夏目漱石のレビュー一覧

  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    国語のテストでよくある問に
    「この時の主人公の気持ちを答えなさい」というのがある

    いや、分かるわけないだろ!

    といつも思っていた

    要領のいい嫌なタイプの子どもだったので、難なく大人が喜びそうな「答え」を書いていた

    でも本当はそんなん本人に聞いてみな分からんだろ!と思っていた
    正解なんか分かるわけないだろ!と思っていた

    正しい「答え」なんてないと今でも思う

    だけど正しい「問い」ならある気がする

    「あなたがこの物語を読んでどんな気持ちになったか答えなさい」

    「答え」はひとつじゃないが、全てが正しい「答え」だ

    「あなたが『夢十夜』を読んでどんな気持ちになったか答えなさい」


    むむ

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    2023年09月20日
  • 夢十夜

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    夢十夜という、湯河原にある同名の本をコンセプトにしたリノベーション旅館で読んだ。
    漫画版だが、明治時代の小説を読み解く余力もない今の自分にはこれくらいでちょうどいい感じだった。小説版も読んでみたいけど、いつになるかな…。そのうちね。

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    2023年09月15日
  • 明暗(新潮文庫)

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    未完の遺作というこで、どんな終わり方になるのか期待しつつ、それからのストーリーを想像するものの先が読めない感じです。
    とても緻密な心理描写に少し疲れを感じるのは、私だけでしょうか。何が《明》で何が《暗》、二項対立では消化できない人間の心の中を垣間見たような気がします。

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    2023年09月05日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

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    「死は生よりも尊(たっ)とい」p23

    晩年、漱石先生が辿り着いた死生観だそうです。
    しかし、人に対しては
    「もし生きているのが苦痛なら死んだら好いでしょう」と助言ができない自分をもどかしくも思っている。そうして
    「もし世の中に全知全能の神があるならば、(中略)私をこの苦悶から解脱せしめん事を祈る」ほど苦しんでいる。p97
    これは本当にただの随想集なのでしょうか?? 

    ****
    読んでいる間ずっと『こころ』の続編?!という思いを禁じ得ませんでした。(本作は『こころ』の後に書かれたそうです)

    「不安で、不透明で、不愉快に充ちている。もしそれが生涯つづくとするならば、人間とはどんなに不幸なもの

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    2023年09月09日
  • それから(新潮文庫)

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    あらゆる面倒を独自の解釈やロジックて回避、正当化し本能のまま時間を貪る主人公。
    観察眼鋭く常に上から目線が鼻につくが、趣味に生きる姿は周囲からは羨望と葛藤が感じられた。

    ふと気づいた思い、その源泉を検証する様、結論の導き、と様々な苦難や選択、判断を下してきた者ならば到達しないであろう答えを導くあたりは緩い生活をしてきた者の哀れを感じた。

    自己中な放蕩息子の末路。
    盲目的に突き進み周囲の者は離れ、身を焦がすような思いやこれから想定される破滅など現代でも何処で聞いたようなリアルさがあった。

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    2023年08月17日
  • 道草(漱石コレクション)

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    漱石の作品の中で、一番好きかもしれない。
    日々を淡々と綴るだけ、という雰囲気はなんとなく谷崎の『細雪』と似ていると感じた。
    ただ、『道草』は退屈で憂鬱な日常を過ごすことの重さがすごい伝わってくる本。
    退屈で同じような日々の繰り返しといえども、そこにものすごーく濃密ないろいろが詰まっていて、粛々とページをめくってました。
    それがとっても楽しかったしいい時間だった。

    内容としては別にそんな大したことは書いてないんです。主人公の健三は大学教授で、奥さん(不仲)と子供のために毎日仕事に出てお金を得てる。
    教授といえども生活は決して楽じゃないのに、腹違いの兄弟から義父、縁を切ったはずの養父母まで色んな

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    2023年06月28日
  • それから(新潮文庫)

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    ネタバレ

    何故棄ててしまったんです。確かに後からこんな事言われたらせやわな。

    でもその時は気付いて無かったからやろうけど、今になって全てを棄てる覚悟で三千代に行くのはどうなんやろか?

    もし自分が代助なら政略結婚にホイホイ乗っかって行くやろうなぁ。

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    2023年06月26日
  • 吾輩は猫である

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    人の営み(主に会話)を猫の目から観察した物
    会話の輪の中にいると「へーそうなんだ」とか「それは大変やな」ぐらいに思う内容も、猫目線で聞いてきると途端に滑稽で、バカなことをずっと話してる事に気づく。

    喜劇と悲劇がどこに(誰に)フォーカスして語られるかによって違ってくるみたいなものにも通ずる気がする

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    2023年06月11日
  • こころ

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    激重すぎて2回途中で断念したけど3度目の正直でようやく完読。やっぱり激重。いつになったらこの鉛を飲んだような重い感覚とサヨナラできるのかと焦ったく思いながらページをめくっていたけれど、いざ読み終わると今まで読んだ本の中で1番鳥肌が立った。と言うか快感というか変な感情になった。

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    2025年12月29日
  • こころ

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    心地よい鬱
    上、中、下の構成で、下からは一気に物語のスピード感が増して真実が明らかになっていくのが楽しくもあるし心を掻き乱されもする

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    2023年05月07日
  • 門(新潮文庫)

