夏目漱石のレビュー一覧
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【作品に感じた色】
青春はどどめ色…
「下・先生と遺書」を読んでいたら、藤井風の『青春病』の歌詞がなぜか頭に浮かんできた。
その曲では、青春のことを「どどめ色(痣のような色)」と表現しているのだが、先生とKの過ごした学生時代がその色に重なってみえた。
【感想】
『こころ』という作品を知ったのは、高校の夏。
現代文の夏休みの課題で、1冊通しで読む必要があったからだ。
そしてこの本は、陰鬱な作品として、私の心に強烈な印象を残した。だが、印象がどんなに強烈であっても、作品を深く理解できたわけではなかった。
当時の私には、裏切り、三角関係、自殺といった衝撃的な出来事、つまり表面的な部分しか理解で -
ネタバレ
漱石の作品とは
猫みたいな例外はありますが三角関係である。その一つの完成された形です。
三四郎、これはごく習作の域ですが、それから、門、ときて本作。
ハムレットのオフェーリアばりのシーンから、
あんなバカ女と一緒にされたら藤尾さんに失礼か、
炸裂する漱石節。なんか学校の先生の説教ぽくも聞こえますが。
これよこれが読めるのですから、未読の方は幸せ者です。
お好みで
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二百十日は別で読んだので、野分に関してだけ。
私は漱石が描く物語の面白さやキャラクター性ももちろん好きだが、考え方や言葉の部分に特に惹かれているんだなということを改めて感じることが出来た。
「呑気なものや気楽なものは到底夢にも想像し得られぬ奥の方にこんな事実がある、人間の本体はここにあるのを知らないのかと、世の道楽ものに教えて、おやそうか、おれは、まさか、こんなものとは思っていなかったが、云われてみると成程一言もない、恐れ入ったと頭を下げさせるのが僕の願なんだ。」
「文学は人生その物である。苦痛にあれ、困窮にあれ、窮愁にあれ、凡そ人生の行路にあたるものは即ち文学で、それ等を嘗め得たものが -
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中学生以来、およそ十年ぶりの再読。
なぜか強烈に覚えていた「雲」のシーンに再会できて、懐かしく嬉しい気持ちになった。
それ以外に関して言えば、忘れていたところの方が多かったし、当時の最低限の時代背景などもとくに知らなかったので、中学生の自分は、まったくこの作品を理解していなかったのではないかとすら思う。(それでも読み切った記憶はあるので、よく読んでいたものだとも思う)
それでも読んでいたのは、『三四郎』の中に広がる、現代とは異なる当時の独特な世界に惹きつけられたからだと思う。自分は今でも明治や大正、昭和など近代小説が生まれた古めかしい世界が好きだし、そうしたルーツを形成した近代小説の一冊とし -
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解説を読むと、第3章だけでひとつの作品だったようだ。
この章だけで、作者の言いたいことは完結していると感じられるが、1章、2章が加わることによって、小説然とした作品に昇華されている。
張り巡らされた伏線回収というものではないが、1章での先生との会話での疑問が解けていく心地良さが感じられる。しかし文章自体はたいへん居心地が悪い。
この複雑な感情は、最近読んでいた小説では感じられない新鮮さだった。
今回、この作品は音読した。
現代では使わない言い回しや単語があるのは想定していたが、送りがながかなり独特で、何度も読み直した。
これは時代のものなのか、漱石独自のものなのか、本を読んできていない私 -
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▼角川つばさ文庫版の、「坊ちゃん」。娘(11)に読み聞かせました。原文のママではない。難しい単語は簡易にしてある。それなりに割愛編集もしてある。まあでも大体は元の文調、口調。
▼つばさ文庫の努力の証左なのか、漱石の才なのか、子供はけっこう楽しんだ。寝る前に、10分、15分・・・と。10夜くらいかかったか。最後の20ページくらいは、子供が勝手に読んだ。勝手に読み終え、泣いているから驚いた。聞くと「清が死んじゃった。可哀そう」。成程。
▼「だから清の墓は小日向の養源寺にある。」
末尾の文。完璧です。簡潔、潔さ。ファクト。
でも物凄く詰まっています。
▼結局は、坊ちゃんの清への愛の物語 -
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「文豪」という言葉から連想される人物は誰だろう。様々な作家の名前が浮かぶが、夏目漱石の名前を挙げる人は少なくないと思う。「坊っちゃん」「吾輩は猫である」などを読んだことがある人も多いはずだ。そんな漱石の作品の中で、唯一センター試験で用いられたのが、この『彼岸過迄』である。◆大病による約一年半の休養の後、新聞紙上で連載が開始されたこの作品は、数本の短編が集まって、一つの長編小説が構成されるという形をとっている。作品全体の主人公は、田川啓太郎という青年であるが、短編ごとに主役が異なり、田川はストーリーテラー的な役割のみを果たすことも多い。短編の一つ「停留所」では、田川がある男の行動を調べて報告する
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本棚にあったのを再読。書斎の硝子戸の中で世間と隔たって佇む漱石のイメージを思いながら読んだ。
文章がリズムが良くすらすらと頭に入ってくる。漱石の文章が私は好きだ。明治の人も今の人も頭は1つ、手足は1組ずつ、内臓の機能だって違いはないのだからテクノロジーが進んでも人生について思うことはさほど変わりはないだろうと思いながら読む。「死ぬ時まで生きる」は腑に落ちた。
胃潰瘍が生涯の宿痾なのだから神経の細かい人だったのだろうと思う。犬のヘクトーの死、2代目の猫の死などが印象に残った。
読むのは2回目か3回目か。たまに読みたくなるから本棚に置いておく。