夏目漱石のレビュー一覧

  • こころ

    Posted by ブクログ

    高校生の時、下巻だけ教科書に載っていて、なんか気になるから上巻と中間も青空文庫で読んだ記憶。恋愛はいつの時代も普遍的なテーマだなぁ。

    0
    2026年07月13日
  • こころ

    Posted by ブクログ

    中学の朝読書の時間に読んで以来の再読。

    ​改めて読むと、先生は誰にも弱みを見せられず、本音を語れない人だと感じる。
    そしてその不器用さのしわ寄せは、いつも周囲の人間へと向かっていく。

    青年が緊迫した状況の真っただ中にいるにもかかわらず、自分の苦しみを優先して重い秘密を託してしまう先生の行動は、身勝手に感じてしまった。

    先生には切実な思いがあったのはわかる。
    それでも、あの状況に置かれた青年の気持ちを思うと、私ならそんなことはとてもできない。
    思えば、かつて周囲の気持ちを置き去りにして、自分の思いを通そうとした先生の姿と、その本質は変わっていないように思う。

    そう感じたのは、最近の自分の出来事も影響しているのかもしれない。あの状況であのような手紙を託されることは、私にはあまりにも酷なことに思えた。

    書かれていない部分を読者に委ねるからこそ、読む年齢や経験によって、まったく違う『こころ』が見えてくる作品だと思う。

    今の私には、先生の苦悩よりも、先生の生き方によって翻弄される人たちの姿のほうが心に残った。
    Audibleにて。

    0
    2026年07月10日
  • 明暗(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    持っていた版が古くなったので再購入。BOOKOFFオンラインにて。前の版は上下巻だったが、今回買ったのは1冊になっている。

    漱石の絶筆なので、未完で急に終わる。嫌でも漱石の死を感じずにはいられない終わり方だ。

    都市生活者の津田とその新婚の妻お延の生活の話だ。ドラマティックな事件が起こるでもない。生活の中のいざこざ。後半になって津田の女性関係が出てきたところで未完で終わる。

    私は知らないが誰か後世の他の作家が続きを書いているのかもしれない。

    未完だったから読後感はあまり良くない。

    0
    2026年07月06日
  • 虞美人草

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    文章難しい〜、けど、面白い。
    甲野から藤尾への評が「嫁に出たら気の弱い女なら5人は殺す」ですごく笑ってしまった。
    でもたまにいるよね、こういう女の人。私が行ってる歯医者の受付の人多分そうやと思う。笑

    そして、藤尾、憤死、ドラマチックすぎる。

    0
    2026年06月29日
  • 門(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    宗助は過去の罪があるがゆえに御米と自分だけの世界で生きていくことを徹底している。

    宗助は日々役所勤めをしつつ、何か楽しみがあるわけでもない。ただ、御米との閉じた世界で生きていくためには、働かなければならないだけで、それ以外の生きる意味や目標のようなものは何もない。
    そんな宗助の生き方の割には、作中では割と外からの働きかけが描かれている気がする。小六が二人の生活に割り込んでくるところも、外的な働きかけであるし、家主の阪井との交流もそう言えそう。
    特に阪井を経由して、安井との邂逅の可能性が立ち上がってくるあたり、宗助と御米の二人だけの世界は二人の中では強固でありつつも、様々な快適要因に揺さぶられる可能性があるものでもある気がする。
    しかしながら、出来事として起こる御米の病気も、安井再会危惧からの突如始まる禅寺での日々も特に何か二人の生活に壊滅的な打撃を与えるわけでもないあたり、実際世の中そういうものよねとも感じる。
    最後の宗助の「又じきに冬になるよ」というセリフもどこか薄暗いものを感じさせるけれど、冬が終わればまた春が来るし…と考えると、何か雲行きが怪しい出来事が起こってもまた季節が巡ってなんとでもなっていく暗示なのか…?
    宗助は安井との再会の可能性が生じたところで、「時間が解決するは通用しない」と悟ったはずだからそれはないのか…?

