夏目漱石のレビュー一覧

  • 道草

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    養父・島田をはじめとして金をせびりにくる人たちに、決して裕福ではないのに金を渡してしまう主人公とそれを嫌がる妻。
    心では分かっていても、やっぱりどうしようもないときはある。因縁とか、人情とか。そういう闇をしっかりと書きだしていると思う。
    夫婦の行き違いや細君のいかにも女らしい物言いは凄くリアルで、現代でもこういうのはよくあるような。変わらないんだなあ。

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    2010年11月22日
  • 坊っちゃん

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    各登場人物が個性溢れすぎているのだが、それを坊ちゃん目線で語るとさらに面白い。
    建前だったりグレーゾーンみたいなものを一切受け入れない素直な坊ちゃんの江戸っ子節が気持ちいいです。
    案外はっきりした悪者が出てきてわかりやすい話です。

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    2010年11月10日
  • 三四郎

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    坊っちゃんのストーリーが少年マンガならこれは少女マンガ。
    絵柄がすごく安定してる。
    ただテイストが前述の通りなので、坊っちゃんを描いた人と逆だったらもっと馴染んだかも。
    あらすじをざっくり言うと上京してきた草食系東大生が小悪魔的ヒロインに翻弄される話(…だと思う)。
    三四郎かわいいです。
    坊っちゃんとはまた違うかわいさがある。

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    2010年10月29日
  • 明暗

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    漱石の美しい文体で語られるも、内容はメロドラマ的(笑)
    前半で張られたたくさんの伏線を引っ張ったまま、終盤に突入したところで未完に終わっているのがまたなんとも想像力を掻き立てられます。

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    2010年10月16日
  • 坊っちゃん

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    いや~、久しぶりです。  この物語を初めて読んだのは KiKi が小学校高学年の頃だったと記憶しています。  で、小学生にも関わらず当時の KiKi は背伸びしたい年頃だったためか、はたまた今ほど「少年文庫」そのものが充実していなかったためかは定かではないのですが、KiKi の父親の蔵書である「日本文学全集」の中の1冊として読んだことを思い出します。  当時の KiKi には坊っちゃんの「べらんめい調」がなかなか受け容れがたくてねぇ・・・・・ ^^;

    かと言って「狸」も「赤シャツ」も好きにはなれなくて、「マドンナ」に至っては理解の外にある女性で、比較的好意的に受け容れることができたのが「山嵐

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    2010年10月12日
  • 吾輩は猫である

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    猫から見ると、ほんとに人間っていうのは煩わしいな。
    そんでなんか面白いんだよね。
    猫が可愛くて仕方がないです。

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    2010年10月11日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    ラファエル前派の絵画を思い出す。
    「草枕」にもミレイの「オフィーリア」が登場した。
    作中人物が、あれの日本版を描きたいと言及していたっけ。

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    2010年09月06日
  • 硝子戸の中

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    20100323 
    古本屋で読む者がないとき用に購入。
    淡々としているけれど、ドキリとするような言葉がある。
    夏目漱石は随筆も好き。楽しい。
    やはり面白い人だったんだろうな。

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    2010年04月26日
  • 草枕

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    夏目漱石という人は常に厭世観に苛まれていた人ではないか。

    冒頭の一節で全てが語られており、残りはAppendixに過ぎないとさえ言えるだろう。

    芸術は人生を救えるか。飢えた子の空腹を満たすことはできないとしても、幸福感を与えることはできるのではないかと今は思っている(それが文学であるかは別にして)。

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    2010年02月15日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

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    漱石の作品ではおなじみのテーマである「生活」と「趣味」の両立を扱った1冊。ただし、どの作品よりもこのテーマを全面に押し出し、「先立つものはお金」に対するアンチテーゼを本気で打ち出している。1日の大半を生活者として過ごしている者としては、全面的に賛成というわけにはいかないが、納得する面も多々あった。

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    2010年01月13日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    自暴自棄になった青年の心理が
    後になって回顧されたものとして描かれます。
    実際こういう立場になったらたしかにこう感じるんだろうなと思いました。
    もう死んでやると思ったり、どうせ死ぬなら華々しくとか考えて、じゃそれまで生きなきゃいけない・・
    変なとこに見栄が残るんだろうな

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    2010年01月11日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    大学の教授が「最近は夏目漱石や森鴎外も『古典』扱いで、若い人はどうも取っつきにくいと感じているようだが、そんなことは無い。日本語表現の勉強にもなるから是非読んで欲しい」と講義で仰られていたので、意識してこれら「古典」作品も読むように心がけてます。

