夏目漱石のレビュー一覧

  • 10分でおもしろい夏目漱石

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    ネタバレしない程度に紹介してくれているので原作も読もうと思える、入門書としてちょうどいい塩梅。今まで自分が読んだことがある作品にも久しぶりに触れられて懐かしい気持ちになった。
    『三四郎』と『吾輩は猫である』はまだ読破できていないので読みたい。

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    2024年10月23日
  • それから(新潮文庫)

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    最初はなかなかページが進まず時間をかけて読んでいたが、後半の盛り上がりがとても良く手を止めることなく最後まで代助の姿を見届けることができた。前期三部作の中で一番好き。

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    2024年10月14日
  • 思い出す事など 他七篇

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    某所読書会課題図書:夏目漱石の文章は久し振りに読んだが、豊富な語彙と幅広い読書履歴、自分の病気に対する冷静な判断には感心するばかりだ.有名な人、教養のある人が数多く出てくるが、看護婦さんなどの身近な人にも丁寧な対応をしている姿は素晴らしいと感じた.吐血に対する治療法が克明に描写されているのも、事実をしっかり把握する姿勢の現れだと思った.

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    2024年10月10日
  • こころ(まんがで読破)

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    原作は字体や文章表現が古臭くとっつきにくいなと思ったのでマンガで簡単に概要を知るために読んでみた。
    話のあらすじがとてもわかりやすく、明治天皇の後を追って著名人が自害するなど今の時代では理解出来ないような当時の雰囲気を知れたり、若者特有の全能感から自分の器を知って失望に変わる苦しみ。欲望が絡むとどんな人間も心が弱くなり親友や親族でさえ裏切るという、いつの時代も変わらぬ人間の醜さなどが描かれていて共感できる部分も多かった。

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    2024年09月26日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    「愛嬌と云うのはね、自分より強いものを斃す柔かい武器だよ」「それじゃ無愛想は自分より弱いものを、扱き使う鋭利なる武器だろう」
    小野さんは自分と遠ざかるために変わったと同然である。

    わが悪戯が、己れと掛け離れた別人の頭の上に落した迷惑はともかくも、この迷惑が反響して自分の頭ががんと鳴るのが気味が悪い。
    雷の嫌なものが、雷を封じた雲の峯の前へ出ると、少しく逡巡するのと一般である。只の気の毒とは余程趣が違う。けれども小野さんはこれを称して気の毒と云っている。

    真面目と云うのはね、僕に云わせると、つまり実行の二字に帰着するのだ。口だけで真面目になるのは、口だけが真面目になるので、人間が真面目になったんじゃない。君と云う一個の人間が真面目になったと主張するなら、主張するだけの証拠を実地に見せなけりゃ何にもならない。•・・


    時代背景や価値観が違うから、全てを共感はできないけど、この行き場のなさはわかる気がする。高慢で魅力的な女は退場させられた。そんな時代。恋愛に限らないけど、恋愛の板挟みって神経すり減らす。まぁここでの板挟みは愛とか恋とかそんなのに拘うものではないのだけれど。
    再読で、そう昔のことじゃないと思うんだけど全く覚えてなかった。漱石文学は展開に入るまでが難解だけど、いざ入ったらどことなく俗っぽくてすらすら読める。









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    2024年10月22日
  • 吾輩は猫である 上

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    有名な作品。現代人でありながら、それなりに面白く読むことができたのが漱石の凄さだろう。一方で、その奥を探ってしまう。単純に読むだけで、何か足りないのではないかという気になる。

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    2024年09月06日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    ようやく読みきれた『虞美人草』。前半部分は漢文調が続くので慣れるまで時間がかかりました。後半部分になって、登場人物の中でも話の要となってくる人物の正確や様子が分かってきて、徐々に作品に引き込まれていきました。それは男女間のもつれや師弟関係のしがらみがかかわってきているからだと思います。このあたりから人の心にある弱い部分や傲慢が部分が感じられたのもあります。

    また、虞美人草はひなげしのこと。花言葉は「心の平穏」「労り」「慰め」「思いやり」。作品の後半でようやくこのタイトルが登場人物の心の移り変わりを表しているようにさえ思えてきました。

