夏目漱石のレビュー一覧

  • 三四郎

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    主人公・小川三四郎が上京し、美禰子をはじめとしたさまざまな出来事に翻弄される話。
    三四郎は美禰子に想いを寄せていたが、結局恋がかなうことはなかった。
    大きな事件が起きるわけではないが、三四郎が出会う人はそれぞれに個性があって彼らに振り回される、切なくて愉快なお話でした。

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    2026年03月19日
  • こころ

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    ネタバレ


    こころ
    著者| 夏目漱石
    出版| 新潮社
    発売日| 1952年 3月4日

    「あの冷やかしのうちには、君が恋を求めながら得られないという深いの声がまじっていましょう」

    ーーーー

    夏目漱石は、自己否定感とエゴイズムの権化を作り出した。

    自殺するを殉死とする。
    殉死が自責の念からの解放手段として使えてしまった。

    解説にあった、漱石の自己の葛藤に対しての自己制裁がえげつないと思った。

    先生の死は殉死として書かれる。

    主君主体ではない、近代日本の人に向けての批判に〈殉死〉が使われるのは、もう効力を示さない時代遅れな手法だと漱石はわかっていた。それでも、漱石は明治天皇の死に続いた乃木大将

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    2026年03月18日
  • 硝子戸の中(新潮文庫)

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    20冊目『硝子戸の中』(夏目漱石 著、1952年7月 初版、2011年8月 改版、新潮社)
    死の前年にあたる1915年1月〜2月に朝日新聞で連載していた、漱石最後の随筆。タイトルは漱石の書斎がガラス窓に囲まれていたことに由来するが、異なる位相から世情と自らの過去を俯瞰するかのようなその内容を言い表してもいる。
    床に伏せることが多くなっていた漱石は、やはり自分の命が長くないと意識していたのだろう。「死」をトピックにしたものが多く、彼の心情が慮られる。

    〈私は「そんなら死なずに生きていらっしゃい」と云った〉

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    2026年03月18日
  • こころ

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    ネタバレ

    『人間が嫌い』というよりは、雁字搦めになった自分自身を先生は嫌いになってしまったように思いました。
    恋愛に友情に家族に仕事に…明治から令和へと時代は確かに変わりましたが、人の悩みの根源は変わらないですね。
    学生時代には気付けなかった、人間の業を勝手に覗いた気分です。

    先生の遺書は本当に文章が綺麗ですが、手紙で書かれているため都合良く語られているようにも見て取れました。
    もし「私」が「先生」の所へいち早く駆けつけ、口頭でこのお話を聞けていれば、先生はどのように語られたのだろうと考えずにはいられません。

    一概に先生が悪い、Kが悪いとは思えませんが…最初から最後までエゴに付き合わされたお

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    2026年03月17日
  • 草枕

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    大学時代に受講した哲学の授業で本作が紹介されたことがきっかけで学生時代に一度読んだものをだいぶ時間が経ってから再読。

    当時は全く意識しなかったが、改めて読み返してみると、難しい言葉遣いを多用していることに驚かされる。一方で、こうした言葉遣いを多用しているからこそ、リズム感のある文章で、すらすらと読み進めることができる。

    いろいろな人物が登場するが、基本的には主人公と那美のやり取りであり、その過程での両者の心の中を読むという構成であるので、文体は古いが比較的読みやすいだろう。

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    2026年03月17日
  • 思い出す事など 他七篇

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    病から 看病してくれた人々への感謝、長閑な生活や幸福感を見出した闘病回想記。漱石のイメージがかなり変わる


    岩波文庫 夏目漱石 思い出す事など


    修善寺の大患を通して、漱石は 「自然や社会を敵とせず、自分に関係する人々に感謝し、善良な人間であろうとする考え」に至っている。則天去私というより、人間の普遍原理という感じ









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    2026年03月16日
  • こころ

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    漱石の作品の中でもこの作品が1番好き。高校時代に1年かけて授業で読んで思い入れがあるためもあるかもしれないけれど。

    漱石はどんなきっかけでこの作品を着想したのだろう。

    この時代は不思議ではないことだったのかもしれないが、先祖の財産に頼って生きる「書生」という立場に興味が湧いた。自分で稼いだわけではないのに、その多い少ないで不満を言うのはどうかと思うが。

