夏目漱石のレビュー一覧

  • 道草

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    夏目漱石の表の傑作が『こころ』なら、裏の傑作は『道草』と言ったところでしょうか。
    裏と言うだけあり、誰にもおすすめしませんが、自分は読んで良かったと思いました。

    自伝的要素を持つ本作は、幼少期の不遇な境遇を混じえつつも、何か特別大きなイベントがあるわけでも無く、多少の起伏がある程度の話が淡々と進んで行きます。内容は書くまでも無く、親類縁者から金を無心される話と、心を通わせられない夫婦の会話に終始しており、ラストもケリがついたと思いきや、主人公の言葉に含むものがあり、なんだかスッキリしません。まさにタイトル通り、著者の作品に付き合った読書体験そのものが『道草』だったかのよう。

    そのスッキリし

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    2025年04月19日
  • こころ

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    ネタバレ

    読んでよかった。
    難しい言葉も出てくるけれど、勉強になった。

    恋愛か友情かは、とても難しい問題。
    矛盾するような感情で成り立ってるこころや気持ちはたくさんあるんだなと思った。

    詳細を詳しく書きすぎず、読者に想像の余白を残しているのは、意図的か分からないけれど、作品に奥行きを持たせていると感じる。

    小説内で共感できる部分を見つけると、時代を超えて気持ちを共有出来ている感じがして嬉しくなった。
    また時間が経ったら読み返したい作品。

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    2026年01月27日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    こんな夢を見た。

    10の夢によって構成される、夏目漱石による幻想的な奇譚。
    しきみさんの綺麗なイラストが夢の話と世界観が合っていて、物語に惹き込まれました。
    とても良かったです。

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    2024年11月14日
  • 吾輩は猫である

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    吾輩は猫である、学生時代に挫折して
    社会人になってやっと読めました。
    明確なストーリーがあるというわけではなく短編集的お話で、猫目線の日記のような。
    明治時代の生活がいきいきと想像できました。
    苦沙味先生と友人との会話、蘊蓄ユーモアたくさんで大学時代のゼミでの会話を思い出す懐かしいかんじ。
    寒月君の首縊りの力学のエピソードが特に好き

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    2024年11月14日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    人の夢の話って本当につまらない。その人の中の知識の共有のないまま、ランダムで不条理で支離滅裂だからだろう。
    でも夏目漱石のこの作品は名作としてずっと残っている。
    まず、第一夜の死の床にある女との会話がロマンチックだ。「百年待っていてください」という頼みも、真珠貝で掘り起こすところも。彼女の姿ではないけど、百合の花で再会とするところは、ブッダの生まれ変わりの話みたいだといつも思う。
    第三夜の目が見えない子供を負ぶう話も、ちょっとホラー仕立てで面白い。
    第十夜は、水菓子やの水蜜桃、林檎、枇杷と色鮮やかな果物を描写する漢字の単語が美しい。

    イラストが美しいし、夢十夜の雰囲気ともとても合っている。特

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    2024年11月08日
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)

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    高校以来の再読。夢十夜、文鳥ともに短編だが、凄い充実感。ほんとに読んでよかった。夢十夜はいろんなひとの解釈と自分の解釈を比べるのも楽しい。文鳥は"綺麗で上手い文章"と読みやすさが両立していて本当に好き。

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    2024年11月08日
  • それから(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「こころ」で先生がKに娘さん譲ってて大人になってから奪い返してたらこうなってたのかなとか思った。最後に平岡‪

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    2024年11月08日
  • 吾輩は猫である

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    ネタバレ

    久しぶりに読んだけど、面白かったなぁ。
    猫の最後がなんとも劇的であり印象的。
    子供達の食事風景の描写、なんか以前読んだ時より場面を想像できて面白く読めた。年をとった巧妙か。
    巻末の年表が良かった。

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    2024年10月06日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    とても良い!!!!!!!
    読んだことあるやつもあったけど、乱歩の芋虫、坂口安吾の桜の森の満開の下、太宰治の駆込み訴え、辺りが気になっていたので読めてよかった。

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    2024年10月01日
  • 門(新潮文庫)

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    過去の出来事に対する後悔に苛まれながらも、日々何事もなく過ぎていく日常に深く幸せを感じる矛盾。
    「こころ」ととても似ているところが多くて、あ〜漱石だなと感じた一冊でした。

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    2024年09月30日
  • 門

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    ネタバレ

    p.21註
    「明治30年代から40年代にかけて、都市居住者の家庭に登場し急速に普及した〈ちゃぶ台〉のこと。四、五人が坐れるくらいの大きさで、厚板の下に四本脚がついている。円形、四角形の二種類があり、脚は折りたたみ式のものもあった。……」

    ちゃぶ台って深く考えたことなかったが、明治末頃にひろまったというのは時代が感じられて面白い。それ以前は何を使っていたのか。……というまあ、時代背景が知れて面白い註釈はよいが、ネタバラシを注釈でするのは如何かと思う。
    たとえば、序盤で宗助とおヨネの間のギクシャクしているわけではないけど妙に冷めている、なんともいえない雰囲気が書かれていて、それを読み手は一体過去

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    2024年10月06日
  • それから(新潮文庫)

