夏目漱石のレビュー一覧

  • 明暗(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一つ一つの会話に意味があって、心理描写も細かい。登場人物がそれぞれ癖があって、一筋縄ではいかない。
    くどいなとか、引っ張るなとか思う場面もあるが、どこか軽妙で飽きない。
    津田が清子に会って、これから大きく事態が動きそうなところで終わってしまったのは残念。

    0
    2020年01月26日
  • それから(漱石コレクション)

    Posted by ブクログ

    世間を意識した小説だなあと思った。代助は知識もあって好きに生きてるようなのが周りの人が気に食わない。
    1日本を読んだり、音楽を聴きにいったりして暮らしている。わたしもそうしたい。結婚なんてめんどくさい。しかし、ダイスケの場合は時代が許さない。好きな人は他人の妻。誰にも言えない。

    それを公にしたときの世間の怖さを描くが、わたしには見せしめのように感じた。みなさん、お気をつけください!。

    好き勝手に生きることが許されない。好き勝手みな生きたいけどいろいろがんじがらめ。だからそうしている人は断罪されるのだろなぁ。

    タイミングがわるいようでいて、三千代に対する気持ちは、そうであるからこそ、彼は燃

    0
    2019年12月02日
  • 吾輩は猫である

    Posted by ブクログ

    初めてまともに夏目漱石を読んだかも。
    結構読みにくかったなぁ。
    でもこれは猫が語り手となっているところが持ち味なのだろう。
    確かに猫が軍隊を作るみたいな妄想のところは面白かった。

    0
    2019年11月15日
  • 三四郎

    Posted by ブクログ

    読みながら思わず「それな」「わろた」って突っ込んでた。100年も前の一大学生の話なのに、今の大学生がここまで自然に共感できるその普遍性はさすがだなぁとおもった。
    文体は少し硬いけれど、その文体から醸し出される雰囲気は好きでした。

    0
    2019年08月28日
  • 門

    Posted by ブクログ

    一貫して作品を貫くトーンは暗いが、明治時代の作品とは思えぬ現代的なテーマを内包した作品である。

    主人公の宗介には感情移入出来る人は、現代でも結構いるのでは?
    私には現実逃避しがちな思考回路や、問題を先延ばしにする所、挙句は運命のせいで納得する所など、全くもって宗介的な考え方はよく分かるし、自らの中に宗介を見る。

    幸せなのは御米との仲が、小六というさざ波はあったものの仲睦まじい所でホット出来る所である。

    0
    2019年08月24日
  • 虞美人草(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    明治の恋愛小説といって正しいのだろうか。交友範囲内の男女の関係のもつれを書いた作品。現代とは恋愛の価値観が違っているので、その前提で読んだ方が楽しめると思われる。
    全体的に内容は回りくどい。例を挙げれば、手紙の封を開けるのに迷った登場人物が、ギッチリ文字の詰まった2ページを丸々使って右往左往したりする。
    ただ、それらは描写と詩的な文言に費やされているので、浸ることが出来はじめると次第に光景が浮かぶようになって良くなってくる。慣れるのに時間はかかったが、当時の風俗などを楽しめた。静かな場所で読むのが良いかも

    0
    2019年08月14日
  • 道草(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    解説が非常にわかりやすかった。
    内容は、まったくもうな主人公と妻の言葉足らずの間柄に肉親だけにストレートな思いのたけ、でもそれももちろん心の中だけに留めて、と、とても歯がゆい聞いてて嫌になっちゃう人物なのに、ついつい読み進めてしまう。
    面白いんだよなぁ。

    0
    2019年07月22日
  • 私の個人主義

    Posted by ブクログ

    明治44年に関西でおこなった講演4本プラスその3年後の学習院での講演となる表題作。

    どうでもいいと言えばいいのだが、一連の講演旅行であった関西での4本が、多少重なり合うとは言えそれぞれ別々のテーマとなっているのは面白い。聴衆は当然、毎回違うわけだから同じ話を4回すればよかろうという気もするが。新聞への掲載、または事後の出版を前提としていたのか。

