夏目漱石のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2017.8.11
とてもよかった。さすが夏目漱石、読むだけで日本画や歴史、言葉遣いも勉強になる。
登場人物のだれもがリアルで、いろんな視点で語られるので性格が細かく描写されていてとてもおもしろい。家族の関係、兄妹、師弟、恋の駆け引き…それぞれの想いが見えてどうなるんだろうと読み進めれば、宗近君がすべてまっすぐにまとめてゆく。
結婚となると恋愛ほど単純ではなく、両家の関係や今までの義理、相続など、いろいろな思惑が絡んでくるのがよくわかった。男性陣が27,28、女性陣が24くらいで、ちょうど同世代であるから余計に感情移入したのかもしれない。
結婚前のわたしにこれを渡したのは父親の計らいなんだろう -
購入済み
こんな本だったのか!
とにかく有名な小説なんだから素晴らしいのは当たり前ですよね!
ところが自分で最初から読むのは初体験とゆうお粗末なのです。
意外と受験対策とか教養のためにとかで名前だけは知っていても全部通して読んだことのない本って多いんじゃないでしょうか。
-
Posted by ブクログ
新潮版の『門』も読んでいるのだけど、再読がてら出版社を変えてみる。
装丁のきれいな文庫本。(画面表示のランプのイラストも可愛いけど!)
読み進める内に、私の中では漱石で一番好きな作品であることに気付いた。
『それから』のストーリーも好きだったけど、宗介とお米の、自分たち二人だけの寂しい仲睦まじさは私には好ましくも映る。
しかし、一緒にいるからこそ世間的には後ろ指をさされる矛盾した苦しさもまた、分からなくはない。
二人だけの世界に、弟が入り、叔父の息子が関わり、家主と懇意になったところで、宗介を破綻に導く安井の名が挙がることの運命。
そうして、同じ悩みの淵には「立てない」と取るのか「立たせ -
Posted by ブクログ
大病や大けがをすると、人生観が変わる、というのはよく聞く話です。
自分は幸いなことにそれ程のことは長らく無かったのですが、一昨年に左足踵の骨折という大けがをして2カ月くらい車いす、半年くらい杖突きで暮し、そのときにそういう気持ちはなんとなくありました。
まあ、コペルニクス的に何かが変わる、ということでも無くて、「健康ってありがたいなあ」とか「一寸の差でもっとひどく、あるいは死んでいたかも知れない訳で、人知や能力というよりも、不条理な運っていうのはあるなあ」とか。その「一寸の差」で実際にもっと酷いことになったり、死んでしまう人もいるわけで。それに比べて自分がどうしてコレで済んでいるのかというと、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小学生の時に、かなり大ざっぱな児童むけリライト版『坊っちゃん』を読んだことはあるが、オリジナルの通読は今回が初めて。読後の感想を一言で述べると「面白い。が、いいのか、これ?」。
あらすじ紹介には「正義感に燃える若い教師の奮闘の日々」と書いてある。『金八先生』みたいな熱血教師ものかと早合点しそうになるが、だまされてはいけない。『坊っちゃん』は語り口こそ軽妙だが、のちに『こころ』という作品で人間の孤独についてげんなりするほど粘着質に書いた、あの夏目漱石の作品である。ハートフルストーリーを求めて読むと肩すかしをくらう。
第一に、主人公の〈おれ〉は理想に燃えて教師になったのではなく、たまたま恩師に -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間の何の変哲も無い営みを、猫の視点から、風刺めいて面白おかしく描写しているところが斬新でした。
登場人物たちが個性豊かで、すごく活き活きしています。漱石先生は生前、かなり風変わりな人だったそうなので、漱石先生の分身であるキャラクターたちがとても個性的なのは理解できました。特に主人公の友人である迷亭は強烈でした。
高等遊民であり自由人な登場人物達のとりとめのない会話がとにかく面白く、その様子が脳裏に描かれましたし、文章も読み応えがありました。
作中では、唐突に会話が始まったり、色んなシーンがめぐりめぐり出てきて、純文学だけどエンターテイメント性に富んでいて、飽きさせない作品でした。
作中に -
Posted by ブクログ
漱石への興味は、私の場合、まず明治に確立されて今なおそのまま名文と感じられる文体です。これは主語動詞がかっちりした英語に堪能だったこと、新聞小説としてのひきしまった章だてをとっていたことなどの影響なのでしょうか。
自伝的な「道草」も、「片付かない日常」を描きながらも、やはり読ませるなあと感心します。
幼少時は里子にだされた、ロンドン留学をへて帰国その後はー、経歴では短く語られる間の事情を本人は書き残しています。
ぎりぎりの線で折り合いをつけていかなくてはならない親戚や縁者、反りの会わない妻。目指すところがあるのにという気持ちが「道草」の題名ににじみます。
しかし奥さんは、結構近代的で似 -
購入済み
現代にも通じる
これが1906年に発表されたものかと目を疑いたくなるほどの洗練された文章ということにまず驚かされる。
そして、約8万文字という短さも、当時付録として発表されたことからも頷ける。
しかし、内容は何回読んでも新しい発見があるほどの洗練された文章や構成。独特の軽妙な文章のリズムは「って」という促音の多い表現からと、現代のテキスト解析技術によって明らかにされている。
そう思うと「俺」よりも先に亡くなった清は、私達を見てどう思うだろうか。
答えが見つからないまま、また今日も読みふけってしまう。