夏目漱石のレビュー一覧

  • 夢十夜 他二篇

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    ネタバレ

    夢は抑えられている感情が表れるものとよくいうけれど、漱石自身の社会に対する見方とか生命に対する考えを、夢という形で読者に訴えた作品のように感じた。

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    2024年07月21日
  • 道草(新潮文庫)

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    漱石の自伝と言われる作品。主に以下3つの事を軸にしている。1.かつての養父から無心2.第二子の出産3.親戚との関係と体調。
    全体的に暗く救いがない雰囲気。子供の出産と言うおめでたい事すら少しも喜びにつながらない。漱石は自身がこんなにも人々の心の襞を観察し表現出来るのに、身近な人達との接触では見栄などが邪魔をしてうまく付き合えないもどかしさを感じる。断ればよいお金の無心を断れないこと、妻への配慮にかける言動など、読んでいていらいらが募る。この作品の発表時期にもよるが身近な人達も含めてこうまで赤裸々に書いてしまうとは。
    ストーリーがないので中盤中だるみしたが、言葉の表現が面白く、また漱石が生きた時

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    2024年07月21日
  • 吾輩は猫である

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    ★★★★☆いつも途中で断念していましたが、今回は理解できないなりに読み終わりました。未来の人間の死についての話が印象的でした。人間はどこまで長生きすることになるのか。その死に方も変わってくるのか。未来の「死」を考えた事もなかったので、衝撃的な死のあり方だと思いました。

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    2024年07月14日
  • 明暗(新潮文庫)

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    新婚の男には、忘れられない女がいた――。
    大正5年、漱石の死を以て連載終了。
    人間のエゴイズムの真髄に迫った、未完にして近代文学の最高峰。

    勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻お延と結婚し、平凡な毎日を送る津田には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然津田を捨て、自分の友人に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、秘かに彼女の元へと向かった……。
    濃密な人間ドラマの中にエゴイズムのゆくすえを描いて、日本近代小説の最高峰となった漱石未完の絶筆。用語、時代背景などについての詳細な注解、解説を付す。

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    2024年07月11日
  • 彼岸過迄(新潮文庫)

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    自分の読み方のせいかもしれませんが、自分と他人と社会と、夏目漱石の切り取り方は本当に面白いと思いました。結局こういう話!というあらすじがあるようで無いようで。結局は人生そんなもの。進んでるのか、止まっているのかわからないような、そんな時間の魔法

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    2024年07月08日
  • 道草

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    かなり後味の悪い終わり方でした。私が女性であるからかもしれませんが、主人公の態度や発言に少しイライラして、その後の細君の正論に共感してしまいました。子どもが出る場面がこの本では唯一の癒やしかもしれません。

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    2024年07月04日
  • 悪魔 乙女の本棚作品集

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    「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」
    美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。

    美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。

    大切にしたいけど、悲しませたい。
    清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。

    この欲望はどこから来るのだろう。
    占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。
    どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。

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    2024年06月24日
  • こころ

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    ネタバレ

    9年ぶりの再読でした。初めて読んだ時はよくわからないまま終わってしまいましたが、今回は内容をちゃんと理解できたと思います。お父さんがどうなったのか不明のまま終わりましたが、先生の遺言書のことを考えると分からないままで良かったのかもしれませんね。

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    2024年06月23日
  • 三四郎

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    広田先生や与次郎の描き方

    10年以上前に発表された小説なのだが、青春恋愛ものという普遍的なテーマを扱っているせいか古さを感じさせない。三四郎や美禰子の造形も相当に良いが、広田先生や与次郎の描き方がとても面白い。初期の作品の「吾輩は猫である」や「坊っちゃん」で大いに発揮されたユーモアがまだまだ残っているところが嬉しい。この作品でヘリオトロープを覚えた。

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    2024年06月08日
  • こころ

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    ネタバレ

    漱石の後期三部作の第三作。

    書生の「私」は、鎌倉の海水浴場で出会った「先生」の不思議な人柄に強く惹かれ、先生のもとに通うようになる。
    そして、「先生」が、恋人を得るため親友Kを裏切り、彼を自殺に追い込んだ過去は、先生の遺書によって「私」に明かされてゆく。

    下宿先の一人の女性「お嬢さん」に恋をした、親友どうしの「先生」とK。
    Kがその胸の内を先生に打ち明けたにもかかわらず、先生はそれを握りつぶし、お嬢さんに結婚を申し入れる。
    親友に裏切られ、恋に敗れたKは失意のうちに自殺する。
    以後、先生は、自分がKを死に追いやったと罪悪感に苛まれ続ける。
    「私」の目に世捨て人のように見えた先生は、お嬢さん

