夏目漱石のレビュー一覧

  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    妖しげな姫様(?)の絵が好みでジャケ買い。近代文学史に名を残す文豪たちによる怪作集。「桜の森の満開の下」「芋虫」「夢十夜」は以前読んだことがありましたが、今回も変わらずおもしろくて好きな作品です。個人的には「白蟻」のいい意味で「何を読まされているんや…?」という気持ちになり印象的でした。

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    2024年11月05日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    改めて読むと、夏目漱石や江戸川乱歩の文章のなんと読みやすいことか。

    個人的には夢野久作の瓶詰地獄が、短編のなかに、考えさせられる構成の工夫があり、謎解きのようで面白かった。
    わかりやすさや時系列がシンプルな今時には見られない昨日だった。、

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    2024年10月27日
  • それから(新潮文庫)

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    ネタバレ

    終わりに近づくにつれてどんどん苦しくなっていく展開でしんどかったです。代助のしていることは自業自得と思いつつ、一人の女性にこだわって家族や友達と絶縁される様子には少し同情してしまった。最後に三千代がどうなったのかだけ気になる。

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    2024年10月27日
  • 10分でおもしろい夏目漱石

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    ネタバレしない程度に紹介してくれているので原作も読もうと思える、入門書としてちょうどいい塩梅。今まで自分が読んだことがある作品にも久しぶりに触れられて懐かしい気持ちになった。
    『三四郎』と『吾輩は猫である』はまだ読破できていないので読みたい。

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    2024年10月23日
  • それから(新潮文庫)

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    最初はなかなかページが進まず時間をかけて読んでいたが、後半の盛り上がりがとても良く手を止めることなく最後まで代助の姿を見届けることができた。前期三部作の中で一番好き。

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    2024年10月14日
  • 思い出す事など 他七篇

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    某所読書会課題図書:夏目漱石の文章は久し振りに読んだが、豊富な語彙と幅広い読書履歴、自分の病気に対する冷静な判断には感心するばかりだ.有名な人、教養のある人が数多く出てくるが、看護婦さんなどの身近な人にも丁寧な対応をしている姿は素晴らしいと感じた.吐血に対する治療法が克明に描写されているのも、事実をしっかり把握する姿勢の現れだと思った.

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    2024年10月10日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    「愛嬌と云うのはね、自分より強いものを斃す柔かい武器だよ」「それじゃ無愛想は自分より弱いものを、扱き使う鋭利なる武器だろう」
    小野さんは自分と遠ざかるために変わったと同然である。

    わが悪戯が、己れと掛け離れた別人の頭の上に落した迷惑はともかくも、この迷惑が反響して自分の頭ががんと鳴るのが気味が悪い。
    雷の嫌なものが、雷を封じた雲の峯の前へ出ると、少しく逡巡するのと一般である。只の気の毒とは余程趣が違う。けれども小野さんはこれを称して気の毒と云っている。

    真面目と云うのはね、僕に云わせると、つまり実行の二字に帰着するのだ。口だけで真面目になるのは、口だけが真面目になるので、人間が真面目になっ

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    2024年10月22日
  • 吾輩は猫である 上

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    有名な作品。現代人でありながら、それなりに面白く読むことができたのが漱石の凄さだろう。一方で、その奥を探ってしまう。単純に読むだけで、何か足りないのではないかという気になる。

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    2024年09月06日
  • 虞美人草(新潮文庫)

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    ようやく読みきれた『虞美人草』。前半部分は漢文調が続くので慣れるまで時間がかかりました。後半部分になって、登場人物の中でも話の要となってくる人物の正確や様子が分かってきて、徐々に作品に引き込まれていきました。それは男女間のもつれや師弟関係のしがらみがかかわってきているからだと思います。このあたりから人の心にある弱い部分や傲慢が部分が感じられたのもあります。

    また、虞美人草はひなげしのこと。花言葉は「心の平穏」「労り」「慰め」「思いやり」。作品の後半でようやくこのタイトルが登場人物の心の移り変わりを表しているようにさえ思えてきました。

    宗近君が小野君にまじめに生きることを説く部分はすごいと思

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    2024年09月01日
  • 吾輩は猫である

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    猫の『吾輩』からとして描かれている視点が面白く、
    電車の中で何度も吹き出してしまった。
    面白いのだけど、文体の難しさと注釈の多さ、
    字の小ささ笑とでなかなか読み進まない笑

    この時代の人たちは知性がすごい。
    書物や文献•翻訳本などへのアクセスが今に比べて全然乏しかったであろうこの時代、なのに知識量ハンパない。

    後半、この時代の『個』の考え方がわかって面白い。
    最後『吾輩』のラストシーンはじんとくる。

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    2024年08月18日
  • 三四郎(新潮文庫)

