夏目漱石のレビュー一覧
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漱石の自伝と言われる作品。主に以下3つの事を軸にしている。1.かつての養父から無心2.第二子の出産3.親戚との関係と体調。
全体的に暗く救いがない雰囲気。子供の出産と言うおめでたい事すら少しも喜びにつながらない。漱石は自身がこんなにも人々の心の襞を観察し表現出来るのに、身近な人達との接触では見栄などが邪魔をしてうまく付き合えないもどかしさを感じる。断ればよいお金の無心を断れないこと、妻への配慮にかける言動など、読んでいていらいらが募る。この作品の発表時期にもよるが身近な人達も含めてこうまで赤裸々に書いてしまうとは。
ストーリーがないので中盤中だるみしたが、言葉の表現が面白く、また漱石が生きた時 -
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新婚の男には、忘れられない女がいた――。
大正5年、漱石の死を以て連載終了。
人間のエゴイズムの真髄に迫った、未完にして近代文学の最高峰。
勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻お延と結婚し、平凡な毎日を送る津田には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然津田を捨て、自分の友人に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、秘かに彼女の元へと向かった……。
濃密な人間ドラマの中にエゴイズムのゆくすえを描いて、日本近代小説の最高峰となった漱石未完の絶筆。用語、時代背景などについての詳細な注解、解説を付す。
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「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」
美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。
美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。
大切にしたいけど、悲しませたい。
清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。
この欲望はどこから来るのだろう。
占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。
どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。
多 -
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広田先生や与次郎の描き方
10年以上前に発表された小説なのだが、青春恋愛ものという普遍的なテーマを扱っているせいか古さを感じさせない。三四郎や美禰子の造形も相当に良いが、広田先生や与次郎の描き方がとても面白い。初期の作品の「吾輩は猫である」や「坊っちゃん」で大いに発揮されたユーモアがまだまだ残っているところが嬉しい。この作品でヘリオトロープを覚えた。
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ネタバレ漱石の後期三部作の第三作。
書生の「私」は、鎌倉の海水浴場で出会った「先生」の不思議な人柄に強く惹かれ、先生のもとに通うようになる。
そして、「先生」が、恋人を得るため親友Kを裏切り、彼を自殺に追い込んだ過去は、先生の遺書によって「私」に明かされてゆく。
下宿先の一人の女性「お嬢さん」に恋をした、親友どうしの「先生」とK。
Kがその胸の内を先生に打ち明けたにもかかわらず、先生はそれを握りつぶし、お嬢さんに結婚を申し入れる。
親友に裏切られ、恋に敗れたKは失意のうちに自殺する。
以後、先生は、自分がKを死に追いやったと罪悪感に苛まれ続ける。
「私」の目に世捨て人のように見えた先生は、お嬢さん -
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文化論社会論
冒頭部分の名セリフから始まって語り口の良い名文句が並んでゆく。当時としては進んでいたであろう直裁的な語り口が現在読んでも心地よい。もっとも現在では全く使われなくなった漢語が多いので突っかかるところは多いが。ストーリーはそれほど凝ったものではなく、漱石自身の文化論社会論として読むべき作品かと思う。
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夏目漱石の小品集ですね。
7篇の作品集です。
朝日新聞社の依頼で執筆されたそうです。
文鳥
夢十夜
永日小品
思い出す事など
ケーベル先生
変な音
手紙
小品と書きましたけど、私は随筆と思って読んでいました。
解説の三好行雄さんは『日本の近代文学には〈小品〉と呼び慣わされた独自のジャンルがある。小説ともつかず、感想ともつかず、いわば短編小説と随筆との中間にひろがる曖昧な領域なのだ。』と位置付けされています。
漱石もモーパッサンの短編小説『二十五日間』を〈小品〉と呼んでいるそうです。
また、この小品集を三好行雄さんは、「漱石の〈私小説〉と呼んでよいかもしれない」