夏目漱石のレビュー一覧

  • 夢十夜

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    こんな夢を見た。夏目漱石が夢からインスピレーションを受けて書いた10編の短編を近藤ようこが漫画に仕立てた。
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    「ルームメイツ」を連載時から読んでいる近藤ようこさんが夢十夜を描いたのか。と、大喜びで手に取りました。実は夢十夜は高校の頃以来なのですが、うっすらとしか内容を覚えていないし、夢現のどこにも足がつかないような不確かさが怖かったので再読しようとは思わなかったのですが。それでも、そうそう、こんな内容だった、と思いながら、そして近藤さんの絵がなおのこと夢現の浮遊感を醸し出していて腹の底が落ちつかない感じで楽しめました。漱石の文章と近藤ようこさんの現

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    2025年11月16日
  • 坊っちゃん

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    学生の時にやっつけ仕事的に読んだっきり。久しぶりに再読。
    坊っちゃんのチャキチャキ、威勢の良くて自分の中で筋が通ってて無鉄砲でいて義理堅いところが改めて魅力的に感じた。今の時代なかなか居ないタイプだものね。
    田舎の閉鎖的な様子が描かれているけど、昔はそんなに都会と田舎とでは違ったのかしらん。
    でも、小狡い人間がやっつけられる様は気分スッキリ。
    事実をぽーんと書いただけのあっさりしたラストも何か好き。

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    2025年11月10日
  • 吾輩は猫である

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    読んだのは青空文庫だ。意外に長編だが、筋がある訳でもないのでどこで終わっても良いし、どこまでも続けられる。
    当時はどう受け取られたのか知らないが、ユーモア小説であって文学という固さはない。これを崇め奉って文学研究が重ねられているのが不思議。そもそも何故残っているのかも分からない。もっと売れていたものもあったやに聞くが、歴史の篩というのも気まぐれだと思う。いや、面白いんですけどね。
    明治の苦悩と現代の苦悩は真っ直ぐに繋がっていて、解決されないままむしろ複雑化して今に至るので、古典に直接答えを求めても無駄ですね。どの時代もその当時には今こそが時代の転換点だと感じるものなのだろう。

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    2025年11月08日
  • 彼岸過迄

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    ネタバレ

    大学を卒業した田川敬太郎は同じ下宿に住む森本と親しくしていたが、ある日森本は家賃を踏み倒し満州へ。
    大学の友人・須永の叔父・田口に仕事との紹介を頼みにいくが、そこで田口にある男の尾行を依頼される。尾行相手は田口の義弟・松本で一緒に歩く女性は田口の娘・千代子であった。松本を訪ねる田川。幼くして死んだ松本の娘。
    須永と千代子の恋。

    短編をつなげて長編にした作品。田口の尾行がちょっと探偵小説っぽくって面白い。「雨の降る日」は漱石の娘の死を託した話で切ない。

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    2025年11月06日
  • それから

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    ずいぶんかかった。
    いつから読まなきゃと思っていたんだったか。

    谷崎潤一郎の『蓼食う虫』を彷彿とさせる主人公の足踏み状態。進まない。ちっとも先に進まない。四の五の言ってばかりなり。なんなん!ブルジョワの余裕というには金に余裕はないし、それなのにあの余裕は。いやだから余裕ではない。

    だから結末に向かっての雪崩れ込み方は,オヨヨである。
    さぁ、職を探そう!と外に飛び出すってあーたびっくりよ。

    思わず、そのあとが知りたくて『門』に突入しちゃったじゃないの。

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    2025年11月03日
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)

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    「文鳥」は、文鳥への優しさと、世話を怠った自分への苛立ちが交錯する描写は、漱石先生の人間味を感じられる。小さな命を手のひらで受け止める姿が印象的。

    「夢十夜」第一夜が幻想的。

    随筆「思い出す事」が特に印象深かった。修善寺での瀕死の体験を静かに振り返る漱石の姿に、命の重みと文学の深さを感じた。「三十分ばかりは死んで入らしったのです」(p209)という妻の言葉が胸に残る。

    詩の趣について語るくだりも美しく、漱石が自らの精神史を詩を通して見つめていたことが伝わってくる。短編集の中でも、この一篇が心に残る読書となった。

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    2025年11月01日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    夢十夜なんかものすごいのだけど、これって漱石以外が書いたらやはり評価されるのだろうか。
    でも、ものすごい

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    2025年10月31日
  • 私の個人主義

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    漱石は陰鬱で面白みのない人というイメージだったが,講演を読むとそれなりに諧謔のセンスがあるし,ウケをねらうサービス精神もあったんだなと。
    「私の個人主義」は学習院の学生向け講演だが,今でも通用する話かと。
    漱石を読むといつも明治以降この国の課題は一貫しているように思われる。

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    2025年10月31日
  • こゝろ

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    前半半分は正直のめり込めなかったけど、後半は面白かった。100年前の日本人の言葉遣いや暮らし、恋愛に触れられるのが楽しかった。

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    2025年10月19日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    NHK『100分で名著』で、ある作家さんが「漱石作品のなかで好きな作品3つ」のなかに挙げていたので、読んでみました。
    おもしろかったです!

