夏目漱石のレビュー一覧
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ネタバレ夏目漱石の小説が好きなので為人を知りたく読んでみたわけですが、誰かに当てた手紙、講演内容、どこかの誌面へ寄せた文書などバラエティに富んでいます。
人生論集というだけあり、漱石の人生論を垣間見ることができる良書です。
まず。愚見数則は、教訓集のようなもの。
人として基本的なことだとを語っているわけですが、全てできているかというと微妙だなぁと我を振り返り反省したり、そうだよなぁと赤線を引いたり。
人を屈せんと欲せば、先ず自ら屈せよ
などは成功すればするほど高飛車になっていくであろうものなのに、漱石自身が語っているのが素晴らしいと思います。
また、私の個人主義は現代の多様性の話に通ずるもの -
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冒頭に、漱石から読者へのメッセージがある。
彼岸過迄という、なんだか気になるタイトルは実は、単に正月から書き始めた連載がそれぐらいに終わるだろうと付けられた名前らしい。
そうなの、という気持ちで読み始めた。
そこには、短編を連ねて、最終的に大きな一編になる試みをすると書いてある。
話の語り手は、うまく流れにまかせて生き抜いていくタイプの青年。
探偵に憧れたり、まめまめと占いを信じたり、職探しも縁故に甘えて気楽に成功させている。
一方、真の主人公ともいえる、彼の友人はといえば、考えてばかりで、行動ができない。
その理由が最初の方から匂わされているが、そればかりが理由ではない。
自分の心とば -
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私は、色々読んで、漱石の妻が嫌いだ。
この本を読んでいくにつれて、漱石が自分の妻と(浮気という観点ではないが)、心がちっとも通じている気がしなくて苦しかったんのかなーと同情を感じてきた。
この話は、後期三部作と言われる彼岸過迄から確かに続いている。彼岸過迄の須永と今回の行人の兄さんが似ている。
二人とも、最も身近な存在の女性の”本当の気持ち”を求めて、袋小路に迷い込む。
しかし、1作目の須永はが悩むのは少し複雑な事情がある関係の二人の恋愛関係が軸で、それ以外の要素もあるが、細かい気持ちの描写を読むと、それは恋だねとかわいく思える部分もあった。
ところが、今回の兄さんは、気持ちの読みにくい妻へ -
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ネタバレたまたま友人と同じ人を好きになることは決して珍しいことでもないと思うが、なぜこんな寂しい結末になってしまったのか。
先生は妻の心を汚すまいと、自殺したKとの詳細を胸に秘めたままいなくなってしまった。話せば良かったのに、と無粋な自分は思ってしまった。親しい周りの人が次々に死んでしまうことのほうが妻の心にはつらいだろうと思った。
先生は大学卒業後も、Kに対する罪悪感などから死んだように生きていた。そんな先生を慕った「私」に、遺書で赤裸々に過去を打ち明けたが、妻が生きている以上はそれを全て秘密にしておくよう言い残していったのはなかなか酷なことだと思った。 -
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『三四郎』『それから』に次ぐ3部作の最後。
『それから』の「高等遊民」から一転、勤め人となり安月給で慎ましやかな生活を妻としている主人公。お互いを労り合いながら仲睦まじい夫婦の様子が見られる前半。
後半になり意外なところから物語の核心に触れ始める展開となり、主人公は過去に犯した罪の意識から救いを求めて禅寺へと赴くが、何の悟りも救いも得らないまま帰宅。
妻もまた同じように罪悪感を抱いている事がわかる場面も前半に見られ、夫婦は今までもこれからも、ずっと罪悪感に苛まれながら生き続ける事からは逃れられないと言う悲哀の結末。
暗いし『三四郎』の様なユーモアのある楽しさを味わう事は出来ないけど、心理描写、 -
購入済み
小説”草枕”の反戦主義
夏目漱石の小説は数編読んでいるが、この小説では漱石がこの当時に起きた日露戦争に反対していたことが明確であったように感じている。
漱石は必ずしも自身の政治的な立場や主張は氏の文学作品の中で強く述べてはいないが反戦思想は強く持っていたものと理解できる。この作品は勿論多くの評論等で述べられているように漱石の作品の中でも優れた小説であり、秋の夜長に読む作品としては最適なもののひとつであるように感じている。 -
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帯に「村上春樹の『海辺のカフカ』カフカ少年も読んだ名作!」とあるからそんな場面があったんだろうか、忘れたがなるほど相通じるものがある。最近読んだ桐野夏生の『メタボラ』をも思い起こさせる不思議な作品だ。
といって当然こちらが先。あるものからのがれる逃避行の物語。逃げるってちょっと魅力的。
だけど「坊ちゃん」がぽっと世の中に家出すれば、だまされてとんでもないところに連れて行かれる。連れて行かれたところが銅銀山の飯場。
坑道に案内されて地獄を見、抗夫仲間にばかにされ、粗悪な食事がのども通らず、寝れば虫に悩まされる。しかし、そこは教養のある「坊ちゃん」人生が見えてくるからよしよし、というかなあん -
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津田由雄は30歳、延という23歳の女性と結婚して半年も経っていない。
お延とか延子とか呼ばれる彼女は細おもて色白、目が細いのだけど眉を動かすと魅力的である。
新婚なのに津田は病気で手術しなければならない、なのにしかしなにやら家計が苦しいのである。そのわけは新妻に高価な宝石の指輪をプレゼントしたから?いや、裕福に育った派手好きの彼女にいい顔をしたからに違いない。
気が強い新妻は新妻とて、なぜだか不安に付きまとわれる。一目ぼれの弱み、彼の愛情を独占したくてたまらないが、いまひとつすっきりしない。深いわけがありそうなきざしがあるのだ。
この夫婦がてんでばらばらならば、相談する津田の両親や親代わ