夏目漱石のレビュー一覧
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夏目漱石の本ってどんなんだろうとふと思い立って読んでみた。
多分本の中に書かれている伝えたいことの理解は出来てないんだろうなと思い、もっと色んな本を読んでいつかもっと深いところまで理解出来たらいいなと思った。
せっかちで曲がったことが大嫌いで思い立ったらすぐに考えず動き出してしまう主人公。周りの人に翻弄され不器用なりに自分の意思をしっかりと示すところが人間的で面白かった。
こう真剣に自分や周りと向き合っているからなのか、本の中での時間は1ヶ月程だったと思うが、濃密に記されており、もっと永く感じた。
小さな事件の積み重ねもその人の人生にとっては大切な一ページでそこの描写や背景が滑稽に書かれている -
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・坊っちゃん巡りをするにあたり再再読。
・「四日目の晩に住田と云う所へ行って団子を食った。この住田と云う所は温泉のある町で城下から汽車だと十分ばかり、歩行いて三十分で行かれる、料理屋も温泉宿も、公園もある上に遊郭がある。おれの這入った団子屋は遊郭の入口にあって、大変うまいと云う評判だから、温泉に行った帰りがけに一寸食ってみた。」
・「おれはここへ来てから、毎日住田の温泉へ行く事に極めている。ほかの所は何を見ても東京の足元にも及ばないが温泉だけは立派なものだ。」「温泉は三階の新築で上等は浴衣をかして、流しをつけて八銭で済む。」「運動の為めに、湯の中を泳ぐのは中々愉快だ。おれは人の居ないのを見 -
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「三四郎」「それから」「門」「こころ」「草枕」と背伸びして読んでいた高校時代。「坊ちゃん」は何故か読まなかった。迷える思春期にはあまり魅力的ではなかったのかもしれない。
今さらだけど、「坊ちゃん」を読んでみた。シンプルで真っ直ぐで面白い。正義感をふりかざして、ぶつかっていく坊ちゃん。
でも、私にとって興味深かったのは、坊ちゃんに終始優しかった清との関係。
坊ちゃんの長所も短所も包み込む母のような存在だった。まさに無償の愛。
清は、亡くなる前日、「お墓の中で坊ちゃんが来るのを待ってますから」と告げる。
孤独にうちひしがれてもおかしくない坊ちゃんが、強く生きられたのは絶対的な?愛があったからなのか -
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若者に向けた個人主義のすゝめを主題とした講談録である。この作品では、「やりたいことを見つけ、それに邁進しよう」というメッセージが掲げられている。一見すると陳腐に感じられる内容かもしれないが、この講談録が多くの人々に読まれ続ける所以は次の2点にあるだろう。
1.漱石自身が個人主義に目覚める過程での実体験が語られており、説得力と具体性を持っていること。
2.江戸時代の「イエ」や家柄を重んじる価値観から、自由や独立を重視する明治時代へと移行した時代背景を反映していること。
これらの要素が、漱石のメッセージに時代性と共感性を与え、読者にとって興味深いものとしていると思う。 -
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僕の好きな著者である夏川草介は、
夏は、夏目漱石。
川は、川端康成。
介は、芥川龍之介。
そして草は、草枕(夏目漱石 作)からとっていて、本作に興味を持った。
生きづらい世の中から煩いを切り離して映すことができるのが画や詩である。この非人情を主人公が求める物語。
知が働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。そんな生きずらい世の中は現代も同じだなと感じた。本作のテーマは「自分を主観で見るから辛い。自分を詩中や画中のように非人道(自分の利害を棚に上げる、他人事、都合の良いように)にする事で楽になれる。」だと思った。
しかし、当の主人公が水墨画でなく、絵の具を使った西洋画に拘っ