夏目漱石のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
屈折した「先生」の話
書生である「私」は「先生」に心惹かれて交流を始める。謎めいた先生の過去は最後に遺書として明らかになるもので、それまで不思議で仕方なかった。面白かったです。
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Posted by ブクログ
面白い!
明治の知識人階級の男女の四角(五角?六角?)関係であり、家や財産の相続、親の介護、若者特有のプライド、職業的マウンティング、恋愛と結婚、自我と世間体、本音と建前などなど、話自体はまあ渡る世間とかその辺のベタなホームドラマとそれほど変わらないはずなのに、なぜこれほどまでにスリリングでリアルなのか!?と考えるに、ストーリーテリングとしての純粋な面白さに加えて、普遍的な人間心理に対する漱石の鋭すぎる洞察と描写。それに尽きる。
特にそれまでずっと表面上は穏やかに行儀よく、しかし水面下ではハイコンテクストな湾曲表現による高速パンチと寝技の応酬を繰り広げていた人たちが、クライマックスで突然全 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに読むと、こんなにも美しく面白い話だったかと驚いた。後期3部作の、人間の本質に苦悩する重苦しさとは全く別の、瑞々しく美しい情景描写に惹かれる。三四郎と美禰子の、互いに意識するかしないかの心の通わせ方、距離の感じが素晴らしい。最も印象深いのは雨宿りのシーンで、情景が目に見えるような透き通った美を感じる。
多分、美禰子は三四郎に心惹かれるものはあったのだと思う。ただ、プライドか何かは分からないが素直にその気持を認められず、どっちつかずの態度を取らざるを得なかったのかと。三四郎がお金を返そうとしても中々受け取らなかったのは、無意識に繋がりを保っておきたかった表れではなかろうか。最後にお金を受 -
購入済み
不思議なお話
●とにかく凄く短い物語り
●教科書に載っている有名人もの
活字の苦手克服の為、上記2点を基準に選んだこの物語
読むと漫画のように頭の中に場面がするする浮かんでくる
読み易いからだろうか
1年に1度くらいの頻度で「読みたいな」と本棚を探してしまう本
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ネタバレ 購入済み
すごくよい。
著作権の期限が切れていてなのか分からないが、明治時代の文豪の一人である夏目漱石の作品を無料で読めるのはかなり嬉しい。まだ、半分以下しか読んでいないが、主人公の不器用ながらも純粋な態度を貫き通すところが、いとおしくもうらやましくもある。
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Posted by ブクログ
たけくらべ読み終えたところ。樋口一葉を読んでいなかった(日本文学をなんとなく敬遠していた)自分の愚かさを呪う。なんだこの瑞々しさ。おっとりした、それでいて景色のわかる気持ちの持っていかれる文運びと表現(これは現代語訳の賜物かもしれないが)。あー、、、、とにかく今日読めてよかった。
三四郎読み終えた。NHKの100分de名著の漱石特集を観てうっすら冒頭は知っていたけども、そこからの印象とは違くなっていって。とても良かった。これも繰り返し読みたい。三谷幸喜さん演出の漱石を題材にした演劇、ベッジ・パードン(野村萬斎さん主演)を思い出しつつ、漱石自身の思想はどこかと想いつつ。
青年、終えた。森鷗外