夏目漱石のレビュー一覧

  • それから

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    最近だが通勤の満員電車の中で狭苦しく冊を開いている。
    そんな中で迫りくる代助と三千代の心の荒波に、思わず涙がこぼれた。

    繊細な心の動きを華麗に表現しているのは凄い!

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    2011年05月23日
  • 行人

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    兄一郎が弟二郎に妻の節操を試して貰いたいというところは狂気であり作中の圧巻である。 直の本心は謎のままである。一郎も二郎も直に翻弄されている。直は恐れない女である。

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    2011年05月14日
  • 門

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    ネタバレ

    漱石前期三部作のトリを飾る作品『門』。

    世間から冷たい目で見られる覚悟を互いにしてまで不倫関係となった代助と千代子。その二人は今後どう生きていき、どう世の中を渡り歩いていくのか。その答えが『門』にあると、『それから』の解説では述べられていた。

    自分自身その事が気になっていただけあって、「門=不倫後の話」を頭の中で繰り返しつつ読み進めていった。けど、どこにも見当たらない。気付けば残るページは1/3。ここから先にようやく出てくるのかと思いきや、迫りくる事態に対処できる自信をつけるために参禅し、戻ってきたら無事暗雲は過ぎ去っていきましたとさ、めでたしめでたし。気付けば注訳のページになっていた。

    宗助とお米が不倫関係であることに全く気付かなく、解説を読んでそのことを知った時は衝撃が走った。言われてみれば確かにそのようなくだりがあったかもしれないと思う程度のおぼろげな記憶しか残っていなかった事実を再認した。おそらくその箇所は現と夢の境を彷徨っている中読んでいたのだろう。それらしい記憶もあり、今では納得できる。

    今度読み直す時は宗助とお米の関係に特に注意し、心の底から『それから』の続編であると実感したい。

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    2011年05月15日
  • 草枕

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    「山路を登りながら、こう考えた」と始まる非人情の旅物語。
    非人情とは世間的な人情を放棄して住みにくいこの世を離れた気分になること。人間の感情で溢れかえる住みにくい都会を離れ、非人情を求めて田舎への旅に出た画工。

    当時の西洋化の流れで登場した「芸術」という観念で括られるようになった様々な表現活動。絵画と詩の対比がよく登場する。はじめは手応えがなくとも休むことなく続けるものだという詩作りと葛湯作りの比較がいい。

    「菓子箱の上に銭が散らばり、呼べど待たれど人は来ず」
    田舎で垣間見られる20世紀らしからぬ非人情の世界。
    おばあちゃんが店番したままうたた寝していた近所の駄菓子屋さんのようなシーン。

    旅先で出会った不思議な女性、那美さん。画工が彼女を見る目は俗人情そのものともいえるのだが、私を描いてほしいと言われ、非人情の立場から絵に描こうとする。しかし彼女には「憐」が足りない。

    「汽車の見える所を現実社会という」
    「汽車ほど20世紀の文明を代表するものはあるまい」
    この小説のラストシーンはその汽車の行き交うステーション。
    そこで昔の夫と視線を交わす那美さんに表れた「憐」を見た画工が小さく叫ぶ。「それだ、それだ、それが出れば画になりますよ」

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    2011年05月02日
  • 草枕・二百十日

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    智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

    何回でも読みたい綺麗な文章。
    この文章が印象強すぎて本編はあんまり。。

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    2011年04月30日
  • それから

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    恋人たちは自然にお互いが惹かれあうならば、正直に、そうあるべきなんだなぁ。タイミングも肝心だと思った

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    2011年04月28日
  • 行人

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    ドン・キホーテ前編の「愚かな物好きの話」がモチーフになっているようだ。
    お直の心境は書かれていないがやはり二郎に好意を持っていたんだろうか。手紙の最期に暗示してあるように兄は死んでしまうのだろうか。二郎は結婚せずに外国に行き戻ってこないのだろうか。自分の中に神がいて苦しむさまは近代人の苦悩を表現しているように思う。

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    2011年04月16日
  • 行人

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    一郎の妻、直のような女性が好きだ。そう思って最後まで読んでいたら、解説で酷くこきおろされていていらっとした。ただ、たしかにそういわれればそうだと納得もした。
    晩年の漱石の小説は、執拗に孤独を、我執を主題として追い求めていく。ただ、それは紹介の帯がいうような「近代知識人の苦悩」に回収されてしまうのだろうか。仮にそうだとしたら、漱石の小説は過去の廃墟にすぎない。廃墟を好きなひとがいるように、それが過去であり、痕跡であるからこそ価値を持つような、そんな代物にすぎない。
    ぼくが漱石を好きなのは、そのような懐古主義からではない。彼の魅力は、彼が本格的に小説を書き始めてから一貫して、三角関係のなかで人間を捉えようとしていたところにある。『行人』では、近代知識人の苦悩ではなく、ひとの心のはかりがたさを、だれしもが共有している。そのつらさを訴えようとすれば、心をはかりがたい当の相手ではなく、第三者に向かうのは必然だ。そうしてかたちどられた三角形が、この物語のなかではいくつも生成し、重なり合って社会を形成している。
    あとひとつ、付け加えておけば、やはり日本語のための日本語は美しい。

