夏目漱石のレビュー一覧

  • 吾輩は猫である

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    誰もが知る超名作。人間の営みや世の真理に隠された明暗を純然たる猫の視点から解き明かすという甚だ興味深い作風。諧謔性の暴力ともいえるほどの極めてユーモラスな文体にはついつい笑みがこぼれてしまう。圧倒的会話量を以ってして迫真性を突きつけ、凄まじい熱量を感じた。細部に渡るディティールで稀代の滑稽味とリアリティを紡ぎ出す漱石のメソッドには感服の念が絶えない。日本随一の文豪の源流を肌で感じ、ますます敬愛が深まった。

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    2021年01月26日
  • 私の個人主義

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    ネタバレ

    標題の「私の個人主義」は大正三年、大病を患った後に学習院でおこなった講演の内容だが、今読んでもさすが漱石というか、構成もメッセージもすばらしい。青空文庫で読めるので未読の人はぜひ。

    講演として読むと、初めは前振りが長くいつテーマに入るのかと思うほどだが、気づくとすっとテーマに入っていて、それが最後のメッセージまでしっかりと繋がっている。

    前半は人生の指針としての自己本位主義、後半はその前提となる個人の自由とそれに伴う義務と責任、という内容。

    まず前半は、漱石自身の懊悩とその打破という経験を若い人たちへのメッセージに転化しているが、これによって人生の方向を決定された学生も当時いたのではない

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    2021年01月22日
  • 虞美人草

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    神経症的な甲野、彼の異母妹藤尾、甲野家と縁戚続きで飄々とした感のある外交官浪人生宗近、その妹糸子、甲野達の友人である小野と彼の恩師の娘である小夜子、この六人の六角関係を扱う。
    序盤は古文、漢文、口語文を融合したような地の文と、登場人物の区別に苦労するも、人生に迷える小野君と彼を慕う小夜子に感情移入できた時点から、やっと物語世界に入って行けた。
    藤尾とその母を徳義心に欠けた人物として書くが、こういった人は当時はともかく現代では結構普通にいるような気もしないではない。甲野家の財産を我の物とするために画策する藤尾と母、それに利用される小野という構図。
    終盤でそれまで何を考えているかわからず、風に吹か

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    2021年01月19日
  • それから

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    ネタバレ

    前期三部作の2作目。三四郎よりも好きだ。
    これは、とても良い本だと思う。
    有り体に言えば、まぁ不倫ものみたいな感じなのかも知れないが…。

    「最初に三千代を好きになった時点で、何で仕事探さなかったの??そもそも何で結婚しなかったの?最後に好きって言うくらいなら!!」と思わずにはいられなかった。
    読んでいるうちに、段々と嫂の梅子の様な気持ちになってきてしまった。つい、没入してしまった。

    ただ、代助の気持ちも分からないでもなくて…今の生活が心地よいから、親が持ってきた結婚の話も断り、ついそのまま過ごしていく、みたいな。好いた女もいるし、みたいな。

    平岡に自分の気持ちを告げたあと、家族から絶縁さ

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    2021年01月13日
  • 行人(新潮文庫)

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    結婚前にして、とても勉強になった。
    ムハンマドが山を呼んで動かそうとする話が、未だに心に残っている。

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    2021年01月03日
  • 私の個人主義

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    何度も読み返すほど、元気をもらえる本。
    特に、社会に馴染めていなかったり、我が道を行かんとする方におすすめ。

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    2021年01月03日
  • 行人(新潮文庫)

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    心配性の兄を持つ「自分」の日常をつらつらと書き記した一冊。
    大きい山場はないのだけれど、不思議に頁をめくる手が止まらない。
    兄から、兄嫁の節操を試すために一夜の旅をしてくれ、と言われるところが山場といえば山場。
    その依頼を断り、ただ出掛けで話を聞くだけという妥協案を出したものの、荒天により結局旅先で兄嫁と宿で一夜を過ごすことになる。
    自宅へ帰った後も兄の猜疑は消えず、彼の言動が狂い始める。
    その兄に旅を勧め、共に旅をした兄の友人から自分に手紙が届く。そこには心配性どころでなく、深く神経を病んだ兄の姿があった。
    近代知識人が急速な社会の変化に惑う姿を、兄という装置を使って描いたのかも。
    手紙の中

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    2020年12月19日
  • 明暗

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    夏目漱石 「明暗」

    三角関係を中心に複雑に交錯する人間関係から 自意識を描いた心理小説?

