夏目漱石のレビュー一覧
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購入済み
台風に荒れる活火山阿蘇
この時期の夏目漱石の特徴である「世相批判」的なセリフがしばしば出てくるが、それよりも、台風に荒れる活火山阿蘇の大自然描写が見事である。草千里の背の高い草が生い茂った中を強引に歩む二人が、とてもリアルに描き出されている。
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「もしあなたがたのうちですでに自力で切り開いた道を持っているかたは例外であり、また他(ひと)の後に従って、それで満足して、在来の古い道を進んで行く人も悪いとはけっして申しませんが、(自己に安心と自信がしっかり附随しているならば、)しかしもしそうでないとしたならば、どうしても、一つ自分の鶴嘴で掘り当てる所まで進んで行かなくっては行けないでしょう。
行けないというのは、もし掘りあてることができなかったなら、その人は生涯不愉快で、終始不愉快で、終始中腰になって世の中にまごまごしていなければならないからです。」本文より
ためになる内容だった。
繰り返し読んで自分の中に落とし込みたい。 -
Posted by ブクログ
12,3歳の頃 年上のきょうだいの教科書で初めて読み、
その後初めて手にした純文学小説。
ライトノベルも純文学も、
いろんな本を
買って読んで売って
としている中
この本だけはいつもどうしてだか手元に残る。
他の本も読み返すこともあるけれど
それ以上に この本は何度となく読み返してしまってる。
10代 10代半ば
20代前後…
その時々の読み返す時点で
みえるものも 読める部分も 感じることも
ぐるっと変わって 毎度微妙に違う物語を読んでいるような心地になる。
友情 恋愛 .. 大きく見えやすいテーマはその2点のはずなのに
それらよりもずっと底深い何かが息を潜めて居る気がする。
き -
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私の個人主義
著:夏目 漱石
紙版
講談社学術文庫 271
夏目漱石の講演をまとめたものであるが、かなり読みにくい。けっこう難渋しました。
複文、重文のかたまりであり、かなり時間がかかりました。
明治という、近代化を始めたばかりの日本にある、自立と開化の雰囲気がよいとおもいました。
気になったのは以下です。
■道楽と職業
・こと昔の道徳観や昔気質の親の意見やまたは一般世間の信用などからいいますと、あの人は家業に精を出す、感心だと褒めそやします。いわゆる家業に精を出す感心な人というのは取りも直さず真っ黒になって働いている一般的の知識の欠乏した人間にすぎないのだからおもしろい
・職業と -
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作品と著者に関して私の記すに及ぶものでは無いので控えるが、私が手に取って読んだ本そのものを紹介したい。
とある古本市でたまたま見つけたもので、大正十年九月二十五日十八版のものであった。百二歳の祖母の生まれた年に発行、発売されたものということで思わず即買いした。表紙というか外装というか布製で押絵も施され、背表紙には”行人 漱石”と布に刻印?された豪奢な感じで、当時、とても高級な本として売られたものと思う。定価は一圓八十銭と書かれ、MITSUKOSHI.LTD TOKYO の 切手、印紙のようなものが貼られている。印刷は、今は印刷が取れた凸版印刷株式会社。お宝的に保管して置こうと思ったが、その後、 -
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ネタバレ終始代助の子供っぽさ、煮え切らなさ、だらけ具合にムカついていた。これから代助はどうするのだろうか。
代助は三千代が平岡と結婚する前から好きだと言っていて、最悪な形ではあるが三千代の気持ちも確かめることができた。だが、いざ三千代が自分と一緒になるためなら死んでも良いと言った際には怯えて何も言えなくなった。あれほど三千代のことを愛していると言っていたのに、結局は三千代の意思を侮っていたのだと思った。
三千代は死んでまで代助と共に生きることを選んだが、代助は三千代も手に入れ、あわよくば家族ともうまく付き合っていきたい気持ちが表れていてどうしようもないと思った。
家族に見捨てられ、親友にも裏切られた代 -
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清くまっとうに生きる人間のなんとつまらないことか!代助は親の言うがままに従えばいくらでも楽に生きる道はあったのに、激情に任せて自分の意思で茨の道を選んだ。この後悔と裏腹な大胆な感情の揺らぎこそ漱石文学の醍醐味だと思う。ニートだろうが金が無かろうが親に勘当されようが、人を好きになってしまったらもうしょうがない。それでこそ人間ではないか。クソのつくほどつまらない人生を生きながら「オレはまだマシな方」と自己正当化を繰り返し、「あーあ可哀想に、あいつは堕ちたな」と他人の内心不幸を喜ぶだけが娯楽になっている人間から見れば代助の決断は大いなる愚行に過ぎないだろう。しかし私は代助のように真に人間的に生きたい