夏目漱石のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いゃ〜よかったです。今回注釈を参照しながら また、辞書で語句をしらべながら時間かけて読みました。
遠回しに先生がKに家業あるなら、恋愛を諦めろと諭していたのが伝わりました。だって本当は自分の方が先に好きになったんだから諦めろとは言えないよね。言ったところでお嬢さんの気持ち次第なんだから。お嬢さんの気持ちを知るのが怖かったんだろうね。相思相愛に確信が持てないところが不安で
先延ばしにした結果、、、。
遠い昔の話だけど、現代に通じるものがありおのおのの登場人物が生活している様が読み取れました。
三角関係の細かい心情がゆったりとしたタッチで描かれている。この頃の文学が好きです。
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Posted by ブクログ
恋は罪悪。
これが全ての始まりであり、終わりでもある。
いや、始まり、特に終わりはないのかもしれない。
信じることが恐怖でしかない先生は、心を開くことが恋によって得られたかもしれない。だが、そんな恋すらも狡猾な策略に嵌められていると疑心暗鬼になってしまう。それを見ていると、信じることの本当の意味をを感じさせられる。
信仰に揺らぐKもまた、同じ恋という罪に耐えかねて死を選ぶ。
Kを死なせてしまったという責任に引き摺られる先生は、贖罪者のようにKの死を悼んでいる。
そんな様子を見ていると、罪悪という感情が2人のの心から離れることがないのが感じられる。
特に後半の遺書は先生の苦悩が悶々と伝わってきて -
Posted by ブクログ
夏目漱石の「三四郎」、「それから」に続く初期三部作最後の作品。
「それから」は、友人の妻を奪い返し、高等遊民を脱した主人公・長井代助が職を探しに出たところで終わります。「門」は代助の「それから」を描きますが、完全な続編ではなく登場人物の名前も状況も違います。
「それから」の物語をひとことで言うなら社会から逃れるように暮らす宗助と御米夫婦の苦悩や悲哀です。小説は何故この夫婦がひっそりと暮らしているのか、終盤まで説明しません。この小説は「朝日新聞」の連載小説ですが、愛読者はこの夫婦の事情を不思議に思いながら毎日読んでいたと思います。新潮文庫では裏表紙でプロットを全て説明していますが、これは余計な -
Posted by ブクログ
知識人の幸せは難しいなぁ。漱石をずっと順を追って読んでるけど、男と女、古い価値観と新しい価値観といった単純な二項対立じゃなくて、行人は肉親の家族や夫婦でありながら理解できない他人の精神の作用と苦悩みたいなものが書かれていて、文学として重厚に感じる。昔の交流と他人への影響力があると思っていて、でも深くは考えられない父、現代的だけど鉢植えの木である嫂の直、気難し屋なだけでなく、碁を打つのは苦痛だが逆に碁を打たずにはいられない、漠然と苦しくもがき続ける兄、といった人間の性格と考えが本当に冷静に正確な目で書き表されている。
こういうのを読める歳になったのかなと思いました。