門(新潮文庫)

門(新潮文庫)

440円 (税込)

2pt

親友の安井を裏切り、その妻であった御米(およね)と結ばれた宗助は、その負い目から、父の遺産相続を叔父の意にまかせ、今また、叔父の死により、弟・小六の学費を打ち切られても積極的解決に乗り出すこともなく、社会の罪人として諦めのなかに暮らしている。そんな彼が、思いがけず耳にした安井の消息に心を乱し、救いを求めて禅寺の門をくぐるのだが。『三四郎』『それから』に続く三部作。(解説・柄谷行人)

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門(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    漱石先生の作品を読んでいると、自然、時代を感じずには居られないのでありますが、今回も文体共々透き通る様な感じを受けました⁉️
    初期3部作という事で、身構えて読み進めましたが、一万円札ではなくて、千円札に落ち付く由来を何となく感じるに至りました‼️
    そういう事から、些か腑に落ちない点も在りますが、しか

    0
    2025年04月08日

    Posted by ブクログ

    過去の出来事に対する後悔に苛まれながらも、日々何事もなく過ぎていく日常に深く幸せを感じる矛盾。
    「こころ」ととても似ているところが多くて、あ〜漱石だなと感じた一冊でした。

    0
    2024年09月30日

    Posted by ブクログ

    はじめて読んだときは それから のインパクトが強すぎて、物足りなかったような感触だったが
    読み返すとこちらの方が好みだと感じた。情景描写と、そのなかでひっそりと暮らす様子が描かれていて、非常に落ち着いて読める作品。

    0
    2023年08月11日

    Posted by ブクログ

    「こころ」に次いで好きになりました。場合によってはこころより好きかもしれない。解説に、「物語の後半寺に入ったのは作品の欠点という説もある」とあったけど、僕はそうは思わなくて、宗助の足掻きという名の逃げを表すのに効果的だったし、まぁこれがなければきっと宗介とお米のストーリーは彼らが死ぬまできっと今のま

    0
    2023年05月06日

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の「三四郎」、「それから」に続く初期三部作最後の作品。
    「それから」は、友人の妻を奪い返し、高等遊民を脱した主人公・長井代助が職を探しに出たところで終わります。「門」は代助の「それから」を描きますが、完全な続編ではなく登場人物の名前も状況も違います。

    「それから」の物語をひとことで言うなら

    0
    2022年05月25日

    Posted by ブクログ

    門の先に何が見えたのか。

    遺恨を残した友人との過去か、
    睦まじい夫婦の未来か...

    宗助は優柔不断故に、門を通る人ではなく、その前で立ち竦む人である。それでも労苦を受け入れ、日々対峙している姿勢は現代の我々にも通底する。

    春の兆しが夫婦の日常を優しく慰めた。

    0
    2021年10月28日

    Posted by ブクログ

    "こころ"で夏目漱石に惹かれて、内容もわからずとりあえず読んだ一冊。
    起承転結がはっきりしているSFが好きな私でも、日常に潜む些細な感情を独特なセンスで表現している本書に読む手が止まらなかった。宗助と御米との幸せな夫婦生活の裏にある確かな影が人生の儚さと奥ゆかさを感じさせられた。

    0
    2024年04月07日

    Posted by ブクログ

    かつて犯した罪を背負い世間に背を向けて暮らす宗助と御米、その背徳の行為を作品は具体的に語らない。その静かさに友の女を取った罪の深さを知る。作品としては「それから」の続きという位置づけだ。だが、新しいテーマとして宗教(禅)が提示される。
    漱石は書く「彼(宗助)は門を通る人ではなかった。又、門を通らない

    0
    2023年05月03日

    Posted by ブクログ

    めずらしく仲の良い幸せそうな夫婦…と見せかけて「それからのそれから」。
    幸せそうな日常はいつ崩れるかもわからないような軟弱な地盤の上に建っている。
    出店で買ったささやかなお土産、本筋からは逸れた他愛の無い会話、読み返してみればそれら全てが空虚であり慄然とした感さえある。
    無邪気で愛想のよい御米が前夫

    0
    2023年03月23日

    Posted by ブクログ

    過去により満足な地位につけず、淡々と日々を送る。夫婦仲は良好。過去の重荷は、時間がゆっくりと解決する、そう思うしかなくやり過ごしていく。あり得た未来の姿としての坂井、過去の自分の映しとしての弟。そのコントラスト。
    しかし不意の再来によりその手法は解決でないと知る。悟るために禅寺に赴くが、修行に専心す

    0
    2023年02月04日

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