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Posted by ブクログ 2011年06月23日
エンターテイメント小説として非常に面白く、なんといっても会話文の巧さがこの若者たちの群像劇を瑞々しく魅力的なものへと引き立てている。
冒頭の甲野さんと宗近君の登山における和気藹々なやり取り、続く第2幕の小野さんと藤尾の只ならぬ男女の仲を匂わせる会話の応酬を立て続けに読んだら最後、ぐっと物語に引き寄...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月18日
中盤こえるくらいまでやたらと難しい言い回しがくどくどと続く印象。漢籍や西洋の書籍からの引用が多いとかそういう話ではない。解説で、正宗白鳥は今作を批判したと読んだが、わからんでもない。
しかし終盤になると俄かに展開が速まり、筋に重きを置いたからなのか、格段と読みやすくなった。小野さんが突如として「真面...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年03月25日
すごく面白い。地の文は漢文調で読みにくいけど、それでもぐいぐい読ませる。
虚栄と道義の対立、旧時代と新しい時代の相克、とかなんとかいろいろ読みはあるだろうけど、シンプルに「婚活小説」として読むのがいいと思う。見栄と打算と離層のせめぎ合いの中で、お互い探り合い位置どりする感じが、なんとも東京カレンダー...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年09月03日
「こういう危うい時に、生まれつきを叩き直しておかないと、生涯不安でしまうよ。いくら勉強しても、いくら学者になっても取り返しは付かない。此処だよ、小野さん、真面目になるのは。世の中に真面目は、どんなものか一生知らずに済んでしまう人間がいくらもある。皮だけで生きている人間は、土だけでできている人形とそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年11月19日
小野は一旦は打算で藤雄さんと結婚しようとするが、それを翻し恩師の娘である小夜子と結婚する
はめに至る。死を選ばざるえなかった、「藤尾の死」は如何に理解するべきか。
こころにも通じる主題であるが、主人公の何気ない日常生活に含む言動の中に、
人を殺すエネルギーが内包されていることを、現代人はもう一...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年08月28日
まず際立っているのが文章の難解さ。地の文が凄まじいまでの美文であり、知らない単語が怒涛のように押し寄せる(私が無知なだけですね)。漢文や故事の素養を下地にした表現も多用されており、ページを捲るたびに自分の無学をひしひしと感じる・・・。
でも、そこがよいのです。読み進むうちに絢爛豪華な文体を味わうのが...続きを読む
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