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    2024年06月07日
  • 草枕

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    文化論社会論

    冒頭部分の名セリフから始まって語り口の良い名文句が並んでゆく。当時としては進んでいたであろう直裁的な語り口が現在読んでも心地よい。もっとも現在では全く使われなくなった漢語が多いので突っかかるところは多いが。ストーリーはそれほど凝ったものではなく、漱石自身の文化論社会論として読むべき作品かと思う。

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    2024年06月07日
  • 三四郎

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    恋の駆け引きはやはり自分の性に合わないとしか言いようがない。ぶつかって玉砕しても、仕方ないからといってはずれた形に収まりたくはない。

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    2024年05月28日
  • 門

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    ネタバレ

    最初の方でごく普通のように見えながら少し不穏な家庭の様子が書かれていましたが、後になってその秘密がわかりました。秘密が分かってからは日常のような場面でもかなり怖く感じます。
    最初からずっとあったわだかまりは結局消えないまま残っていたのもまた恐ろしかったです。

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    2024年05月27日
  • 乙女の本棚8 夢十夜

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    絵が綺麗で気になっていたシリーズ。
    昔の話というのもあるので、絵があると情景が想像できてよいですね。
    お話は第一夜がお気に入りです。とても美しいお話だなと感じました。
    不思議で難解ですが、そこがまた解釈が分かれて想像力がかきたてられます。
    第九夜も、悲しいお話だけれど好きです。
    わからないもの、というのは自分の想像によって自由に変えることができる。
    というのが面白いなと思います。

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    2024年05月11日
  • それから(新潮文庫)

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    最後の方の展開に釘付けになり、本から手が離れなくなるような不思議な感覚。数年経ってからもう一度読みたいと思う。感情の描き方が、理屈チックでありながらも秀逸。さすが漱石、表現が巧くて脱帽。

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    2024年05月08日
  • それから(新潮文庫)

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    ネタバレ

    親の脛をかじり悠々自適に暮らして来た代助。金に困らぬ故か、冷静かつ平常心でいる事を常としていた。
    が、平岡夫妻が上京し、三千代が不幸と知る。三千代へ気遣っているうちに、次第に慕情が募ってくる経過が見事だ。あの代助が、三千代の為なら今までの自分を全て捨てて一緒にいたいと。
    最後は、果たして代助と三千代は一緒になれるのか不安な終わり方で、読者に委ねる形か。後半から夢中で読んだ。

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    2024年05月03日
  • 小説 こころ

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    言わずと知れた日本文学の最高傑作。文響社の文芸シリーズはマンガとセットになっており、マンガから引用された挿絵が所々にある。小説を読む前にマンガを読んでおくと、そのシーンで登場人物がどんな動きをしていたか、どんな風景だったかが想像しやすいと思う。

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    2024年04月30日
  • 私の個人主義

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    色々と自分のみの処し方や今後について悩んでいたので、励みになった。徹底的に自己本位でやってみて腹の底から納得することが肝要だ。

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    2024年08月17日
  • 坑夫(新潮文庫)

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    最初に読んだときは、…???
    さっぱり意味がわかりませんでしたが、解説を読んでから読み直すとすらすらと読めるようになりました。

    特別な事件が起こる訳ではありません。
    いま流行りの伏線回収もありません。
    何かの意味や、コスパを求めて読む人には向いていないかもしれません。

    それでも本書を読み終えると何か〈文学〉を読んだという感じで満たされます。

    主人公が〈地獄の三丁目〉で見たものとは?そこで下す決断とは?
    華厳の滝で「立派」に死ぬことなのか、それとも現実社会で生きてゆくことなのか…。

    漱石先生の隠れた名作だと思います。

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    2024年04月21日
  • 文鳥・夢十夜(新潮文庫)

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    夏目漱石の小品集ですね。
    7篇の作品集です。
    朝日新聞社の依頼で執筆されたそうです。
     
      文鳥
      夢十夜
      永日小品
      思い出す事など
      ケーベル先生
      変な音
      手紙

    小品と書きましたけど、私は随筆と思って読んでいました。
    解説の三好行雄さんは『日本の近代文学には〈小品〉と呼び慣わされた独自のジャンルがある。小説ともつかず、感想ともつかず、いわば短編小説と随筆との中間にひろがる曖昧な領域なのだ。』と位置付けされています。
    漱石もモーパッサンの短編小説『二十五日間』を〈小品〉と呼んでいるそうです。
    また、この小品集を三好行雄さんは、「漱石の〈私小説〉と呼んでよいかもしれない」

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    2024年04月14日