    御米と宗助の二人の関係の描写が婉曲的でよい。

    0
    2026年06月27日
  • 門(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    門の前にたたずみ、それをくぐり抜ける事も避けて通ることもできない閉塞的な気持ちにとても共感した。
    明けない夜はないという言葉がよく聞かれるが、朝がきてもまた必ず夜はやってくるだろう、その繰り返しから逃れることは今後もできないのだろうという暗い予感を胸に抱いて生きるしかない。そんな主人公に自分を重ね合わせた。
    しかし、ただ暗い気持ちになったのではなく、苦い過去を持っているからこそこの小説の面白さが分かったのだと思い、少し自分を肯定してあげられそうな気持ちにもなった。

    0
    2026年06月26日
  • こゝろ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ずっとちゃんと読んでみたいなと思っていたのが、ようやく果たせた。
    昔授業でやった部分は、本当に終盤のクライマックスに近いところだったのね。

    要約してしまえば、事件そのものはとても単純なのだけれど、そこに至るまでとその後の人間の心の動きがものすごく丁寧に描かれている。
    だからこそ、読者はギュッと心を掴まれ、ドキドキしながら読み進めずにはいられない。

    何も知らない第三者の目線を通して、事件後の暗い影に覆われた先生の人生が少しずつ垣間見えていき、最後に遺書によってその真実が明らかになるという構成も素晴らしい。

    あぁ、とにかく、悲しい。
    先生は本来真面目で思いやりのある人だったし、その部分は事件後も失われてはいないと思う。
    どんな人間も、私欲や傲慢さを多少なりとももっていたりする。
    それは人間らしさでもあるけれど、そのエゴのせいで人の命が失われることもあるんだ…。

    友人と同じ人を好きになってしまうのは悪いことじゃない。
    先生は、正直に自分もお嬢さんが好きだと伝えて、正々堂々と戦えばよかった。(でも、それができなかった気持ちもすごくわかる)
    なんなら、最初に自分はお嬢さんが好きだから手を出すなとか、そもそもリスクを避けるなら友人を下宿に連れてこなければよかった。
    奥さんが気を遣って止めてくれてたのにね。
    (そして娘さん下さいの前に本人に告白しろよ。時代柄?)
    でも、それは終わったあとで言っても仕方ないこと。
    1番の原因は、引っ込みがつかなくなったプライドだ。
    悪意があったわけじゃないからこそ辛い。

    妻に本当のことを話してしまえば、自分は少し楽になる。
    でも、彼女にも多少の「私のせいで」という罪悪感を背負わせないために、墓場に持っていくと決めたのは愛だと思う。
    こんな事件がなければ、幸せな夫婦になれたのに。
    1番大切な人に本当のことを言えないなんて、なんという苦しい人生だろう。
    罪を背負って生きるとは地獄だ。

    だけど、「私」がいてくれたことで、先生も最後に少しだけ救われた気がする。
    自分の過去を知らずに、こんな暮らしをしている自分のことを純粋に慕ってくれる人間がいるって、本当はすごく嬉しかったと思う。
    死の前に、全てを吐き出せる相手が現れてくれてよかった。

    実際に死ぬところは書かれてないから、間一髪間に合ったと勝手に想像することもできる。
    そんな終わり方にしてくれた夏目漱石、優しい。

    0
    2026年06月25日
  • 門(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今は嫌でもあらすじを先に知ってしまうので
    連載当時に新聞で読みたかったなと思う。

    夫婦のどことなく陰のある生活が、細やかな季節の描写とともに描かれる。
    季節が巡る描写に関しては、後の吉村昭を思わせるぐらい、執拗に描いているように思えた。
    中盤にようやく出てくる宗助と御米の関係の深まりが、季節の描写に繋がっていくところは見事としか言いようがない。