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    かつて犯した罪を背負い世間に背を向けて暮らす宗助と御米、その背徳の行為を作品は具体的に語らない。その静かさに友の女を取った罪の深さを知る。作品としては「それから」の続きという位置づけだ。だが、新しいテーマとして宗教(禅)が提示される。
    漱石は書く「彼(宗助)は門を通る人ではなかった。又、門を通らないで済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に立ち竦んで、日の暮れるのを待つべき不幸な人であった。」無論「門」は宗教的あるいは禅的なものへの比喩であろうが、宗教をもってしても助けられない宗助は、何を糧に生きたらよいのか?
    この作品、ほとんど50年振りの再読だが、その当時感じた御米の可愛らしいは今も変わ

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    2023年05月03日
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)

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    ネタバレ

    こちらも『標本作家』の参考文献で名前が挙がっていたので気になっていた一冊。久しぶりの漱石。あまり漱石は読んだことがなく、漱石の文章に対して感じている感覚が久しぶりに想起され、あー漱石っぽい…となってました笑
    とはいえ小説のようなエッセイのような小品たちは面白かったです。

    特に「思い出す事など」が良かった。漱石もある意味一人の人間なのだなというのが、そう思うだろうな~~という共感もあって親近感。
    七の宇宙の大きさと自分を見つめるところ、一番共感してしまった。「限りなき星霜を経て固まり掛った地球の皮熱を得て溶解し、なお膨張して瓦斯に変容すると同時に、他の天体もまたこれに等しき革命を受けて、今日ま

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    2023年04月30日
  • それから(新潮文庫)

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    純情と体裁の対立、と見た
    父、兄、平岡は、世間体や常識を重んじる人達である
    現在の価値観とそぐうものであるかはさておきとして、彼らの理屈も分からなくはない
    対して、代助と三千代は純粋である
    たとえ、世間がどうであろうと自分の信じたことを進む
    それは一種の刹那的な言動であり、そのことが後々の彼らを地獄に落とすこともある
    それでも、彼らは自分の思いを貫こうとする
    どちらにも良い悪いはない、ただただ、この二項対立の深みに物語ごとはまっていってしまった

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    2023年04月28日
  • 夢十夜

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    漱石の原作も昔読んでいるし、このマンガもネット上に上がっていた時に既読(書き下ろしの十一夜除く)。それでもこの文庫版で読みなおすと近藤ようこさんの世界が広がる。近藤さんの原作物は元の作品をうまくマンガ化していて原作理解の助けにもなる。

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    2023年04月25日
  • 吾輩は猫である

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    猫の目を通して、周囲の様子が淡々と語られる。
    猫が見ているだけの滑稽な人間ドラマへの社会風刺。
    怒濤の展開ありきの現代には、ちょっと冗長気味なのかもやけど
    令和の今でも面白かったのは、読み手が大人になったからかな?

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    2023年04月20日
  • 門

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    面白いじゃん!
    漱石の三部作を完読。素晴らしい。この年になって今更だけど。。。^^;
    3冊読んでどれも話が完結してない。こんなふうに、でどうなるのかを想像させるのが良いとこなんだろうか?う〜ん消化不良。。。

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    2023年04月10日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

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    なんだか、どこに向かってゆくのかわからないまま、着地せずにふわふわと話が進み、結局着地しないところで終わって、ある意味、それが余韻になるのか。主人公はあくまで観察者というところは、面白いところではある。

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    2023年03月25日
  • 門(新潮文庫)

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    めずらしく仲の良い幸せそうな夫婦…と見せかけて「それからのそれから」。
    幸せそうな日常はいつ崩れるかもわからないような軟弱な地盤の上に建っている。
    出店で買ったささやかなお土産、本筋からは逸れた他愛の無い会話、読み返してみればそれら全てが空虚であり慄然とした感さえある。
    無邪気で愛想のよい御米が前夫を捨てたのだと思うと、その邪気の無さが空恐ろしい。

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    2023年03月23日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    ネタバレ

    漱石の凄まじい教養と文章力に圧倒される。難解な表現は多いものの、軽快な会話劇も同時に展開されていくので思っていたよりスラスラと読み進めることが出来た。

    にしても大バッドエンドである。
    登場人物がそれぞれに背負っていた業は最後に全て藤尾に押し付けられ、藤尾は死んだ。彼女だけが自己中心的?小野も井上親子も甲野も宗近も糸子も濃淡あれどそれぞれ自己中心的ではないか。優柔不断な上に姑息な手段で縁談を断ろうとした小野、小野の気持ちなんぞ確認もせず東京へ出てきて世話になる気満々の井上親子、分かったようなことばかり並べ立てる宗近(彼がわざわざ時計を壊したのは自分を軽んじた藤尾への憎しみからではないか)……。

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    2023年03月12日
  • 明暗

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    津田の入院中に起こる事件や疑念の数々は読んでいてどきどきした。変に浮世離れしたことでなかっただけに余計どきどきした。
    それが温泉宿に行ってお延から離れてしまい、世界がガラッと変ると妙な物足りなさを感じ、それがまた未完で終ったために、清子の人となりも充分に読み取れないまま終了。致し方ないとは言え欲求不満に近いものが残った。


    最後の大江健三郎の解説は正直なにが言いたいのかわからなかった。漱石の研究者でもなし、作品が未完である以上『明暗』の終結を知っているわけでもなし、説得力が元々乏しいところに来て、何かよくわからない分析のし方で、読んでいると小説の余韻が打ち壊される気がしてとばした。
    また、註

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    2023年02月15日