    最初の4本がどちらかと言えば聞き手を面白がらせる軽妙洒脱さに重きをおいているのに対して、「私の個人主義」はこう生徒たちに訴えかけるような重さがある。中身には大きな違いがないがトーン&マナーにおいてちょっと違う感じ。脈絡ないのだがマックス・ウェーバー

    0
    2019年07月07日
  • 三四郎

    Posted by ブクログ

    水村美苗の「日本語が亡びるとき」でしきりに取り上げられていたので読んでみた。
    今の小説との決定的な違いを言葉にすることはできないが、独特の雰囲気や良さがあると思う。重さも軽さも混在している。

    三四郎の若い時代に何もできなかった苦い恋愛経験が描かれているので、なるべくなら若いときに読んでおきたい作品かな。

    0
    2024年10月28日
  • 明暗

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の最後の作品にして、執筆途中で作者病没のため未完で終わった長編作品。
    188回、手元にある岩波文庫で「吾輩は猫である」を越える581ページありますが、最期の作品ということで文章もかなり熟れていて読みやすく、読み始めるまでは決心が入りましたが、読み始めると意外に早く読み終わりました。
    作中の文章のうち会話文が多くを占めていて、かつ本作中のキャラクターは曲者だらけなので、会話内容は苛烈なものが多く、登場人物による謀り、誤魔化しも多いため読み始めると区切りまで読まないと気が収まらないような内容になっているためかと思いました。
    また、一つの会話が終わると続いて次の役者が登場するような構成になっ

    0
    2019年04月28日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    夏目漱石の家を訪れた人、過去の友人や知人、家族などの思い出を淡々と書き連ねた作品。
    今風で言うところの"自分語り"と揶揄できるかもしれないが、読んでいると目の前で漱石が自分に語りかけているような感覚を覚える。
    この本を読めば、漱石の思想に直接的に触れることができる。
    圧倒的語彙力は同作でも健在で、夏目漱石は日本語の天才だと改めて思う。

    0
    2019年03月20日
  • 二百十日・野分(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    40代に迫ったころの夏目漱石が書いた、短編と中編の二篇。
    『吾輩は猫である』を書いていた漱石が、
    この作品では社会に挑むようなテーマを扱っています。

    「二百十日」はほぼ会話でできあがっている作品。
    阿蘇の山に登るための旅中の会話が主体なんですね。
    主人公の二人はところどころとぼけていて、
    まるで落語みたいだなあと思いながら、おもしろく読めていく。
    主人公の一人、圭さんが剛健な人物で、
    当時の金持ちや華族連中の存在がいけない、
    という持論を展開していきます。
    それでも、冗談を交えた日常会話文ですから、
    論理がむずかしいということもなく、
    読者の気持ちもそこに乗り移るように、
    男気ある好人物との

    0
    2019年03月01日
  • 行人

    Posted by ブクログ

    後期三部作の2作目。
    後期三部作は話としてつながるように意図された作品ではなく、各作品で方向性は違うのですが共通のテーマを持った作品となっています。
    彼岸過迄では、須永がその気もない女性であるはずの千代子に縁談が上がるや否や嫉妬の炎に身を燃やすというエゴイズムと、そんな己の感情に苦しめられる様が描かれていましたが、本作においても自分と外界のギャップを許容できず苦しむ男が描かれています。
    彼岸過迄では須永がコントロールできない感情からエゴにまみれた嫉妬をしてしまう話でしたが、本作は彼岸過迄よりテーマとしてはもう少し昇華していると感じました。
    主人公の兄・長野一郎は学者で、何事も深く考える性質があ

    0
    2019年01月27日
  • 道草(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    自伝要素のある漱石の小説のなかでは、あまり好きではない。
    学者として成功したものの、金をせびりにくる養父や、厚かましい親族、そして仮面夫婦のような細君との距離感。リアリティがありすぎて、逆に重い。

