夏目漱石のレビュー一覧

  • こゝろ

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    ネタバレ

    学生時代に教科書で少しだけ読んだ作品、いつか読もうと思い続けて十数年経ちましたがやっと読むことができました。
    「精神的に向上心のないものは、ばかだ」
    過去にKが語った言葉は、恋心に悩む今のKにとってはあまりにも残酷な言葉だと感じました。さらにそれを今になって引っ張り出し、念を押すように語った先生の行動はあまりに卑怯な手と言わざるおえませんでした。しかし、人というのは、いざという時には、先生や先生を裏切った叔父さんのように、打算的で邪な考えをもって行動してしまう生き物でもあるということは、私たちも心の片隅に覚えておくべきことなのかもしれません。

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    2025年12月02日
  • こゝろ

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    ネタバレ

    愛する静と結婚するため友人のKを裏切り、彼が自殺してから12年罪の重さに苦しみ果てに自殺する「先生」の独白

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    2025年11月30日
  • こころ

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    高校の授業ぶりに読んだ!
    "先生"の言葉選びがあまりにも繊細で、高校時代はそれがとても美しく感じられてたけど、今はしゃきっとしなさい!歳下に自分の全てを託すな!という気持ちになったのが正直な所です... またしばらく経って読んだら感想変わりそうだな...
    奥さんは、これからの人生をどう歩んで行ったのだろうか、というのが個人的には1番気になった

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    2025年11月23日
  • 夢十夜

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    こんな夢を見た。夏目漱石が夢からインスピレーションを受けて書いた10編の短編を近藤ようこが漫画に仕立てた。
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    「ルームメイツ」を連載時から読んでいる近藤ようこさんが夢十夜を描いたのか。と、大喜びで手に取りました。実は夢十夜は高校の頃以来なのですが、うっすらとしか内容を覚えていないし、夢現のどこにも足がつかないような不確かさが怖かったので再読しようとは思わなかったのですが。それでも、そうそう、こんな内容だった、と思いながら、そして近藤さんの絵がなおのこと夢現の浮遊感を醸し出していて腹の底が落ちつかない感じで楽しめました。漱石の文章と近藤ようこさんの現

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    2025年11月16日
  • 三四郎(新潮文庫)

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    初めて美禰子に会った時の「何を見ているんです」「当てて御覧なさい」が沼の入口を感じさせる、いい女感。
    三四郎の「ただ、あなたに会いたいから行ったのです。」いつの時代もストレートな言葉は刺さるね。
    見かけただけの女に運命を感じてる広田先生よい。
    可能性を感じさせられるとやめられないですね。

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    2025年11月14日
  • 坊っちゃん

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    学生の時にやっつけ仕事的に読んだっきり。久しぶりに再読。
    坊っちゃんのチャキチャキ、威勢の良くて自分の中で筋が通ってて無鉄砲でいて義理堅いところが改めて魅力的に感じた。今の時代なかなか居ないタイプだものね。
    田舎の閉鎖的な様子が描かれているけど、昔はそんなに都会と田舎とでは違ったのかしらん。
    でも、小狡い人間がやっつけられる様は気分スッキリ。
    事実をぽーんと書いただけのあっさりしたラストも何か好き。

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    2025年11月10日
  • 吾輩は猫である

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    読んだのは青空文庫だ。意外に長編だが、筋がある訳でもないのでどこで終わっても良いし、どこまでも続けられる。
    当時はどう受け取られたのか知らないが、ユーモア小説であって文学という固さはない。これを崇め奉って文学研究が重ねられているのが不思議。そもそも何故残っているのかも分からない。もっと売れていたものもあったやに聞くが、歴史の篩というのも気まぐれだと思う。いや、面白いんですけどね。
    明治の苦悩と現代の苦悩は真っ直ぐに繋がっていて、解決されないままむしろ複雑化して今に至るので、古典に直接答えを求めても無駄ですね。どの時代もその当時には今こそが時代の転換点だと感じるものなのだろう。

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    2025年11月08日
  • 彼岸過迄

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    大学を卒業した田川敬太郎は同じ下宿に住む森本と親しくしていたが、ある日森本は家賃を踏み倒し満州へ。
    大学の友人・須永の叔父・田口に仕事との紹介を頼みにいくが、そこで田口にある男の尾行を依頼される。尾行相手は田口の義弟・松本で一緒に歩く女性は田口の娘・千代子であった。松本を訪ねる田川。幼くして死んだ松本の娘。
    須永と千代子の恋。

    短編をつなげて長編にした作品。田口の尾行がちょっと探偵小説っぽくって面白い。「雨の降る日」は漱石の娘の死を託した話で切ない。

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    2025年11月06日
  • それから

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    ずいぶんかかった。
    いつから読まなきゃと思っていたんだったか。

    谷崎潤一郎の『蓼食う虫』を彷彿とさせる主人公の足踏み状態。進まない。ちっとも先に進まない。四の五の言ってばかりなり。なんなん!ブルジョワの余裕というには金に余裕はないし、それなのにあの余裕は。いやだから余裕ではない。

