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近代の日本文学史上、最も豊富かつ奔放な風刺文学の王者。ユーモア・ウィット・風刺の宝庫である。漱石の処女作であると共に、一躍その名をたかめた代表作でもある。苦沙弥先生に飼われる一匹の猫にたくして展開される痛烈な社会批判は、今日なお読者の心に爽快な共感を呼びおこす。明治38年作。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
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Posted by ブクログ
文句無しの日本文学の金字塔。 苦沙弥先生と寒月や迷亭といったクセ強キャラたちによる日常の屁理屈合戦。この手のフォーマットは現在でもアニメやマンガで見るし、「常識を皮肉る」という点では本書の前にもあったが、漱石の面白さは出てくるネタの博識さと名人の落語やコントのような軽妙な掛け合いにあるだろう。舞台装...続きを読む置を固定して登場人物の掛け合いだけで読ませるのは純文学的だが、良い意味で下らないトークが続くので高尚さを感じさせず肩の力を抜いて楽しめる。また、ジャンルの都合で作者の信条が見え隠れするが、出し過ぎず抑え過ぎず、実に上手い。 大人になって、坂の上の雲を読んでから読んだのだが日露戦争ネタが多いことに驚く。乃木希典が読んだらブチギレそうな気もするが、当時どうだったんだろ。
猫の目線で作者自らを含む当時の知識層を自虐的にも風刺しつつ、彼らの会話から展開される落語的笑いが実に面白い。しかし、あんな結末で終わるとは…びっくり。
この作品は、地の文が苦沙弥先生の家に住み着いた猫に よるもので一貫されていて、人間心理の内側はまったく見えないので、 各人の言葉の裏側をのぞき見ることができません。 猫は実質主人公ですが、ストーリーを動かす力はまったくなく、 折々のシーンの空間に『居ても構わない』立場、 かつ、人間よりも幅広い高低...続きを読む差レンジでの機動力を活かして 人間を俯瞰視しつつ、事細かい観察でもって数々の批評を 繰り出しては読むものの笑いを誘います。 恐らくこの作品はオートフィクションであり、漱石本人の 自虐ネタがふんだんに盛りこまれていて、 それをとりまく家族や交友関係を巻き込んだ 壮大なイタズラ心で出来ていると思います。 発表された当時の本人の周辺は、いろんな意味でさぞかし ざわついていた事だろうと思いますが、これが単なる暴露本でなく、 当時の、西洋文化をどんどん吸収して変化していく日本の在り方に 警鐘を鳴らす様なメッセージを随所に込められている点が、 この作品をただの娯楽本と一線を画するものとしている 重要な点だと思います。 彼は、あの当時では普通でない留学を経験し、何足飛びかで 未来の日本の姿を既に予測していたわけで、自国民が元々持っていた 文化や思想が西洋からのそれに書き換えられていく姿に対して、 なんとしても声をあげたかったんでしょう。 例え話は無数に挙げられていますが、特に自分の心に残ったのは、 向こうに檜があるだろう。あれが目ざわりになるから取り払う。 とその向こうの下宿屋がまた邪魔になる。 下宿屋を退去させると、その次の家がしゃくにさわる。 どこまで行っても際限のない話さ。 独仙の言葉この部分で、トンネルを掘る、橋をかける、 西洋文化は、なんでも合理的にすることに目線が向いていて、 無理に移動しなくてもその場で事足りるようにする、 かつての日本なりの美徳やつつましやかさを、上書きさせられている。 この考えは、確かになぁ、と頷くものがありました。 自分たちで学識を積むでなく、婿を取り、金の力で箔をつけようと 画策する金田一家に対する皮肉はほぼ全編にわたって描かれていますが、 これも金と権力で人を動かそうとする金満主義への非難を 投影したもののように感じました。 登場人物の主要キャラクターである、迷亭、寒月、東風、独仙の 4人は、当時を生きていないうえに夏目先生の身の回りの人間関係も まったく無知の自分にとっては、それらにモデルがあったかどうかも 謎ですが、彼らは苦沙弥戦隊ゴレンジャーを形成して、 それぞれ個別の概念を象徴するものして描かれているのだと思います。 