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    2011年04月16日
  • 吾輩は猫である

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    冒頭の文章はみんな知っているのに、最後の結末は知らない。衝撃のラストだからかな?
    感想としては、とにかく長い。意外とダークな内容だし、現代では差別的とされる言葉もどんどん出てくる。道理で学校で詳しく教えないはずだ。
    風刺された内容は現代を予言しているかのようだ。

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    2011年03月30日
  • 彼岸過迄

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    モザイクが細かくなっていき、だんだんはっきりと画像が見えてくる感じ。
    主人公は狂言回しに過ぎず、本当の主人公は須永なのだろう。
    好きなのに好きとは云えず、裏の裏まで読んだ気になってしまう須永。
    須永と千代子の物語は三部作のなかで形を変えて出てくるのだろうか。

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    2011年03月20日
  • 吾輩は猫である 下

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    特別愛がこもっているわけではない、至極冷静な視点から描かれているにも関わらず、ただの意地っ張りやほら吹き達が愛おしい
    煩わしい世の出来事から身を引いて生活しているかと思いきや、生きる上での智慧を雑談の合間になんでもないことのように挟んでくるから侮れない
    俗世間を超越している法語の格好良さ
    語りの姿勢が崩れないところが武士的
    メメントモリを悟っていたかのような最期、あっぱれ

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    2011年03月09日
  • 吾輩は猫である 上

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    人間から見た猫同様、人間だって馬鹿らしいことを大真面目にやっている生き物かもしれない
    今では聞くことのできない言葉遣いのせいなのか、漱石の文章力なのか、一文がいちいちカッコイイ
    押し付けがましくなく、教訓を説いているわけでもないのに憧れを抱かせる
    つまり、教養が深い

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    2011年03月07日
  • 坊っちゃん

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    四国松山の中学校に赴任した数学教師「坊っちゃん」が、生徒や他の先生を相手に様々な事件を起こす。正義感が強く純粋な青年と、彼を取り巻く利己的な社会とを対比的に描いた、痛快な物語。

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    2011年08月29日
  • 吾輩は猫である

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    捨て猫の「吾輩」(名前がない)は、英語教師苦沙弥(くしゃみ)の家に住み着く。主人をはじめ家族や友人たちを観察し、彼らを痛烈に批判する「吾輩」だが、最後には酔って水瓶に落ちて死んでしまう。

    読もうと思っていた矢先に、国語教師にオチを言われてしまったので、自分も堂々とネタバレします(笑)
    言わずとも知れた風刺小説です。猫可愛いよ猫。

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    2011年07月28日
  • 道草

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    養父・島田をはじめとして金をせびりにくる人たちに、決して裕福ではないのに金を渡してしまう主人公とそれを嫌がる妻。
    心では分かっていても、やっぱりどうしようもないときはある。因縁とか、人情とか。そういう闇をしっかりと書きだしていると思う。
    夫婦の行き違いや細君のいかにも女らしい物言いは凄くリアルで、現代でもこういうのはよくあるような。変わらないんだなあ。

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    2010年11月22日
  • 明暗(まんがで読破)

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    漱石、未完の作品。

    ええええーーーーーー、すごいイイところで。。。
    続きが、「昔の女」が気になって気になってしゃーない。

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    2010年11月20日
  • 三四郎

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    坊っちゃんのストーリーが少年マンガならこれは少女マンガ。
    絵柄がすごく安定してる。
    ただテイストが前述の通りなので、坊っちゃんを描いた人と逆だったらもっと馴染んだかも。
    あらすじをざっくり言うと上京してきた草食系東大生が小悪魔的ヒロインに翻弄される話(…だと思う)。
    三四郎かわいいです。
    坊っちゃんとはまた違うかわいさがある。

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    2010年10月29日
  • 明暗

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    漱石の美しい文体で語られるも、内容はメロドラマ的(笑)
    前半で張られたたくさんの伏線を引っ張ったまま、終盤に突入したところで未完に終わっているのがまたなんとも想像力を掻き立てられます。

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    2010年10月16日
  • 坊っちゃん

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    いや~、久しぶりです。  この物語を初めて読んだのは KiKi が小学校高学年の頃だったと記憶しています。  で、小学生にも関わらず当時の KiKi は背伸びしたい年頃だったためか、はたまた今ほど「少年文庫」そのものが充実していなかったためかは定かではないのですが、KiKi の父親の蔵書である「日本文学全集」の中の1冊として読んだことを思い出します。  当時の KiKi には坊っちゃんの「べらんめい調」がなかなか受け容れがたくてねぇ・・・・・ ^^;

    かと言って「狸」も「赤シャツ」も好きにはなれなくて、「マドンナ」に至っては理解の外にある女性で、比較的好意的に受け容れることができたのが「山嵐」。  で、実は一番理解できたのが「うらなり君」だったんですよね~。  で、いずれにしろ当時の KiKi にはこの「坊っちゃん」という作品がいいんだか悪いんだかまったくわからなかったことをまずは白状しておきたいと思います。

    (全文はブログにて)

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    2010年10月12日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    ラファエル前派の絵画を思い出す。
    「草枕」にもミレイの「オフィーリア」が登場した。
    作中人物が、あれの日本版を描きたいと言及していたっけ。

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    2010年09月06日