    まったく知らない世界の話で、ぐいぐい引き込まれました。 

    人の品格とは職業(医者か坑夫か…)ではなく、「教育から生ずる、上品な感情」と主人公が感じるシーン、大好きです。

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    2025年10月18日
  • こころ

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    解説書いてる菊田均先生、初めの知識系はタメになったけど、後半は自分で問題提起したものにハッキリした答を出さず話があっちこっちADHDの思考回路みたいに飛び飛びで、そのくせ問題提起だけは山積みになっていって、謎だけ残された感あって後味めっちゃ悪かったし分かりづら

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    2025年10月09日
  • 三四郎

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    ネタバレ

    三四郎を中心に展開される当時の東京大学学生生活の描写が良い。
    三四郎と美禰子の関係が最初に読んだときは、良く分からないしあまり面白さも感じなかったけど、何回も読んでいるうちに面白くなってきた。漱石の作品はそういうのが多い。

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    2025年09月30日
  • 草枕(新潮文庫)

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    言葉が難しい。笑
    内容説明読んで、かなりそそられたので読んでみた。大筋の大筋だけは理解したと思うが、微細なニュアンスなどが取りきれてないと思う。
    なんせ、言葉が難しすぎる。笑
    でも、内容はとても魅力的なものだったと思う。

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    2025年09月30日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    イラストレーターのしきみさんの、乙女の本棚作品集です。どこか怪しい美しさのある、しきみさんのイラスト。作品の冒頭に、どういう意図でこのイラストを描いたのか、解説が入っていて、一度読んだことのある作品でも、新たに楽しむ事が出来ました。

    新規収録作品は、芥川龍之介の悪魔。短い作品ですが、インパクトがありました。最後の悪魔の表情が、文章を底上げしている気がします。
    素敵な作品集でした。


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    2025年09月26日
  • 行人(新潮文庫)

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    夏目漱石後期三部作のひとつ。個人主義に目覚めた兄・一郎が、伝統的家族観との狭間で苦悩する。語り手の弟・二郎が章を経るにつれて、個人主義に傾いてゆく様子が秀逸。

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    2025年09月23日
  • 草枕(新潮文庫)

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    “山路を登りながら、こう考えた。
    智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角人の世は住みにくい。”

    『草枕』の冒頭、受験勉強で暗記したので、今でも覚えています。しかし、

    その先をこれまで読もうとしませんでした。情けないこと、この上なしです。

    とにかく、今回読めて良かったです。芸術的感性が文章全体にあふれ出ていました。多彩な漢語が散りばめられていて、湯水のごとく出てくるようでした。東洋の神秘を感じました。

    1人の青年画家が、絵を描くために温泉場にやってきて、那美さんという女性に出会います。2人はいい関係になるのかなと期待していたのですが・・・

    色々な人との世間話

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    2025年09月23日
  • 道草(新潮文庫)

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    ネタバレ

    健三は学問によりいち早く「近代」を吸収したが、個人主義の目をもって故郷を眺めたとき、それは「家族」という名の伝統的価値観によって彼を縛るしがらみでしかなかった。また教員という職業から高給取りとみられていた彼は、かつての養家島田を筆頭に親族一同から常に金銭的援助を求められていた。しかし健三の家にも資産がないばかりか家計は火の車なのである。家族や慣習とったしがらみに悩まされ、また金策に苦労する中で健三は妻御住との夫婦関係も悪化させてゆく。二人の関係が冷えるほど、御住は当てつけの如く産まれたばかりの子どもの世話に傾倒する。しかしそんな妻を健三は冷ややかに見てしまう。「家族」というコミュニティが解体さ

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    2025年09月08日
  • 道草

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    ネタバレ

    健三は学問によりいち早く「近代」を吸収したが、個人主義の目をもって故郷を眺めたとき、それは「家族」という名の伝統的価値観によって彼を縛るしがらみでしかなかった。また教員という職業から高給取りとみられていた彼は、かつての養家島田を筆頭に親族一同から常に金銭的援助を求められていた。しかし健三の家にも資産がないばかりか家計は火の車なのである。家族や慣習とったしがらみに悩まされ、また金策に苦労する中で健三は妻御住との夫婦関係も悪化させてゆく。二人の関係が冷えるほど、御住は当てつけの如く産まれたばかりの子どもの世話に傾倒する。しかしそんな妻を健三は冷ややかに見てしまう。「家族」というコミュニティが解体さ

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    2025年09月08日
  • 坊っちゃん

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    ネタバレ

    恥ずかしながら大人になるまで読んだことがなかった。
    道後温泉に行った際に読んでみようと思い購入。
    坊ちゃんの竹を割ったような裏表のない性格にスカッとしますね。
    坊ちゃんにとっては松山は苦い思い出であったみたいですが。

    それにしても、清に松山は忌み地なんて言われてたんですね。

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    2025年09月05日
  • 坊っちゃん

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    道後温泉に行ったら、坊ちゃんが通った温泉宿や、坊ちゃん団子や坊ちゃん列車や、坊ちゃんがすごく推されてたので、今更ながら坊ちゃんゆかりの地だった事を知り、学生時代に読んで以来何十年ぶりに読んでみた。
    勧善懲悪の痛快小説だったってことも忘れてた。
    時代が日露戦争、ポーツマス条約あたりってことも改めて知った。
    女中の清の愛と優しさが坊ちゃんを支えている。
    一本気で無鉄砲で狡さを嫌う坊ちゃんが、彼が感じる悪い人達(実際はどこにでもいると思う)と戦う中で、清を心の支えにする様子が、ストーリーの緩急をつけている。

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    2025年09月03日