夏目漱石のレビュー一覧
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作品と著者に関して私の記すに及ぶものでは無いので控えるが、私が手に取って読んだ本そのものを紹介したい。
とある古本市でたまたま見つけたもので、大正十年九月二十五日十八版のものであった。百二歳の祖母の生まれた年に発行、発売されたものということで思わず即買いした。表紙というか外装というか布製で押絵も施され、背表紙には”行人 漱石”と布に刻印?された豪奢な感じで、当時、とても高級な本として売られたものと思う。定価は一圓八十銭と書かれ、MITSUKOSHI.LTD TOKYO の 切手、印紙のようなものが貼られている。印刷は、今は印刷が取れた凸版印刷株式会社。お宝的に保管して置こうと思ったが、その後、 -
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ネタバレ終始代助の子供っぽさ、煮え切らなさ、だらけ具合にムカついていた。これから代助はどうするのだろうか。
代助は三千代が平岡と結婚する前から好きだと言っていて、最悪な形ではあるが三千代の気持ちも確かめることができた。だが、いざ三千代が自分と一緒になるためなら死んでも良いと言った際には怯えて何も言えなくなった。あれほど三千代のことを愛していると言っていたのに、結局は三千代の意思を侮っていたのだと思った。
三千代は死んでまで代助と共に生きることを選んだが、代助は三千代も手に入れ、あわよくば家族ともうまく付き合っていきたい気持ちが表れていてどうしようもないと思った。
家族に見捨てられ、親友にも裏切られた代 -
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清くまっとうに生きる人間のなんとつまらないことか!代助は親の言うがままに従えばいくらでも楽に生きる道はあったのに、激情に任せて自分の意思で茨の道を選んだ。この後悔と裏腹な大胆な感情の揺らぎこそ漱石文学の醍醐味だと思う。ニートだろうが金が無かろうが親に勘当されようが、人を好きになってしまったらもうしょうがない。それでこそ人間ではないか。クソのつくほどつまらない人生を生きながら「オレはまだマシな方」と自己正当化を繰り返し、「あーあ可哀想に、あいつは堕ちたな」と他人の内心不幸を喜ぶだけが娯楽になっている人間から見れば代助の決断は大いなる愚行に過ぎないだろう。しかし私は代助のように真に人間的に生きたい
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主人公の津田と妻のお延の日常の生活を描いた作品、ただの生活描写ではなく、人間模様に焦点が当てられています。主人公の忘れられない元彼女に思い切って会いに行くのだが・・・。というお話。
学生の頃に途中で読むのをやめた本です。未完で終わっている作品ですが、当時の自分も未完でした。今になって読み返すと、なかなか面白い作品で、どんどん夏目漱石の世界に浸っていってしまいました。年齢を重ね時間を無駄に過ぎた分、微妙な関係の津田夫婦、また微妙な関係の津田と小林、そして最後に気になる清子との距離感が絶妙すぎです。特に女性の心の内、津田の心の内を詳細に描写しているため登場人物の心の変化が非常に面白いです。
また -
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修善寺の大患と言われる、漱石が胃潰瘍の悪化から人事不省に陥ったときの体験談『思い出す事など』。他に二葉亭四迷や正岡子規との交流記など7篇。
漱石は、幼年期に養子に出されたり戻されたりの不安定な家庭環境を過ごし、その後は留学するものの、当時を振り返って「ロンドンで暮らした2年間はもっとも不愉快」とまで言い切るほどのストレスを抱えて、人間不信に落ち入り引きこもりになったりしています。神経がまいって胃がやられるのも無理からぬところですね。
しかし、大病して死の淵がら戻ってきてくれたことで、『こころ』をはじめとする10年の作家生活の後半に書かれた作品を読めるわけで、壮絶な吐血との戦いに打ち勝ち、よ -
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ネット上に於いて繰り広げられるやり取りは得てして、物事を単純視し短絡的な考えで人を罵倒し、バカにしがちだ。しかし、その対象が自分の期待を裏切るとプライドが傷つくのか激怒し、余計に執着して過激化へと向かい、あら探しに終始するのを、私は嫌と言うほど見てきた。要はその対象の存在に呪われるているのである。
原因はよくわからないが、人間という存在の難解さを理解できない、もしくはしようとしないからかもしれない。まあ、人はメンツが保てないと怒るのだろう。
大学生の時分、私はネットに影響され人を理解しようとせず冷笑的で嫌な人間であった。しかしその過ちに気付き、人の多面性への理解が深まったのが夏目漱石「吾輩