迷亭=生まれたての個人主義 寒月=知的好奇心 東風=保守主義 独仙=禅 ゆがみひずみはあるものの、ここには、古き良き日本人の心を 宿す者の、この時点での現代・未来への憂いが凝縮されているのかなと。 この作品が発表された時からは120年近くの時間が 経過していますが、個人主義の社会が導く人の世って、ホントに 手放しでいい世の中に繋がっているのかな?って疑問はあります。 むしろ、一人一人を分断して結束する力を削ぎ落として 支配者階層の体の良い言いなりになる様に仕向けている様な気はします。 夏目漱石には何が見えていたのか、何が言いたかったのか。 なかなか一読して全容が掴みきれるものではないですが、 ほんのすこしだけ伝わった様な気がします。 伝説的・夏目漱石の記念すべき第一作。 楽しませてもらいました。
苦沙弥先生のような自若の中に天然を併せ持った性格は個人的にツボだった。そこに迷亭の飄々とした性格が合わさると尚面白い。 高度な教養から高度な洒落が放たれて、反応できない所が多過ぎたが、漱石の俗人を寄せつけない天才肌を感じられて面白い。 猫に人間哲学を啓蒙された気分になった。人間を皮肉っているが厭...続きを読む味がないのは、それが至極的を射ているからだと思う。 100年以上経っても人間の本質は変わっていない、だからこそ色褪せず支持される作品だと感じる。
猫の『吾輩』からとして描かれている視点が面白く、 電車の中で何度も吹き出してしまった。 面白いのだけど、文体の難しさと注釈の多さ、 字の小ささ笑とでなかなか読み進まない笑 この時代の人たちは知性がすごい。 書物や文献•翻訳本などへのアクセスが今に比べて全然乏しかったであろうこの時代、なのに知識量ハ...続きを読むンパない。 後半、この時代の『個』の考え方がわかって面白い。 最後『吾輩』のラストシーンはじんとくる。
★★★★☆いつも途中で断念していましたが、今回は理解できないなりに読み終わりました。未来の人間の死についての話が印象的でした。人間はどこまで長生きすることになるのか。その死に方も変わってくるのか。未来の「死」を考えた事もなかったので、衝撃的な死のあり方だと思いました。
読むのにどれくらいかかっただろう。 2ヶ月弱か? 中学か高校の『こころ』ぶりの夏目漱石 いつも帰国した時にテキトーに本を買い漁って読むんだけど、ついついその時のセルラン上位の読みやすいが後味少ないいわゆるライトノベル…?というのか?に飽き飽きして、ちょっと文学を読んでみた 結果的にめちゃくちゃ時...続きを読む間を使って、2週間1ページも読まない日、逆に一晩で100ページ読む日 夏目漱石が世に対して、自身に対して、猫を通して風刺する感じの内容 哲学デブの手紙からの猫のdisりは読んでて食らった 人は理解できないものをありがたいと思う そして最後、なんか2ヶ月一緒に過ごした猫の最後を知ってちょっとセンチになった 私の猫は天寿を全うできますように
人の営み(主に会話)を猫の目から観察した物 会話の輪の中にいると「へーそうなんだ」とか「それは大変やな」ぐらいに思う内容も、猫目線で聞いてきると途端に滑稽で、バカなことをずっと話してる事に気づく。 喜劇と悲劇がどこに(誰に)フォーカスして語られるかによって違ってくるみたいなものにも通ずる気がする
猫の目を通して、周囲の様子が淡々と語られる。 猫が見ているだけの滑稽な人間ドラマへの社会風刺。 怒濤の展開ありきの現代には、ちょっと冗長気味なのかもやけど 令和の今でも面白かったのは、読み手が大人になったからかな?
十数年ぶりに再読。読み心地のいい文章は落語のよう。 長大なる世間話。そのくせユーモアと風刺がわりに鋭い。 とりとめのない世間話に対する「猫」くんの語り口は軽妙で、また作中人物を通して自分自身をも諷刺の対象にしてしまうのはまさにイギリス的。 最終章は後の作品にも見られる厭世観が漂う。
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吾輩は猫である
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夏目漱石
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