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    2026年03月14日
  • 吾輩は猫である

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    何度か脱落した本書ですが、ようやく読み終えることができました。話はそれなりに面白いのですが、次から次へとダラダラと続く感じが少しつらいところです。寝る前に少しずつ少しずつ読み進めていきました。登場人物たちのキャラがつかめてきて、ようやくスイッチが入った感じです。

    「草枕」ほどではないですが、かなりの教養が問われる作品です。巻末の注釈とにらめっこしながら、何とか読み進めました。当時の読者はこれを注釈なしで読んでいたんでしょうか。感心します。

    最後の方は後期の作品、例えば「こころ」にもつながるような話があります。Kや先生が自殺した、その理由はこの「吾輩は猫である」に書かれてあることがその一つな

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    2026年03月07日
  • 漫画 こころ

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    夏目漱石の名作『こころ』を漫画で読んでみませんか??

    ✾漫画こころ
    ✾夏目漱石・漫画:有栖サリ
    ✾文響社

    夏目漱石の『こころ』は一度は読んでおきたい日本文学の教養。

    それが有栖サリさんの圧倒的な画力での漫画になっています。

    “葛藤”

    “罪悪感”

    “エゴイズム”

    “贖罪”

    文章とはまた違う『こころ』に触れてみませんか??

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    2026年03月08日
  • 三四郎(新潮文庫)

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    「君、不二山を翻訳してみたことがありますか」と意外な質問を放たれた。
    「翻訳とは……」
    「自然を翻訳すると、みんな人間に化けてしまうからおもしろい。崇高だとか、偉大だとか、雄壮だとか」
    主人公「小川三四郎」名刺には里見美禰子とあった。友人、佐々木与次郎、野々村先生、妹よし子、先輩、広田先生、原口さん画工、里見恭助。法学士だ。美禰子さんのにいさんだ。原口さんの絵の知り合い、三井さん

    「彽徊家(ていかいか)」は、物思いにふけりながら、あちらこちらと行きつ戻りつする人(彽徊する人)を指す言葉です。

    三四郎には三つの世界ができた。一つは遠くにある。与次郎のいわゆる明治十五年以前の香がする。すべ

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    2026年03月18日
  • 行人(漱石コレクション)

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    兄さんの思想、そういう視点もあるのかーって不思議。賢い人の頭の中って楽しい。
    生きにくそうな人を見ると生きにくそうだなぁってそれだけの感想で終わってしまうけど、その人への理解をそこで諦めてることになるのかな。親しさ。仲がいいだけでなく分担して前に進むこと。

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    2026年02月28日
  • 草枕

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    「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」

    上記の有名な冒頭で始まる本書は、夏目漱石自身の体験をもとに、二週間ほどで執筆されたものだという。

    物語はあってないようなもので、著者の「非人情」的芸術論が主な内容になっている。
    この「非人情」の意味が明確に示されることはなく、主人公は非人情、非人情と言いながらも、当人にもその意味ははっきりとわかっていない様子。

    著者もその主人公の矛盾を意識しているようで、自虐的に描かれている。
    『吾輩は猫である』『坊ちゃん』『野分・二百十日』に続いて本作を読んだが、改めて夏目漱石は愛嬌のある人だと思った。

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    2026年03月01日
  • 坊っちゃん

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    とても読みやすい。親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている、とお馴染みの文言から始まる。
    彼の根底にあったのはきっと清の存在だと思う。清がいつも褒めていてくれたから、彼は横道に逸れずに愚直すぎるくらいに生きられたのかなと。
    そして中で描かれる人間模様は今にも通ずることばかり。親切そうな人がそうではなく失敬な人が意外に理解者であったりする。上に媚びへつらうもの、自分の地位にふんぞりかえる人。うらなすこと古賀くんが何を思っていたのか知りたい、マドンナも。どれも第三者からの描写しか得られない。

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    2026年02月25日
  • 文鳥・夢十夜・永日小品