    宗近君が小野君にまじめに生きることを説く部分はすごいと思ったが、結末はすべてを藤尾さんに擦り付けたのでは?とおもえて仕方なかった。「労り」「慰め」「思いやり」を出しているように見える登場人物も、ちょっと自己中心的なものの考え方なのではと。
    しかし、こういうところが、時代は違えど親近感があるようにも感じて興味深いと思いました。

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    2024年09月01日
  • 吾輩は猫である

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    猫の『吾輩』からとして描かれている視点が面白く、
    電車の中で何度も吹き出してしまった。
    面白いのだけど、文体の難しさと注釈の多さ、
    字の小ささ笑とでなかなか読み進まない笑

    この時代の人たちは知性がすごい。
    書物や文献•翻訳本などへのアクセスが今に比べて全然乏しかったであろうこの時代、なのに知識量ハンパない。

    後半、この時代の『個』の考え方がわかって面白い。
    最後『吾輩』のラストシーンはじんとくる。

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    2024年08月18日
  • 坊っちゃん

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    現代のラノベの文体だって

    言わずとしれた夏目漱石の初期の代表作である。大家漱石の作品ということで、様々な観点からのうがった解釈も可能とは思うが、単純にユーモア小説として読むのが気楽で良いような気がする。この作品の真の値打ちはその切れの良い短いセンテンスの文体にあると思う。この文体が日本近代文学に与えた影響は非常に大きいと思う。現代のラノベの文体だって、坊っちゃんの子孫かもしれない。

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    2024年08月07日
  • それから(新潮文庫)

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    感想 三四郎からの続編、家と友と愛を渦巻き、過去への後悔と未来への不安を描く心理小説。
    言葉の限りを尽くして内なるものを表現し、能天気な主人公が悲劇の世界を歩み始める対比描写が気持ち悪く印象的だった。
    また中身ではないが、漱石の文の進め方は言葉を尽くし、ニュアンスを言語化する傾向があるということを学んだ。

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    2026年01月12日
  • 草枕(新潮文庫)

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    編集者の松岡正剛氏は、「日本のための5冊」と題したある講演で次のようなことを言った。

    「我々日本人は『草枕』を継承していない」

    本作を通して描かれているのは「幽玄の美」である。つまり、現実なのか夢なのか判然としない曖昧性の高い世界観である。古来、日本人はそうした幽玄の世界に日本特有の美を見出してきたのではないだろうか。だとすると、この世界観を現代で実装するにはどのような手段があり得るか。3DCGやメタバースといった仮想空間は1つの可能性としてあり得るだろう。そんな考えが本書を読んでいる際に頭をよぎった。

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    2024年07月31日
  • 明暗(新潮文庫)

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    ネタバレ

    漱石の死去により未完となった大作。

    勤め先の社長夫人の仲立ちで半年ほど前にお延と結婚し、平凡な毎日を送る津田由雄には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。
    ある日突然津田を捨て、津田の友人・関に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、痔の手術後の湯治という名目のもと、密かに彼女の元へと向かった…。

    これまでの漱石の作品には似ていません。大上段に構えるでもなく、飾り過ぎない筆致で描かれる市井の人々の日常ですが、これが滅法おもしろい。
    一応、主人公は津田ではあるものの、彼も数ある登場人物たちの一人にすぎないという点で、かなり相対的に描かれています。
    そして、登場人物たちが、強烈な個性をぶつけ合う展開は、ドストエフスキーの小説を髣髴とさせるスリリングなもの。
    とりわけ、これまでの作品では恋愛の対象として対岸の存在だった女性たちが、いきいきと、饒舌を振るう様子が、先の予測を許しません。
    思うとおりにいかない他人の言動。そのしがらみに絡め取られた津田の葛藤が読者のそれとして迫り来る。漱石最後の小説にして、実は漱石の新境地ではないでしょうか。

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    2024年07月28日
  • 夢十夜 他二篇

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    ネタバレ

    夢は抑えられている感情が表れるものとよくいうけれど、漱石自身の社会に対する見方とか生命に対する考えを、夢という形で読者に訴えた作品のように感じた。

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    2024年07月21日
  • 道草(新潮文庫)

