夏目漱石のレビュー一覧

  • こころ

    Posted by ブクログ

    なんかもうやるせない。やるせないわ〜!というのが最後の最後まで読んでまず出た感想。
    全部先生が書いた、先生から見えた記憶の話だけど(前半は「私」が書いた、「私」から見た世界)、先生はなんか、自分のせいだと思う方がずっと楽ではあったんだろうな。もう関係ないと思えるほど、図太くも潔くもなく。
    いやーやるせないわ…じわじわ泣けるわ…

    0
    2025年08月12日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    高校生の時に読んで、何十年ぶりかで再読。人間に必ずある心の闇、その裏にあるストーリーと心情の描写が凄い

    0
    2025年08月10日
  • 草枕

    Posted by ブクログ

    絶対に手元に置きたいと思いながら買っていなかったので、岩波文庫版を購入。この表紙が良かった。久しぶりに読み返したけれど、つくづく、冒頭のことばの綺麗さとリズムが群を抜いていると感じる。読んでいる途中は迷子になりかけることもあるけど、非人情の読書ならまあいいか。そして後味も明快。
    浮き世を忘れさせる役割を担う詩人、または画家という職につき田舎へ滞在している主人公だが、草木や鳥に惹きつけられたかと思えば、次の瞬間には人の世の様々なしがらみや感情に惹きつけられている。結局浮き世から逃れることはできないが、だからこそ思考が生まれる。

    0
    2025年08月09日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    人間は本来悪人ではないという理念を前提においた先生が金で人間が変わってしまう事を経験しておきながら自ら忌み嫌っていた人間の信頼を先生自身が金と、今度は人間の愛において全く同じ事象で先生自身の利己のために人を欺いてしまうことが印象的だった。
    自身の善のでkを同居させておきながらお嬢様への愛がために欺いて善と利己が葛藤する様を見るのが辛かった。
    そもそもkを同居させるなよ!って思った。純愛関係が複雑になるって絶対思った。

    0
    2025年08月07日
  • 坊っちゃん

    Posted by ブクログ

    何度も挫折してようやくこのタイミングで読み切ることができた

    オーディブルと併用

    どうしても夏目漱石という大作家のイメージが離れず読むことができなかった。漱石について、漱石論から入るからこうなる

    噂に違わず、楽しい小説だった

    0
    2025年08月03日
  • 三四郎(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    青春の中、優秀な学生さんが様々な経験をしていくのが微笑ましかった
    明治時代にタイムスリップしたみたいで楽しかった

    0
    2025年09月29日
  • こゝろ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み終わった。
    恋に対する善悪と、誰からも理解されない孤独な寂しさが人生の結末に導いてしまう。
    何も知らされず、理解できずに先立たれてしまった妻は心の穴が空いた状態になるんだろう。頼りになる相手も全て失ってしまった。
    遺書の後ページを捲ったら注釈で驚いた。
    まさか、これで終了なのか、と。
    遺書を受け取った後、私が何か行動を起こすのではないかと予感していたのだが、遺書で全て終わってしまった。
    この後はどうなるのか読み手の想像に任せられるが、こういった終わりからも良し…!

    恋に苦悩したから死んだのではなく、誰からも理解されない寂しさ、それを口に出せずに押しつぶされてしまった先生とKは、結局似たも

    0
    2025年07月28日
  • 門

    Posted by ブクログ

    言わずと知れた、夏目漱石による代表作の一つ。
    全編を通して、独特な気怠い雰囲気が漂っている。時代の空気を良く反映した一冊といえそう。

    0
    2025年07月28日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    高校生の娘が読まないといけないのに読み進められない、というのでどんなだっけ?と読み始めた。自分も高校の時に読んだはずと思っていたけどそれは最後の章だけだったと初めてわかった。先生と私、両親と私、を経ての最期にこの長い遺書、一人称の変化で訴えてくる構成がすごい。全編を通して何が起こるの?と怖いもの見たさで読み進めさせられる。タイトルそのもの、人間のこころのうち、エゴ、孤独、罪など考えさせられる。

