夏目漱石のレビュー一覧
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難解な中にもこの時代の美しい文体を楽しむことができる。
宗近の云う「真面目になること」は自分の心に備え置いてきたことと重なり合う。
「真面目になれる程、自信力の出る事はない。真面目になれる程、腰が据わる事はない。真面目になれる程、精神の存在を自覚する事はない。天地の前に自分が厳存していると云う観念は、真面目になって初めて得られる自覚だ。真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ。遣っ付ける意味だよ。遣っ付けなくちゃいられない意味だよ。人間全体が活動する意味だよ。口が巧者に働いたり、手が小器用に働いたりするのは、いくら働いたって真面目じゃない。頭の中を遺憾なく世の中へ敲きつけて始めて真面目になった気 -
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ネタバレ【Impression】
「虞美人草」が一体誰のことなのか、結局は藤尾さんであると分かるんだが、虞美人草の花言葉は「平穏、無償の愛、慰め」などであるらしい。
作中の藤尾さんは全くの正反対である。
最後は意中の人を得る事が出来なかったため死んでしまうような、気性の荒い人である。
この正反対にある状況は一体どういうことを意味しているのか、いや、面白かった。
文章が綺麗で、詩的で、漢語のにおいがする、また読み返したい本
【Synopsis】
●宗近と糸子、甲野と藤尾、そこに小野が加わり、表面的には平穏に、内面では策略を巡らせた人たちとの恋愛もの。宗近と甲野はこの策略に飽き飽きしている、小野は利己 -
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2013/04/11-2013/04/22
星4.8
僕は果たして大学生になったので、色々と名作と謳われる文章を読んでみることにした。その第一号が、この『門』。夏目漱石作。
僕は理系であって、読解というものは比較的苦手とする所なので、こういう込み入った文章を読むにはゆっくり消化しながらでなければいけないから、少し疲れた。しかし、僕の日常にあるような、読後の疲労感というものには不思議と見舞われなかった。
陰か陽かと問われれば陰に値するだろう物語だのに何故だろう、物語を通して問題は全く解決していないように思われるのに何故だろう、陰鬱な気持ちにはならなかった。
もしかするとそこらへんが、この文章 -
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何と言う小説。
水村美苗さんの「続明暗」を読みたいな、と思い再読したのだけど。
此処に津田という男がいる。主人公である。会社員で、まずは悪くない勤め人で、30前後のようで、新婚である。その妻が延子。
粗筋で言うと、津田が胃腸らしき病気である。大層ではないが数日入院して手術が必要だ。会社と、世話になっている親戚筋に挨拶して入院。手術する。
津田の家庭はやや使い過ぎで、毎月の給料では足りない。京都の親が仕送りをくれていたが、仲違いしてそれが途切れた。金策に困る。
延子は新婚で、津田との愛情、夫婦のあり方にぼんやり不安がある。
津田の妹、秀子。津田の上司の吉川氏の奥さん。…などが、「 -
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こんな夢を見た。
自分はとあるサーカスで働く道化の少年である。白と黒の化粧をし、同じ色の白黒の道化服を着て、毎日客の前に立っている。年齢は幼く、サーカスのヒエラルキヰでいえば底辺に属するような位置である。賃金も大変に少ないが、しかし、自分はさして悲しんではいなかった。自分の隣には、道化の相棒がいるからである。相棒もまた、白黒の紛争をしているが、少しだけ赤色の混じった服を着ている。身長は自分よりわずかに高いが、自分より痩せていた。
自分と相棒はサーカスの部屋でいつも同室であり、二人で共有している錆の浮いた焼き菓子の缶箱がある。
古びたその中には、菓子は入っていない。入っているのは、僅かばかりの -
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ネタバレ漱石の手に心臓を掴まれた気がした。
第四章『塵労』は読んでいて苦しい。
「ああおれはどうしても信じられない。どうしても信じられない。ただ考えて、考えて、考えるだけだ。二郎、どうかおれを信じられるようにしてくれ」
「僕は死んだ神より生きた人間の方が好きだ」
「死ぬか、気が違うか、それでなければ宗教に入るか。僕の前途にはこの三つのものしかない」
「僕は迂濶なのだ。僕は矛盾なのだ。しかし迂濶と知り矛盾と知りながら、依然としてもがいている。僕は馬鹿だ。人間としての君は遥に僕よりも偉大だ」
「どうかして香厳になりたい」
ああ、苦しい。
駄目だ。
泣く。 -
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布団の上から身を動かせずに見えるものがこんな豊かで慈愛に満ちたものなのか、そしてそれを表現している文章の綺麗さに感動してしまった。死に近いという一点のみでは、少なくともその気概を持って接する分には若い人には負けない。どっかでこういう言葉を聞いたけど、いやいや、もうただただ頭を垂れるしかない小さな自分がそこにいるだけだった。
知り合いの旦那さんが亡くなられる数年前に読んでいた本が並んである本棚から拝借してきた本の中の一冊なんだけれども、こうやってものを介して出会う前に一度お話ししたかったなと思わずにはいられません。
思い入れこみでの評価だけども、星5つの基準を変えなきゃなと思いました。 -
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しっかり?夏目漱石読んだのはじめてだな〜。
夢十夜をちゃんと読みたくて借りたけど予想以上に収穫があった。
中でも『永日小品』と『我が輩は猫である』の「迷亭くんの話」がよかったな。
なんかもう足先がぬるま湯に浸かっているような安心感がある。でも足先しか浸かってないから肝心の本体はふとした瞬間に寒気が走る。そんな気持ちいいホラー。
夏目漱石を一度キッチリ読もう。
実はかなり好きな文体で話の組み方でござった。
古い文体だと毛嫌いしてはいけませんね。読みだすとかなりハマりそうな気がする。
それにしても『夢十夜』の完成度の高さよ………
全部ものすごく好きだわ〜。 -
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1914年(大正3年)。
明治の精神とやらはともかく、生物として、配偶者の獲得は弱肉強食の仁義なき戦いである。だからKを出し抜いた先生については、私はさほど責める気になれない。人間はしょせん動物なのだから。第一、勝敗を決めるのは先生でもKでもなくお嬢さんであり、その点において3人の間に不正は何ら存在しなかったのだから。
だがKは死ぬべきではなかったと思う。生きて愛する女性のために、未来を祝福してやるべきだったのだ。たとえ心で号泣したとしても。そこで涙をのんで祝杯をあげてやることこそ、どんな道を説くより見事な心意気じゃないかと私は思う。そうすれば2人は幸せになれただろうし、世界に女はお嬢さんだ