夏目漱石のレビュー一覧
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ネタバレこの本は1910年に大病を患った夏目漱石が、復帰後に最初に書いた長編小説であり、後期三部作の一冊と言われています。
長編小説といっても、この物語は6つの短編から成っています。短編がひとつの話にまとめ上げられ、長編小説になったものなのです。夏目漱石は当時新聞でこの作品を新聞で連載していました。毎日少しずつしか進まない物語を短編として仕上げていきながら、その短編を さらにまとめ上げたときに、長編小説が現れる。夏目漱石がかねてより思い描いていたというこの構想は、なんとも素晴らしく粋で素敵なものに思われるでしょう。
この物語は、主人公、そして聞き手に田川敬太郎がおかれ、様々な登場人物から話を聞いてい -
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ネタバレ後期三部作の1作目。
短編が集まって長編の形式を取っているし、序盤は割とお気楽な感じだから読みやすい。
中盤からとても濃ゆい。前期三部作とは全然違う。
あれも恋愛の話には違いないが、こちらの方がズドンと迫ってくる。
男の嫉妬心と猜疑心がとても良く描かれている。
私個人としては、須永の気持ちも分からんでもないけれど、千代子とくっついた方が幸せになれると思う。
ただ、千代子の気持ちに応えられるか分かんないんだよね須永は。
何だか二人の関係がもどかしくてもどかしくて。
これは、現代人が読んでも十分に楽しめる。
印象的なシーンも多々。
楽しかったり、悲しかったり、物寂しかったりもするけれど、漱石 -
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ネタバレ標題の「私の個人主義」は大正三年、大病を患った後に学習院でおこなった講演の内容だが、今読んでもさすが漱石というか、構成もメッセージもすばらしい。青空文庫で読めるので未読の人はぜひ。
講演として読むと、初めは前振りが長くいつテーマに入るのかと思うほどだが、気づくとすっとテーマに入っていて、それが最後のメッセージまでしっかりと繋がっている。
前半は人生の指針としての自己本位主義、後半はその前提となる個人の自由とそれに伴う義務と責任、という内容。
まず前半は、漱石自身の懊悩とその打破という経験を若い人たちへのメッセージに転化しているが、これによって人生の方向を決定された学生も当時いたのではない -
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神経症的な甲野、彼の異母妹藤尾、甲野家と縁戚続きで飄々とした感のある外交官浪人生宗近、その妹糸子、甲野達の友人である小野と彼の恩師の娘である小夜子、この六人の六角関係を扱う。
序盤は古文、漢文、口語文を融合したような地の文と、登場人物の区別に苦労するも、人生に迷える小野君と彼を慕う小夜子に感情移入できた時点から、やっと物語世界に入って行けた。
藤尾とその母を徳義心に欠けた人物として書くが、こういった人は当時はともかく現代では結構普通にいるような気もしないではない。甲野家の財産を我の物とするために画策する藤尾と母、それに利用される小野という構図。
終盤でそれまで何を考えているかわからず、風に吹か -
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ネタバレ前期三部作の2作目。三四郎よりも好きだ。
これは、とても良い本だと思う。
有り体に言えば、まぁ不倫ものみたいな感じなのかも知れないが…。
「最初に三千代を好きになった時点で、何で仕事探さなかったの??そもそも何で結婚しなかったの?最後に好きって言うくらいなら!!」と思わずにはいられなかった。
読んでいるうちに、段々と嫂の梅子の様な気持ちになってきてしまった。つい、没入してしまった。
ただ、代助の気持ちも分からないでもなくて…今の生活が心地よいから、親が持ってきた結婚の話も断り、ついそのまま過ごしていく、みたいな。好いた女もいるし、みたいな。
平岡に自分の気持ちを告げたあと、家族から絶縁さ