夏目漱石のレビュー一覧

  • 門(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    親友であった安井を裏切り御米と結ばれた宗助という三角関係の物語。子供がいないことを気にしている御米、安井とのことを恐れている宗助はそれぞれ罪悪感を持っているのだが殆どのシーンは何気ない日常だ。何を言いたいのかよくわからなかった。何故鎌倉への参禅したのか、”それから” の代助がどう関係あったのか見えない部分も多かった。

    0
    2022年09月03日
  • 吾輩は猫である

    Posted by ブクログ

    猫から見た人間社会のおかしさ、上流階級であるくしゃみ先生の周りに起こる事件がとても面白い。寒月君、東風君、迷亭、金田君等登場人物のキャラが際立っていてっ漱石作品の中では軽快な小説だと思う。

    0
    2022年08月16日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    行動力の無い須永と従妹の千代子の煮え切らない恋愛の話。漱石自身を重ねた須永という登場人物の内的な心理描写はすごいと思う。当時の恋愛観はあっさりしたものだったのだろうか。敬太郎、田口、高木、百代子との関係がよく分からなかった。

    0
    2022年08月15日
  • 硝子戸の中

    Posted by ブクログ

    古本屋で1983年出版のこちらを発見し手に取ってみた。
    私の中の夏目漱石といえば写真のイメージのみで、はっきりとこの作品読んだといえるものはない。
    中でもこちらはエッセイで新聞に掲載されたものだそう。
    読み始めて、驚いた。
    いくら現代語訳されたものとはいえ、1933年ごろに書かれたとは思えないくらいスラスラと読める。単純に面白い。
    堅苦しい難しい言葉の羅列など一切なく、夏目漱石の過去の思い出、部屋に出入りした人とのやりとりなど回顧録の形を取っている。読んでいて夏目漱石の人柄がプラスになった。気難しく繊細なイメージだったが、気の利く(というより効かせすぎる?)、優しいおじいちゃん、と言った感じ。

    0
    2022年08月14日
  • 行人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    【多知多解の一郎が向かう先は、行人?】

    一郎は理智で聡明であるが故に人を信じることができない。また周囲も、彼が優秀であるが故に理解を示せない。故に彼は孤独に苦しみ、この負の循環から抜け出す方法を模索する。おそらく彼が最終的に行き着くのは宗教家であり、行人である。(宗教家は信じることができるため)

    なかなかの長編小説で中盤まではやや退屈に感じてしまったが、最後のHの手紙で怒涛の巻き返しが図られ、兄の心情が明らかにされる。

    読み応えがあり、共感の多い一冊だった。

    0
    2023年09月21日
  • 虞美人草

    Posted by ブクログ

    漱石の朝日新聞社員としての処女作。
    発表当時に都内で開かれていた東京勧業博覧会の様子や、直前に旅した京都の様子などを織り交ぜて当時の一般大衆にとっても面白い読み物にしつつ、エリート・漱石らしい知識や美麗字句が散りばめられた小説。とても面白かった!
    糸ちゃんは甲野さんとくっつけてよかったし、甲野さんは糸ちゃんとなら幸せになれそう。宗近が言っていた「糸公は君の知己だよ。御叔母さんや藤尾さんが君を誤解しても、僕が君を見損なっても、日本中が悉く君に迫害を加えても、糸公だけは慥かだよ糸公は学問も才気もないが、よく君の価値を解している。糸公は金が一文もなくっても堕落する気遣のない女だ。」は本当にそうだと思

    0
    2022年08月20日
  • 明暗(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    愛されたい。尊敬されたい。自分の持つ欲望を満たしたい。相手が持つ欲望をさらけ出してやりたい。しかし自尊心と敬仰がそれらを遠ざける。そんな様子が登場人物の会話から伝わった。小林はそこに遠慮がなく、かなり刺さる人物だった。

