夏目漱石のレビュー一覧
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夏目漱石が「坊っちゃん」を発表して、今年で120年になるのだそうです。
それを記念して、先頃、新潮文庫から愛媛県イメージアップキャラクター「みきゃん」の特別カバー版が期間限定で発売されました。(ここではお示しできなくて残念)
キャラものが好きなわたしが飛びつかないはずもなく、見るなり購入しました。
で、いつ振りだか分からない再読をしました。
世の中が大きく変わったせいか、今読むとコンプライアンス的にどうなんだろうという出来事満載ですw
これも再読の妙というものかもしれません。
自他ともに認める無鉄砲な坊っちゃんは、父の死後、兄から600円をもらって物理学校に入り、1年で200円ず -
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『とにかく恋は罪悪ですよ。よござんすか。そして神聖なものですよ』
先生が「私」に語ったこの言葉は、恋心が人の心を狂わせる一方で、どんな手を使ってでも誰にも譲りたくないという人間の強い気持ちが、愚かしくも、どこか尊いものであるということを暗示しているように感じた。
物語の終盤で、人間は決して完全な存在ではなく、常に利己的な本能に振り回される哀しい生き物なんだと突きつけられ、息苦しさを覚えた。だけど、どこかで救われるような、ほっとする感情も覚えた。人間とはそういうものだ、と誰かにそっと肩を叩かれたような感覚に近い。
生々しい人間のリアルな葛藤が、これでもかと描かれる本書。先生が私に伝えた心情 -
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タイトル通り人間のこころと向き合うような内容です。
展開としては単純なのに、なぜこうも名作と言われるのか。
恋愛沙汰で自殺するなんて。
と初めて読んだ学生のころはよく分かりませんでした。
歳を重ねて改めて読み返してみると心理描写がとても丁寧で、どんどん自分の中にも黒い影が渦巻いてくるようでした。
自分に正直であること、人に正直であることの難しさを感じました。
大正の頃の小説なので、今とは男女の価値観が違い、女性の立場からだと理不尽に思うところもありました。
現代では使われない漢字や表現も多いので、全てが理解出来たかと言われれば難しいのですが、再読を重ねるとまた新たな感想が出てきそうです。 -
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久々に読んで読後にため息。
つらつらと読んでいるだけで、淡々と進む細かい描写で解像度上がりすぎ。追体験してるようで心が忙しい。
大まかなストーリーはそこまで意外ではないと思うのですが、そのせいか登場人物の心情により入っていきやすかったのかな。
「サラッとあらすじを教えて」と言われたら、私の説明ではきっと「どこが名作なの?」となると思います。
ここまで緻密にやってくれるからこそ、それぞれの言動の背景までキッチリ理解したうえで迎えるこの展開。特に先生の遺書の章は胃がキリキリしそうでした。
あーもーこれ以上は!と、ズッシリ重くなりきって「ハァー」と終わりました。 -
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ネタバレ何から書けばいいだろうか。
高校生のときに初読し、心を鷲掴みにされたという記憶だけが強く残っている1冊だった。
10年振りに再読した。
当時は主人公を身近に感じなかったし、初読の時はある意味ミステリみたいな感覚で、先生のいう悲劇や隠しているものはなんだろうと思って夢中で読み進めていたかもしれない。
今回は大筋はだいたい知っていたのもあるが、主人公により感情移入した。
これは私が恋を知ったからかもしれない。
主人公が若くて、先生に対して色々期待し、思ったより反応が薄くてがっかりするのは非常に親近感が湧いた。
先生は「私」が恋の心で動いてきていると言っていて、ある種の片想いを先生にしていたと -
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面白い。
最近自分の中で漱石ブームが再来しているので読み返しているが、『坊っちゃん』は漱石作品の中でも群を抜いてユーモアに溢れている。
