道草(新潮文庫)

道草(新潮文庫)

506円 (税込)

2pt

海外留学から帰って大学の教師になった健三は、長い時間をかけて完成する目的で一大著作に取りかかっている。その彼の前に、十五、六年前に縁が切れたはずの養父島田が現われ、金をせびる。養父ばかりか、姉や兄、事業に失敗した妻お住の父までが、健三にまつわりつき、金銭問題で悩ませる。その上、夫婦はお互いを理解できずに暮している毎日。近代知識人の苦悩を描く漱石の自伝的小説。(解説・柄谷行人)

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

道草(新潮文庫) のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    漱石先生の金言がところどころに見られて読んでいてハッとさせられた。
    特に、p183の「何故物質的の富を目標もして今日まで働いてこなかったのだろうと疑う日もあった。〜みんな金が欲しいのだ。そうして金より外には何にも欲しくないのだ」島田のことを「彼奴の事だから人情で淋しいんじゃない。慾で淋しいんだ。」と

    0
    2025年08月23日

    Posted by ブクログ

    『明暗』の前にこの作品があるのだなと思うと感慨深い。

    筆者自身の環境の変化(入院と退院)がこの批評に影響をもたらしてるのは多分にあるが、本作品中盤から、人物描写がさらに透徹していき小説家としてまた違うステージに立っているような気がする。この小説家としての技巧の変化は『明暗』に引き継がれていったのだ

    0
    2025年01月12日

    Posted by ブクログ

    彼らは顔さえ見れば自然何か言いたくなるような仲のいい夫婦でもなかった。又それだけの親しみを現すには、お互いがお互いにとってあまりに陳腐すぎた。

    健三はその先を訊かなかった。夫が碌な着物一枚さえ拵えてやらないのに、細君が自分の宅から持ってきたものを質に入れて、家計の足しにしなければならないと言うのは

    0
    2023年07月22日

    Posted by ブクログ

    人間関係の描写が生々しく実にリアル。面白い。妻とのやりとりはすれ違いはあるものの、漱石さんの優しさを感じられる場面もあり、ホッとする。

    0
    2020年03月18日

    Posted by ブクログ

    なんとまぁ、鬱々とした話だろう。読んでいてどんどん気が滅入ってきます。「行人」なんかも相当暗い話ですが、それでもところどころにユーモアがあり、笑える箇所がありました。「道草」においては、それがないとは言いませんが、非常に少ないです。またそれも暗いユーモアというか、苦笑いしか出ないようなものです。

    0
    2025年03月29日

    Posted by ブクログ

    漱石の自伝と言われる作品。主に以下3つの事を軸にしている。1.かつての養父から無心2.第二子の出産3.親戚との関係と体調。
    全体的に暗く救いがない雰囲気。子供の出産と言うおめでたい事すら少しも喜びにつながらない。漱石は自身がこんなにも人々の心の襞を観察し表現出来るのに、身近な人達との接触では見栄など

    0
    2024年07月21日

    Posted by ブクログ

    夏目漱石の自伝的小説。親族に無心され続ける中での思いがまとまっている。以下、印象的な文。
    ・(兄へ)「みんな自業自得だと云えば、まぁそんなものさね」これが今の彼の折々他人に洩らす述懐になる位彼は怠け者であった。
    ・「みんな金が欲しいのだ。いや、金しか欲しくないのだ」こう考えてみると、自分が今まで何を

    0
    2024年02月17日

    Posted by ブクログ

    誰か俳優さんのオススメで読む。

    漱石の自伝的小説だそうだが、大きな事件が起きる訳ではない。ないのだが、主人公の考えていることなど、まるで自分のことのように感じられた。

    つまり自分勝手でプライドが高い偏屈な人間だということだ。

    0
    2023年11月26日

    Posted by ブクログ

    解説が非常にわかりやすかった。
    内容は、まったくもうな主人公と妻の言葉足らずの間柄に肉親だけにストレートな思いのたけ、でもそれももちろん心の中だけに留めて、と、とても歯がゆい聞いてて嫌になっちゃう人物なのに、ついつい読み進めてしまう。
    面白いんだよなぁ。

    0
    2019年07月22日

    Posted by ブクログ

    自伝要素のある漱石の小説のなかでは、あまり好きではない。
    学者として成功したものの、金をせびりにくる養父や、厚かましい親族、そして仮面夫婦のような細君との距離感。リアリティがありすぎて、逆に重い。

    0
    2018年12月31日

道草(新潮文庫) の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

新潮文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

夏目漱石 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す