夏目漱石のレビュー一覧

  • こころ

    Posted by ブクログ

    高校生の頃、初めて読んだ時「こんなに面白い本があったのか」と驚いた。夏目漱石の作品に嵌まったきっかけでもある。

    0
    2022年07月21日
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「夏目漱石」は学校の教科書に載ってたかどうか記憶も定かでなはなく、作品を全く読んでないに等しいのですが、とあるきっかけでこの本を手に取って読んでびっくり。読むのが難しいんだろうな…と恐る恐るでしたが全くそんな事はなく、情景や心情の描写が細く映像が目に浮かび、また表現が素晴らしく引き込まれました。時にクスッと笑ってしまうような所もあったり、不思議な…一体どういうことなんだろう…と心にずっと残る事もあり、いろんな感情を引き起こされました。これをきっかけに夏目漱石作品をどんどん読みたいなと思いました。

    0
    2022年07月18日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    やはり名作ですね。何十年も前の話なのに、なぜこんなに読みやすいのか。夏目漱石ファンになっちゃいました

    0
    2022年07月08日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    恋は罪悪。
    これが全ての始まりであり、終わりでもある。
    いや、始まり、特に終わりはないのかもしれない。
    信じることが恐怖でしかない先生は、心を開くことが恋によって得られたかもしれない。だが、そんな恋すらも狡猾な策略に嵌められていると疑心暗鬼になってしまう。それを見ていると、信じることの本当の意味をを感じさせられる。
    信仰に揺らぐKもまた、同じ恋という罪に耐えかねて死を選ぶ。
    Kを死なせてしまったという責任に引き摺られる先生は、贖罪者のようにKの死を悼んでいる。
    そんな様子を見ていると、罪悪という感情が2人のの心から離れることがないのが感じられる。
    特に後半の遺書は先生の苦悩が悶々と伝わってきて

    0
    2022年06月06日
  • 門(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の「三四郎」、「それから」に続く初期三部作最後の作品。
    「それから」は、友人の妻を奪い返し、高等遊民を脱した主人公・長井代助が職を探しに出たところで終わります。「門」は代助の「それから」を描きますが、完全な続編ではなく登場人物の名前も状況も違います。

    「それから」の物語をひとことで言うなら社会から逃れるように暮らす宗助と御米夫婦の苦悩や悲哀です。小説は何故この夫婦がひっそりと暮らしているのか、終盤まで説明しません。この小説は「朝日新聞」の連載小説ですが、愛読者はこの夫婦の事情を不思議に思いながら毎日読んでいたと思います。新潮文庫では裏表紙でプロットを全て説明していますが、これは余計な

    0
    2022年05月25日
  • 吾輩は猫である

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読書中ながら感想文です。【内容】主人・苦沙味先生の友人に迷亭という人物がいます。迷亭はあたかもあったことのあるが如く嘘を言ったりする法螺吹きで、明るい性格で、暗い性格はありません。その迷亭が蕎麦の食い方が面白かったです。まずは蕎麦を一気に掬(すく)い上げて、麺汁(めんつゆ)に下の方だけつける。そしてそのままツルツル、っと喉に飲み込む。飽くまで飲み込むであって、くちゃくちゃ噛んでから飲み込むわけではないのです。マニアックな食べ方のもので、これが蕎麦の美味しい食べ方。迷亭はこれでむせてしまって、同じ食べ方を二度三度しませんでした。【感想】僕は蕎麦の食べ方を自分も試してみたい!と思いました。たしかに

    0
    2022年05月15日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

    Posted by ブクログ

    『夢十夜:ファンタジーホラーの原点!?』

    文豪 夏目漱石の短編集。エッセイ風の「京に着ける夕」「文鳥」「永日小品」「倫敦消息」「自転車日記」、幻想小説的な「夢十夜」。特に「夢十夜」は、恒川光太郎のファンタジーホラーを読んでいるよう。意外でした。

