夏目漱石のレビュー一覧

  • 行人

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     非常に思いテーマを扱っている小説だった。一郎のように、知識や研究に生きる人にしか理解できない苦悩があるのだろう。なにもかもを分析して研究して理解することはすばらしい事だけど、人の心はそうはいかないものだと思う。それでも、理解して解釈しないでは居られないということ自体、どれほど苦痛だろうか。決して、解決されるような問題ではないのだから。
     知識人ゆえ、一つのところに留まれない苦痛は、死ぬか狂うか宗教に入るかというところまで一郎を追いつめている。私自身は一郎のように知識人ではなく平凡な人間で、一郎ほど思い詰める事も無いから理解しがたい部分もあるけど、ただ、ひとところに留まれないような感覚、焦燥感

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    2009年10月04日
  • 三四郎

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    ネタバレ

    上京したての三四郎は、
    まだ自分のことばを持っていない。
    気持ちをうまくことばにできない。
    まわりの与次郎や広田先生みたいに、
    気のきいたことひとついえない。
    その、ことばにできない部分が新鮮で、
    上京したての気持ちがフラッシュバック。
    ヘタなことをいうより、
    黙っている三四郎がよかった。
    ことばはほとんどなくても、
    美弥子と通じ合う瞬間があって、
    その瞬間が、肖像画みたいに、
    三四郎の中に残っている。

    ○ヘリオトロープの瓶。四丁目の夕暮。ストレイシープ。ストレイシープ。空には高い日が明かに懸る。

    ことばにも、かたちにもならない、
    淡い恋の気持ちに浸される、いい本だ。
    与次郎くんの胡散臭さ

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    2018年11月11日
  • それから

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    代助が何時間も本を読んだり、
    庭を眺めたり、あてもなく散歩したり、
    アンニュイに陥ったりするカリスマニートぶりをもっと見てたかったけど、
    そのままだと家族も親友も敵にまわしてしまうらしい。
    歩きたい、っていう以外の目的を持って歩くのは歩行の堕落だ、
    という代助の考え方、好きだ。

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    2009年10月04日
  • こころ

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    大学生の"私"と、海岸で出会った"先生"と慕う二人が繰り出す痛々しく切ない話。親友を裏切った罪悪感に苦しむ先生の心、裏切られた親友の心、先生の秘密を知った"私"の心など何人もの思いが錯綜し、それぞれの心を考えるだけで胸が締め付けられます。
    先生の言葉一つ一つが重く深く、考えさせられるものばかりでした。
    冷静にみえて時に熱くなる先生、マジメで不器用な親友、その間に何があったのか、また読みたくなる一冊です。

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    2013年11月25日
  • 行人

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    聡明な頭脳を持つ哲学者である兄。それゆえに思考のみが先走り、本人が望んでいる行動に移せない。行動に移るなら愚鈍でなければならない。それにもなれないという哀れさ。

    中盤で、兄が自分の妻の貞操を確かめる場面があるが、あの時どちらに転んでも兄は同じ反応を起こしたのではないだろうか。
    自分で妻に対して聞きただしたかった。しかしそれができずに弟に頼む。結局何もないにも関わらず、兄は弟に対して癇癪を起こしてしまう。

    「自己本位」という漱石について使い古された言葉を念頭において考えれば、ここでは「受身な我儘」がテーマになっていたのではないか。
    妻に何も言えず、弟に任せる兄、ふと縁談が勝手にまとま

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    2009年10月04日
  • 門

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    『三四郎』『それから』に続く、前期三部作最後の作品。親友であった安井を裏切って、その妻である御米と結婚した宗助が、罪悪感から救いを求める様を描く。

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    2009年10月04日
  • 行人

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    「死ぬか、気が違うか、宗教に入るか』。一郎が徐々に追いつめられていく過程が、とても恐ろしく、また悲しくもある。周りに理解されないことをわかったうえでの苦しみなのかな。何かを感じる1冊です。

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    2009年10月04日
  • 彼岸過迄

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    冒険などのロマンが好きな敬太郎。職を得るため探偵めいたことをしてのち、やがて彼は友人・須永の深い内面世界の傍観者となる―――ってこんな感じでいいんだろうか。前半はイラン&失敗&構成がなってないっていう意見が昔からあるらしいが退屈な日常に漠然とした不満を持って何か起こらないかなと敬太郎が思ってるのはいいなと思った。「雨の降る日」から急に面白くなり始めます。雨の降る日は漱石の実体験に基づいてるだけあってリアルで怖い。そのあとの「須永の話」須永と千代子の関係やエピソードに激しく燃えました、萌えました、悶えました。千代子可愛すぎる!!「嘘よ」のシーン可愛すぎる!ノックアウトされたあ!非常に密度の高い理