    安井に身バレしないか不安すぎて参禅までするのに、大家に小六を預けるなど、なんて爪の甘い男かと思ったが、こういう辻褄の合わなさが人間心理のリアリティなのかなとも思った。

    夏目漱石を連続して5冊くらい読んでいるが、坊ちゃん以外の主人公はなんとも煮え切らないと思った。最後、爪なんて切ってるんじゃないよと思った。

    0
    2026年06月22日
  • 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外

    Posted by ブクログ

    森鴎外 青年
    かわいいな!男の子やな!
    頑張れよっ
    大人になって読むからこの感想なんやろうか
    今読んでよかった

    0
    2026年06月19日
  • こゝろ

    Posted by ブクログ

    記録。
    一瞬の刹那の苦しみとその後の後悔の苦しみどっちが苦しいのかと言う問いは現代でも通用する問題だ。

    0
    2026年06月17日
  • 明暗

    Posted by ブクログ

     未完だと知ってはいたけど、ここで終わるんだ!と、黄色いレンガの道が途切れてしまってポツンと取り残されるドロシー(そんなシーンあったかどうか覚えてないが)みたいに呆然としてしまった。それはとりもなおさず、ここまでの道のりがとても面白かったからで、主に津田とおのぶという主人公夫婦がひたすらごねごねと心中を吐露するかたちで、二人と彼らを取り巻く人物たちの一日一日の様子が語られていくだけなのだが、こういうの好きである。
     細かくいろんなところで思うところはあったが、妹の見舞いの顛末のところで、「このひとめんどくさい!」とそこまででいちばん心が跳ね、そしたらその直後に夫婦関係にも微妙な変化が訪れたのがまたおもしろかった。
     まあしかし、男は女よりも、年長者は年少者よりも、金持ちは貧乏よりも、上であるという前提を、疑いようもなく自明と思って振る舞っている人とそうでもない人とがいて、津田はとりあえず前者なのだろう。でも上にいたい人は下にいてくれる人がいないと上になれないわけで、どっちがどうだかわからない。
     それから、夫婦こそが理想の愛の形ということではまったくないが、世帯というチームになることで生まれる何かはあるっちゃあるのだなとわかる。それが美しいもの、善いものとはかぎらないが。

    0
    2026年06月12日
  • 私の個人主義

    Posted by ブクログ

    夏目漱石ってこういう語り口の人なんだ。
    前半の1/2くらい講演を引き受けることになったけど延期が続いた経緯をぐだぐだ言い訳してる感じが面白い。
    個人主義は自分でツルハシを持って文学を掘り進めた話、外国のカタカナ語をありがたがっていないで自分で考えることの勧め、他方で他人の自由も尊重しなければいけないことなど、いずれも今にも通じる話である。自分が右を向いていても、左を向いている人に強要しない。
    権力を持つものはその義務を果たさなければならないし、金力を持つものはその責任を意識なければならないという。
    個人主義は国家主義と対立するものではなく、自然と相対的になるものだが、国家主義の道徳など一段低いものである、というあたりがすごい。

    0
    2026年06月12日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

    Posted by ブクログ

    ドラマ「月夜航路」に、この話が出てきたので、読んでみた。10の不思議な夢の話だった。 
    綺麗な挿絵も相まって、怖い美しい話が多かった。
    夏目漱石さん、美しい文書を書く方だったのですね。
    やっぱり第一夜の夢の話が一番好きだな

    0
    2026年06月06日
  • 夢十夜

    Posted by ブクログ

    漫画です。岩波から!それだけで新鮮。
    何度も読んだ夢十夜だが、ほかの人はこんな風にイメージしているのか、と新しい感覚で読めました。
    文字だけの方が想像が広がっていい気もするけど、第三夜は他人のイメージを借りた方が怖いと思った。

    0
    2026年06月05日
  • それから(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    吾輩は猫であるの次に読んだので、ストーリーがある分読み進めるのが早かった。
    遊民の代助の内面が丁寧に描かれており、代助は分析力があり聡明な設定だが、辛い過去に忘却という蓋をしていたり、三千代を思う気持ちが止められなくなったり、最後は頭の中が赤で埋め尽くされるなど、彼の言う自然には逆らえないものだと思った。