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    定職を持たず父からの援助で暮らしている明治期の高等遊民である長井代助が主人公の小説。
    代助が働かない理由を友人である平岡に語る場面でもあるように代助の言っていることは屁理屈にも感じるが、世の中をできるだけ公平に見て自由に論じるためには代助のような立場の人間の方が適している面もあるのかなと感じた。
    平岡と平岡の妻である三千代とのやりとりはもちろんだが、個人的にはかつては代助と同じように文学書を熱心に読んでいたのに生活に追われるようになり次第に読書の面白さがわからなくなった但馬にいる友人の描写が代助の生活との対比を上手く表現していると感じ印象に残っている。

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    2024年09月16日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

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    変わりゆく心が鮮明に映し出されている。表現が手に取るように分かるでもなく、私に溶け込むように沈んでくるはような言葉が多々ありました。

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    2024年08月24日
  • 草枕(新潮文庫)

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    言葉を、意味を指し示すという「機能」から解放してみる。
    「なんかいい」という主観を、客観的に突き詰めて書いていく。

    夢なのかもしれない、というストーリー。

    風呂場に現れる女の幽霊のような姿。

    画が浮かぶ。

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    2024年08月15日
  • こころ

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    ネタバレ

    一言でいえば、裏切りの連続って感じだった。まず上「先生と私」で主人公の一人称が「私」というだけでてっきり女性かと思っていたら男性で、そこでえっっっとなった。やたらと先生に執着心を持つから、同性愛的な話なのかと思えば、中「両親と私」の最後の方で先生が死ぬという急展開でまたも「えっっっ」となった。正直ねちねち些細なことを細かく描写する文体?に飽き飽きしていたが、この展開でやっと読み切ろうという気持ちになったのは印象的だ。
    最後の下「先生と遺書」では、上と中の伏線回収のような感じだった。この手紙は先生から私宛に書かれたものだが、「私」に向けた「あなた」が次第に呼んでいる自分自身のことを指しているので

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    2024年08月14日
  • 草枕(新潮文庫)

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    2002年に留学先の和書コーナーで購入し、日本語の奥深さ・複雑さ・美しさに改めて感化した作品。
    この作品が私を読書狂いにしている。

    ◾︎ 再読記録@2024.08
    2024年に後書きを含めて久しぶりに読み返し、
    なんとも懐かしい思いになると同時に、
    お終いはこういう終わり方であったか!、
    (後書きを読んで) 漱石先生はかういう気持ちで買いたのか…、
    など、昔は感じられなかった感覚があって面白かった

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    2024年08月08日
  • 吾輩は猫である

    購入済み

    ユーモアと切れのいい文章

    夏目漱石のデビュー作であり初期の代表作でもある。「作者は処女作の中にその後の全てがある。」という格言があるが、大文豪 夏目漱石もその代表例である。小学校高学年の頃初めて読んだが、難しい単語はともかくとして そのユーモアと切れのいい文章にとても惹かれ、何回も読み直したのを覚えている。その時の感動は今でも生きている。

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    2024年08月07日
  • 吾輩は猫である

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    この作品は、地の文が苦沙弥先生の家に住み着いた猫に
    よるもので一貫されていて、人間心理の内側はまったく見えないので、
    各人の言葉の裏側をのぞき見ることができません。

    猫は実質主人公ですが、ストーリーを動かす力はまったくなく、
    折々のシーンの空間に『居ても構わない』立場、
    かつ、人間よりも幅広い高低差レンジでの機動力を活かして
    人間を俯瞰視しつつ、事細かい観察でもって数々の批評を
    繰り出しては読むものの笑いを誘います。

    恐らくこの作品はオートフィクションであり、漱石本人の
    自虐ネタがふんだんに盛りこまれていて、
    それをとりまく家族や交友関係を巻き込んだ
    壮大なイタズラ心で出来ていると思います

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    2024年07月21日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    苦慮して作り上げた文体は正直なところ意味を掴めないが、美しさは伝わってくる。西洋的なハイカラな思想が昔ながらの考えにぶつかる、そこで起きる波紋というのも一つのテーマとして感じる。藤尾は美しく傲慢な女として描かれているが、こんな人は現実に実際いそうだ。自分の美しさを把握しているから、人に対して小悪魔に振る舞ったりする。その我儘さが美しさに拍手をかける。みたいな。まぁ、こんな人には敵わない。なんだかんだで結局美しさに敵うものはないのではないか。と勝手に思ったりもする。
    藤尾だけではなくて、この小説に出てくる人は皆現実にいそうだと感じる。それぞれが自立した性格を持っていて、そのもつれの中で結末を迎え

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    2024年07月15日
  • 明暗(新潮文庫)

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    夏目漱石の未完にして遺作。しかし、もしここで漱石は『明暗』の完了を考えていたとしたらどうだろうか。『明暗』を読み終えて、小説がここで終わっていてもいいのではないかとも思える。

    漱石と言えば、私は高校生の時に現代文の授業で、『こころ』を読み通し、読み込む授業を受けた。クラス担任の国語の授業である。『こころ』は日本近代文学の最高傑作であるとされ、当時国語が苦手であったので、知識や読解力がなく、深い意味がよく分からなかった。大人になった今、読み直してみたい作品である。

    これまで、『こころ』の他に『坊ちゃん』『三四郎』『それから』『門』『草枕』を読んだ。どれも当然面白かったが、何度読み返しても面白

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    2024年07月04日