夏目漱石のレビュー一覧
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明暗の感想
漱石最期の作品でありしかも未完である。わが国文学史上、漱石は近代文学の重鎮であり、このような書籍がゼロ円とは感動した。他の作品についても同様の扱いをお願いしたい。
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ネタバレ「愛読書は何?」と聞かれたらコレ。
圭さんも、碌さんも、白井道也も、高柳くんも、みんな個性があっていい。
『二百十日』
こちらは圭さんと碌さんの会話調で進むが、舞台のプロットのように映像化しなくとも読み進めていくだけで、ふたりが世の中に(という圭さんが)世の中をどのように捉えて憤っているかを感じさせてくれる。
戦の前の決意表明的なものでアル。
『野分』
こちらは『二百十日』の意気込みを実践の場で、3人を核として描いているような作品。
自分からしてみれば…もう少し他者に優しくあっていいんじゃないかと思う白井先生・ペシミストすぎる高柳くん・幸福で金があるがゆえに灯台下暗しな中野くん…という印象 -
Posted by ブクログ
2017.8.11
とてもよかった。さすが夏目漱石、読むだけで日本画や歴史、言葉遣いも勉強になる。
登場人物のだれもがリアルで、いろんな視点で語られるので性格が細かく描写されていてとてもおもしろい。家族の関係、兄妹、師弟、恋の駆け引き…それぞれの想いが見えてどうなるんだろうと読み進めれば、宗近君がすべてまっすぐにまとめてゆく。
結婚となると恋愛ほど単純ではなく、両家の関係や今までの義理、相続など、いろいろな思惑が絡んでくるのがよくわかった。男性陣が27,28、女性陣が24くらいで、ちょうど同世代であるから余計に感情移入したのかもしれない。
結婚前のわたしにこれを渡したのは父親の計らいなんだろう -
購入済み
こんな本だったのか!
とにかく有名な小説なんだから素晴らしいのは当たり前ですよね!
ところが自分で最初から読むのは初体験とゆうお粗末なのです。
意外と受験対策とか教養のためにとかで名前だけは知っていても全部通して読んだことのない本って多いんじゃないでしょうか。
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Posted by ブクログ
新潮版の『門』も読んでいるのだけど、再読がてら出版社を変えてみる。
装丁のきれいな文庫本。(画面表示のランプのイラストも可愛いけど!)
読み進める内に、私の中では漱石で一番好きな作品であることに気付いた。
『それから』のストーリーも好きだったけど、宗介とお米の、自分たち二人だけの寂しい仲睦まじさは私には好ましくも映る。
しかし、一緒にいるからこそ世間的には後ろ指をさされる矛盾した苦しさもまた、分からなくはない。
二人だけの世界に、弟が入り、叔父の息子が関わり、家主と懇意になったところで、宗介を破綻に導く安井の名が挙がることの運命。
そうして、同じ悩みの淵には「立てない」と取るのか「立たせ -
Posted by ブクログ
大病や大けがをすると、人生観が変わる、というのはよく聞く話です。
自分は幸いなことにそれ程のことは長らく無かったのですが、一昨年に左足踵の骨折という大けがをして2カ月くらい車いす、半年くらい杖突きで暮し、そのときにそういう気持ちはなんとなくありました。
まあ、コペルニクス的に何かが変わる、ということでも無くて、「健康ってありがたいなあ」とか「一寸の差でもっとひどく、あるいは死んでいたかも知れない訳で、人知や能力というよりも、不条理な運っていうのはあるなあ」とか。その「一寸の差」で実際にもっと酷いことになったり、死んでしまう人もいるわけで。それに比べて自分がどうしてコレで済んでいるのかというと、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小学生の時に、かなり大ざっぱな児童むけリライト版『坊っちゃん』を読んだことはあるが、オリジナルの通読は今回が初めて。読後の感想を一言で述べると「面白い。が、いいのか、これ?」。
あらすじ紹介には「正義感に燃える若い教師の奮闘の日々」と書いてある。『金八先生』みたいな熱血教師ものかと早合点しそうになるが、だまされてはいけない。『坊っちゃん』は語り口こそ軽妙だが、のちに『こころ』という作品で人間の孤独についてげんなりするほど粘着質に書いた、あの夏目漱石の作品である。ハートフルストーリーを求めて読むと肩すかしをくらう。
第一に、主人公の〈おれ〉は理想に燃えて教師になったのではなく、たまたま恩師に