    だから結末に向かっての雪崩れ込み方は,オヨヨである。
    さぁ、職を探そう!と外に飛び出すってあーたびっくりよ。

    思わず、そのあとが知りたくて『門』に突入しちゃったじゃないの。

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    2025年11月03日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    夢十夜なんかものすごいのだけど、これって漱石以外が書いたらやはり評価されるのだろうか。
    でも、ものすごい

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    2025年10月31日
  • 私の個人主義

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    漱石は陰鬱で面白みのない人というイメージだったが,講演を読むとそれなりに諧謔のセンスがあるし,ウケをねらうサービス精神もあったんだなと。
    「私の個人主義」は学習院の学生向け講演だが,今でも通用する話かと。
    漱石を読むといつも明治以降この国の課題は一貫しているように思われる。

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    2025年10月31日
  • こゝろ

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    前半半分は正直のめり込めなかったけど、後半は面白かった。100年前の日本人の言葉遣いや暮らし、恋愛に触れられるのが楽しかった。

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    2025年10月19日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    NHK『100分で名著』で、ある作家さんが「漱石作品のなかで好きな作品3つ」のなかに挙げていたので、読んでみました。
    おもしろかったです!

    まったく知らない世界の話で、ぐいぐい引き込まれました。 

    人の品格とは職業(医者か坑夫か…)ではなく、「教育から生ずる、上品な感情」と主人公が感じるシーン、大好きです。

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    2025年10月18日
  • こころ

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    ネタバレ

    美しい小説。圧巻である。
    昔、教科書で読んだ時、その面白さに衝撃を覚えた。しかしなぜか全文は未だ読んだことがなかった。
    兄が、最初の方はつまらないと言っていた。
    たしかに、最初の方は長い。
    しかし、最初の方の先生に対する俯瞰が、後半の内省と合わせて、先生という人物像を、あらわにしている。
    エンタメ的にも面白い。
    文章も美しい。
    自意識も、繊細に書き上げられており、自分と重ね合わせながら読んだ。

    264 つまり私は極めて高尚な愛の理論家だったのです。同時に尤も迂遠な愛の実際家だったのです。

    281 精神的に向上心のないものは馬鹿だ

    302 もう取り返しが付かないという黒い光が、私の未来を

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    2025年10月18日
  • こゝろ

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    ネタバレ

    吾輩は猫であるより読みやすかった。
    何か秘密を持ってる先生と出会う主人公。
    奥さんでさえ知らない秘密とは…
    私は結局父の死に目に立ち会えたのかが気になる。
    先生の遺書は少し長くてちょっとダレたかな…
    乃木大将が明治天皇が亡くなったときに妻と殉職してるのを知り今の時代じゃありえないことだなって思った。
    最初にあらすじがあるけどこれは読まない方がいいです。ほとんど内容書いてあってネタバレになります。

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    2025年10月13日
  • こころ

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    解説書いてる菊田均先生、初めの知識系はタメになったけど、後半は自分で問題提起したものにハッキリした答を出さず話があっちこっちADHDの思考回路みたいに飛び飛びで、そのくせ問題提起だけは山積みになっていって、謎だけ残された感あって後味めっちゃ悪かったし分かりづら

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    2025年10月09日
  • こゝろ

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    オーディブルで。
    高校生ぶりに再読。
    歳を重ね、Kの自殺から先生の自殺までの機微が分かるようになった。そりゃ、結婚生活も楽しくないし、死ぬしかないでしょう。精神的に向上心のないやつは馬鹿だし、策略で勝っても、人間として負けたのだ。

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    2025年10月07日
  • こころ

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    久しぶりの夏目漱石、やっぱりとても良かったです。
    美しいなぁと感じました。

    特に読んでいて、襖を一枚隔ててそこにいる先生とKを思うと、心がヒリヒリして胸が痛い…

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    2025年10月05日
  • こころ

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    心の中を打ち明けてしまいたいけれど、打ち明けられない葛藤。大切な人が側にいるにも関わらず、自分は周囲の人が思うような人間ではないという、自己否定に先生は苦しむ。
    先生やKのように、高潔であること、ありたいと望むことは人生をどこまでもハードにしてしまう。人間誰しも常に正しくいることは不可能に近い。思い上がるし、愚行もする。しかし、高潔な人にとっては、周囲には「そんなこと」と思われることでも、本人にとっては存在を揺るがす大問題になることがある。私も自己否定に押しつぶされんばかりの夜があるが、この作品のように、突っ走ってしまうと、周りを不幸にするぞと思い出したい。

    Kにしても、先生にしても、上から

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    2025年10月04日
  • 三四郎

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    ネタバレ

    三四郎を中心に展開される当時の東京大学学生生活の描写が良い。
    三四郎と美禰子の関係が最初に読んだときは、良く分からないしあまり面白さも感じなかったけど、何回も読んでいるうちに面白くなってきた。漱石の作品はそういうのが多い。

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    2025年09月30日