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    夢十夜目当てで購入したが、やはり夢十夜が一番好きだった。特に第一夜。ロマンチックで切ない。その次に第五夜が気に入っている。あの短い文章で読み手を惹き付けられるのが凄い。どの夜も不思議な余韻が残り、短いからこそ印象深く忘れられない。
    短編ばかりなので色々な角度から夏目漱石の文章を楽しめる。日記のようなものが多いなと思ったら随筆集だった。注釈がかなり多いので、思ったより読むのに時間がかかった。
    永日小品では行列と変化が好き。自転車日記では自転車に苦戦する様子が面白く、姿を想像してクスッと笑った。自転車日記を読んで、やはり夏目漱石はユーモア溢れる人間だなと感じた。

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    2026年02月26日
  • こころ

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    心の中が何も届かない閉ざされた部屋のようであったなら、互いに感じ取れるのは襖の隙間からの溢れ日だけで、大きな声を出しても出されても、きっとその、分厚いこころの壁に邪魔をされるだけなのだと思う。

    そういうこころの部屋は、きっと誰しもが持っているのでしょう。それでも何処かへひとつ、逃げ出せる入り口があれば何か変えることはできたのでしょうか。

    #2026 #9

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    2026年02月26日
  • 坊っちゃん

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     この世の中、正直者が馬鹿を見て、方便ばかり上手なずるいやつがのさばってやがる!!…と、読んでいると、私の心のうちに住む不器用快男児が共鳴して叫びだす。
     四国に行くまでの部分が長かったように感じたが、十一章のうちの一章だけだったので錯覚だった。四国での話が波乱(?)に富んで面白いから短く感じたためもあるかもしれないが、あのはじめの一章に坊っちゃんとキヨの結びつきの強さが込められているから、東京編を色濃く感じたのかもしれない。キヨがいてくれて、本当に良かったね。

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    2026年02月23日
  • 吾輩は猫である

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     有名作だがちゃんと読んだのは初めて(読んだというか、オーディオで聴いた)。抱いていたイメージは、「滑稽もので、他の名作に比べると、そんなに熱心に読む価値は…どうだろ?」といったものだったが、音声コンテンツで別のことをしながら流し聞くにはとても良かった。ポッドキャスト「吾輩通信」アーカイブ全エピソード一気聴取、みたいな感じだった。文字の本では冗長すぎて読みきれなかったかもしれない。  
     スタイルはたしかに滑稽風味だが、達観した猫や胃弱でぶーたれたくしゃみ先生の語る内容は、私は共感できることが多く、当時連載を楽しみにしていた読者の気持ちは、今なら様々なSNSのお気に入りアカウントの更新を楽しみ

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    2026年02月20日
  • 草枕

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    草枕
    著:夏目 漱石
    解説:重松 泰雄
    出版社:岩波書店
    岩波文庫 緑10-4

    智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

    で始まる有名な小説というか、その冒頭の一言以外は、あまり内容を知らない

    山本七平氏曰く、日本教のテキストにて、日本教を知りたいならば、草枕を読めと、勧めているので、手にとりました

    まず題名がいい、草枕、旅のまくらことばであり、そのおももちは、万葉の昔を彷彿とさせる
    いくらなんでも、すぐに、これは紀行文だということがわかる

    だが、近代小説としては、三十一文字ではなく、十七文字を主にしている
    それに、漢詩あり、Poem

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    2026年02月12日
  • こころ

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    ネタバレ


    友情か恋心か。現代でもよく題材とされるが、自分の心の弱さが故に引き起こされた友の死、恋を果たしても黒い影が常に付きまとう。私がその歳の先生だとしたら違う決断が出来ただろうか考えさせられる物語ただった。

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    2026年02月09日
  • それから

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    ネタバレ

    感想を一言で表すと罪悪感に尽きる。
    平岡に打ち明け、そして兄に責められるシーンで背中にずっしり罪悪感が覆いかぶさり、そのまま終わったためやってはいけないことをしてしまった気持ちを引きずっている。『それから』を考えてしまう終わり方。最初はそうでもないのだが、中盤くらいから代助が三千代に対して明らかに浮かれているのでなお辛い。代助から見る三千代の描写や三千代への言葉に、美しくロマンチックなものが多く、印象に残る表現がいくつかあった。
    前作の『三四郎』と比べるとこちらの方が起伏が分かりやすく面白かった。

    最後赤色が強調されることについて他の方の感想を拝見して、私はどう捉えたか考えたのだが、代助が三

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    2026年02月12日