中学生の頃に読んで、内容はまったく覚えていなかったが、こういう本があったから漱石を読んでいたのだと思う。
主人公の「坊っちゃん」は、非常に素直、健康、ワンパクな青年であり、そして何より「江戸っ子」である。この健やかな精神をもった主人公がまず読者を惹きつける。読者は彼に、俗的で欺瞞まみれの世界をぶち壊す、ジャンプのヒーローのような活躍を期待しながら眺める。この作品のユーモア的な、俗的な世界を描きながらもどこか快活なところは、ひとえにこの主人公の確たる人格あって -
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【作品に感じた色】
青春はどどめ色…
「下・先生と遺書」を読んでいたら、藤井風の『青春病』の歌詞がなぜか頭に浮かんできた。
その曲では、青春のことを「どどめ色(痣のような色)」と表現しているのだが、先生とKの過ごした学生時代がその色に重なってみえた。
【感想】
『こころ』という作品を知ったのは、高校の夏。
現代文の夏休みの課題で、1冊通しで読む必要があったからだ。
そしてこの本は、陰鬱な作品として、私の心に強烈な印象を残した。だが、印象がどんなに強烈であっても、作品を深く理解できたわけではなかった。
当時の私には、裏切り、三角関係、自殺といった衝撃的な出来事、つまり表面的な部分しか理解で -
ネタバレ
漱石の作品とは
猫みたいな例外はありますが三角関係である。その一つの完成された形です。
三四郎、これはごく習作の域ですが、それから、門、ときて本作。
ハムレットのオフェーリアばりのシーンから、
あんなバカ女と一緒にされたら藤尾さんに失礼か、
炸裂する漱石節。なんか学校の先生の説教ぽくも聞こえますが。
これよこれが読めるのですから、未読の方は幸せ者です。
お好みで
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二百十日は別で読んだので、野分に関してだけ。
私は漱石が描く物語の面白さやキャラクター性ももちろん好きだが、考え方や言葉の部分に特に惹かれているんだなということを改めて感じることが出来た。
「呑気なものや気楽なものは到底夢にも想像し得られぬ奥の方にこんな事実がある、人間の本体はここにあるのを知らないのかと、世の道楽ものに教えて、おやそうか、おれは、まさか、こんなものとは思っていなかったが、云われてみると成程一言もない、恐れ入ったと頭を下げさせるのが僕の願なんだ。」
「文学は人生その物である。苦痛にあれ、困窮にあれ、窮愁にあれ、凡そ人生の行路にあたるものは即ち文学で、それ等を嘗め得たものが -
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中学生以来、およそ十年ぶりの再読。
なぜか強烈に覚えていた「雲」のシーンに再会できて、懐かしく嬉しい気持ちになった。
それ以外に関して言えば、忘れていたところの方が多かったし、当時の最低限の時代背景などもとくに知らなかったので、中学生の自分は、まったくこの作品を理解していなかったのではないかとすら思う。(それでも読み切った記憶はあるので、よく読んでいたものだとも思う)
それでも読んでいたのは、『三四郎』の中に広がる、現代とは異なる当時の独特な世界に惹きつけられたからだと思う。自分は今でも明治や大正、昭和など近代小説が生まれた古めかしい世界が好きだし、そうしたルーツを形成した近代小説の一冊とし -
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解説を読むと、第3章だけでひとつの作品だったようだ。
この章だけで、作者の言いたいことは完結していると感じられるが、1章、2章が加わることによって、小説然とした作品に昇華されている。
張り巡らされた伏線回収というものではないが、1章での先生との会話での疑問が解けていく心地良さが感じられる。しかし文章自体はたいへん居心地が悪い。
この複雑な感情は、最近読んでいた小説では感じられない新鮮さだった。
今回、この作品は音読した。
現代では使わない言い回しや単語があるのは想定していたが、送りがながかなり独特で、何度も読み直した。
これは時代のものなのか、漱石独自のものなのか、本を読んできていない私