    0
    2025年07月15日
  • こゝろ

    Posted by ブクログ

    人物の内面の描写が物凄く丁寧に書かれている。物語としてはさほど大きな展開がある訳では無いが、人の心の移り変わりや感情の起伏をこんなにも言葉で細かく表現できるのかと感嘆してしまう。

    私は先生との出会いから、なぜそこまで先生に惹かれていったのか…父の死を目前にしても…そのあたりは謎のままだったなと。

    人の醜いこころの移り変わりや後悔の念、苦しい感情が読み手の心にもひしひしと伝わりどっぷりとその世界観に浸されてしまった。

    0
    2025年07月14日
  • こゝろ

    Posted by ブクログ

    夏目漱石、やっぱり文豪だと再認識。若い頃に読んだけれど、分かったような気になって、とにかく夏目漱石を読んだという事実に満足した記憶がある。
    歳を経て読んだ所で、分かったような気がしているのは変わらない。だけど、先生の年齢になって(いや越したのかな)、先生の苦しさに真実味は増したのかもしれない。
    今となっては、先生も語る私も明治の人。月が綺麗ですね、で愛を表現する人たち。だけど、恋する気持ちは変わらない。嫉妬するのも、勝手に妄想して猜疑心でいっぱいになるのも、言えばいいのに言えないことも、令和の今も変わらない。所々で時代を感じるものの、心理描写は古き良き時代、というだけでは終われない。
    100年

    0
    2025年07月13日
  • 虞美人草(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    職業作家として初の作品だつたからなのか、かなり力の入ったものに感じた。表現の脚色が煩雑に思えるほど多い。
    登場人物の正体をあえて分かりにくくしているのも、読者の気を引くためだろうか。
    冒頭の京旅行から布石があって、ラストは大逆転。藤尾が可哀想なくらい。
    でも、会話は「明暗」を思わせる。テンポが良くてリアリティが感じられる。
    読み物としては、十分楽しめた。

    0
    2025年07月13日
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    『夢十夜』のみ読んだ。

    夏目漱石の作品は全然読んでないけど、この十編を読むだけで彼の凄さが分かった。語彙こそ難しいものの、非常に簡潔で分かりやすい文章。そして「夢」の再現として優れている。「高熱のときにみる夢」とかいう安直な喩えが心底嫌いなのだけど(喩えられているそれは多くの場合単に混沌としているだけ、そして俺はそんな夢見たことがない)、そういった紛い物の「夢らしさ」とは違い、微細な異常や潜在的な恐怖が的確に表現されており、それでいて引力が強い。勿論多少の作者の恣意は否定できないけど、かなり再現性の高い「夢」だと思った。

    お気に入りは第一夜と第七夜。死を前者は甘美なものとして、後者は恐怖と

    0
    2025年07月30日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の代表作。
    高校の時に読んだことがあるけど、久しぶりに再読しました。
    何者にも傷つけられたり、傷つけたり、裏切った事がない子供な僕と、
    叔父によって財産を奪われ、友を裏切り、自分を見失った大人の先生
    2人の関係によって、人と人の関わり方の難しさが伝わってきました。

    Kの死によって先生が、お嬢様と結婚してもその背後では、Kが自殺したあの夜が、いつまでも残っていて、それが先生の人生に影を落としているんだと思いました。
    それによって、妻を死ぬ気で愛することも出来ずに、僕とも良い関係を築いていけないのは悲しく思いました。

    読んでいく中で、夏目漱石のこころと太宰治の人間失格を比較をしました。

    0
    2025年07月09日
  • こゝろ

    Posted by ブクログ

    学生の時に読んだと思うがおぼろげな記憶しかなく、再読。すごく堅い小説のイメージだったけど内容はわかりやすい小説で、時代の違いが堅く感じられたのか。遺書で終わったのが衝撃を残したかな。夏目漱石先生の名作を星4つでは申し訳ない気もしたり、自分の教養のなさを感じたり、、。芸術性を培いたい。