    0
    2022年06月30日
  • 三四郎

    000

    漱石といえば

    三角関係
    これに該当しない、こころ、と坊ちゃんが教科書の
    素材として多用されているのはご存知の通り。
    猫の話もありますが、あれは習作。
    まあ、面白いですが、どれ、読み手の方々を楽しませてやろう、
    と気合入れてる様子が浮かぶくらい、書いていて楽しんでる
    様子が目に浮かぶようです。
    今日では三角関係と呼べるか怪しいくらい淡白な話ですが、
    虞美人草に繋がる習作と考えると、これはこれで有りかと。
    虞美人草読んだこと無いなら、一読をおすすめしときます。
    お好みで。

    0
    2022年09月28日
  • 漱石「こころ」の言葉

    Posted by ブクログ

    先日、恥ずかしながら初めてまともに漱石の文に触れ、感動し、何から読み進めていこうかという時にこの本に出会いました。
    読みたいものがたくさん見つかりましたし、あたまから読み進めてこの本に出てきた言葉に再び出会った時、その言葉の重みがどのように増すのか楽しみです。

    0
    2022年06月02日
  • 漫画 こころ

    Posted by ブクログ

    高校の授業で読んで以来。
    グループワークで解釈していたのが懐かしい。

    「精神的に向上心がないものは馬鹿だ」

    0
    2022年05月14日
  • 門(新潮文庫)

    Posted by ブクログ


    「略奪婚の先に幸せはあるのか?」と本の裏表紙に書かれているけど、そこがテーマなのか?と個人的には思った。

    むしろ幸せの有無というよりは、そこからくる罪悪感との向き合い方を描いた作品じゃないかなぁ。

    巻末の解説がとても的を射ている。同じ出来事に対する罪悪感の違い。御米は自責の念から子供ができないことを天罰だと思い苦しみ、宗助は略奪した相手に対する罪悪感を感じている。

    その対応の仕方もそれぞれ違う。御米は宗助に打ち明けることでどこか少し軽くなったような気がする。かたや宗助は誰にも打ち明けられず、一人でなんとかしようと寺にまで赴くが、結局は何かを得るわけでもなく、ただ時が経ちその場をやり過ご

    0
    2022年05月12日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    以前に授業で読んだ印象と、今回読んだ印象は違った。例えば、三角関係よりも先生の「こころ」の内のドロドロとした感触が印象に残った。

    「私の心臓を立ち割って、温かく流れる血潮を啜ろうとしたからです。~中略~私は今自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔に浴びせかけようとしているのです。私の鼓動が停った時、あなたの胸に新しい命が宿る事ができるなら満足です。」149p

    そして、明治と現代の空気感の違いも新鮮だった。西洋文化を取り入れることが「エリート」の条件で和風を少し見下した論調や家父長制に見られるジェンダー意識など当時を反映した作品を読む体験ができたのは一つの収穫だと思う。

    0
    2022年05月11日
  • 私の個人主義

    Posted by ブクログ

    「個人主義」に対する考え方が変わった。

    特に、俗に言われる「価値観の押し付けは良くない」の真髄が分かった。
    自身の自由を守るためには、他者にも自由を与えなければいけない。故に自分の価値観を押し付けるのは良くない。

    0
    2022年05月04日
  • 夢十夜 他二篇

    Posted by ブクログ

    「夢十夜」。
    黒澤明監督「夢」の元となった、「こんな夢を見た」で始まる(実際には前半のお話だけだけど)不思議な十篇の物語。

    「文鳥」。
    細部にわたる情景や心情などのうつろいの描写に感嘆した。ひょっとしたら初めて夏目漱石の偉大さにふれたかもしれない。

    「永日小品」。
    随筆とも短編ともつかない、落語の小噺のようで、それでいて漱石の身の回りを語ったものもあり、お話が詰まったショートショート。漱石の才能に振り回される。

