

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    ネタバレ

    猫目線で面白かったけど、途中から先生の話が主になってきたから飽きた。
    でも、なんか猫ってかわいい。正直内容全く覚えてない。人間の汚い部分をバカにしてかわいい感じ。
    落ちちゃって死ぬっていう最後の終わり方が結構好き。

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    2025年02月09日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    ネタバレ

    明治38年から39年にかけて発表された漱石初期の作品七編。英国留学時の経験を題材に幻想を繰り広げる『倫敦塔』、トマス・カーライルの住居跡を巡る紀行文『カーライル博物館』、謎めいた盾に導かれた神秘的な恋愛『幻影の盾』、超自然現象を取り上げた『琴のそら音』、同宿した三人の禅的な語らいの『一夜』、アーサー王妃と円卓の騎士の禁断の愛『薤露行』、相愛関係にあった男女の子孫同士も相愛する不思議を描く『趣味の遺伝』。漢語調の壮麗な文体で紡がれる多彩な作品群には、ロマンチシズムとでも呼ぶべき滾るような情熱が溢れています。

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    2025年02月05日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    何かで出てきた「二百十日の碌さん」を知るために読みました。二百十日はやじさんきたさんのようだなあ、と思いました。

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    2025年02月01日
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)

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    おおいに文章を愉しんだ。文章は文字の羅列に過ぎないけれど、それを読んだ僕らは、様々な垣根や境界や、世界の屋根を軽々と飛び越え、海溝へと果てしなく落ち、時の流れを遡りつつ、また果てしなく下ってゆくかと思えば、星雲すらをも行き来し、その時々で辿り着いた場所で何物かを得る。もしくは失う。見知らぬ誰かの胸の内を知って勇気付けられたり、信じ難い所業のために失望の縁に立たされたり。つくづく実感として、読書は時空を超越する。
    文豪の心のうちを、堂々覗き見た気分。

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    2025年01月26日
  • 行人(新潮文庫)

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    ラストのHさんの手紙の重さよ…そしてラスト2ページの激重感よ。『こころ』に繋がる作品というのもとても分かる気がした。
    それにしても漱石は、語り手の視点から相手の本質を深掘りする作品が多い。『こころ』再読が楽しみ。

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    2025年01月25日
  • 草枕(新潮文庫)

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    「非人情」をテーマとした作品。主人公が画家で、絵を書くために何がきっかけのようなものを探して最後には那美の憐れさが浮いた表情に惹かれるといった内容だと理解した。ストーリーよりも日露戦争という時代背景によって死地に向かう久一との別れに心打たれるものを感じました。

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    2025年01月19日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    しきみさんのイラストは、シンプルだけど可愛くて、怪しさもあり、どこか不安も感じる。しきみさんのイラストを見ながら古典文学が読める「乙女の本棚」シリーズは贅沢でとても良い企画だと思います(もちろん他の方がイラストの本も素晴らしいです)。

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    2025年01月13日