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    漱石の自伝と言われる作品。主に以下3つの事を軸にしている。1.かつての養父から無心2.第二子の出産3.親戚との関係と体調。
    全体的に暗く救いがない雰囲気。子供の出産と言うおめでたい事すら少しも喜びにつながらない。漱石は自身がこんなにも人々の心の襞を観察し表現出来るのに、身近な人達との接触では見栄などが邪魔をしてうまく付き合えないもどかしさを感じる。断ればよいお金の無心を断れないこと、妻への配慮にかける言動など、読んでいていらいらが募る。この作品の発表時期にもよるが身近な人達も含めてこうまで赤裸々に書いてしまうとは。
    ストーリーがないので中盤中だるみしたが、言葉の表現が面白く、また漱石が生きた時代を深く味わえる貴重な作品。ふりがながあるので読みやすかった。研究家による注釈も興味深い。

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    2024年07月21日
  • 吾輩は猫である

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    ★★★★☆いつも途中で断念していましたが、今回は理解できないなりに読み終わりました。未来の人間の死についての話が印象的でした。人間はどこまで長生きすることになるのか。その死に方も変わってくるのか。未来の「死」を考えた事もなかったので、衝撃的な死のあり方だと思いました。

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    2024年07月14日
  • 明暗(新潮文庫)

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    新婚の男には、忘れられない女がいた――。
    大正5年、漱石の死を以て連載終了。
    人間のエゴイズムの真髄に迫った、未完にして近代文学の最高峰。

    勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻お延と結婚し、平凡な毎日を送る津田には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然津田を捨て、自分の友人に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、秘かに彼女の元へと向かった……。
    濃密な人間ドラマの中にエゴイズムのゆくすえを描いて、日本近代小説の最高峰となった漱石未完の絶筆。用語、時代背景などについての詳細な注解、解説を付す。

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    2024年07月11日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

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    自分の読み方のせいかもしれませんが、自分と他人と社会と、夏目漱石の切り取り方は本当に面白いと思いました。結局こういう話!というあらすじがあるようで無いようで。結局は人生そんなもの。進んでるのか、止まっているのかわからないような、そんな時間の魔法

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    2024年07月08日
  • 道草

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    かなり後味の悪い終わり方でした。私が女性であるからかもしれませんが、主人公の態度や発言に少しイライラして、その後の細君の正論に共感してしまいました。子どもが出る場面がこの本では唯一の癒やしかもしれません。

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    2024年07月04日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」
    美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。

    美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。

    大切にしたいけど、悲しませたい。
    清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。

    この欲望はどこから来るのだろう。
    占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。
    どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。

    多分、それは、自分を汚れたものだと心のどこかで思っているから。美しいものを妬ましく思っているから。

    プライドが高くて自己肯定感低めの私と、この悪魔はシンクロするところがある。

    自分より優れているものは、そのまま清く気高くいてもらいたい。だけれど、引きずり下ろして、結局自分と同じ場所の人だったと思って安心感を得たい思いも持ち合わせている。
    そして、自分が引きずり下ろしたという、自分の影響力に優越感を感じたくもある。
    毒された相手が回復しようものなら、嬉しい反面、より多くの苦しみを与えて堕落させたいと思ったりもする。

    自分に満足していれば、そんな酷いことはしない。
    でも、誰かに愛されたくて、かまってほしくて、仕方なくそうしてしまうこともあるのも、分かる気がする。

    勿論讃えることはできないけれど、こういう矛盾や葛藤が人間らしさなのだと思う。だから真っ向から否定はしたくない。

    悪魔も人間も、自分は醜いと思って涙できるのなら、醜くなんかなく、寧ろ美しい部類に入れるという考え方もありそうだ。

    湧き上がる気持ちを無理に矯正しようとするのではなくて、自分を含めた悩める人に対し、手を差しのべて、理解しようとする人になりたいなと思った。

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    2024年06月24日
  • こころ

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    ネタバレ

    9年ぶりの再読でした。初めて読んだ時はよくわからないまま終わってしまいましたが、今回は内容をちゃんと理解できたと思います。お父さんがどうなったのか不明のまま終わりましたが、先生の遺言書のことを考えると分からないままで良かったのかもしれませんね。

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    2024年06月23日