    0
    2018年12月31日
  • 門

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の前期三部作の3作目。
    「三四郎」、「それから」に比較すると知名度が低く、三部作を上げたときに思い出せない作品だと個人的には思ってます。
    ストーリーも他の2作と比較すると地味で、カタルシスを感じるようなシーンなどもなく、平坦な日々を送る主人公「野中宗助」とその妻「御米」夫婦の苦悩を描いた作品となっています。
    三部作の他の2作同様、夏目漱石らしい直接的ではない表現が多々用いられており、それが返って情景描写を鮮やかにするのは変わらないのですが、本作はそもそも何が起きたのか、物語の核となるストーリーが深く語られないままとなっていて、人によってはよくわからない、面白くないと感じる可能性がありま

    0
    2019年01月03日
  • それから

    Posted by ブクログ

    主人公は数えで30になる青年「長井代助」。
    彼は裕福な家に生まれており、実家のお金で一人暮らしをして書生を置き、読書をしたり演奏会に行くなど、働かずに自由気ままに生きています。
    夏目漱石の作中でしばしば登場する高等遊民と呼ばれる人々の代表格として挙げられることが多い人物です。
    代助は作中、友人の平岡の「何故働かない」という問いに「日本対西洋の関係が駄目だから働かない」と答えます。
    曰く、「西洋の圧迫を受けている国民は、頭に余裕がなく碌な仕事ができない」、「悉く張り詰めた教育で目の廻るほどこき使われるから揃って神経衰弱になる」と、そして、「働くなら生活以上の働きでなくちゃ名誉にならない」とも述べ

    0
    2018年12月24日
  • 思い出す事など 私の個人主義 硝子戸の中

    Posted by ブクログ

    漱石の有名な大量吐血事件後に、漱石が感じた死生観などのエッセイでかなり深刻な内容かなーと思っていたら洒落がきいた漱石節の方が印象的でした。

    純文学ならではの少しムツカシイ言い回しの表現ですが、「俺の悩みなんてこの広い宇宙に比べたら…( ´-` )」なんて事を綴っていたので少しクスッとできました(笑)

    0
    2018年12月20日
  • それから(漱石コレクション)

    Posted by ブクログ

    漱石お得意の友情の絡む三角関係もの。主人公は秘めた思いに気がつかず友人に恋人を斡旋してしまうが、このシチュエーションは現代感覚では起こりにくそうです。恋愛感は例えばこの時代は親が結婚相手を決めるのが主流だっただろうし。
    主人公が親のスネをかじり続けつつ、お手伝いさんをおいて一人暮らしをしている状況、食うために働くのは負けと嘯き、周りの人々を見下す考えなどを読み手が許せるかで共感度が変わりそうです。自分は残念ながら共感度は低かったです。
    知的な文体は読みにくいけど味わい深いです。何度も読んで楽しむ一遍と感じました。

    0
    2018年12月16日
  • 三四郎

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の前期三部作と呼ばれる3作(三四郎・それから・門)の一作目。
    この3作は独立していて主人公も別、世界観に繋がりもないのですが、なんとなく前の物語から次の物語に続くようになっていて、前作の主人公が成長すると次の作品の主人公のようになり得る、次の物語のようになっています。

    本作の主人公「小川三四郎」は九州の田舎から上京してきた大学生で、純朴さの残る素直で真っ直ぐな青年です。
    三四郎が東京でいろいろな人や考えに触れ、体験し学ぶ話なのですが、どのような物語であるかを説明しようとするとどうも難儀します。
    何を書き出そうとしても言葉にした途端に違うものになるというか、日本語って存外不自由なんだな

    0
    2018年12月15日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    夏目漱石が、主に生と死について書いた随筆集。夏目漱石が謙虚で誠実な人だったということが伝わってくる。読み物として普通に面白いからおすすめ。

    100年も昔の文章なのに、何の違和感もなく読めてすごいなあと思う。誰にでも読める文章で詩的に、生死というものを書き表している。

    0
    2018年12月04日