    私は漱石の、場面をガラリと変える描写が好きで、特に三千代への思いを初めて具体的に示した、馬鈴薯と金剛石の描写と、激しい雨の中、部屋中を百合の花の香りで満たして三千代に告白するシーンが好きだ。後者のシーンは、本当に百合の香りがしてくるようだった。

    夢十夜とそれからを読んで、百合の花やその香りが好きになった。

    0
    2026年06月02日
  • こゝろ

    Posted by ブクログ

    高校の教科書に「先生と遺書」だけ載っていて、ずっと読みたいと思っていた。

    天皇が崩御したから大将も後を追うなんて今の時代じゃ考えられないけど、時代が違えば考え方も変わっていくものだし、Kと先生の理由も共感は出来なくてもそういう時代だったのかーと思った。
    同じ時代同じ国に生きてても、理解できない気持ちなんて沢山あるんだし、そういうこともあるんだなぁって。

    0
    2026年06月01日
  • 明暗(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    漱石は人間を解明する文学だと誰かが言っていたけど、まさに心の機微がわかる細やかな心情と会話の駆け引きが面白かった!

    なぜタイトルが明暗なのか、主人公にまつわる過去と現在の人間関係の謎は残されたまま未完になってしまったのが惜しい、、文学史上いちばん読書会にもってこいの本なんじゃないか?と思うくらい象徴的で抽象的かつ安定して面白い。未完だからこそ正解もなく皆の意見がきけそうだなと…とかいって感想を話す人もいないけど^_^

    漱石好きな人はトルストイも好きそう、2人のリアリティある登場人物のいきいきした世界観が私にはハマってる

    0
    2026年05月30日
  • 吾輩は猫である

    Posted by ブクログ

    ライフワークかと思うくらい、読むのに長い時間がかかった。
    苦沙弥先生の家に集う知識人の会話が滑稽で洒落ていた。
    落雲館とヴァイオリンの話がツボだった。
    終盤の、近代人の個性の肥大化についてはとても読み甲斐があった。

    もう一度読み返したいけど、長すぎて勇気がいる。

    0
    2026年05月27日
  • 吾輩は猫である

    Posted by ブクログ

    前に読んだのは確か高校生の頃で、その時はアンドレア・デルサルトとトチメンボーくらいしか記憶に残らなかった。改めて読んでみると、人間に対する強烈な風刺と皮肉が描かれている。「吾輩」の眼を通して、人間はどうしようもなく救い難い存在であることが、生々しく描かれている。

    一方で、これが人間の生きる術でもある。以前読んだ時は、迷亭はただの嫌な奴くらいにしか感じなかったが、改めて読んでみるとこの世の儚さ、その中で目一杯生きることは何なのかを教えられる。

    長編であるが、リズミカルで読みやすい。

    0
    2026年05月24日
  • こゝろ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    やりきれない、ひたすらやりきれない。

    最初は、妻のことを気遣い、Kへの罪悪感を消化するのであれば、毎月の墓参りを続けつつ、Kの分まで長生きして妻を幸福にするのが筋では?と読みながら感じていた。
    しかしどうも先生の語り口をみるに、Kを自殺させるに至った罪の自覚よりも、そうしてしまった自分の未熟さや浅はかさを恨んでいたり、Kの呪縛から解放されたいように思える。それならば最期に自分でケリをつけるという結論に至っても不思議ではないなと。

    オカルトな解釈をしてみると、Kの幽霊が先生に取り憑いたのでは、という解釈もできる。特に、295ページの「私の胸には〜」から始まる、先生の行動を強制したり、縛りつけるような"影"の描写にそれを感じた。と思うと切ない怪談としても読める。唯一、妻ごと連れて行かなかったのが幸いかな。

    0
    2026年05月24日