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    109冊目『三四郎』(夏目漱石 著、1948年10月 初版、1986年2月 改版、新潮社)
    明治41(1908)年に発表。夏目漱石の前期三部作、その第一部となる青春小説の金字塔。
    110年以上前に書かれた古典であるが、その内容は現代に生きる我々にとっても非常に身に覚えがあるもの。青年期に感じる自由と劣等感、恋愛の煌めきと失意が瑞々しく描かれている。
    美禰子は非常に謎に包まれており、その事が物語の理解を妨げる。本作の真髄に触れるためには何度も読み返す必要がありそうだ。

    〈迷子の英訳を知っていらしって〉

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    2024年08月12日
  • 坊っちゃん

    購入済み

    現代のラノベの文体だって

    言わずとしれた夏目漱石の初期の代表作である。大家漱石の作品ということで、様々な観点からのうがった解釈も可能とは思うが、単純にユーモア小説として読むのが気楽で良いような気がする。この作品の真の値打ちはその切れの良い短いセンテンスの文体にあると思う。この文体が日本近代文学に与えた影響は非常に大きいと思う。現代のラノベの文体だって、坊っちゃんの子孫かもしれない。

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    2024年08月07日
  • 草枕(新潮文庫)

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    編集者の松岡正剛氏は、「日本のための5冊」と題したある講演で次のようなことを言った。

    「我々日本人は『草枕』を継承していない」

    本作を通して描かれているのは「幽玄の美」である。つまり、現実なのか夢なのか判然としない曖昧性の高い世界観である。古来、日本人はそうした幽玄の世界に日本特有の美を見出してきたのではないだろうか。だとすると、この世界観を現代で実装するにはどのような手段があり得るか。3DCGやメタバースといった仮想空間は1つの可能性としてあり得るだろう。そんな考えが本書を読んでいる際に頭をよぎった。

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    2024年07月31日
  • 明暗(新潮文庫)

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    ネタバレ

    漱石の死去により未完となった大作。

    勤め先の社長夫人の仲立ちで半年ほど前にお延と結婚し、平凡な毎日を送る津田由雄には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。
    ある日突然津田を捨て、津田の友人・関に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、痔の手術後の湯治という名目のもと、密かに彼女の元へと向かった…。

    これまでの漱石の作品には似ていません。大上段に構えるでもなく、飾り過ぎない筆致で描かれる市井の人々の日常ですが、これが滅法おもしろい。
    一応、主人公は津田ではあるものの、彼も数ある登場人物たちの一人にすぎないという点で、かなり相対的に描かれています。

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    2024年07月28日
  • 夢十夜 他二篇

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    ネタバレ

    夢は抑えられている感情が表れるものとよくいうけれど、漱石自身の社会に対する見方とか生命に対する考えを、夢という形で読者に訴えた作品のように感じた。

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    2024年07月21日
  • 道草(新潮文庫)

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    漱石の自伝と言われる作品。主に以下3つの事を軸にしている。1.かつての養父から無心2.第二子の出産3.親戚との関係と体調。
    全体的に暗く救いがない雰囲気。子供の出産と言うおめでたい事すら少しも喜びにつながらない。漱石は自身がこんなにも人々の心の襞を観察し表現出来るのに、身近な人達との接触では見栄などが邪魔をしてうまく付き合えないもどかしさを感じる。断ればよいお金の無心を断れないこと、妻への配慮にかける言動など、読んでいていらいらが募る。この作品の発表時期にもよるが身近な人達も含めてこうまで赤裸々に書いてしまうとは。
    ストーリーがないので中盤中だるみしたが、言葉の表現が面白く、また漱石が生きた時

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    2024年07月21日
  • 吾輩は猫である

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    ★★★★☆いつも途中で断念していましたが、今回は理解できないなりに読み終わりました。未来の人間の死についての話が印象的でした。人間はどこまで長生きすることになるのか。その死に方も変わってくるのか。未来の「死」を考えた事もなかったので、衝撃的な死のあり方だと思いました。

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    2024年07月14日
  • 明暗(新潮文庫)

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    新婚の男には、忘れられない女がいた――。
    大正5年、漱石の死を以て連載終了。
    人間のエゴイズムの真髄に迫った、未完にして近代文学の最高峰。

    勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻お延と結婚し、平凡な毎日を送る津田には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然津田を捨て、自分の友人に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、秘かに彼女の元へと向かった……。
    濃密な人間ドラマの中にエゴイズムのゆくすえを描いて、日本近代小説の最高峰となった漱石未完の絶筆。用語、時代背景などについての詳細な注解、解説を付す。

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    2024年07月11日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

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    自分の読み方のせいかもしれませんが、自分と他人と社会と、夏目漱石の切り取り方は本当に面白いと思いました。結局こういう話!というあらすじがあるようで無いようで。結局は人生そんなもの。進んでるのか、止まっているのかわからないような、そんな時間の魔法

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    2024年07月08日
  • 道草

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    かなり後味の悪い終わり方でした。私が女性であるからかもしれませんが、主人公の態度や発言に少しイライラして、その後の細君の正論に共感してしまいました。子どもが出る場面がこの本では唯一の癒やしかもしれません。

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    2024年07月04日