    0
    2022年05月01日
  • それから(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    1月の「夢十夜」の読書会で久しぶりに漱石の本に触れたら、非常に心地よい世界であることを再認識しました。三部作の「三四郎」は高校生の頃と数年前と2回読んだので、「それから」を購入。素直に「面白かった」というのが印象でした。

    ストーリーの展開は静かです。父からの援助で30になっても毎日私ぶらぶら暮らしている長井代助が主人公。実生活に根を持たず、散歩、読書、書生や嫂、そして友人の平岡とのおしゃべりに時間を費やしています。平岡の妻、三千代は代助がかって愛しながらも、友情から平岡に譲った女性。この小説は三千代に再会した代助の内面を中心に描く心理小説です。
    上記のように地味な物語ですが、読み終えるのがも

    0
    2022年04月23日
  • 行人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    知識人の幸せは難しいなぁ。漱石をずっと順を追って読んでるけど、男と女、古い価値観と新しい価値観といった単純な二項対立じゃなくて、行人は肉親の家族や夫婦でありながら理解できない他人の精神の作用と苦悩みたいなものが書かれていて、文学として重厚に感じる。昔の交流と他人への影響力があると思っていて、でも深くは考えられない父、現代的だけど鉢植えの木である嫂の直、気難し屋なだけでなく、碁を打つのは苦痛だが逆に碁を打たずにはいられない、漠然と苦しくもがき続ける兄、といった人間の性格と考えが本当に冷静に正確な目で書き表されている。
    こういうのを読める歳になったのかなと思いました。

    0
    2022年04月13日
  • 漫画 こころ

    Posted by ブクログ

    圧倒的画力でした!!
    そして、BL作家様が漫画に描いてくださったからこその私的には別の観点というか、こう読めるのか!という発見もありました。
    小説版にチャレンジしてみて、自分がどのように感じるか楽しみです。

    0
    2022年03月20日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

    Posted by ブクログ

    「乙女の本棚」シリーズ。夏目漱石『夢十夜』とイラストレーター・しきみ、編。
    もともと『夢十夜』が好きなのだけど、改めて、この企画には、ピッタリの作品だと思った。
    しきみさんの絵も素敵で、小説の雰囲気と合っているな、と。

    0
    2021年12月10日
  • 坊っちゃん

    Posted by ブクログ

    夏目漱石『坊っちゃん』新潮文庫。

    何度目かの再読となる。最近、関川夏央と谷口ジローの共著『『坊っちゃん』の時代 』を第一部から第五部までを再読し、後書きと解説で関川夏央と川上弘美が揃って『坊っちゃん』は哀しい小説だと評していたのを読み、内容を再確認したくなった。

    因みに最初に『坊っちゃん』を読んだのは小学校低学年の頃である。父親が会社帰りに毎月1冊ずつ刊行の度に購入してくれた世界の文学なる分厚い全集に収録されていたのだ。子供向けの全集なので、平易な文章で書いてあったと思う。その後は何度か文庫本でも読んでいる。

    主人公の坊っちゃんは、兎にも角にも何処までも一本気で融通の効かぬ反骨精神の塊の

    0
    2025年10月31日
  • 門(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    門の先に何が見えたのか。

    遺恨を残した友人との過去か、
    睦まじい夫婦の未来か...

    宗助は優柔不断故に、門を通る人ではなく、その前で立ち竦む人である。それでも労苦を受け入れ、日々対峙している姿勢は現代の我々にも通底する。

    春の兆しが夫婦の日常を優しく慰めた。

    0
    2021年10月28日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    病に臥す。
    硝子戸を隔てた内と外。
    そこは生と死の暗喩ではないか。
    「死は生より尊い」は建前であり、本音の死生観は他にある。母との記憶、人々との回想は、生への後悔・執着とも云える。
    「雲の上から見下して笑いたくなった..」
    作者の自我が開け放たれた瞬間だった。