    全体の雰囲気は「行きどまりの先にまだ奥がある」という正体不明の不安や陰気さに包まれている。

    自意識の強い人物と社会規範的な人物を対称的に描いているが、外から見た自分と 内から見た自分の二重構造を意図しているのでは?

    絶筆未完。社会に背立し、物質的不安を抱える津田夫妻、小林、清子がどう変化するのかが読みたかった

    津田妻「自分の過失に対しては、自分が苦しみさえすればそれで沢山」

    小林「僕には細君がないばかりじゃないんです。何もないんです。親も友達もないんです。つまり世の中がないんです〜人間がないと

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    2020年11月28日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

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    高等遊民とか言ってみたい。
    死と恋愛も非常に重い。
    読むのにも非常に時間がかかった。
    語り手が代わる代わるでてくるから感情移入するのに時間がかかるが、それだけに、斬新かつ新鮮。誰に対しても特別扱いではないんだなと知らしめてくれる感じが、非常に文豪の凄みを一層感じさせてくれる。誰にも媚びてないだなと。

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    2020年11月09日
  • それから

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    当たり前だけど略奪愛に対して世間や家族はいい思いはしないのはわかっていても応援したくなる。代助のだらけ格好悪いところも嫌いになれない。人はなかなか決心できず、行動できないものだと再確認させられた。門を早く読みたいと感じた。

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    2020年09月07日
  • 草枕

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    夏目漱石の本をちゃんと読んだのはこれが初めて。人里離れた旅館で画家が出会った人とのやりとりや妄想めいた話が淡々と描かれていて大きな事件がある訳ではないが、語彙なのか表現力なのか、難解な言葉ながら情景が目に浮かぶのがすごいなと。
    夏休みに田舎で蝉の泣き声を聞きながら読むのにピッタリな本だと思った。

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    2020年08月14日
  • 漱石 ホラー傑作選

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    短編集のような感じで
    夏目漱石初心者には読みやすかった
    気になる文章がいくつかあったので
    その作品を改めて読んでみようと思う

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    2020年08月10日
  • 門

    ネタバレ 購入済み

    自分の過去に囚われすぎて,心を閉ざし,社会を遠ざけ,絶体絶命のピンチを目前に寺に籠もってしまう。
    己と向き合うふりをして,逃げ続ける。
    後ろを向いたまま,自分だけの悲しみに酔いしれることは,何の奇跡ももたらさない。

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    2020年07月30日
  • 三四郎

    購入済み

    恋物語

    結ばれても不幸だったり,結ばれないのが幸せだったり。
    昔の人たちの恋愛は,今よりも縛りが多くて,大変な苦労と我慢が必要であっただろう。
    今も昔も,完璧に人を愛することなんて,完璧に人に愛されることなんて,きっと誰にもできない。

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    2020年07月15日
  • それから

    購入済み

    決断

    どんなに頭の切れる冷静な人であっても,恋心によって,理性や道徳心を見失ってしまうことが多々あるらしい。
    そして厄介なことに,やたらと大義をつけたがる。
    千代子の覚悟には,痛々しさと同時に一種の美しさを感じた。
    女性の決断はいつだって重い。

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    2020年07月14日
  • 三四郎

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    ネタバレ

    謎めいた美女…美禰子については、最後までよく分からなかった。突然登場する紳士と婚約したりと三四郎が可哀想だった。

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    2020年07月06日
  • 吾輩は猫である

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    淡々とした話だったので、読み終わるまで時間がかかった。ラストが意外と面白い感じで、長い話ではあったが、読んでみて良かったと思う。

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    2020年07月06日
  • こころ

    ネタバレ 購入済み

    自白

    鬱蒼とした雰囲気のまま,最後には強烈な衝撃を持って幕を閉じる。
    自殺は,最大の他殺にもなり得る。
    血潮は伝染していく。

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    2020年07月06日
  • 吾輩は猫である

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    意外と面白かった。
    まさに明治のサザエさん一家っていう感じだった。
    短調でそんなに長く引っ張る必要あるのかなぁっていう場面も所々あったが全体的に苦沙弥先生や迷亭、寒月、細君らのやり取りがおかしかった。
    特に泥棒に入られた時のエピソードはコントを観ているようだった。
    ただ最後はちょっと残念だった。せめてもっと苦しそうじゃない死に方でも良かったんじゃないかと思った。

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    2020年07月04日
  • 三四郎

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    NHKラジオの「朗読」で取り上げられていたのをきっかけに再読。田舎から東京に出てきた三四郎に新たな経験が怒涛のように押し寄せる。戸惑いながらも受け止めていく姿に、これからも社会に揉まれて成長していくことを予感させる。2020.6.24

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    2020年06月24日