    0
    2025年07月05日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    内容をほぼ忘れていたので再読。

    私から見た「先生」はすごく魅力的だと感じたのに、「先生」の独白の後だと、「先生」に対しての感じ方が180度変わる。

    ほんとに「先生」はお嬢さんの過去を穢したくなかつたから罪を告白しなかったのか?
    普通に知られたくなかったんじゃないの?
    学生の時の独白を読むと「先生」にたいしてかなり気弱な印象をうける。
    そんな「先生」の判然としない態度に永く振り回されてきたお嬢さんが可哀想でならない。

    Kがすごく切ない。
    豪胆だからこそ折れるのは簡単だったのかなと。


    人物の心象をくどく語っていないにも関わらず、心の有り様とか移り変わりを態度の描写や言葉使いで表現している

    0
    2025年07月03日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    色んな作家さんがバイブル的に評価される一冊。

    当時の時代錯誤はありつつ、よりヒューマニズムを感じる(ヒューマニズムの意味はあまり分かってません)

    表現などじっくり文章を読みたい時に再読しています。
    単純にもろいおっさんの話しなのですが、文に浸かると表現したくなる不屈の文学作品。

    0
    2025年06月25日
  • 倫敦塔・幻影の盾 他五篇

    Posted by ブクログ

    七篇の短篇を収録していますが、擬古文の作品が二点含まれるなど、漱石が小説の書き方を模索しているかのような感じを受けました。収録作は『倫敦塔(ロンドンとう)』『カーライル博物館』『幻影(まぼろし)の盾』『琴のそら音』『一夜』『薤路行(かいろこう)』『趣味の遺伝』の7篇。

    擬古文で書かれた『幻影の盾』『薤路行』は、美しい文章に酔つつも、それだけに所々が不明瞭な箇所が散見されて、頭が付いて行けなかった。それにアーサー王伝説が絡むと、某アニメの影響で女性剣士のセイバーが脳裏に浮かんでいけない。いつか再読したいと思っております。

    『一夜』は、何が言いたいのかよくわからなかったです。好きな四作品の感想

    0
    2025年06月25日
  • それから(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の前期三部作(三四郎/それから/門)の真ん中の作品。
    主人公の代助はスーパーニート。実家が豊かで、そこから送られるお金で思索にふける事こそが最上の生き方で、金の為にあくせく働く事は自分を無くす事だ、という信念がある。
    すごい主人公設定だが、あとがきなどによると、この設定がどうにも共感を得難く、いまいち人気が出なかったとか。まぁ、こんな人がうんうん悩んでいても、「お前はとりあえず働け」と思ってしまうのも、もっともな話か。

    さて、今作の主人公の代助くんがどんな悩みにぶち当たるかと言うと、不倫だ。
    今よりも倫理観とか厳しそうな時代に、スーパーニートが不倫に悩む。これは人気ないどころかむしろ

    0
    2025年06月23日
  • こゝろ

    Posted by ブクログ

    読むのは何回目かだが、後半になるにつれ盛り上がりやはりおもしろい。
    先生は何度も引き返せる場面があったように感じた。
    Kが最初にお嬢さんへの気持ちを打ち開けた時、Kと散歩しながら気持ちが高まっているのを伝えられた時、奥さんにお嬢さんをくださいと言った後、奥さんからなぜKに話してないのか聞かれた後など自分の気持ちをKに伝えるタイミングは結構あったのではないかな。でも、1回 タイミングがずれると ますます 言いづらくなるもんなんだよね…。
    また今回は先生の妻の気持ちになって考えてしまった。無邪気で屈折したところのない妻がもし先生の身にあったことを知ってしまったらその心を汚してしまうと先生は思って話

    0
    2025年06月02日