    0
    2021年10月28日
  • 吾輩は猫である

    Posted by ブクログ

    毎晩スタバで少しずつ、3ヶ月以上かかってやっと読み終えました。

    (私にとっては2021年の読書10冊目)
    (読もうと思ったキッカケは、内田百閒先生が心酔していたから)
    (夏目漱石の作品なので、岩波を選んだ)

    全体の印象としては、登場人物ご一同さ、皆さん饒舌というか、多弁で、まぁよく語ること語ること。
    そのおかげで、だいぶ語彙が増えた気がします。

    明治38年(1905年)から翌年にかけて書かれた作品だから、勝ったばかりの日露戦争に関連して色々な単語が出てきます。
    (旅順が落ちたので市中は大変な景気だとか、征露2年目とか、乃木希典、バルチック艦隊、東郷平八郎とか)

    0
    2021年10月20日
  • 私の個人主義

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    夏目漱石先生が病で亡くなる5年前に各地で行った講演を主にまとめている。

    夏目漱石先生は小説の執筆だけでなく、講演もされていたのはちょっと驚きだったが、これがとても面白い。

    講演の中に出てくる謙遜や周囲を引き立てる話もユーモアに溢れ、話の導入は分かりやすくも、話す内容は明快だが斬新で、100年以上前の社会のみならず、今にも通用する事ばかりだった。

    講義の断片だけ見ても、当時の社会で余程愛された人だったんだなと感じられる。

    講義は6講義に分けられ、主たる内容は以下

    『道楽と職業』
    ・自分中心に行うのが道楽、他人中心に行うのが職業
    ・文明が進むにつれ、仕事は分業化し断絶してくる

    『現代日

    0
    2021年10月03日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    後期三部作の一つ目。主人公の敬太郎がいろんな人の話を聞いていく話。

    もう面白かった‼︎ 最初のほうは「何じゃこりゃ…」といった感じで、なかなか読み進められず、夏目漱石のせっかくの作品なのに好きじゃないわと周りにも言っていたくらい、もう義務感でじりじり読み進めてたんだけど、須永くんとか千代子ちゃんとかの話が出てきたあたりで止まらなくなっちゃって、最終的には読んで大満足の作品になった。須永くんの、なんか内気な一人で考えて一人でうじうじして一人で怒って一人で完結しちゃうとこなんかは自分にもこういうとこあるよなあ…と自分を振り返らずにはいられなかったし、須永くんと千代ちゃんがまとまらないのには切なく

    0
    2021年09月11日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    本を好きになったきっかけの一冊。
    教科書にも載ってて授業で詳しくやってたからか内容を少し理解出来たような出来ないような。
    それでも読む度に違う感想がでる。私の中で。

    0
    2021年09月02日
  • 行人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    夏目漱石(1867-1916)の後期の長編小説、1914年。 所謂後期三部作の二作目で、『こころ』へと続くことになる。

    生きていく人間を苦しめるこの世界の厳粛な事実というのは、根本的にはただ四つだけだと思う。①人間は必ず死ぬということ(有限性)。②人間は時間を戻せないということ(不可逆性)。③人間は他者の内面を知り得ないということ(不可知性)。 ④人間は自己を知るということがいかなる事態かを知り得ないということ(自己関係性)。

    このうち、本作が扱う主題は③の苦悩である。



    他者の気持ちを知ること、他者の気持ちを操作すること。これらは理性の限界を超えている。他者は理性にとって予め到達不

    0
    2021年08月18日
  • 思い出す事など 私の個人主義 硝子戸の中

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「私の個人主義」かの大文豪漱石が、終末期に学習院大学で講演会をした文字起こし。他人本位でなく自己本位の生き方の重要性を説き、義務心を持っていない自由は本当の自由ではないと語る。懊悩を赤裸々に講演してて意外だった。あと、漱石って結構謙虚。何度も読みたい。

    0
    2021年08月08日