    実は私は夏目漱石の作品をこれまで一度も読んだことがありませんでした。
    いくらなんでも『吾輩は猫である』『こころ』くらいは読んだことがあるだろ?と言われそうですが…本当なんです。
    あ、でも『吾輩は猫である』は中学の時にチラッと読んだことがあるようなないような…。
    でも全然ストーリーを憶えてないので読んでないのと同義ですね。(苦笑)

    というわけでこの

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    2009年12月25日
  • それから

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    漱石は情景描写がとても上手です。
    とにかく細かく細かく描いている 
    それでいて粘っこくなくサラサラした文体 
    だから読み手は映像を思い浮かべやすいんだろうな

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    2009年11月11日
  • 吾輩は猫である 上

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    『我輩は猫である。名前はまだない。』
    から始まる有名な小説です。

    表紙買いです(笑)

    ずっと猫視点で物語が描かれていきます。
    猫から見た人間の滑稽さや、不便さ。
    自分の飼い主への不満や、猫社会の大変さを
    訥々と語ってくれてます。

    猫も良い味出しとるし、
    飼い主の苦沙弥先生もアクのあるキャラです。
    他にも先生の友達なんかも濃ゆいっ!!

    当時の生活をかいま見るコトも出来るお話しです。

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    2009年11月21日
  • 三四郎

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    「あなたはよっぽど意気地の無い人なんですね」
    現実(行動)と理想とのギャップ。
    ストレイシープ…
    人は正しい方向に動くばかりではない。


    恋しているのに動けない男。
    好きな男がいるのに他の男と結婚する女。
    師匠を担ぎ出すため学内活動をする輩。


    人間皆カオス。
    人間の集まりの世の中もカオス。


    個人的に村上春樹の『ノルウェイの森』との相性がばっちりだった。
    ☆4つ。

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    2009年10月04日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    初期の漱石の、ちょっと幻想のかほりのする作品を集めた短編集。夢十夜だけじゃなくて文鳥も永日小品も面白いよ。と書きつつ、今回はまだ読んだことのなかった「京に着ける夕」と「倫敦消息」と「自転車日記」だけを読みました。あと誕生日に夢十夜。
    「京に着ける夕」は、特にこれといった事件もない淡々としたエッセイでしたが、いかに漱石が子規のことを大事に想っていたかというのが非常によくわかる小品だなあという印象。かつて京を共に旅した時のことを頻繁に回想して、寂しくて冷たい京で、ひっそりと、もうこの世にはいない友人を想う。漱石の孤独感が伝わってきたわー。うん、そして漱石は子規のこと好き過ぎw
    「倫敦消息」は前々か

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    2009年10月07日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    また一冊の御伽噺読み終わったね。 この間鴎外先生の本も拝読してるので、少し妙な気もする。 漱石先生と鴎外先生、果たして真に火と水の如しかしら(笑) まあ、二人とも外国語堪能、哲学好み、自然主義に反対であったのは確実だけど。 今度も面白いこと満載、中世期のユーロストーリはいつもロマンチック染めた小舟のように心を揺らせる。 中にも「一夜」とゆ意識流の小品、訳分からない三人揃って、訳分からない言葉を交わして、幻か真実かともかく清美の上に一理ある。 それに「趣味の遺伝」も随分面白かった。 めちゃ変わった愛情観点を示しても、ただ諧謔で滑稽なんぞとは言えない程度、さすが漱石先生。 次は我輩は猫であるを買い

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    2009年10月04日
  • こころ

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    読んだのはたぶん3度目。

    小説全体は一言でいうと、暗く、真面目だ、と思う。

    友人の好きな人を奪い友人を自殺に追い込んだ先生、
    そして最後に私に過去を遺書で暴き彼自身も自殺する話。

    文章の流れも淡々と流れるよう。
    一見さらっと、けど実は奥深い色々な意味を込めて選ばれた言葉が続く。

    「あなたは本当に真面目なんですか」

    今何かと話題の一冊なので読み直してみた。

    太宰と比べると暗さのほかに陽気さがないところが少し残念、私的に。

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    2015年11月12日
  • 門

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    ここ最近、読書にいそしむなか、前回読んだときよりも
    深い感銘を受けた最初の一冊。
    前のときは前期三部作の中でも、只管暗い、地味・・という
    イメージでしたが、今回は「それから」よりも面白いかも
    と思ってしまいました。
    たんたんとした日常の中に、繰り返すことの美しさを見ました。
    それにしても大根のお漬け物とお茶漬けが美味しそう。

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    2009年10月04日
  • 門

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    結局、くぐることで簡単に浄化してくれるような門はなく、
    自らの背負うべきものは、背負いながら生きていくしかない。
    逃げるのもひとつ、挑むのもひとつ、どちらにしても自らの過去を消し去ることはできない。

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    2009年10月04日