    ページ数は少ないが、声に出してみるようにゆっくり読むのがおすすめ。

    正直、教科書から出ることなくなじめなかった漱石のイメージが、変わった。

    0
    2022年05月02日
  • 吾輩は猫である

    Posted by ブクログ

    十数年ぶりに再読。読み心地のいい文章は落語のよう。
    長大なる世間話。そのくせユーモアと風刺がわりに鋭い。
    とりとめのない世間話に対する「猫」くんの語り口は軽妙で、また作中人物を通して自分自身をも諷刺の対象にしてしまうのはまさにイギリス的。
    最終章は後の作品にも見られる厭世観が漂う。

    0
    2022年04月17日
  • 吾輩は猫である 上

    Posted by ブクログ

    風景描写の細やかさ
    スピード感のなさ
    非常にゆっくり時間が進む
    慣れるととても重厚な擬似体験ができると思う。

    0
    2022年03月02日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    1912年 朝日新聞連載 後期三部作

    個々の短編を重ねた末、その個々の短編が相合して一長編を構成するという試みー プロローグで漱石が語る。

    主人公は、卒業後求職中の青年・田川。
    彼に関わる、あるいは、聴いた、物語。
    冒険談・サスペンス・友人の恋愛談・生い立ち 等、語部を替えながら、其々短編として独立する。

    前期三作に比べれば、ストーリー豊かで、読み物として面白い。

    「雨の降る日」は、雨の降る日、幼女を突然亡くした一家を描く。突然の悲しみを、淡々ととやり過ごすような家族の描写が、痛ましい。感情表現はされず、「雨の降る日に紹介状を持って会いにくる男が嫌になった。」とだけ主人に語らせる。

    0
    2022年02月25日
  • 漱石人生論集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    夏目漱石の小説が好きなので為人を知りたく読んでみたわけですが、誰かに当てた手紙、講演内容、どこかの誌面へ寄せた文書などバラエティに富んでいます。

    人生論集というだけあり、漱石の人生論を垣間見ることができる良書です。

    まず。愚見数則は、教訓集のようなもの。
    人として基本的なことだとを語っているわけですが、全てできているかというと微妙だなぁと我を振り返り反省したり、そうだよなぁと赤線を引いたり。

    人を屈せんと欲せば、先ず自ら屈せよ

    などは成功すればするほど高飛車になっていくであろうものなのに、漱石自身が語っているのが素晴らしいと思います。

    また、私の個人主義は現代の多様性の話に通ずるもの

    0
    2022年02月23日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    冒頭に、漱石から読者へのメッセージがある。
    彼岸過迄という、なんだか気になるタイトルは実は、単に正月から書き始めた連載がそれぐらいに終わるだろうと付けられた名前らしい。
    そうなの、という気持ちで読み始めた。

    そこには、短編を連ねて、最終的に大きな一編になる試みをすると書いてある。

    話の語り手は、うまく流れにまかせて生き抜いていくタイプの青年。
    探偵に憧れたり、まめまめと占いを信じたり、職探しも縁故に甘えて気楽に成功させている。

    一方、真の主人公ともいえる、彼の友人はといえば、考えてばかりで、行動ができない。
    その理由が最初の方から匂わされているが、そればかりが理由ではない。
    自分の心とば

    0
    2023年03月02日
  • 行人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    私は、色々読んで、漱石の妻が嫌いだ。
    この本を読んでいくにつれて、漱石が自分の妻と(浮気という観点ではないが)、心がちっとも通じている気がしなくて苦しかったんのかなーと同情を感じてきた。

    この話は、後期三部作と言われる彼岸過迄から確かに続いている。彼岸過迄の須永と今回の行人の兄さんが似ている。
    二人とも、最も身近な存在の女性の”本当の気持ち”を求めて、袋小路に迷い込む。
    しかし、1作目の須永はが悩むのは少し複雑な事情がある関係の二人の恋愛関係が軸で、それ以外の要素もあるが、細かい気持ちの描写を読むと、それは恋だねとかわいく思える部分もあった。
    ところが、今回の兄さんは、気持ちの読みにくい妻へ

    0
    2022年02月18日