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    2009年10月07日
  • 草枕

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    智に働けば角が立つ、情に 掉させば流される。 意地を通せば 窮屈だ。とかくこの世は住みにくい。‥この続きも素晴らしいのですよ。

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    2009年10月04日
  • 虞美人草

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    兄弟ものが好きな私にとってなんかもう…バイブル?バイブルです!最初の山登りのシーンからベタ惚れです。

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    2009年10月04日
  • 倫敦塔・幻影の盾(新潮文庫)

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    ちょっと幻想文学っぽい感じの「倫敦塔」を見て、漱石はこういう作品も書いていたんだな、と思いました。「趣味の遺伝」はちょっとドグラマグラな気もした。

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    2009年10月04日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    すごく好き。「こんな夢を見た」の書き出しから全てが始まる、夢十夜の現実離れした感じが心地良いです。特に第一夜は、情景を想像しながら読むと美しくて泣きそうになります。

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    2009年10月04日
  • それから

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    長いレポートを書いた因縁のある作品。『それから』の「それから」ってどう思いますか?
    代助―三千代の生活が、なんか作者の力で崩壊してしまったようなそうでないような感じがして、未だにモヤモヤしています。

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    2009年10月04日
  • 道草

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     すごい迫力を持った作品です。そうだよなあと感心することしきりです。
     最後の一文がこの物語の主題を的確に表していると思います。
     「世の中に片付くなんてものは殆(ほと)んどありゃしない。一遍起った事は何時までも続くのさ。ただ色々な形に変るから他(ひと)にも自分にも解らなくなるだけの事さ」

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    2009年10月04日
  • 明暗

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    作者の死により未完になりながらも、その長さは漱石の作品の中で最長です。ほとんどの登場人物が内心では対立しています。思惑を持って行動をしています。そのため表面的には仲良くしていても、そのうちは複雑に絡み合っています。その心理戦も描かれています。作品全体が暗いのですが、時折光がチラチラします。漱石は、どのような結末を望んでいたのか、先を考えるのも楽しいです。

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    2009年10月04日
  • 行人

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    「君は結婚前の女と、結婚後の女と同じ女だと思っているのか」という一郎のセリフが、この作品の恋愛感を端的に示しているような気がします。一妻と弟の二郎の間を疑う一郎は、ついに妻を試そうと決心をする。そして最後に、一郎は孤独な悩みを抱え込むようにんっていきます。新三部作の第二作目です。

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    2009年10月04日
  • 虞美人草

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    夏目漱石の、職業小説家としてのデビュー作。
    朝日新聞に連載された作品です。
    複雑な人間関係が描かれており、その人間関係の背後にはさまざまな思惑があります。
    物語が進むにつれて、その糸が絡み合ってどんどんこじれていきます。
    果たして最後はどうなるのか、単純にストーリーを追うだけでも面白い作品です。

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    2009年10月04日
  • 硝子戸の中

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    夏目漱石のエッセイ。
    夏目漱石ってかたい人だと思っていたけど、実はすごく素敵なひとだったんだと感じた作品☺

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    2009年10月04日
  • 硝子戸の中

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    表紙のあるものが、新潮とこれしか見当たらなかったが、私が読んだものは岩波であったように思う。

    私はこの作家の書くものがなべて好きだ。
    胃弱で、おそらく心痛から意を痛めたと推察される彼は、おそらくあの時代を集約した「近代人」のはしであり、それを文筆と言う形で表に現した数少ない人物の一人だった。
    或いは、江戸を引きずり、或いは日本を否定し、或いは困惑のうちに影響を整理しきれず、西洋と日本を周知した上で、自己分析までをなして見せ、東洋を失わなかった彼の、その視線の鋭さと優しさに時折感嘆する。

    私は彼の著作が好きだ。

    彼の書くものは、ひかりもやみも含めて、とてもやさしい。

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    2009年10月04日
  • 行人

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    非常に印象深い作品。
    絶対と相対と依存と矛盾と葛藤。
    そういうものの存在に、人生で初めて直視させられました。ラストの描かれ方がものすごく、好きです。

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    2009年10月04日